鳳凰賞競走

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ボートレースクラシック
(鳳凰賞、総理大臣杯)
格付け SG
優勝賞金 4200万円
優勝戦 6名
各準優勝戦上位2名
準優勝戦 得点上位18名
予選 4日間
出場資格 出場資格を参照
主催者 各市・組合・企業団
開催地 日本の旗 持ち回り
開催時期 3月下旬
第1回執行日 1966年3月10日
次回開催予定
開催期間 2025年
3月25日 - 30日
開催地 ボートレース若松
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鳳凰賞競走(ほうおうしょうきょうそう)は、ボートレースクラシックの通称で知られるボートレースSG競走の1つ。

概要[編集]

正式名称は「総理大臣杯争奪 鳳凰賞競走」[1][2]

第1回より総理大臣杯の下付が行われており[2]、1988年(昭和63年)の第23回大会より「総理大臣杯(そうりだいじんはい)」と呼ばれる。2014年(平成26年)の第49回大会より「ボートレースクラシック(BOAT RACE CLASSIC)[3]の通称名称が採用された[1]。5大SG競走GRANDE5の初戦にあたる。なおこの競走はSGでは唯一ナイター競走を実施していなかったが、2022年に長崎県大村市にあるボートレース大村で開催された第57回大会は初のナイター開催を実施。これにより、全てのSG競走がナイター開催で実施された事になる。

出場資格[編集]

出典[4]

  • 前年度優勝者
  • 前年のグランプリの優勝戦出場者(6名)
  • 前年1月1日 - 12月31日に行われたSGGI/PGIGII競走における優勝者(レディースオールスター、レディースチャレンジカップは除く、地区選手権は下記参照)
  • 前年1月1日 - 12月31日に行われたGIII以下の競走(GII競走のレディースオールスター、レディースチャレンジカップを含む)における優勝回数上位者
  • 前年の全国ボートレース甲子園競走優勝者(2020年開催より制定)[5]
  • 当年の地区選手権(全6地区の)優勝者。ただし出場選手発表後(発表時は46人と予備選手を選出)に重複した選手が優勝した場合は予備選手が繰り上がる。

選出除外[編集]

以下に該当する選手は、選出除外となる。

  • 前々回(前々年)の鳳凰賞から前年のグランプリのSG優勝戦で、選手責任事由のスタート事故を起こした選手。
  • 前回(前年)の鳳凰賞から前年のグランプリ(シリーズ戦)のSG準優勝戦で、選手責任事由のスタート事故を起こした選手。
  • 前年のグランプリ(トライアル、順位決定戦)で、選手責任事由のスタート事故を起こした選手。
  • 負傷・病気等により出場を辞退した選手
  • 選考期間からクラシック前検日までに褒賞懲戒規定による出場停止処分を受けた選手[注 1](一部を除く)。これは出場が決まっていても取消の対象となる。

優勝戦賞典[編集]

2024年度(2025年3月開催)より優勝者には内閣総理大臣杯、賞金4200万円[6](令和5年度の賞金は4000万円[6]、令和元年度以降、令和4年度までの優勝賞金は3900万円[7]、平成23年度以降、平成30年度までは3500万円、平成22年度までは4000万円[8])、その他主催者賞、日本財団会長賞、全国モーターボート競走施行者協議会会長賞、日本モーターボート競走会会長賞が授与される。なお優勝戦出走者にはBOAT RACE振興会よりメダルが授与される。

歴史[編集]

