アンデッドアンラック

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アンデッドアンラック
ジャンル 少年漫画
ヒーロー
バトルアクション
ダークファンタジー
漫画
作者 戸塚慶文
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス
発表号 2020年8号 -
巻数 既刊13巻(2022年9月2日現在)
アニメ
原作 戸塚慶文
アニメーション制作 david production
放送局 未発表
放送期間 未発表 -
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

アンデッドアンラック』は、戸塚慶文による日本漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)2019年9号に『アンデッド+アンラック』のタイトルで読み切りセンターカラーとして掲載された後、2020年8号より連載中[1]。2020年、「次にくるマンガ大賞 2020」にてコミックス部門1位を受賞[2]。2021年6月には「第5回みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」7位受賞。2022年3月時点で全世界累計発行部数は150万部を突破している[3]。単行本8巻の帯にはイラストレーターのlack、お笑い芸人のサンシャイン池崎から推薦コメントが寄せられた[4]。単行本9巻の帯にはシナリオライターの奈須きのこから推薦コメント・推薦文が寄せられた[5]

ストーリー

8歳の時に両親を含め200名以上を死に追いやってしまった事件から10年間家に引きこもり、長期連載していた少女漫画の完結をきっかけに自殺を決意した少女出雲風子。風子は生身での接触を行った相手に不運をもたらす「不運(アンラック)」という異能から誰にも触れられないことに苦悩していた。そんな彼女が出会ったのは驚異的な再生能力を持ち、決して死ぬことがない人生を疎んで最高の死を望む「不死(アンデッド)」の男。男は便宜上風子から「アンデッドだから」アンディと名付けられ、行動を共にするようになる。

アンディと風子を追う謎の組織ユニオンの刺客シェンから「組織には能力者10名で構成された特殊チームがあり、メンバー入りすることで追われることはなくなる」と聞かされた二人はアンディの望みである「最高の死」を得るためにユニオンに入団し、数々の敵と世界の謎に対峙していく。

登場人物

声の項はテレビアニメ版の声優

主要人物

出雲 風子(いずも ふうこ)
声 - 佳原萌枝[6]
本作の主人公にしてヒロイン。ニット帽をかぶった少女。18歳。性格はまじめで大人しいが、時折周囲を驚かすような行動力と心の強さを見せる。能力のせいで美容院に行けないため物語開始当初は長髪だったが、アンディに散髪してもらいショートカットとなった。また、自分の人生に絶望し、諦めているが実際には女の子らしい幸せにも憧れている[7]
10年前、両親を能力による飛行機事故で死なせてしまう。触れた相手に不運をもたらしてしまうため、誰とも触れ合えない人生に嫌気がさし自殺しようとしたところアンディと出会う。組織入り後の円卓の席次はナンバー9→10。
素手や素肌で直接触れたものの「運」を否定し、不運をもたらす不運(UNLUCK/アンラック)の否定者。他対象・強制発動型。「長時間、多面積に触れるほど不運が強力になる」ことに加え、「好意を抱くほどに対象に強烈な不運が訪れる」という特性がある。わずかに触れただけでも落ちてきた物が当たる程度の不運を起こし、大きなものであれば交通事故やビルの倒壊、突然の隕石落下など大規模な災害を引き起こすこともある。
アンディとの旅を通して自身の能力である不運を進化させ、肉体的なダメージばかりだった不運から相手の特性に応じた不運を発生させることができるようになった。
アンディ
声 - 中村悠一[6]
もうひとりの主人公。髪を逆立て、額に謎のカード状の古代遺物が刺さった筋骨隆々の大柄な男。胸元に銃弾の傷痕があり、左肩に「DEAD END」、胸には「1865」という数字がタトゥーで刻まれている。アンディという名前は風子が名付けたもので、本名は不明。年齢は本人も把握していないが、最低でも200年以上生きている。口癖は「いいね! 最高だ!」
あらゆる死を否定する不死(UNDEAD/アンデッド)の否定者。自己対象・強制発動型。自己を死に近づけるあらゆる要因を遠ざける能力であり、いかなる傷を負っても再生し、体がバラバラになってもすぐ復活する。しかし、出血を伴わない脱臼などは死に近づける要素として認識されないため能力で治すことは出来ない。基本的に頭部を中心に再生するため、頭部を頑丈なカプセルなどに閉じ込められると再生ができない。長い人生を終わらせることを目的としており、風子の不運で殺してもらうため、彼女と行動を共にし組織入りする。円卓の席次はナンバー10→9(クローゼスの捕獲によりランクアップ)。
野蛮で粗暴な性格。一方素直で義理堅く、自分の非を認めた際には率直に謝罪する。また、紳士的な一面もある。肉体の再生はできても服の再生はできないために全裸になることも多いが、露出狂というわけではない。後にUMAクローゼスを従えたことで、いかなるダメージを負っても再生できる服を手に入れた。
戦闘では再生能力を駆使した近接戦闘を得意とする。また、一心が打った「不壊刀(ふえとう)/倶利伽羅(クリカラ)」と呼ばれる日本刀を武器としている。肉体が超スピードで再生する勢いを活かした移動や、切断した部位を超速で再生させて弾丸のように撃ち出す部位弾(パーツバレット)などトリッキーな戦術も用いる。長生きしているため、傭兵経験や剣術、果ては美容師まで様々な技術を有している。普段は側頭部に刺したカード状の物体で膨大な記憶による発狂を防いでいると語り、カードを抜くと戦闘能力が飛躍的に向上する。

対未確認現象統制組織"ユニオン(UNION)"

罪無き人々の命を守るため集まった否定者および多数のメンバーにより構成されている組織。否定者とUMAの管理や討伐を行う。否定者相手には非道な手段に出ることもあるが、あくまでも一般市民の安全を守ることを前提としている。

