高畑町

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本 > 奈良県 > 奈良市 > 高畑町
高畑町
たかばたけちょう
日章旗 日本
地方 近畿地方
都道府県 奈良県
自治体 奈良市
旧自治体 高畑村、奈良町
面積
1.13km²
世帯数
1,432世帯
総人口
3,586
国勢調査、2010年10月1日現在)
人口密度
3,173.45人/km²
隣接地区 登大路町・春日野町・白毫寺町・池之町・東寺林町・鶴福院町・不審ヶ辻子町・鵲町・公納堂町・福智院町・紀寺町・東紀寺町・南紀寺町
テンプレートを表示

高畑町(たかばたけちょう Takabatake-chō)は、奈良県奈良市の中央部、市街地の東部に位置する地区である。郵便番号は630-8301。

地理[編集]

奈良市の中央部、市街地の東部に位置する、北西-南東方向に広がる地区である。春日山の南西麓にあたる。

地区の一部は、江戸時代までは興福寺の子院「松林院」が立地していた地域であり、近代以降、京都市南禅寺界隈別荘地と並ぶ別荘地開発が進められ、奈良華族や在阪財閥の山口家の別邸や志賀直哉の邸宅があった[1]。山口家当主が志賀直哉や武者小路実篤ら文化人、芸術家を招き、茶の湯を通じた文化交流が盛んに行われていた[1]。現在も邸宅、別邸が広がる他、志賀直哉旧邸宅の公開などなどで歴史的・文化的価値を生かした取り組みが行われてきる。

北部は猿沢池の東から春日大社の南にかけて、奈良ホテルをはじめとするホテル・旅館が多く分布する。中部に奈良教育大学のキャンパスがある。

一部が世界遺産(文化遺産)「古都奈良の文化財」の緩衝地帯(バッファーゾーン)、歴史的風土特別保存地区(春日山地区)、国史跡興福寺旧境内」、奈良公園奈良町都市景観形成地区に含まれる。

北は登大路町・春日野町、南は白毫寺町、西は池之町・東寺林町・鶴福院町不審ヶ辻子町・鵲町・公納堂町福智院町・紀寺町・東紀寺町・南紀寺町と接している。

河川[編集]

  • 能登川(のとがわ)- 大和川の支流。南部を西に流れる。
  • 菩提川(ぼだいかわ) - 率川(いさがわ)とも称する。大和川の支流で、北部を西に流れる。

[編集]

  • 荒池(あらいけ) - 北西部に位置する。中央を南北に国道169号が走り、池はその両側に分かれている。
  • 鷺池(さぎいけ) - 北西部に位置する。奈良公園の一部。池の中央北部に浮見堂がある。

地名の由来[編集]

  • 大和高原が西に緩やかにのびた、見晴らしのよい台地となっているためとする説がある[2]

域内の地名[編集]

域内に江戸期以来の御所馬場町、片原町、北天満町、中天満町、下清水町、中清水町、上清水町、下高畑町、上高畑町、破石町、福井町、丹坂町、閼伽井町、菩提町、山之上町、能登川町などの通称町名があり、ほかに東大路町、下久保町、上久保町、本薬師町、本薬師東町、高畑大道町、橋街道町、高畑南町などもある[3]。多くは現在もそれぞれ自治会を構成している。

歴史[編集]

沿革[編集]

  • 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、添上郡高畑村が添上郡奈良町大字高畑となる。
  • 1898年(明治31年)2月1日 - 奈良町の市制施行により奈良市大字高畑となる。
  • 1903年(明治36年)- 奈良市高畑町と改称。
  • 1970年(昭和45年) - 一部が東紀寺町1~3丁目・南紀寺町1~5丁目となる。

人口の変遷[編集]

総数 [戸数または世帯数: 、人口: ]

1882年(明治15年)[4] 355戸
1,813人
1980年(昭和55年)[3] 1,581戸
4,688人
2010年(平成22年)[5] 1,432戸
3,586人

施設[編集]

観光[編集]

志賀直哉旧居
頭塔
旧大乗院庭園

教育[編集]

奈良教育大学入口の横断幕
奈良教育大学からみる夕焼け

公共[編集]

  • 奈良第二地方合同庁舎
  • 奈良高畑郵便局

医療・福祉[編集]

  • 柴田歯科医院

寺社[編集]

新薬師寺本堂

小・中学校の学区[編集]

交通[編集]

鉄道路線[編集]

なし

道路[編集]

バス[編集]

  • 奈良交通
    • 市内循環線・中循環線等のバス停に、春日大社表参道、破石町、高畑町がある。
    • 他の路線のバス停に、奈良ホテル、高畑社宅前がある。

出身・ゆかりの人物[編集]

ゆかりの人物

参考文献[編集]

  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 29 奈良県』角川書店、1990年 ISBN 4-04-001290-9

脚注[編集]

  1. ^ a b 文化財の保護と公開・利活用について”. 国土交通省近畿地方整備局. 2023年12月10日閲覧。
  2. ^ 山田熊夫(1976)『奈良町風土記 正編』豊住書店,p.18.
  3. ^ a b 「角川日本地名大辞典」編纂委員会(1990)『角川日本地名大辞典 29 奈良県』角川書店 ISBN 4-04-001290-9
  4. ^ 川井景一(1891)『大和国町村誌集』中井文次郎等
  5. ^ 国勢調査。2010年10月1日現在。
  6. ^ 通学区域”. 奈良市. 2017年2月5日閲覧。
  7. ^ 朝日新聞 (2017年1月25日). “(都ものがたり)岡潔の愛した奈良・高畑町 世の移ろいに超然、古き良き情緒”. 2017年2月5日閲覧。
  8. ^ 奈良学園セミナーハウス志賀直哉旧居. “志賀直哉旧居について”. 2017年2月5日閲覧。
  9. ^ 毎日新聞 (2017年1月25日). “ならまち暮らし 偉大なる田舎=寮美千子 /奈良”. 2017年2月5日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]