Temu
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Temu(ティームー)は、中華人民共和国のPDDホールディングスが運営するオンラインマーケットプレイス[1]で、アパレル、化粧品、家電、家具、雑貨などを廉価販売する[1]。Temuはアプリのマルウェア汚染[2]、新疆ウイグル自治区の人権に関わる問題が指摘されており[3]、アメリカモンタナ州グレッグ・ジャンフォルテ知事(共和党)は、TikTok、テレグラム、WeChat、Temuを州内で禁止する法案を2023年5月に署名した[4]。
事業地域[編集]
2022年9月1日にアメリカで事業を開始[5]し、2023年2月14日のスーパーボウルで多量に広告して2月23日までにスマートフォンアプリが4000万回ダウンロード[5]される。
2023年2月にカナダ[6]、3月にオーストラリアとニュージーランド[7]、4月21日にイギリス、4月23日にドイツ、オランダ、イタリア、フランス、スペイン[8]、7月11日に日本[9]、それぞれでサービスを開始する。
諸問題[編集]
苦情[編集]
英タイム誌の記者によると、Temuは荷物の未配達やカスタマーサービスで悪評を立て始めている[10]。注文の不着や商品の間違いに加えて、身に覚えのない請求が届くことがあるとされる[10]。
TechCrunchの記者はTemuの広告キャンペーンに関して「これらの広告はTemuのインストール数を増やす効果があるようだ。しかし、アプリのレビューを調べてみると、Wishのような詐欺的な商品リスト、破損・遅延配送、誤注文、カスタマーサービスの欠如など、似たような苦情が見つかる」と論じている[11]。
Temuは製品の品質の低さを指摘されており、これはセラーが期限切れまたは古くなった商品を配送していることに起因する[12]。ほかにも虚偽の製品広告が指摘されている[10]。
知的財産権[編集]
Temuでは知的財産権を侵害した製品がたびたび販売されているとされる[13]。デザイン盗用の事例も報告されている[14]。
米連邦政府の対応[編集]
2023年5月、Temuの中国国内版であるPinduoduoがGoogle Playから一時停止されたことを受け、米中経済安全保障調査委員会はTemuでの個人データの安全リスクについて懸念を表明した。これはGoogle Play Store以外のバージョンにマルウェアが含まれていたことが判明したためである[15][16][17]。Pinduoduoはマルウェア削除のためのアップデートをリリースして2日後に、マルウェア開発に携わったエンジニアとプロダクトマネージャーのチームを解散した。CNNの情報筋によると、チームの大部分はTemuに異動し、各部門で働いているが、一部のエンジニアはPinduoduoに残留しているとされる[18]。
2023年5月17日、モンタナ州知事グレッグ・ジャンフォートは、TikTok、WeChat、Telegramを含むByteDance関連アプリとともに、州政府機関内でのTemuの使用を禁止した[19][20]。
2023年6月、連邦議会の「米国と中国共産党との間の戦略的競争特別委員会」は、Temuがウイグル強制労働防止法を遵守するための「有意義なコンプライアンスプログラムの建前すら」維持していないとの声明を発表した。同法は、強制労働で作られた商品をプラットフォームから排除することを目的としている[21][22][23][24]。 委員会の報告書はTemuへの厳しい評価を下し、Temuのサプライチェーン内には「強制労働による汚染のリスクが非常に高い」としている[24]。
脚注[編集]
- ^ a b RxR Innovation Initiative. “「億万長者のように買い物をしよう」 急成長EC「Temu」の大胆なマーケ戦略”. Forbes JAPAN. 2023年6月17日閲覧。
- ^ “米グーグル、中国ネット通販アプリを停止 セキュリティー懸念で”. ロイター. (2023年3月22日) 2023年6月17日閲覧。
- ^ Prasso, Sheridan (2023年6月13日). “Temu Sells Products in US Linked to Forced Labor in China's Uyghur Region, Analysis Shows”. Bloomberg News 2023年6月13日閲覧。
- ^ Jones, Jada (2023年5月19日). “Montana's governor is going after Temu, WeChat, and Telegram, too”. ZDNet 2023年6月17日閲覧。
- ^ a b 楊錦曦 (2023年3月28日). “中国越境ECアプリ「Temu」、海外展開にアクセル 激安ECの拼多多が開発、中国モデルを世界へ”. 東洋経済オンライン. 財新 2023年6月17日閲覧。
- ^ McLymore, Arriana; Hall, Casey (2023年3月10日). “Shein, Temu in fierce fight over US market for $10 dresses” (英語). Reuters 2023年4月25日閲覧。
- ^ “China-backed shopping app that could unseat Kmart, Big W”. (2023年4月18日) 2023年4月19日閲覧。
- ^ “快進撃!中国発ショッピングアプリ「Temu」、米国続いて欧州6カ国でもサービス開始”. 36Kr Japan. (2023年5月23日) 2024年1月3日閲覧。
- ^ “中国発の低価格EC「Temu」、日本で事業開始”. 日本経済新聞 (株式会社日本経済新聞社). (2023年7月11日) 2023年7月23日閲覧。
- ^ a b c Chow, Andrew R. (29 December 2022). “The Truth About Temu, the Most Downloaded New App in America” (英語). Time. オリジナルのMarch 9, 2023時点におけるアーカイブ。 2023年3月8日閲覧。.