円卓メンバー

ジュイス
円卓メンバーのNo.1。軍服風の衣服を着てサーベルを帯刀したロングヘアの女性。ユニオンの創始者。仮面で顔の上半分を隠している。他のメンバーからは「ボス」と呼ばれる。風子の討伐を指示した張本人だが、彼女とアンディが円卓入りしたことで撤回し謝罪した。
世界を「ループ」と神の支配から救うことが悲願。何度もループを経験しており、アンディの別人格であるヴィクトールと深い関係がある。「地球と罪のない人々を守ること」を自分の正義として行動している。
相手の正義を否定し、逆の行動を強制する不正義(UNJUSTICE/アンジャスティス)の否定者。発動には仮面を外すなどの条件がある。「不真実」が相手の手段の否定であるのに対して、「不正義」は相手の目的の否定であると解説されている。
シェン
円卓メンバーのNo.2。中華風の衣服を着ており、中国語を交えた話し方をする筋肉質の好青年。戦闘狂であり、強敵との戦いを何より好む。
主に中国拳法で戦うほか、古代遺物「如意金箍(にょいきんこ)」や「金斗雲」を武器とする。『西遊記』の如意棒として有名な伸縮自在の棒であり、掌に収まるサイズから宇宙空間に届くほど長く伸ばすことが可能。
過去にメイという妹がいたが命を落としており、その原因となったかつての師匠を倒すため天下無双を目指している。
相手の真実を否定する不真実(UNTRUTH/アントゥルース)の否定者。他対象・強制発動型。視界に入れた対象に、発動時点でとろうとした行動とは逆の行動をとらせることができる。能力の維持に相手を注視する必要があるため、片目ずつウィンクをすることで瞬きを防いでいる。能力発動の条件として「対象を好きになる」必要がある。ある程度以上の好感を抱いていれば対象にできるが、好感度の上下はシビアで、アンディが自身の忠告を無視して派手な行動を起こしただけで能力の対象から外れてしまっている。
日常生活でも能力が発動してしまうため、風子やアンディ、ムイといった好感を抱いている相手には、能力の対象にならないよう意識的に視線を外している。
ファンとの戦いで致命傷を負うが、自らムイの手にかかって死ぬことで古代遺物「死亡遊戯」を発動させ、彼女を守るキョンシーとして復活した。記憶や人格も元のままだが、一度死んだ扱いになったため否定能力は失っている。
ビリー
円卓メンバーのNo.3。スーツ姿に上着を羽織り、サングラスをかけた男性。一人称は「ボク」で、柔和で飄々とした雰囲気の人物。銃を武器にしている。盲目で、足に着けた拍車の音で周囲を判断するが、タチアナと行動する際は彼女が目の代わりとなるため外している。タチアナの世話をしており、彼女からも慕われている。
組織の登録上は不可信(UNBELIEVABLE/アンビリーバブル)の否定者。「銃限定で、対象に当たる訳がない方向に撃つと跳弾などを経て確実に必中する能力である」とタチアナに説明していた。
その正体はUNDERのボス。100回目の罰がかかったクエストの円卓会議中に突如ユニオンを裏切り、UMAバーンを操って円卓と黙示録を強奪しようとしたが、黙示録は風子に奪還されたためそのまま撤退する。とぼけた性格は仮の姿で本性は冷徹であり、神を殺すためなら多数の一般人を犠牲にすることも厭わない合理主義者。初めてジュイスと会ってユニオンに加入した時からただの一度も心を許したことはなく、神を殺すためにユニオンを利用していたという。
本来の否定能力は不公平(UNFAIR/アンフェア)。他者の否定能力をコピーし複数所持することができ、「否定者1人につき能力は一つ」という公平性を否定する。ただしコピーには条件があり、自身を敵対視している否定者の能力しか使えない。劇中ではユニオンを裏切ることでその発動条件を満たし、「不死」「不正義」「不停止」「不動」などをコピーした。「不停止」のデメリットである骨折を「不死」で治癒できるなど組み合わせての使用も可能。盲目も「不死」の再生能力で治癒している。しかし、最初から敵対視していなかった風子の「不運」や、後に敵対視をやめたジュイスの「不正義」は使えなくなっている。
フィル
円卓メンバーのNo.4。中性的な顔立ちの少年。指をしゃぶるなど子どもらしい仕草をするが、常に無表情。両手両足には義肢に似た古代遺物を装着している。
不感(UNFEEL/アンフィール) の否定者。否定能力の詳細は不明だが、体に接触しているだけで精神に異常をきたすらしい古代遺物の影響を受けないでいられるのが否定能力の恩恵であることを示唆されている。
タチアナ
円卓メンバーのNo.5。ロシア出身の幼女。前面にレンズ状のハッチがついた、「球(スフィア)」と呼ばれる巨大な球体状のメカにこもったまま行動している。戦闘時には機械のアームを伸ばして攻撃する。アームからはビームのようなものを出せるほか、壊れてもすぐに再生する。
ジーナを「おば様」、ビリーを「ビリー様」と呼んで慕っている。また風子を「初めて出来た女の子の友達」として好意的に見ている。初登場時にはジーナを死なせたアンディに対し激怒して殴りかかったが、ジュイスの能力で止められた。
5歳の誕生日に突然能力を手に入れてしまったことで自分の家とその周囲を粉々に消し飛ばし、両親も圧死する。その後マフィアに捕まり闇オークションにかけられていたところを、組織から派遣されたビリーに助けられた過去を持つ。
自分への接触を否定する不可触(UNTOUCHABLE/アンタッチャブル)の否定者。自己対象・強制発動型。自分の周りに「U・Tエリア」と呼ばれる不可触の空間が常に存在し、彼女自身以外のものを無条件に消し飛ばしてしまう。衣服も身に着けられないが、口を開けるとエリアに隙間が生じるため食事(チューブを通しての流動食や、細長い食品に限る)はできる。エリアは感情の起伏で変化しており、平常時は数mだが下手に開放すれば町一つ吹き飛びかねないほど。普段はニコが開発した専用アーマーを用いてコントロールしているが、自分の意思で不可触エリアを解放することも可能。
山岡 一心/春歌(やまおか いっしん/はるか)
円卓メンバーのNo.6。鎧武者のような巨体の甲冑をまとった人物。無口。兜の口の部分から本体の目が見えることがある。
本来の姿は長身で筋骨隆々だが気弱な女性。臆病でクエストにもなかなか参加しない代わりとして、壊れない武器を造り組織に貢献していた。とある時期から鎧に隠れて性別を隠すようになったという。筆談は古風な口調で一人称も「某(それがし)」になるが、普通に会話する場合は女性的な口調になる。
不壊(UNBREAKABLE/アンブレイカブル)の否定者。他対象任意発動型。物に「不壊」を宿すという能力で、決して壊れない武器を作ることができる。一方で自信や覚悟が足りないと力が解けてしまう。アンディの「不壊刀『倶利伽羅』」や、シェンの「如意金箍」の箍部分の製作者でもある。過去に能力が不十分だったため父を死なせたトラウマがあり、鎧など他者を守るものに対しては効果がうまく発揮できない。
本名は山岡春歌。「一心」は鍛冶屋としての一族の襲名となっており、彼女は「十三代目山岡一心」となる。否定能力も一族で継承されている。江戸時代の人物である初代「一心」は不壊の能力で江戸城無血開城に貢献した。
トップ=ブル=スパークス
円卓メンバーのNo.7。髪を逆立てた褐色肌の少年。15歳。非常にせっかちで能動的な性格。
一定以上の速度を出し止まろうとすると、停止を否定し瞬間倍以上の力で押し出される不停止(UNSTOPPABLE/アンストッパブル)の否定者。それを利用して高速で走ることができるが、止まるためには骨折などで肉体の形状を著しく変化させることで「加速をリセット」する必要がある。
ブラジルのファべーラ出身。陸上の強化選手選抜大会で、友達を勝たせるために足を止めようとした時に否定能力が発現し、友人の命を奪ってしまった。その後ジュイスに出会い、「神の顔面を蹴り飛ばす」ためにユニオンに入る。
ニコ=フォーゲイル
円卓メンバーのNo.8。髪をバンダナで逆立て、目に隈がある不気味な笑みを浮かべた男。
凄腕の技術者で、組織が使用する武器や装備の開発を手掛ける。少なくとも50年前からメンバーの一人であり、組織に囚われていたアンディの解剖や拷問を行っていた。組織の中に自身のラボを持ち、娘のミコもそこに所属している。
飛行する無数の小さな黒い球体「サイコポッドベリーズ」を脳波で操って戦う。
自身の忘却を否定する不忘(UNFORGETTABLE/アンフォゲッタブル)の否定者。あらゆる出来事を忘れないが、辛い記憶であっても鮮明なままま覚えているなどの弊害もある。また、不忘が発現する以前の記憶は次第に薄れていってしまう。
重野 力(しげの ちから)
円卓に新規に追加されたNo.11のメンバー。気弱な高校生の少年。17歳。否定者の闇オークションにかけられたところ、やって来たリップらに殺されかけアンディに助けられた。
かつて自分の否定能力が原因で両親を死なせており、その罪滅ぼしとして自分の能力を人々に役立てるため組織入りする。
自分の手足が動かない間、視界に入るあらゆる物の動きを否定する不動(UNMOVE/アンムーブ)の否定者。人や物はその場で動けなくなり、落下物や銃弾も空中で静止する。会話で口が動いていても能力が発動するが、手足が動くと解除されるため、ビビった身体の震えで能力が発動しない時がある。