  • 1965年:3月、モーターボート競走に総理大臣杯を下付することが決定[2]
  • 1966年:3月10日から15日までの日程で「第1回鳳凰賞競走」が開催[2]
  • 2010年:ルール改正が行われ、出場資格にGII優勝者が追加された[9]
  • 2011年:東北地方太平洋沖地震東日本大震災)により3月末まで全競艇場のレース開催が中止となった事に伴い、第46回総理大臣杯競走も中止[10]。出場予定だった選手には出走回数等の特例が設けられた[11]。8月に延期され、「東日本大震災復興支援 第46回総理大臣杯競走」が戸田競艇場で開催された[12]
  • 2019年:本大会から優勝者が新設されるボートレースバトルチャンピオントーナメントへの出場権を得られることとなった。
  • 2020年:新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴い日本政府から発令されたイベント開催自粛要請の期間延長[13]により全公営競技無観客開催措置も延長した為、無観客開催となり[14]インターネット・電話投票のみの発売となった。レースの映像はJLCチャンネル等のメディアの他、ニコニコ生放送平和島競艇公式チャンネルでの配信(MC・こんせいそん)も組まれた。
  • 2021年:ボートレース福岡での開催であったが、新型コロナウイルス感染拡大防止の為、入場制限を実施しての開催となった[15]
    • 3月23日 - 26日:先着順による入場制限。
    • 3月27日 - 28日:開催地・福岡競艇場が立地する福岡県及び山口県・佐賀県・長崎県・大分県・熊本県内の在住者を対象とした事前抽選による入場制限。
    • 指定席はこの規定によらず、入場制限中も入場可能。
  • 2022年:
    • ボートレース大村開催の今回からroad to bbcトーナメントへの新しい開幕戦として行なう。また引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止の為、以下のような入場制限を実施しての開催となった。
      • 3月16日 - 3月19日:入場制限なし。
      • 3月20日 - 3月21日:準優勝戦・優勝戦開催日は事前抽選による入場制限を実施(開催地・大村競艇場が立地する長崎県以外で緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発令区域に該当する地域の在住者は当選無効)。
    • 遠藤エミが、レディースチャンピオン優勝により出場権を得た当大会において、道中をオール3連対、予選トップで通過すると、準優勝戦も1枠1コースから危なげなく逃げ切り、女子選手としては尼崎競艇場にて開催された第38回笹川賞横西奏恵が優出して以来、11年ぶりのSG優勝戦進出となった。優勝戦は1枠1コースから.07のスタートを決めるとそのまま逃げ、競艇界史上初の女性SG覇者となった。(節間成績→131 1 32 ❶ ①/女子選手のSG予選得点トップ通過は史上初/SG優勝戦1号艇は2001年の第11回「グランドチャンピオン決定戦」の寺田千恵以来21年ぶり)。

歴代優勝者[編集]

