サイレントヒル (映画)

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サイレントヒル
Silent Hill
監督 クリストフ・ガンズ
脚本 ロジャー・エイヴァリー
製作 サミュエル・ハディダ
ドン・カーモディ
製作総指揮 山岡晃
出演者 ラダ・ミッチェル
ショーン・ビーン
ローリー・ホールデン
デボラ・カーラ・アンガー
音楽 ジェフ・ダナ
撮影 ダン・ローストセン
編集 セバスチャン・プランジェレ
配給 アメリカ合衆国の旗 ソニー・ピクチャーズ/トライスター・ピクチャーズ/コロンビア映画
日本の旗 松竹
公開 アメリカ合衆国の旗 2006年4月21日
日本の旗 2006年7月8日
上映時間 126分
製作国 カナダの旗 カナダ
フランスの旗 フランス
言語 英語
製作費 $50,000,000[1]
興行収入 $97,607,453[1]
次作 サイレントヒル: リベレーション3D
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サイレントヒル』(原題: Silent Hill)は、2006年のカナダとフランスの合作ホラー映画コナミから発売されたゲームサイレントヒル』を原作に製作された。北米総収入は約4700万ドル(海外は約5000万ドル)。PG12指定。

日本では、2006年7月8日に劇場公開された。また、同年11月22日ポニーキャニオンよりDVDが発売されている。アルティメット・ボックスとプレミアム・エディションも同時発売された。メイキングやゲームと映画の比較など映像特典が収録されている。2012年10月(日本では2013年7月)に続編である『サイレントヒル: リベレーション3D』が公開された。

あらすじ[編集]

ローズとクリストファーは、娘・シャロンの奇妙な言動に悩んでいた。ローズは、しばしば情緒不安定に陥り、何かに取り憑かれたかのように「サイレントヒル…」と謎のうめき声を発する娘に心を痛め、サイレントヒルという街が実在することを知り、治療のためにシャロンを連れてそこを訪ねることにする。しかし、サイレントヒルは30年前の大火によって多数の人々が死亡した忌まわしい場所であり、今では誰も近付かない廃墟と化した街であった。途中、女児誘拐犯と勘違いされて女性警官に追われるものの、二人とも帰り道が突如切れ無くなった街に取り残され、シャロンも後部座席から消えており、捜索、他の住人への聞き取りなど進めていくが不思議な現象に巻き込まれてゆく。

登場人物[編集]

