サイレントヒル (映画)
サイレントヒル | |
---|---|
Silent Hill | |
監督 | クリストフ・ガンズ |
脚本 | ロジャー・エイヴァリー |
製作 |
サミュエル・ハディダ ドン・カーモディ |
出演者 |
ラダ・ミッチェル ショーン・ビーン ローリー・ホールデン デボラ・カーラ・アンガー |
音楽 | ジェフ・ダナ |
撮影 | ダン・ローストセン |
編集 | セバスチャン・プランジェレ |
配給 |
アメリカ:ソニー・ピクチャーズ 日本:松竹 |
公開 |
2006年4月21日 2006年7月8日 |
上映時間 | 126分 |
製作国 |
日本 カナダ フランス アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 | $50,000,000 |
次作 | サイレントヒル2(2010年 予定) |
『サイレントヒル』(Silent Hill)は、2006年のホラー映画。コナミから発売されたゲーム『サイレントヒル』を原作に製作された。北米総収入は約4700万ドル(海外は約5000万ドル)。PG-12指定。
あらすじ
ローズとクリストファーは、娘・シャロンの奇妙な言動に悩んでいた。しばしば情緒不安定に陥り、何かに取り憑かれたかのように「サイレントヒル…」と謎のうめき声を発する娘に心を痛めるローズは、サイレントヒルという街が実在することを知り、治療のためにシャロンを連れてそこを訪ねることにする。しかし、サイレントヒルは30年前の大火によって多数の人々が死亡した忌まわしい場所であり、今では誰も近付かない廃墟と化した街であった。
登場人物
- ローズ・ダシルヴァ (Rose Da Silva)
- 本作の主人公。ごく普通の女性。サイレントヒルで見失った娘を探し回る間に、次々と想像を絶する恐怖に見舞われる。
- クリストファー・ダシルヴァ (Christopher Da Silva)
- ローズの夫。サイレントヒルへ行き、そのまま行方不明になったローズとシャロンを懸命に捜索する。
- シャロン・ダシルヴァ (Sharon Da Silva)
- ローズとクリストファーの1人娘。8歳。夢遊病だが、目を覚ますとその間のことは一切覚えていない。
- シビル・ベネット (Cybil Bennett)
- サイレントヒルに隣接するブラマ市の女性警察官。ローズとシャロンの乗る車に疑問を抱き追跡するが、サイレントヒルの入り口で事故を起こし気絶、目覚めた後にローズを追って街へ迷い込む。
- ダリア・ギレスピー (Dahlia Gillespie)
- アレッサの母親であり、クリスタベラの妹でもある。サイレントヒルの住民からは「魔女」と呼ばれ、虐げられている。
- アレッサ・ギレスピー/ダークアレッサ (Alessa Gillespie / Dark Alessa)
- ダリアの娘。父親は不明。サイレントヒルの小学校では生徒から「魔女の娘」と呼ばれ、虐待を受けていた。
- クリスタベラ (Christabella)
- サイレントヒルに古くから存在する宗教団体を取り仕切る女性。ダリアの姉。
- アンナ (Anna)
- サイレントヒルの教会に母親と通いつめている少女。
- トマス・グッチ刑事 (Thomas Gucci)
- ブラマ市に勤務する刑事で、シビルの上司。クリストファーと共にローズを探す。
登場クリーチャー紹介
本作に登場するクリーチャーは、クリーパーを除き、全て特殊メイクを施した役者が演じている。文章内の『』は原作であるゲームにおけるシリーズナンバー。
- アームレス
- 両腕が無く、身体をくねらせて行動する。『2』に登場するライイング・フィギアの同種。全身をゴムのような皮膚が覆っており、中央の黒い裂け目から毒液を噴射して攻撃する。
- クリーパー
- 『1』『2』に登場するゴキブリに似たクリーチャー。人間のような顔を持ち、おぞましい悲鳴を上げる。
- レッド・ピラミッド
- 「赤い三角頭」とも呼ばれるクリーチャー。『2』に登場。頭を三角の兜で覆っている。大鉈を振り回して攻撃する。原作に比べ力強く描写されている。原作シリーズの「THE ARCADE」の三角頭のように大量のクリーパーを引き連れている。兜や服装などに原作と相違が見られる。また設定も異なり、原作では罪の象徴だったが今作ではアレッサの受けた暴力の象徴である。