出典はボートレースオフィシャルウェブサイトにある ボートレースクラシック の各回ページより。

回数 開催年 優勝戦日 開催場 優勝者
選手名 登録番号 年齢 住所
所属支部
枠番 コース 決まり手
1 1966年(昭和41年) 3月15日 平和島 長瀬忠義 1284 40 広島 4 - -
2 1967年(昭和42年) 3月7日 住之江 竹内虎次 899 35 岡山 4 - -
3 1967年(昭和42年) 9月5日 住之江 石川洋 1199 32 愛知 6 1 -
4 1968年(昭和43年) 9月10日 戸田 岡本義則 1488 33 福岡 2 - -
5 1970年(昭和45年) 3月6日 住之江 加藤峻二 1485 28 埼玉 2 - -
6 1971年(昭和46年) 3月9日 蒲郡 松尾幸長 1440 30 佐賀 2 1 逃げ
7 1972年(昭和47年) 3月21日 福岡 石黒広行 1693 31 愛知 1 2 まくり
8 1973年(昭和48年) 3月6日 浜名湖 鈴木文雄 1493 37 岐阜 6 1 逃げ
9 1974年(昭和49年) 3月27日 常滑 彦坂郁雄 1515 33 千葉 1 2 恵まれ
10 1975年(昭和50年) 3月25日 下関 石原洋 1572 32 岡山 4 2 まくり
11 1976年(昭和51年) 3月21日 住之江 常松拓支 1686 37 大阪 3 4 恵まれ
12 1977年(昭和52年) 3月8日 下関 山本泰照 1845 35 岡山 1 5 恵まれ
13 1978年(昭和53年) 3月21日 丸亀 北原友次 1481 37 岡山 6 1 逃げ
14 1979年(昭和54年) 3月26日 浜名湖 松尾泰宏 1203 42 佐賀 2 3 差し
15 1980年(昭和55年) 3月11日 蒲郡 中本逸郎 2760 26 広島 6 6 差し
16 1981年(昭和56年) 3月24日 児島 平尾修二 2485 33 香川 2 4 2M差し
17 1982年(昭和57年) 3月9日 下関 彦坂郁雄 1515 41 千葉 4 1 逃げ
18 1983年(昭和58年) 3月23日 平和島 高峰孝三 2390 37 群馬 5 1 逃げ
19 1984年(昭和59年) 3月6日 常滑 増沢良二 2582 31 群馬 3 4 まくり
20 1985年(昭和60年) 3月26日 平和島 黒明良光 2090 37 岡山 1 5 まくり
21 1986年(昭和61年) 3月25日 平和島 古川文雄 2170 37 佐賀 6 4 まくり
22 1987年(昭和62年) 3月10日 蒲郡 国光秀雄 2697 33 長崎 5 4 まくり
23 1988年(昭和63年) 3月29日 戸田 彦坂郁雄 1515 47 千葉 3 2 2M差し
24 1989年(平成元年) 3月30日 戸田 高橋博文 2446 41 大阪 2 2 まくり
25 1990年(平成2年) 3月26日 平和島 岩口昭三 1670 48 福井 5 5 まくり差し
26 1991年(平成3年) 3月25日 平和島 野中和夫 2291 47 大阪 1 1 逃げ
27 1992年(平成4年) 3月24日 蒲郡 鈴木幸夫 2876 34 愛知 3 2 差し
28 1993年(平成5年) 3月23日 戸田 植木通彦 3285 24 福岡 1 5 2M差し
29 1994年(平成6年) 3月22日 平和島 大森健二 1910 46 岡山 2 2 ツケマイ
30 1995年(平成7年) 3月21日 平和島 服部幸男 3422 24 静岡 1 3 まくり
31 1996年(平成8年) 3月25日 平和島 中道善博 2096 47 徳島 3 1 逃げ
32 1997年(平成9年) 3月20日 住之江 西島義則 3024 35 広島 3 1 逃げ
33 1998年(平成10年) 3月22日 丸亀 西島義則 3024 36 広島 2 1 逃げ
34 1999年(平成11年) 3月22日 児島 今垣光太郎 3388 29 石川 6 6 まくり差し
35 2000年(平成12年) 3月20日 浜名湖 矢後剛 3340 33 東京 1 1 逃げ
36 2001年(平成13年) 3月20日 尼崎 烏野賢太 3304 33 徳島 1 1 逃げ
37 2002年(平成14年) 3月21日 平和島 野澤大二 3534 29 東京 3 4 まくり
38 2003年(平成15年) 3月30日 戸田 西村勝 3589 29 埼玉 1 1 逃げ
39 2004年(平成16年) 3月28日 福岡 今村豊 2992 42 山口 1 1 恵まれ
40 2005年(平成17年) 3月27日 多摩川 笠原亮 4019 25 静岡 2 3 ツケマイ
41 2006年(平成18年) 3月21日 平和島 中澤和志 3952 29 宮城 4 4 まくり
42 2007年(平成19年) 3月21日 平和島 濱野谷憲吾 3590 33 東京 3 3 恵まれ
43 2008年(平成20年) 3月30日 児島 松井繁 3415 38 大阪 1 1 逃げ
44 2009年(平成21年) 3月22日 多摩川 池田浩二 3941 30 愛知 1 1 逃げ
45 2010年(平成22年) 3月22日 平和島 山口剛 4205 27 広島 2 1 抜き
46 2011年(平成23年) 3月21日 戸田 東日本大震災のため中止[10]
代替 東日本復興支援競走[12][16] 8月10日 戸田 重野哲之 3995[17] 32[17] 静岡[17] 1[16] 1[16] 逃げ[16]
47 2012年(平成24年) 3月20日 戸田 馬袋義則 3612 39 兵庫 1 1 逃げ
48 2013年(平成25年) 3月20日 平和島 池田浩二 3941 34 愛知 1 1 逃げ
49 2014年(平成26年) 3月23日 尼崎 松井繁 3415 44 大阪 1 1 逃げ
50 2015年(平成27年) 3月22日 尼崎 桐生順平 4444 28 埼玉 1 1 逃げ
51 2016年(平成28年) 3月21日 平和島 坪井康晴 3959 38 静岡 1 1 逃げ
52 2017年(平成29年) 3月20日 児島 桐生順平 4444 30 静岡 1 1 逃げ
53 2018年(平成30年) 3月21日 浜名湖 井口佳典 4024 40 三重 2 2 まくり
54 2019年(平成31年) 3月21日 戸田 吉川元浩 3854 46 兵庫 1 1 逃げ
55 2020年(令和2年) 3月22日 平和島 吉川元浩 3854 47 兵庫 1 1 逃げ
56 2021年(令和3年) 3月28日 福岡 石野貴之 4168 38 大阪 1 1 逃げ
57 2022年(令和4年) 3月21日 大村 遠藤エミ 4502 34 滋賀 1 1 逃げ
58 2023年(令和5年) 3月21日 平和島 土屋智則 4362 38 群馬 1 1 逃げ
59 2024年(令和6年) 3月20日 戸田 毒島誠 4238 40 群馬 2 2 差し