ローズ・ダ・シルバ(Rose Da Silva)
本作の主人公。ごく普通の女性だが、娘シャロンの治療のため、ペンシルバニア州のサイレントヒルを訪れた。街の入り口で衝突事故を起こして気絶し、気がついた時にはいなくなっていた娘をサイレントヒルで探し回る間に、次々と想像を絶する恐怖に見舞われていく。原作の『1』の主人公ハリー・メイソンの女性版。最後は娘シャロンを救うため、アレッサと悪魔(アレッサの悪の部分)と協力し、その結果シャロンをクリスタベラらの宗教団体から救うことに成功。だが、愛する娘シャロンに悪魔が入り込んだことによって、もうひとつの世界から抜け出せなくなってしまう。アレッサの一部であるシャロンを選んだ人だったので、アレッサの復讐のためにもう一つの世界に引き込まれた。
クリストファー・ダ・シルバ(Christopher Da Silva)
ローズの夫。サイレントヒルに行って、そのまま行方不明になったローズとシャロンを懸命に捜索する。彼や後述のグッチ刑事にはサイレントヒルがただのゴーストタウンに見える為、霧に包まれた方のサイレントヒルに居るローズやシャロンに会う事が出来ない。その後はサイレントヒルの過去を知るために奔走する。
シャロン・ダ・シルバ(Sharon Da Silva)
ローズとクリストファーの1人娘。8歳。夢遊病で、発症した際にはいつもサイレントヒルという言葉を発するが、目を覚ますとその間のことは一切覚えていない。実は養女で、かつてサイレントヒルで魔女狩りにあったアレッサの善の部分が分離・転生した存在。そのためアレッサと姿形が同じ。
シビル・ベネット巡査(Cybil Bennett)
サイレントヒルの隣町ブラマ市の警察官。かつて狂った男によって誘拐されたあげく廃鉱に落とされた子供を救うため、危険を顧みず自らも廃鉱に降り救助が来るまでの三日間子供を励まし続けたという強い正義感と精神力の持ち主で、上司のグッチからその能力を高く評価されている。ローズとシャロンに疑問を抱き、二人の車を追跡するが、サイレントヒルの入り口でバイク事故を起こし気絶し、それからローズと共にもう一つの世界のサイレントヒルに迷い込んでしまう。その後、ローズと協力して行動する様になるが物語の後半、アレッサと瓜二つのシャロンの写真入りのロケットを持ったローズに協力していたため、クリスタベラに捕縛され火にあぶられて殺される。
ダリア・ギレスピー(Dahlia Gillespie)
アレッサの母親であり、クリスタベラの妹でもある。アレッサの父親が不明のためサイレントヒルの住民から「魔女」と呼ばれ、虐げられていた。精神的に弱く、姉であるクリスタベラに唆されてアレッサを引き渡してしまった。その後正気を取り戻して警察に助けを求めるが、警官隊が儀式の現場に踏み込んだ時には既にアレッサは火炙りにされた後であった。愛する娘を失った事から精神を壊してしまい、サイレントヒルの街を徘徊する。後述のクリスタベラが原作版のダリアの設定を引き継いだ為、映画版のダリアは原作とは大幅に設定が異なる。アレッサの母親のため、闇の世界でもクリーチャーに襲われない。アレッサとうり二つのシャロンを娘と勘違いし、守ろうと匿っていたがクリスタベラたちに見つかりシャロン共々捕らえられてしまう。最後はクリスタベラたちが皆殺しにされたにもかかわらず、一人生かされた。その理由はローズ曰く、「母親だから」。
アレッサ・ギレスピー / ダークアレッサ(Alessa Gillespie / Dark Alessa)
ダリアの娘。父親は不明。サイレントヒルの小学校で生徒から「魔女の娘」と呼ばれいじめの標的とされ孤立していた少女。清掃員コリンからの性的虐待を受けていたことを暗示する場面もあった。数年前の火事で死亡したと言われていたが、真相は伯母であるクリスタベラが率いる狂信者たちによって魔女と認定され、鉄檻に閉じ込められて火炙りにされたという惨いものだった。ダリアの通報で駆け付けたグッチ刑事の手で鉄檻の中から助け出され病院に運ばれ、奇跡的に一命を取りとめた。その後も瀕死の状態で生きていたが、いつしか自分の身に起きたことだけでなく、看護師から向けられる好奇の目さえにも憎しみを抱くようになった。少女に生まれた強い怨念は、霧と血と錆に包まれ怪物の徘徊する呪われた“もう一つの世界”を作り出し、強い復讐心は同時に悪魔(アレッサの悪の部分)を誕生させた。最後はアレッサの復讐心と、悪魔の思惑と、ローズのシャロンを助けるという意志によって、クリスタベラを筆頭とした宗教団体に対しての復讐を果たした。その後の生死は不明。クリスタベラたちを皆殺しにした際は、原作の『2』の最終ボスを連想する姿に変貌する。
クリスタベラ(Christabella)
サイレントヒルの古くからの宗教団体を取り仕切っている初老の女性で、ダリアの姉。「魔女狩り」を行い、過去にアレッサを火あぶりにし、“もう一つのサイレントヒル”の誕生と大火災を引き起こす原因となり、彼女と彼女の宗教団体自身ももう一つの世界に囚われることとなった。行き過ぎた信仰心の持ち主であり、後半になると神に背く者は問答無用で殺すといった残虐性を表す。現代でも正論を唱えた(クリスタベラにとっては都合の悪い言葉)シビルを火あぶりにし、さらにはアレッサの生まれ変わりであるシャロンまで悪魔の生まれ変わりであると火あぶりにしようとした。彼女の行為は神への絶対的な崇拝であったがアレッサによって、住人共々有刺鉄線によって八つ裂きにされてしまうなど、結果的に命運を縮めることとなり哀れかつ悲惨な最期を迎える。虐殺され映画版の人物の中で原作版のダリア・ギレスピーの役割を担ったのは彼女である。
アンナ(Anna)
サイレントヒルの街で教会に母と通いつめている少女。宗教団体の掟に背いて、悪魔の庭のホテルに行ったことによって、ローズとシビルに出逢う。闇の悪魔が押し寄せてきたときに、教会の前にいたダリアに気を取られて逃げ遅れ、赤い三角頭の怪物に皮を剥がされて殺されてしまう。
トマス・グッチ警部(Thomas Gucci)
サイレントヒルの隣町ブラマ市の刑事で、シビルの上司。クリストファーと共にサイレントヒルでローズを探し回る。かつてダリアの通報により、火炙りの儀式の現場に踏み込んだ警官隊を率いていた。既にクリスタベラ達は逃走し、アレッサは火炙りにされた後だったが、ほとんど黒焦げに近い状態のアレッサにまだ息がある事に気付き、自らが負傷する事もいとわずいまだ高温のままの鉄檻を素手でこじ開けてアレッサを救い出し彼女を病院に担ぎ込んだ。この際、両手の平に現代までも残る酷い火傷を負い、普段は手袋で痕を隠している。グッチの善行は憎しみに染まったアレッサの中にあっても、「手を差し伸べてくれた優しい人」として記憶されている。自分と同じ様に身の危険も顧みず子供を救ったシビルの警官としての資質に絶大な信頼を置いている。余談だが、原作『1』に名前だけ登場している。

