騎馬警官

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バッキンガム宮殿を警備する騎馬警官
聖パトリックの祝日」に、行進を先導するサンフランシスコ市警察の騎馬警官
街頭警備を行う、プロビデンス市警察の騎馬警官
警備を行うオーストラリアの騎馬警官
群衆整理を行う騎馬警官 エジンバラでの反G8サミットデモにて

騎馬警官(きばけいかん)とは、ラクダ騎乗した警察官のことである。パトロールの手段として車両が導入される以前は、各国の警察における執行隊としてしばしば設置されるものであった。今日でも騎馬警官はまま見られるものであり、特に欧米では今でも実用的な警備の手段として騎馬警官が活用されている。

概要[編集]

自動車オートバイなど機械の力で走る車両が使われる以前の時代においては、人が得うる高機動力の代表と言えば馬であった。馬はその足の速さと積載力や牽引力を活かして、警察でもパトロールや様々な業務で活用されていた。その時代における騎馬警官とは、今日でいうパトカー白バイに乗務する警察官のような役割を担っていたのだ。時代が下って機械の車が使われるようになると、役割を馬に取って代わるようになる。しかし自動車やオートバイにない機能があることから、今日でも馬は警察にとって欠かせない装備の一つになっている。カナダ国家警察の英語名は「Royal Canadian Mounted Police」であるが、これは直訳すると“王立カナダ騎馬警察”となる。またアメリカの州警察にも「State Trooper」と称する機関があるが、これは西部開拓時代に馬でパトロールしていたことから。直訳では“州騎兵”である。

日本の騎馬警官[編集]

現代の日本の警察では京都府警察平安騎馬隊皇宮警察本部の騎馬隊、警視庁の騎馬隊がある。その目的は次項で示すうちの儀礼であり、警備的観点からの実用性で設置されているわけではない。日本の警察においては、警備や群衆整理は所轄署員や動員された機動隊、他県の警察官の活動によって賄われている。ただし、平安騎馬隊は学童安全対策(府内の小学校の通学路での下校時間帯のパトロール、月曜日から金曜日の朝の隊舎付近の小学校周辺の警戒活動)や、観光地パトロール(京都御苑等:京都御苑(公園部分)は都道府県警察の管轄)、水辺パトロール(水難事故防止のため:賀茂川・宇治川・木津川等の河川敷)も行っており、儀礼のみに徹しているわけではない。

馬及び騎馬警官の機能や役割[編集]

儀礼[編集]

騎馬警官はしばしば儀礼的な目的で活用される。例えばパレードが行われる際に、その先導に騎馬警官がつくことなど。また日本では、天皇に謁見する外国の外交使節が馬車に乗り、それを皇宮警察の騎馬隊が警護することは今でも行われている。これも儀礼的な目的と言えるだろう。

警備[編集]

雑踏警備や街頭警備、デモ警備において、馬は非常に柔軟性のある機動力として欧米各国では今でも使われている。馬は車両ほどの速度は出せないものの、車両よりも柔軟な動きが可能で、必要に応じて群集を威嚇することも可能であるからだ。雑踏警備や街頭警備においては、馬であれば車両では入れない路地でも入ることができるし、歩行者や他の車両を避けることや、人が歩くほどの速度で移動する事も容易である。

また群集が暴動を起こしかけたり、暴動ではないがある一箇所に殺到する場合では、その大きな体躯を活かして威嚇したり、群集に一定の流れを作り出すことも出来る。何事もないときはただ立って尻尾を揺らしているだけで、愛らしい姿は人々の心を和ませ、また群集が暴徒と化したとき警察車両に対しては容赦なく破壊行動を行うが、生き物である馬に対する直接的な危害を加えることは稀である。潜在的暴徒であるデモ隊に対しては、騎馬警官が集結して堵列を作ることで抑止力にもなり、デモ隊に対する突撃は騎兵の衝撃力に類似した効果をもたらす。この効果をもって、デモ隊を押し戻したり分散させるなどの制御が可能となる。

この高い柔軟性と人々に対する心理的効果は、車両にはないものと言えるだろう。欧米各国警察の騎馬警官は、群衆整理のための技術訓練を受けていることがあり、技能を有する騎馬警官は人が直接行うよりも遥かに少ない手間で群衆整理を行う能力がある。

車両が入れない場所でのパトロール[編集]

公園など車両が入れない場所のパトロールにおいては、馬は有用な機動力となる。そのような場所は環境保全の目的から車両の立ち入りが制限されており、また道も不整路である場合が多いので車両の運用には難点があるが、馬であればそれらの問題を克服できる。こういったことから、騎馬警官は今でも活用されている。

装備[編集]

以下に示したものは一般的に見られるものを列挙しており、国や機関によって装備は異なる。

警官[編集]

対応する事案や国によっても装備は異なるが、総じて言えば白バイ隊員と類似した装備になっている場合が多い。

落馬時に頭部を保護するためのもの。白バイ隊員と似たようなデザインのものもあれば、乗馬用ヘルメットを流用したものなどがある。
  • 制服用上衣
  • 外套類
  • 乗馬ズボン
かつて乗馬ズボンと言えば、ふくらはぎのあたりが広がり裾がぴったりとしている、ニッカボッカーズのようなデザインのようなものが多かった。今日では制服に布の色調を合わせた、普通の乗馬ズボンになっている場合が多い。

[編集]

  • 馬具
手綱など、人が馬に乗るために必要な基本的な装備。
  • フェイスガード
機動隊のヘルメットについている、顔面を守る透明の板のようなもの。暴動が想定される状況においては、暴徒の投石などから馬を守るために使われる。
デンマーク警察騎馬隊のホーストレーラー。後ろの銀色の車に馬を載せる

支援装備[編集]

  • ホーストレーラー
厩舎から警備実施地点まで移動するための車両。日本の競走馬輸送車のような大型で自走する物ではなく、乗用車やトラックで牽引するホーストレーラーがまま見られる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]