開催予定[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 正式には「選手、審判員及び検査員褒賞懲戒規程に基づき出場停止処分を受けたため」である。

出典[編集]

  1. ^ a b ボートレースクラシック - BOAT RACEオフィシャルウェブサイト、2019年3月21日閲覧
  2. ^ a b c d 第1回総理大臣杯競走の開催(昭和41年3月) - 日本財団図書館、2016年4月18日閲覧
  3. ^ SG競走等に使用する通称名称の使用及びSGコミュニケーションロゴのリニューアルについて”. BOAT RACE official web (2013年10月22日). 2013年10月27日閲覧。
  4. ^ SG競走開催要綱”. www1.g-reiki.net. 2020年12月6日閲覧。
  5. ^ グレードレースの新設について - ボートレース公式ホームページ。2018年8月31日発信、同年11月29日閲覧。
  6. ^ a b “【ボートレース】選手賞金が増額 SGの優勝賞金が200万円アップ”. Sponichi Annex. (2024年4月8日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2024/04/08/kiji/20240408s00053000485000c.html#goog_rewarded 2024年4月22日閲覧。 
  7. ^ ボートレース界の努力実りV賞金大幅アップ - 喜怒愛楽 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2019年4月20日閲覧。
  8. ^ BOAT RACE OFFICIAL WEB SITE | ニュース&トピックス | 記事詳細”. web.archive.org (2013年1月1日). 2019年4月20日閲覧。
  9. ^ SG、GIおよびGII競走開催要綱の一部改正について(2010年2月25日) - 競艇オフィシャルウェブサイト、2016年4月18日閲覧
  10. ^ a b 競艇開催の取り止めについて(2011年03月13日) - 競艇オフィシャルウェブサイト、2016年4月18日閲覧
  11. ^ 選手級別決定基準における出走回数の特例について(2011年4月1日) - 競艇オフィシャルウェブサイト、2016年4月18日閲覧
  12. ^ a b 「SG第46回総理大臣杯」の開催日が決定 (2011年5月13日) - 競艇オフィシャルウェブサイト、2016年4月18日閲覧
  13. ^ 日本放送協会(NHK NEWS WEB) (2020年3月10日). “大規模イベント自粛要請「今後10日間程度は継続を」首相”. NHKニュース. 2020年3月10日閲覧。
  14. ^ 平和島競艇場 (2020年3月11日). “無観客開催等の継続について”. 2020年3月11日閲覧。
  15. ^ SG第56回ボートレースクラシック開催中の入場制限について - 福岡競艇場 2021年1月23日
  16. ^ a b c d 東日本復興支援競走(優勝戦) - BOAT RACEオフィシャルウェブサイト、2016年3月21日閲覧
  17. ^ a b c 出走表(東日本復興支援競走優勝戦) - BOAT RACEオフィシャルウェブサイト、2018年7月26日閲覧
  18. ^ 令和6年度SG競走及びプレミアムG1競走等の開催地決定”. BOATRACE OFFICIAL. 2023年7月5日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]