元円卓メンバー

ボイド
アンディたちが組織に入る前のメンバー。特殊なスーツを着込んだ大男。元ボクシングヘビー級世界王者。
攻撃の構えを取ることで相手の回避を否定する不可避(UNAVOIDABLE/アンアボイダブル)の否定者。
アンディに敗北して戦死し、組織の枠を譲ることになる。
ジーナ
アンディたちが組織に入る前のメンバー。ブレザー制服を着た女性。外見は10代の美少女だが、化粧や組織のアンチエイジング技術による若作りであり実年齢は66歳。
組織の下、生きるために相手を殺す日々に悩み苦しんでいた。その日々の中、実験台にされていたアンディと出会い、彼への恋心を50年以上心の支えとしてきた一途さを持つ。
あらゆる物の形の変化を否定する不変(UNCHANGE/アンチェンジ)の否定者。他対象・任意発動型で、素手もしくは素足で触れることで能力を発動する。固定した空気を操り不可視のバリアを発現させ、いかなる攻撃も防ぐ。また、空気の「形」の変化を否定することで任意の状態にして操ることができ、主に巨大な手を形作って攻撃に用いる。自分自身の老化を止めるような効果はなく、アンチエイジング技術に加え不変の力で化粧を体の表面に固定することで若々しく見せている。
アンディと風子の連携に敗れ、アンディに看取られながら死亡する。
イチコ=ネムリ
故人。ニコの妻でミコの母親。過去の円卓メンバー兼ラボメンバー。優れた科学者であり、ニコと共に組織の技術開発を手掛けていた。
自身の睡眠や眠気を否定する不眠(UNSLEEP/アンスリープ)の否定者。眠らずに活動できるが、睡眠による体力回復もできない。極限の疲労状態でブラックアウトすることでしか休めないため、自分が早死にすることを自覚していた。

その他構成員

ムイ
シェンの直属の部下。中国服風の出で立ちをした少女。17か18歳。UMAに親を殺されて孤児となっていたところをシェンに拾われ、彼を慕っている。
シェンのサポートを一手に引き受けている。拳法ではシェンと互角の実力を持つが、否定者ではなく円卓のメンバーには入れないことを悔やんでいた。
ファンとの戦いで致命傷を負ったシェンを自らの手で殺害し、古代遺物「死亡遊戯」の力でキョンシーに変えて蘇生させた。同時にシェンが一度死んだことで否定能力が移動し、新たな不真実(UNTRUTH/アントゥルース)の否定者になった。

