Keeper Of The Flame

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Keeper Of The Flame
the HIATUSスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル オルタナティヴ・ロック
プログレッシヴ・ロック
エクスペリメンタル・ロック
インディー・ロック
パンク・ロック
ピアノ・ロック
アート・ロック
エモ
レーベル NAYUTAWAVE RECORDS
プロデュース the HIATUS
the HIATUS アルバム 年表
A World Of Pandemonium
(2011年)
Keeper Of The Flame
(2014年)
Hands Of Gravity
(2016年)
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Keeper Of The Flame』(キーパー オブ ザ フレイム)は、2014年3月26日に発売されたthe HIATUSの4枚目のオリジナルアルバム

概要[編集]

前作『A World Of Pandemonium』から2年4ヶ月ぶりに発表されたフルアルバム[1]。3rdEP「Horse Riding EP」収録の3曲を含む、全11トラックを収録[2]

アルバムタイトルの意は、火の守り。細美武士は「星飛雄馬の闘志が目の中の炎で表されるように、何か自分の中で燃えている状態の人がいいなと思うし、それを消さずに生きていこうという意味も込めました。」とインタビューにおいて語っている[3]

1年2か月をかけて制作されたは今作は、ダンスミュージックや現在進行形の海外インディーバンドとの近接感も感じさせながらサウンドがエレクトロニックな方向に向かっているのが大きな特徴で、DTM色を全面に出したミニマル路線となっている[2][4][5]。細美はこのアルバムで『踊れる』『歌いたくなる』『サウンドが新しい』の三つをやりたくて形にしたと述べている[6]

2ndアルバム「ANOMALY」制作の後半くらいから細美が1人では曲を書けなくなっていたため、それ以降はメンバーと一緒にスタジオで曲を作っていたが、「Horse Riding EP」のレコーディングでアルバム制作の予算をほとんど使ってしまったので、本作ではそれまでのようにバンドで集まって曲作りすることが出来なかった[4]。そのため、アルバム用に書き足した8曲のうち5曲を細美が、3曲を柏倉隆史が作り、それをバンドに持っていくような形で制作された[4]。「Sunset Off The Coastline」「Interlude」「Roller Coaster Ride Memories」の3曲は柏倉が原型を作り、メロディは細美が作っているもののアレンジに関しては柏倉がイニシアチブを取っている[注 1][4]。予算の都合で久しぶりに1人で曲を作った結果、再び書けるようになっていたことが分かり、細美は手応えと喜びを感じたと語っている[4]

本作ではシンセサイザーを多用しているが、ソフトウェア・シンセサイザーと共に、本来はピアニスト伊澤一葉による手弾きシンセサイザーの音もかなり入っている[4]。また、細美がアコースティックギターを多用した前作からさらにギターの比重が下がり、細美は2曲ほどしかギターを弾いていない[4]。マスタリングは、ノラ・ジョーンズからメタリカまで手がけるレジェンド的マスタリング・エンジニア、テッド・ジェンセン[3]

プロモーションとして、アルバムの発売に先駆けてWEBに公開されたアルバムの1曲目「Thirst」の素材を使用して作ったリミックストラックを募集する企画が行われた[7]。また発売日前日の2014年3月25日にはUstreamにおいてスタジオ・ライヴを生配信。同アルバムから5曲を披露し、合計視聴者数は約8万人であった。

今作も前作『A World Of Pandemonium』と同じく、すべて全英詞になっている。(ヴォーカル無しの"Interlude"を除く)

収録曲[編集]

CD
全作詞: 細美武士、全作曲: the HIATUS。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「Thirst」細美武士the HIATUS
2.「Something Ever After」細美武士the HIATUS
3.「Unhurt」細美武士the HIATUS
4.「Horse Riding」(3rd EP収録)細美武士the HIATUS
5.「Sunset Off The Coastline」細美武士the HIATUS
6.「Interlude」(インスト[注 2])細美武士the HIATUS
7.「Roller Coaster Ride Memories」細美武士the HIATUS
8.「Tales Of Sorrow Street」細美武士the HIATUS
9.「Waiting For The Sun」(3rd EP収録)細美武士the HIATUS
10.「Don’t Follow The Crowd」(3rd EP収録)細美武士the HIATUS
11.「Burn To Shine」細美武士the HIATUS

レコーディングメンバー[編集]

Thirst


Something Ever After


Unhurt


Horse Riding


Sunset Off The Coastline


Interlude

  • 柏倉隆史:Programming, Sound Effects


Roller Coaster Ride Memories


Tales Of Sorrow Street

  • 細美武士:Vocals, Acoustic Guitar
  • masasucks:Guitar
  • ウエノコウジ:Acoustic Bass
  • 柏倉隆史:Drums
  • 伊澤一葉:Piano
  • Ucary Valentine:Additional Vocals


Waiting For The Sun

  • 細美武士:Vocals, Kalimba, Programming
  • masasucks:Guitar
  • ウエノコウジ:Bass
  • 柏倉隆史:Drums, Electric Guitar
  • 伊澤一葉:Piano, Synthesizer


Don't Follow The Crowd


Burn To Shine

  • 細美武士:Vocals, Electric Guitar, Programming
  • masasucks:Guitar
  • ウエノコウジ:Bass
  • 柏倉隆史:Drums
  • 伊澤一葉:Piano, Electric Piano

Keeper Of The Flame Tour 2014[編集]

アルバム発表に先立ち、5月8日、千葉LOOKを皮切りに、7月23日まで日本全国36カ所、41回の公演を行う事が決まった[8]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ちなみに「Interlude」はもともと柏倉が「Roller Coaster Ride Memories」の前に付けていた1分くらいのインタールードだったが、細美との間で「分かれてたほうが親切だよね」という話になって、2つのトラックに分けてできたもの。
  2. ^ アルバム発売以降、ライブ開始時のSEとして使用されることが多い。

出典[編集]

  1. ^ the HIATUS新アルバム詳細&41本におよぶツアー決定”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2014年2月18日). 2018年3月24日閲覧。
  2. ^ a b the HIATUS、待望の新作アルバムは『Keeper Of The Flame』&全国ツアー決定”. BARKS (2014年2月18日). 2018年7月18日閲覧。
  3. ^ a b the HIATUS”. TOKIO HOT100. J-WAVE WEBSITE (2014年3月23日). 2018年7月18日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g the HIATUS「Keeper Of The Flame」インタビュー”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2014年3月26日). 2018年3月24日閲覧。
  5. ^ 細美武士の表現と強さの本質とは。揺るぎない作家精神を紐解く”. CINRA.NET (2016年8月22日). 2018年7月19日閲覧。
  6. ^ 『ロッキング・オン・ジャパン』2014年5月号、細美武士、魂の解放を語るp46-58
  7. ^ the HIATUS、新アルバム収録曲の素材使ったRemix募集”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2014年3月15日). 2018年3月24日閲覧。
  8. ^ the HIATUS 全国ツアーKeeper Of The Flame Tour 2014決定

外部リンク[編集]