Mk.91 ミサイル射撃指揮装置

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Mk.95イルミネータ
種別 連続波レーダー
目的 射撃指揮 (追尾)
開発・運用史
開発国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
就役年 1975年
送信機
周波数 Xバンド
送信尖頭電力 平均 2キロワット
アンテナ
形式 パラボラアンテナ
直径・寸法 0.99 m
その他諸元
重量 アンテナ: 3,315 lb (1,504 kg)
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Mk.91 ミサイル射撃指揮装置英語: Mark 91 Guided Missile Fire Control System, Mk.91 GMFCS)は、アメリカ海軍個艦防空ミサイル(短SAM)用の射撃指揮装置北大西洋条約機構(NATO)諸国で共同開発したNATOシースパロー・システム(NSSMS)Mk.57のアメリカ海軍での制式名である。

来歴[編集]

NSSMSは、アメリカ海軍が配備していたシースパローBPDMSの改良型として開発された。1966年冬にNATO海軍兵器グループ(Naval Armaments Group)に対して提案がなされ、1967年エイラート事件を受けて開発は加速された。当初の参加国は、アメリカ合衆国のほかにデンマークイタリアノルウェーであった。また1970年にはベルギーオランダが、1977年には西ドイツが、1982年にはカナダギリシャが、そして1992年にはスペインが加わっている。1969年9月、アメリカのレイセオン社が主契約者として選定され、1973年には生産契約が締結された。レイセオン社のほか、デンマークのテルマ・エレクトロニクス社、イタイアのセレニア社、ノルウェーのコングスベルグ社も生産に参加した[1]

運用試験は、まずアメリカ海軍のフリゲートダウンズ」で、ついでノルウェー海軍のフリゲート「ベルゲン」でも行われ、1973年4月までに完了した。最初の量産機は1975年に引き渡された[1]

構成[編集]

射撃指揮レーダーとしては、Mk.78方位盤上にMk.95イルミネーターを架して使用するのが標準的な構成であった。また、射撃指揮コンピュータとしては、ノルウェーのコングスベルグ(NFT)社のMk.157が用いられた。シースパロー・ミサイルの発展に応じて、下記のようなバリエーションが順次に開発されている[1]

Mk.91 mod.0,1
RIM-7H用。mod.0はレーダー1基、mod.1はレーダー2基の構成。
Mk.91 mod.2,3
RIM-7M/P用の改良型。
Mk.91 mod.4,5
ESSM対応の改良型。
Mk.91 mod.6,7
全面的な再設計版(RNSSMS)

また、射撃指揮レーダーをオランダのシグナール(現在のタレス・ネーデルラント)社のWM-20シリーズSTIRシリーズに変更したり、ミサイルをイタリアアスピーデに変更したりするなど、各国で様々な派生型が開発された。アメリカ海軍では、システム固有の低空警戒レーダーとしてTAS Mk.23を連接したAN/SWY-1に発展している[1]

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d Norman Friedman (2006). The Naval Institute guide to world naval weapon systems. Naval Institute Press. pp. 323-324. ISBN 9781557502629. https://books.google.co.jp/books?id=4S3h8j_NEmkC 

関連項目[編集]