ニコラボメンバーズ

ミコ=フォーゲイル、ボウ、ザック、バウ、ラング、ポッチョ
ニコの部下であり、ニコを所長とする組織のラボで関連する研究や開発を行っている。通称「二コラボメンバーズ」。「理」が改変された場合、記憶を共有する装置のようなものを用いて否定者であるニコに情報共有する。メンバーは他にもいるが、この6人は「まあまあ使える」として紹介されている。
ミコはニコの娘。バウとボウは父子である。

アンダー(UNDER)

否定者で構成された、ユニオンとは全く別の組織。初期のころはユニオンからは「否定者狩り」と呼ばれており、独自に否定者を襲って勧誘し、意に沿わない相手は殺害している。メンバーは利害の一致によって集まっている。ユニオンとは違い互いの利害関係のみで組織としての形が保たれている。漢字の「不」を逆さにしたような意匠の紋章を身に着けている。ユニオンよりも戦闘に特化した能力が多かったり戦闘に慣れている者が多くいる。ジュイスは「課題のUMAより危険だ」「世界に復讐しようとしている」と評価し危険視しているほどの組織。

ビリー
アンダーのボス。アンダー内での序列は1席。神殺しのためなら犠牲が出ても気にしないなど冷酷な一面がある。
テラー
口元を布で隠し、背中に機械のようなものを背負っている男性。アンダー内での序列は2席。ビリーの側近。元通信兵で、ビリーとは傭兵時代からの仲間であり、アンダーの最初のメンバー。
能力の関係なのか、直接口頭で会話できず体に繋いだスピーカーのようなものを介して話す。戦闘にも使用している。
クリード
軍人風の大男。主に銃を使用する。アンダー内での序列は3席。「国盗り」を目的としてアンダーに協力している。タチアナとの交戦で左手を失い、以降はガトリングを内蔵した義手を使用している。
自身が武器として認識したものの減少を否定する不減(UNDECREASE/アンディクリース)の否定者。弾丸や手榴弾を最後の一発まで使い切ることで、何もないところから同じ物を再補充できる。この能力で銃火器を無限に撃つことが可能。ただし最後まで消費することが条件であり、爆弾が不発のまま奪われた場合などは能力が発動しない。
リップ=トリスタン
眼帯をつけた青年。アンダー内での序列は4席。年齢は自称ラトラの1個下くらい。幼馴染で婚約者であるライラを救うため医者になったが、執刀した手術中に能力が発現して彼女を死なせてしまう。そのため、アークに乗り彼女を生き返らせるためにアンダーに与している。眼帯の傷は昔自身がつけたものであり、眼帯から血が流れ出していることがある。
自分がつけた傷の治癒を否定する不治(UNREPAIR/アンリペア)の否定者。つけた傷の自然治癒と治療行為を否定し、リップ本人が死ぬまで能力は解除されない。不治によって傷を受け、この能力の詳細を知った上で「リップを倒すこと」を目的として攻撃を試みると、それもまた治療行為であると見做して否定してしまう性質を持つ。主な武器はメス。また、義足として古代遺物「走刃脚(ブレードランナー)」を装備しており、蹴りで斬撃を飛ばしたり空中を移動したりすることが可能。
アンディとの戦いで心臓を撃ち抜かれて一度は死亡したが、古代遺物の力により子供の姿になって復活。オータム戦では一時的に風子たちと手を組み、勝利に大きく貢献する。また、安野の協力で大人の姿にも戻ることができた。
神殺しをすでに諦めており、アークを使いラトラとともに次の世界へ行くことを目標にしている。
友才(ゆうさい)
編笠をかぶり薄紫の髪をした年老いた女性。アンダー内での序列は5席。かつてアンディの剣術を指導していた人物。アンディに好意を持っていたが、彼からは不死であることを理由に断られている。
否定能力は不抜(UNDRAW/アンドロー)。詳細は不明だが、物を抜けなくさせる能力らしく、スプリング戦では桜の花びらが抜け落ちるのを防いだ。
ファン
フードで顔を覆った中国人の武闘家。アンダー内での序列は6席。170-180歳。素の身体能力でアンディを遥かに凌駕するほどの達人で、強者との戦いを好む。古代遺物の収集をしており、武器としても活用する。
否定能力は不老(UNFADE/アンフェード)。自己対象強制発動型で、発現時からの老いを否定する能力。70歳の時に能力者となるが、強さを極めたいにも関わらず老いた体のままであることが我慢できず若返りの古代遺物を求めており、アンダーにも古代遺物探しを条件として加入していた。当初は老人の姿だったが、リップを蘇生させた際に古代遺物の副作用を利用して若返りに成功し、以降は青年の姿になっている。
かつては自分を越える強者を育てるために孤児だったシェンとメイの面倒を見ていた。しかし、シェンとメイを殺しあわせようとした上にその死の原因を作り、シェンから深く恨まれることになった。
サマー討伐の際、キョンシーのシェンと不真実が発動したムイの前に敗れ、ユニオンに拘束された。
円陣(えんじん)
学生服のような服を着崩した青年。アンダー内での序列は7席。一人称は「ワシ」で、訛りのある口調で話す。
自身と自身が触れたものの燃焼を否定する不燃(UNBURN/アンバーン)の否定者。いつも煙草のようなものを咥えて火をつけようとしているが、能力の影響なのか火がつけられないでいる。
くるる/来栖貞子(くるすさだこ)
元アイドルの否定者。アンダー内での序列は8席。否定能力は不貞(UNCHASTE/アンチェイスト)。他対象任意発動型。特定のポーズをとることで相手を魅了できるが、自身に向かって襲いかかってくるようになる。「恋をまだ知らない」または「いかなる物にも揺るがない愛する相手がいる」者には効果が発動しない。
アンダーのメンバーの中には神殺しを諦めているものもいるが、貞子は神殺しに意欲を見せている。
バックス
ウサギの着ぐるみを着た子どものような人物。アンダー内での序列は9席。性別は女性である様子。幼い口調で話す。リップやラトラに懐いているほか、共闘したことがきっかけで風子とも仲良くなった。仲間には自分を「バニー」と呼ぶように要求している。
不出(UNBACK/アンバック)の否定者。着ぐるみで包み込んだ対象をそこから脱出できなくする拘束型能力の持ち主。また、能力の影響で、自分が着ている着ぐるみは決して脱げないとのこと。
ラトラ=ミラー
リップと共に行動している美しい女性。アンダー内での序列は10席。リップより年上。かつてはあらゆる占いを極めた凄腕の占い師だったが、双子の妹であるライラの手術の成功を占った際に能力が発現し、手術を失敗させてしまう。そのため、リップと同様にライラを生き返らせるという目的を持つ。
「占いが必ず外れる」という否定能力の持ち主。口にしたことと逆の結果が必ず起きるため、限定的に未来を予測できる。能力の応用なのか、自身が認知している攻撃の軌道を変えることも可能。
ショーン・ダッツ
元ギャングの青年。不可視(UNSEEN/アンシーン)の否定者。序列は不明。目を閉じると自分の体と、自分の所有物と認識している物が見えなくなる。組織のクエスト対象になっていたが、UNDERに妨害、確保されてしまう。リップに拷問されて従うよう強制され、UNDERに加入する。加入後は額に第三の目を移植しており、否定能力のデメリットを踏み倒していた。
本来の歴史ではオータム戦で風子を暗殺してしまうはずだったが、安野の尽力で回避され、逆にアンディの攻撃で敗死した。
カイン
巨大なシャチのようなUMAで、リップやラトラの指笛に従っている。口の中に仲間を収納し、海を泳いで運ぶことができる。アンダーのアジトを建物ごと収納して泳ぐことができ、本拠地が特定されることを防いでいる。一日に一度だけ息継ぎのため海面に浮上する。
バーン
火を全身にまとった巨人のようなUMA。自身の生みの親の神に会いたいという心からアンダーに協力している。

