PRVエンジン

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PRVエンジンは、プジョールノーボルボにより共同開発された自動車用のガソリンV型6気筒エンジンである。1974年から1998年まで販売された。PSAグループ1994年からPSA・ESエンジンに置き換えていった。

歴史[編集]

PRVエンジンの歴史は1966年にプジョーとルノーが共通コンポーネント生産に合意した時から始まった。最初の子会社、La Française de Mécanique (Compagnie Française de MécaniqueもしくはFM)は1969年に設立され、工場はフランス北部のランスに近いDouvrinに建設された。そのため、PRVエンジンはDouvrinエンジンとも呼ばれる。もっともこの呼び名は同時期に生産された直列4気筒エンジンの名としての方が通りがよい。

1971年にはボルボがプジョーとルノーのPRV会社の設立に参画し、三社が平等な公開有限会社として設立された。当初はV8エンジンの製造を計画していたが、後に廃案となり、よりコンパクトで低燃費なV6エンジンへ路線転換を図った。1973年エネルギー危機および2.8L以上の排気量のエンジンへの課税によりV8エンジンのニーズが小さくなり、より小型のエンジンの市場拡大が予想されたからである。加えてルノーが新車種、ルノー・30用のV6エンジンを必要としていたという背景もあった。

1973年6月にエンジンの生産設備が到着し、1974年1月には工場が完成した。1974年10月3日ボルボ・264への搭載を皮切りに、順次ルノー・30、プジョー・604などに搭載車種を広げ、1984年から1992年にかけてランチア・テーマV6にも搭載されている。

この他、リアエンジンスポーツカーアルピーヌ・ルノーA310にも1976年から1984年の間搭載され、このパワートレインのチューニング歯車比を変更したものが、1981年発売のデロリアン・DMC-12にも流用された。

1984年には初のターボエンジンがルノー・25V6ターボに搭載された。これは最初の点火間隔が等間隔のエンジンで第二世代最初のエンジンであり、後にアルピーヌ・GTA/V6ターボにも搭載された。

ルノーがターボ版を開発している一方で、プジョーとシトロエンは高圧縮比版の等点火間隔の3.0L版を605XMに採用した。両車は後に24バルブ版をオプションとして搭載することになったが、非常に高価な上カム摩耗の問題があった。吸気側はそれぞれのバルブがカムを有していたが、排気側は一つのカムを共有する設計であり、それが摩耗することにより結果として排気バルブの故障を引き起こした。しかし、後にセラミック製のフォロワーを使用することで解決された。

ボルボは1980年代末よりPRVから順次基本設計をポルシェに委託した自社製の直列エンジンへ切替え始めたが、プジョー・ルノー、シトロエンは1997年まで採用し続けた。総数970315基を生産し、1998年6月15日にPRVエンジンの生産は終了した。