- ^ Perez, Sarah (2023年1月28日). “This Week in Apps: Temu's hot streak, Walmart's m-commerce & an Apple XR App Store”. オリジナルの2023年2月11日時点におけるアーカイブ。 2023年2月11日閲覧。
- ^ “Temu扩张加速 法律风险不容忽视_中国贸易报”. www.chinatradenews.com.cn. 2023年11月9日閲覧。
- ^ Kaufman, Nicholas (2023年4月14日). “Shein, Temu, and Chinese e-Commerce: Data Risks, Sourcing Violations, and Trade Loopholes”. United States–China Economic and Security Review Commission. 2023年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月9日閲覧。
- ^ “What Is Temu? Read Before You 'Shop Like a Billionaire'” (英語). PCMag. 2023年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月9日閲覧。
- ^ Chiang, Sheila (2023年5月17日). “Temu accused of data risks after sister app was suspended for malware” (英語). オリジナルの2023年5月17日時点におけるアーカイブ。 2023年5月17日閲覧。
- ^ Leong, Clarence; Purnell, Newley (2023年3月21日). “Google Halts Download of Chinese App Pinduoduo Over Security Concerns” (英語). The Wall Street Journal. ISSN 0099-9660. オリジナルの2023年3月21日時点におけるアーカイブ。 2023年6月25日閲覧。
- ^ “Google Suspends Chinese E-Commerce App Pinduoduo Over Malware” (英語). Krebs on Security (2023年3月22日). 2023年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月5日閲覧。
- ^ “'I've never seen anything like this:' One of China's most popular apps has the ability to spy on its users, say experts” (英語). CNN (2023年4月2日). 2023年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月5日閲覧。
- ^ Peters, Jay (2023年5月17日). “Montana bans Telegram, WeChat, and Temu from government devices” (英語). オリジナルの2023年5月20日時点におけるアーカイブ。 2023年5月20日閲覧。
- ^ Kern, Rebecca (2023年5月17日). “Montana bans TikTok for all residents” (英語). Politico. オリジナルの2023年5月24日時点におけるアーカイブ。 2023年6月13日閲覧。
- ^ Hadero, Haleluya (2023年6月22日). “Congressional report says there's an extremely high risk Temu's supply chains have forced labor”. Associated Press. オリジナルの2023年6月23日時点におけるアーカイブ。 2023年6月23日閲覧。
- ^ Cox, Chelsey (2023年6月22日). “Retailers Shein and Temu violate U.S. tariff law and evade human rights reviews on imports, House report says” (英語). CNBC. 2023年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月24日閲覧。
- ^ “Temu: Risk popular website sells forced labour goods” (英語). BBC News. (2023年6月22日). オリジナルの2023年6月25日時点におけるアーカイブ。 2023年6月25日閲覧。
- ^ a b Swanson, Ana; Fu, Claire (2023年6月22日). “Congress Spotlights 'Serious' Forced Labor Concerns With Chinese Shopping Sites” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. オリジナルの2023年6月30日時点におけるアーカイブ。 2023年7月3日閲覧。