その他否定者

ヴィクトール
アンディが額のカードを抜くと発現する別人格。アンディより戦闘力、再生力が遥かに高い。彼いわくもともとは自分がオリジナルだったらしくアンディによって乗っ取られている体の主導権を取り戻そうとしていた。
好戦的な性格。ユニオンの面々と対峙した際にはいい面子だと評価していた。
戦闘の際には自身の血液を凝固させ刃のようにして攻撃するなど、不死を応用した様々な能力を使う。
安野雲(あんのうん)
風子の好きな漫画「君に伝われ」の作者。ジャージ姿に金髪の中性的な見た目の男性。なぜか未来を知っており、神殺しのため密かに裏で暗躍していた。「Gライナー」という古代遺物を使用し、空中で描いたものを具現化させる。
九能明(くのうあきら)
漫画家。安野雲は彼がGライナーを使って産み出した分身である。
不明(UNKNOWN/アンノウン)の否定者。自己対象強制発動型。自身の存在や行動が一切他者に認識されなくなる。
小学生のころ、Gライナーを拾いそのループにおける否定者の戦いの物語全てを知るが、同時に不明の否定者となってしまう。誰にも認識されなくなる苦しみの中、アンディたち否定者たちの物語を支えにして生きていた。能力により通常の社会生活を送ることができず、盗み食いをしたり他人のものを無断で使用するなどで密かに暮らしていた。その中で九能明としてではなく、漫画家「安野雲」として作ったものであれば他人に認識してもらえることを発見し、覆面漫画家としてデビューし『君に伝われ』を描いていた。その際に、アンディたちのために未来を変えようとして漫画の中に未来の情報を紛れ込ませていた。
不均衡の否定者
建築家。ビリーがコピーした能力としてのみ登場。
不均衡(UNBALANCE/アンバランス)の否定者。触れた建造物の均衡を否定し、不自然に傾けたり倒壊させてしまう。ビリーは都市を大きな建物とみなすことで本人以上に能力を使いこなしており、周辺の地形を変えることもできる。
ルイン
胸に太陽のタトゥーのような紋様がある痩せた男。アンディに執着しており、風子を襲って致命傷を負わせるなど敵対する。「神」に心酔しており、自分たちは選ばれた存在だと自負している。
不滅(UNRUIN/アンルイン)の否定者。詳細は不明だが、アンディの不死同様に致命傷を負ってもすぐに体が復活する。戦闘時には仲間のUMAらしき存在の力による技を使う。
ルーシー
風子を探す旅の道中でアンディが出会った少女。
自分のあらゆる健康を否定する不健康(UNHEALTHY/アンヘルシー)の否定者。
病弱で外に出れなかったため、ピーターパンのように外を飛び回りたいと日々想像していた。UMAゴーストの追加で魂の概念が生まれた際、強い想像力がきっかけとなって幽体離脱が可能になり、それがシールに一泡吹かせるきっかけとなった。

その他の人物

涼(りょう)
力と同じ高校に通う友人。
メイ
シェンの妹。
ライラ
ラトラの妹で、リップの恋人。

UMA(ユーマ)