- ダーク・ナース
- 女性看護師(ナース)の格好をした人型クリーチャー。『2』に登場するバブルヘッド・ナースをモデルにした映画オリジナルの怪物。多数存在し、ナイフを持って襲い掛かってくる。光に反応するという特徴は、ゲームでの特性を元にしている。
- グレイチャイルド
- 海外版の『1』に登場する(日本版では登場しなかった)クリーチャー。小柄で全身が灰色。頭と顔が不自然に歪んで後ろに曲がっている。
- ジャニター(The Janitor)
- 映画オリジナルの人型クリーチャー。(ただしゲーム版『1』では動きこそしないが、似たような演出はあった)目に有刺鉄線を巻きつけられ、ボロボロの黒衣をまとった男の姿をしている。この怪物が触れた所はたちどころに腐食する上、そこを始点に裏世界化する。アレッサが小学校のトイレの清掃員、コリンに虐待されたときの恐怖心を具現化した存在。
原作との相違点・特記事項など
- 原作の主人公は男性だが、本作では女性となっている。
- 主人公はクリーチャーを倒さず、逃げるか掻い潜るだけである。
- 原作にて頻出する小道具であるラジオ(怪物が接近するとノイズを発し危険を知らせる)が登場しない。代わりに携帯電話やトランシーバーからノイズが起こる描写があるが、あくまで演出の一つであり、敵を察知するために活用する場面は無い。
- 原作で霧に包まれたサイレントヒルに降るのは雪であるが、映画版では灰である。
- 霧に包まれた街が、サイレンの音と共に血と錆にまみれたおぞましい世界(通称裏世界)に変わっていくという場面は原作にもあるが、演出や表現技法の点において映画独自の部分も多い。ただし、映画公開後に発売されたゲームソフト『SILENT HILL: HOMECOMING』は映画版とほぼ同じ演出となっている。
- 原作に比べるとスプラッター・ゴア(流血)描写が目立つ。
- 大火災の起こった時期が異なる。原作では物語の開始時の7年前だが、映画版では30年前。
- 裏世界ではない方のサイレントヒルが坑道火災によりゴーストタウン化しているという設定は映画版独自のもの(原作では寂れてはいるものの、人は住んでいる)。
- 監督であるクリストフ・ガンズは原作ゲームの大ファンであり、製作が決定した際にオリジナルのPVをコナミに送ってアピールしている。
スタッフ
- 監督:クリストフ・ガンズ
- 原作:『サイレントヒル』(コナミ)
- ストーリー原案:クリストフ・ガンズ、ニコラ・ブークリエフ
- 脚本:ロジャー・エイヴァリー
- 製作:ドン・カーモディ、サミュエル・ハディダ
- 製作総指揮:山岡晃、アンドリュー・メイソン
- 撮影:ダン・ローストセン
- 編集:デヴィッド・ウー
- 音楽:ジェフ・ダナ
- プロダクション・デザイン:キャロル・スピアー
- 美術:エリノア・ローズ・ガルブレイス
- 衣装:ウェンディ・パートリッジ
- クリーチャー・デザイン、監修、制作:パトリック・タトプロス
- 特殊メイク監修:ポール・ジョーンズ
- 特殊メイク:パトリック・タトプロス、パトリック・バクスター、ニール・モリル
- 視覚効果製作:ホリー・ラドクリフ
- 日本版イメージソング:土屋アンナ「Lovin' you」
キャスト
役名 | 俳優名 | 吹き替え※ |
---|---|---|
ローズ | ラダ・ミッチェル | 渡辺美佐 |
ダリア・ギレスピー | デボラ・カーラ・アンガー | 定岡小百合 |
クリストファー | ショーン・ビーン | 山野井仁 |
アンナ | タニヤ・アレン | 幸田夏穂 |
アダム | クリス・ブリットン | |
グッチ刑事 | キム・コーツ | 仲野裕 |
シャロン/アレッサ | ジョデル・フェルランド | 中川翔子 |
シビル・ベネット | ローリー・ホールデン | 沢海陽子 |
レッド・ナース | エミリー・ラインハン | |
クリスタベラ | アリス・クリーグ | 沢田敏子 |
※DVD版
関連項目
- セントラリアの坑内火災 - 炭鉱火災でゴーストタウンと化した街のモデルになった災害