登場クリーチャー[編集]

本作に登場するクリーチャーは、クリーパーを除き、全て特殊メイクを施した役者が演じている。文章内の『』は原作であるゲームにおけるシリーズナンバー。

アームレス
両腕が無く、身体をくねらせて行動する。『2』に登場するライイングフィギアに酷似した、人型クリーチャー。全身をゴムのような皮膚が覆っており、中央の黒い裂け目から毒液を噴射して攻撃する。
クリーパー
『1』『2』に登場するゴキブリに似たクリーチャー。人間のような顔を持ち、おぞましい悲鳴を上げる。
レッド・ピラミッド
「赤い三角頭」とも呼ばれる人型クリーチャー。『2』『HC』『アーケード』に登場。頭を三角の兜で覆っている。大鉈を振り回して攻撃する。原作に比べ力強く描写されている。原作シリーズの「THE ARCADE」の三角頭のように大量のクリーパーを引き連れている(『5』でも同様の傾向がみられる)。兜や服装などに原作と相違が見られる。また設定も異なり、続編にて「アレッサの守護者にして処刑人」であることが判明する。
ダーク・ナース
女性看護師(ナース)の格好をした人型クリーチャー。『2』に登場するバブルヘッド・ナースをモデルにした映画オリジナルの怪物。多数存在し、ナイフを持って襲い掛かってくる。光に反応するという特徴は、ゲームでの特性を元にしている。
グレイチャイルド
海外版の『1』に登場する(日本版では登場しなかった)クリーチャーと同名の、映画オリジナルの人型クリーチャー。小柄で全身が灰色。頭と顔が不自然に歪んで後ろに曲がっている。
ジャニター(The Janitor)
映画オリジナルの人型クリーチャー。(ただしゲーム版『1』では動きこそしないが、似たような演出はあった)目に有刺鉄線を巻きつけられ、ボロボロの黒衣を纏い、逆エビぞりになった男の姿をしている。この怪物が触れた所はたちどころに腐食する上、そこを始点に裏世界化する。アレッサが小学校のトイレの清掃員、コリンに虐待されたときの恐怖心を具現化した存在。
アレッサ本体

原作との相違点・特記事項など[編集]