作中の世界に登場するモンスター。効果範囲に入ったものに対し無差別にルールを課し、人々に危害をおよぼす。「理」と深い関係があることが示唆されている。神によって産み出される存在だが、産みの親には会ったこともなく、ただ「人間を苦しめる」という命令に従って行動している。
組織はこれらを討伐・捕獲することを使命としている。
大本であるUMAと、UMAが能力で生み出したり人間が姿を変えられたりして生まれたものに分けられ、後者は「ジュニア」と呼称される。
クローゼス
服のUMA。人の体に取り憑き、その人間が最も欲している服に変化する。対象がその服を気に入ると体の自由を奪うことができる。
組織に囚われていたところを脱走。その後、アンディに言いくるめられ、彼の最も望む服を実現するために取り憑くようになる。風子には「クロちゃん」と呼ばれている。毛玉が好き。
スポイル
腐敗のUMA。縄張りに入った人間に問答無用でカウントダウンを課し、腹に刻まれたタイマーが0になった瞬間にゾンビに変えてしまう。フェーズ2の状態になると、有機物無機物ともに分解するレーザーを放てるようになり、近づくだけで腐らせる状態になる。
アメリカ西部の田舎「ロンギング」に突如現れて人々をゾンビ化させていたが、組織との戦いに敗れ捕獲される。その後、ジュイスに脅され彼女に協力することになる。
ギャラクシー
銀河のUMA。全身に星が投影された魔人のような姿。黙示録によるクエスト失敗の罰として追加され、世界に「銀河」の理を産み出した。
ムーブ
サイコロ状の顔が特徴のUMA。気まぐれな性格だが、ユニオンの移動手段として使用されており、空間に穴を開けて他者を瞬時に別の場所に移動させることができる。
バーン
全身が燃えている巨人のUMA。クエストでジュイスたちに倒され捕獲される。後にアンダーに連れられユニオン本部を強襲する。自分の産みの親である神たる存在を一目見るためアンダーに荷担している。「ヴァ」「ゴアア」など鳴き声のような言葉しか発さない。
レボリューション
公転のUMA。100回目のクエストに失敗すると、ペナルティとして追加される。
スプリング、サマー、オータム、ウィンター
四季の名前を持つUMA。オータムのみ捕獲、他の三体は討伐の指令が下される。クエストに人数制限がなく、ユニオン外の人員も参加可能など特殊な扱いのUMAとなっている。
「概念(コンセプト)系」と呼ばれるUMAで、スポイル等の「現象(フェノメノン)系」のUMAに比べると「神のお気に入り」であるらしい。
スプリング
春のUMA。傘を持った鬼のような姿。サイコロなど古代遺物を多数所持している。作中でのスプリングのセリフは全て五七五調の韻文になっている。
能力範囲内の人を桜に変えてしまう能力を持つ。古代遺物を使った遊戯で風子と勝負するが、過去に迫害されたところを初代の一心に助けられたことから人との戦いを躊躇していたため、「神」によって暴走されられてしまう。
サマー
夏のUMA。台湾で発見された、虫のような姿をした小型UMA。多数存在しており、火薬を食らうことで大きく成長する。生体になると大きな竜の姿になる。サマーの攻撃力は四季UMAの中でも一番。腹のウロコ全てがが核となっており全て同時に破壊しないと再生し続ける。
過去のループではサマーを討伐できたことはなかったという。サマーが討伐されると寒暖のバランスが崩れ、世界中が極寒の異常気象になってしまう。
オータム
秋のUMA。巨大な蜘蛛のような姿で、カナダのスタンレーパークをテリトリーにしている。
「人の人生を喰らうUMA」と言われ、針で攻撃した者の体を本に変え、それを読むことを好む。アンディのクリムゾンバレットを正面から受けても傷一つつかないほどの防御力を持つ。小蜘蛛たちと合体することでフェーズ2となると、女性のような姿と口調になる。
ウィンター
冬のUMA。巨大な氷塊のような姿。雪山に鎮座しており、ビリーに監視されている。
サマーが討伐されて夏の概念が失われたことで冬が活性化し、全世界に極寒の異常気象を起こした。風子とアンダーの取引の結果、バーンにより討伐される。
ゴースト
霊のUMA。ツギハギだらけの巨大な幽霊。
オータム捕獲の報酬として世界に追加される。「霊魂」の概念が産まれたことで死の定義が書き代わり、肉体が死亡しても霊体が存在するようになった。ルインに荷担し、霊体となった風子をさらって逃走する。
シール
封印のUMA。神により生み出された調整者(レギュレーター)であり、「UMAの王」を標榜する。
全身に巻かれた札を伸ばして否定者やUMAを取り込む力を持つ。取り込んだ者の能力は自在に使うことができる。

古代遺物(アーティファクト)

古代の遺跡などから発掘される遺物。超常的な力を持つ。組織はこれらを収集・管理しており、武器として用いることもある。
神が自らの手で作成した武器で、それぞれが超常的な力を持つ。神が自身を殺せる道具として作成したものと推測されている。
それぞれの古代遺物はループの記憶を持っており触れることで映像として見ることができるが、脳に負担がかかり発狂してしまう危険がある。フィルは自身の能力によって発狂することを防いでいる。
アーク
ジュイスが所有している古代遺物。乗り込むことで次のループへ行くことができる。一人乗り。
黙示録
この地球で最初に発見された本の形をした古代遺物。話すことができる。口がとても悪い。ジュイスはこの本の向こう側に神がいると推測している。
円卓強奪の際、奪われそうになるが風子により奪還された。
金斗雲
雲の形をした空を飛べる古代遺物。乗れば自由に高速で移動できる。もともとはユニオンの所有物で現在はシェンが所有、使用している。心の清い人しか乗ることができない。
如意金箍
シェンが使用している古代遺物。西遊記に出てくる如意棒そのもの。伸縮自在の棒で手のひらに収まるサイズから宇宙空間に届くほどの長さまで伸ばすこともできる。
黒斗雲
金斗雲とよく似た古代遺物。
随心鉄捍
如意金箍と対をなす古代遺物。ヌンチャクにして攻撃を受けたり、龍の形の炎をまとわせ相手に放つなどの攻撃が可能。
フィルの義肢(名称不明)
フィルが四肢に身に着けている古代遺物。レーザービームのようなものが撃てたり、岩のような装甲に変形することができる。
死亡遊戯
数珠の形をした古代遺物。使用者は、他人を殺すことでその遺体をキョンシーに変えて自身に使役させる。キョンシーにはある程度の意思があるが、「使用者を守る」「使用者の命令には絶対に従う」という2つのルールが課される。
Gライナー
安野雲が使用している古代遺物。空中で描いたものを具現化させる。ただし、同じものは1つまでしか具現化できない。
クエストの報酬としてそのループにおける過去と未来の情報が込められていた。手にしたものは未来を知ることができる。安野が未来を知っていたのはこのため。
ライフ・イズ・ストレンジ
他者の年齢を操作できる古代遺物。老化させようとすれば自分は操作した年齢の十倍老いることになり、反対に若返らせようとすれば自分は操作した年齢の十倍若返ることになる。リップの生き返りやファンの若返りはこの古代遺物を用いて行われた。
リメンバー
アンディの頭に刺さっている記憶を司るカード型の古代遺物。用途は表と裏の二種類あるが、一ループにつき片面一度しか使えない。表を選ぶと前ループの記憶を引き継ぐことができ、裏を選ぶと記憶を失う。
三種の心器
神に届きうる3つの最上位古代遺物(スペリオルアーティファクト)の総称。いずれも入手難易度は著しく高い。
リベリオン
UMAパストの捕獲報酬として所在が明かされた古代遺物。
イージス
UMAスプリングの討伐報酬として所在が明かされた古代遺物。かつてのループで神の攻撃を防いだ無敵の盾で、深海で数千年眠っていたにも関わらずサビ一つない。ただし2020年まで課題をクリアし続け、地球を保たせないと発見することは不可能な代物。
ジハート

用語

否定者(ひていしゃ)
特定の「理」を否定することで超人的な能力を得る者たちの総称。能力者とも。能力の名前は基本的に不○○(アン×××)と表現される。世を乱す存在とされ、組織からは捕獲・討伐対象になっている。「神」とされる何らかの超越的な存在によってある日突然能力を授けられることで能力者になる。能力者が死ぬと否定能力は他の誰かに移動する。
能力の発動には細かな条件があり、それぞれ否定者ごとに異なる。否定者同士の戦いの場合、相手のルールを見極めその穴を突く形で攻略することが求められる。
大別すると自分を対象とする「自己対象」と自分以外を対象とする「他対象」に分けられる。また、否定者の任意で発動できるものと条件を満たすと強制的に発動するものがある。否定能力のルールは否定者本人の認識によって左右され、能力が成長/進化することもある。
対未確認現象統制組織"ユニオン(UNION)"
否定者や古代遺物、UMAを討伐・管理する秘密組織。単に組織(ユニオン)とも。アルファベットのUとNを組み合わせた意匠のエンブレムを持つ。戦闘員や研究員など、多くの職員が所属している。否定者やUMAによって被害が生じた場合、民間人の保護や記憶の抹消、情報統制なども行っている。
否定者10人で構成されたチームが存在し、「円卓」と呼ばれる。否定者は円卓メンバーに加わることで、組織に尽力することを条件に追跡対象から除外される。メンバーには席次が存在し、業績を挙げることでポイントが加算され変動する。メンバーの死亡以外には基本的に欠員が出ることはない。円卓メンバーには揃いのスーツ、言語翻訳機能がついたネクタイ、クエスト参加に必要な証(エンブレム)が支給される。
100番目の理が追加されると「ラグナロク」が起こるとされ、地球は滅亡してしまう。そのため、黙示録が提示する課題をこなし、世界に理が追加されるのを防ぐことを組織の最大の目的としている。
アンダー(UNDER)
ユニオンの敵対組織。世界征服を事実上の目標としている。ユニオン同様、円卓のメンバーとなる11人の否定者で構成されている。メンバーはそれぞれ独自の目的を持っているため互いの信頼関係のみによって組織としての形が保たれている。
すべては否定者と神殺しのためでありそのためならどんな犠牲もいとわない。
理(ルール)
作中の世界に存在する「理」。もともと地球には存在せず後に「足された」ものであり、2巻時点で既に99のルールが足されている。組織の面々が何もしなければ3ヵ月に一度「理」は増える。「性別(セックス)」「言語(ランゲージ)」「人種(レイス)」「死(デス)」「病気(シック)」などは本来この世界には存在せず、後に足された「理」の一例であるという。
現実世界には存在するルールでもこの世界には存在しないものがあり、例えば作中の世界には当初「太陽と月以外の天体」やそれに伴って星にまつわる「神話や曜日の概念」が無かったが、UMA「銀河(ギャラクシー)」の追加によって世界にルールが足された。
報酬として「理」が改変されることもあり、UMAランゲージの討伐報酬として「全世界言語統一」がなされた。これにより作中の世界では否定者以外の言語と文明が改変されて、全人類の言語が英語に統一されるという変化が起きている。
黙示録(アポカリプス)
この世界で最初に発見された古代遺物。表紙に顔がある本の姿をしており、言葉を話す。口は悪い。
円卓に10人の否定者が着席すると開き、複数の「課題(クエスト)」を提示する。それぞれ特定の否定者・UMAを討伐または捕獲することが課題として提示され、達成すると「新たな否定者・UMA・古代遺物の所在」「理の改変」などの報酬が得られる。ただし、定められた期限までに達成できなければ新たなUMAが解き放たれるなどのペナルティが課される。課題に参加可能なのは円卓のメンバーのみであり、課題ごとに人数も定められている。
ジュイスは本の向こうにこの世界に理を強いる「創造主(神)」がいると捉えており、課題をクリアして力をつけ、いつかその創造主を殺すことを目的としている。
黙示録が開く条件は円卓の席が全て埋まることである。
ループ
「ラグナロク」を迎えて地球が滅ぶと起きる現象。地球が一旦粉々になった後にまた集まって再生し、再び以前のような地球が産まれる。人々も以前のループと同じような人物像で産まれるが、細部に違いが生じることもある。
古代遺物「アーク」を使用した者は次のループに到達できるほか、「不死」によって死なないヴィクトルも地球の崩壊と再生を乗り越えることができる。
遥か前からループは幾度となく繰り返されており、ジュイスはこのループから地球を解放するためユニオンを組織した。ジュイスはラグナロクが起きるたびに「アーク」で次のループに渡り、否定者を集めて神に対抗しようと戦い続けている。
風子が能力で呼び寄せていた隕石は、前回以前のループの名残で残っていた地球の破片。
「神」
便宜上「神」と呼ばれている超常的な存在。人々を苦しめるような「理」やUMAを産み出したり、人に否定能力を与えて苦しめるなど、人間を玩具として弄んでいるかのような行いをとる。ジュイスは太古より繰り返されているループを止めるためにユニオンを作り、否定者を勧誘していた。古代遺物は彼(?)が自らを倒すために作った武器であると推測されている。
ルナ
神と関わりのあるらしい謎の存在。月面にある円卓でカップで飲み物を飲んでいるシルエットで描かれる。
ジュイスの取引に応じ、風子とアンディをタイムリープさせるなど超越的な力をもつ。
『君に伝われ』
風子の愛読書。作中では「君伝(きみつた)」と称されることもある。作者は安野雲。恋愛漫画で、全101巻。