  • 原作の主人公は男性だが、本作では女性となっている。
  • 主人公はクリーチャーを倒さず、逃げるか掻い潜るだけである(クリーパー(虫のクリーチャー)のみ踏みつぶす描写がある)。映画公開後に発売された『サイレントヒル シャッタードメモリーズ』でも主人公はクリーチャーを倒さず、逃げるか掻い潜るかに加えて、物陰に隠れるか発炎筒で敵を怯ませたりオブジェクトを倒して道を塞いで敵の追跡を遅らせたりするだけである
  • 原作にて頻出する小道具であるラジオ(怪物が接近するとノイズを発し危険を知らせる)が登場しない。代わりに携帯電話やトランシーバーからノイズが起こる描写があるが、あくまで演出の一つであり、敵を察知するために活用する場面は無い(これと似たような描写で裏世界への変化と怪物が接近すると教団の信者が飼っているカナリアが騒ぎ出して危険を知らせるシーンがある)。
  • 原作で霧に包まれたサイレントヒルに降るのはであるが、映画版ではである。
  • 霧に包まれた街が、サイレンの音と共に血と錆にまみれたおぞましい世界(通称裏世界)に変わっていくという場面は原作にもあるが、演出や表現技法の点において映画独自の部分も多い。ただし、映画公開後に発売されたゲームソフト『SILENT HILL: HOMECOMING』は映画版とほぼ同じ演出となっている。
  • 原作に比べるとスプラッター・ゴア(流血)描写が目立つ。
  • 大火災の起こった時期が異なる。原作では物語の開始時の7年前だが、映画版では30年前。
  • 裏世界ではない方のサイレントヒルが坑道火災によりゴーストタウン化しているという設定は映画版独自のもの(原作では寂れてはいるものの、人は住んでいる)。
  • 監督であるクリストフ・ガンズは原作ゲームの大ファンであり、製作が決定した際にオリジナルのPVをコナミに送ってアピールしている。

キャスト[編集]

役名 俳優名 日本語吹替
ローズ・ダシルヴァ ラダ・ミッチェル 渡辺美佐
クリストファー・ダシルヴァ ショーン・ビーン 山野井仁
シャロン・ダシルヴァ
/アレッサ・ギレスピー
ジョデル・フェルランド 中川翔子
シビル・ベネット ローリー・ホールデン 沢海陽子
トマス・グッチ警部 キム・コーツ 仲野裕
アンナ タニヤ・アレン 幸田夏穂
アダム クリス・ブリットン
修理工 ロン・ガブリエル 辻親八
レッド・ナース エミリー・ラインハン
ダリア・ギレスピー デボラ・カーラ・アンガー 定岡小百合
クリスタベラ アリス・クリーグ 沢田敏子

スタッフ[編集]

  • 監督:クリストフ・ガンズ
  • 原作:『サイレントヒル』(コナミ
  • ストーリー原案:クリストフ・ガンズ、ニコラ・ブークリエフ
  • 脚本:ロジャー・エイヴァリー
  • 製作:ドン・カーモディ、サミュエル・ハディダ
  • 製作総指揮:山岡晃、アンドリュー・メイソン
  • 撮影:ダン・ローストセン
  • 編集:デヴィッド・ウー
  • 音楽:ジェフ・ダナ
  • プロダクション・デザイン:キャロル・スピアー
  • 美術:エリノア・ローズ・ガルブレイス
  • 衣装:ウェンディ・パートリッジ
  • クリーチャー・デザイン、監修、制作:パトリック・タトプロス
  • 特殊メイク監修:ポール・ジョーンズ
  • 特殊メイク:パトリック・タトプロス、パトリック・バクスター、ニール・モリル
  • 視覚効果製作:ホリー・ラドクリフ
  • 日本版イメージソング:土屋アンナ「Lovin' you」

映像ソフト[編集]

発売元は松竹、販売元はポニーキャニオン

  • サイレントヒル スタンダード・エディション(DVD2枚組、2006年11月22日発売、PCBE-52443)
  • サイレントヒル プレミアム・エディション(DVD3枚組、2006年11月22日発売、PCBE-52444)
  • サイレントヒル アルティメット・ボックス(DVD3枚組+BD、2006年12月13日発売、PCBE-52450)
  • サイレントヒル スペシャル・プライス版(DVD)(2013年7月2日発売、PCBE-54191)
  • サイレントヒル(Blu-ray)(2013年7月2日発売、PCXE-50279)

続編[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]