書誌情報

  • 戸塚慶文 『アンデッドアンラック』 集英社ジャンプ・コミックス〉、既刊13巻(2022年9月2日現在)
    1. 「不死と不運」2020年4月8日発行(4月3日発売[8])、ISBN 978-4-08-882310-2
    2. 「我々は否定する」2020年6月9日発行(6月4日発売[9])、ISBN 978-4-08-882330-0
    3. 「俺が死ぬまで治らない」2020年9月9日発行(9月4日発売[10])、ISBN 978-4-08-882404-8
    4. 「Revolution」2020年12月9日発行(12月4日発売[11])、ISBN 978-4-08-882472-7
    5. 「忘れなければ」2021年3月9日発行(3月4日発売[12])、ISBN 978-4-08-882549-6
    6. 「君に伝われ」2021年5月5日発行(4月30日発売[13])、ISBN 978-4-08-882596-0
    7. 「鉄山靠」2021年7月7日発行(7月2日発売[14])、ISBN 978-4-08-882713-1
    8. 「行ってくる」2021年10月9日発行(10月4日発売[15])、ISBN 978-4-08-882796-4
    9. 「好きって」2021年12月8日発行(12月3日発売[16])、ISBN 978-4-08-882874-9
    10. 「心にかけて」2022年3月9日発行(3月4日発売[3])、ISBN 978-4-08-883035-3
    11. 「死季」2022年5月7日発行(5月2日発売[17])、ISBN 978-4-08-883096-4
    12. 「リスタート」2022年7月9日発行(7月4日発売[18])、ISBN 978-4-08-883162-6
    13. 「R.I.P.」2022年9月7日発行(9月2日発売[19])、ISBN 978-4-08-883228-9

テレビアニメ

2023年より放送予定[20]

スタッフ

脚注

出典

  1. ^ 死を求める男と不運を与える少女のピカレスクヒーローものがジャンプで”. コミックナタリー. ナターシャ (2020年1月20日). 2020年5月25日閲覧。
  2. ^ 次にくるマンガ大賞2020、コミックス部門1位は戸塚慶文「アンデッドアンラック」”. コミックナタリー. ナターシャ (2020年8月19日). 2020年8月19日閲覧。
  3. ^ a b アンデッドアンラック/10”. 2022年3月4日閲覧。
  4. ^ アンデッドアンラック公式 [@undeadunluck_of] (2021年10月3日). "【明日発売!】✨ いよいよ明日4日(月) アンデッドアンラック8巻発売です❗️ ㊗️130万部突破!を記念して ラックとジャスティスのお二人から 推薦帯コメントも頂戴しております❗️". X(旧Twitter)より2022年11月21日閲覧
  5. ^ アンデッドアンラック公式 [@undeadunluck_of] (2021年12月3日). "発売を記念して、Fateシリーズの奈須きのこ先生から、その魅力を綴る帯文を寄せていただきました❗️". X(旧Twitter)より2022年11月21日閲覧
  6. ^ a b “TVアニメ「アンデッドアンラック」アンディ役は中村悠一、出雲風子役は佳原萌枝”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年11月21日). https://natalie.mu/comic/news/502123 2022年11月21日閲覧。 
  7. ^ 原作1話
  8. ^ アンデッドアンラック/1”. 2020年5月25日閲覧。
  9. ^ アンデッドアンラック/2”. 2020年6月17日閲覧。
  10. ^ アンデッドアンラック/3”. 2020年9月4日閲覧。
  11. ^ アンデッドアンラック/4”. 2020年12月4日閲覧。
  12. ^ アンデッドアンラック/5”. 2021年3月4日閲覧。
  13. ^ アンデッドアンラック/6”. 2021年4月30日閲覧。
  14. ^ アンデッドアンラック/7”. 2021年7月2日閲覧。
  15. ^ アンデッドアンラック/8”. 2021年10月4日閲覧。
  16. ^ アンデッドアンラック/9”. 2021年12月3日閲覧。
  17. ^ アンデッドアンラック/11”. 2022年5月2日閲覧。
  18. ^ アンデッドアンラック/12”. 2022年7月4日閲覧。
  19. ^ アンデッドアンラック/13”. 2022年9月3日閲覧。
  20. ^ a b c d “「アンデッドアンラック」来年アニメ化決定!アニメーション制作はdavid production”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年8月29日). https://natalie.mu/comic/news/491445 2022年8月29日閲覧。 

外部リンク