長谷川正安

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

長谷川 正安(はせがわ まさやす、1923年 - )は法学者。専門は憲法フランス近代憲法。名古屋大学名誉教授。

目次

[編集] 人物

1923年茨城県土浦市で、4人兄弟の末っ子として生まれる。関東大震災後に品川区武蔵小山長屋に家族で移住。1943年徴兵。1945年乗船中の輸送船機雷により大破、舞鶴のドッグで終戦を迎える。この戦争体験から日本軍に反感を持ち、軍隊、組織嫌いとなり、企業就職を拒否し、研究者の道を歩むことを決意するようになる。

1946年(昭和21年)東京商科大学(現一橋大学)卒業後、1949年26歳で名古屋大学助教授に就任。1956年に名古屋大学法学部教授に就任すると独自の法理論の、特に主権論で日本国憲法第9条の問題に対して独自の理論を展開している。「真の意味での独立主権国家でしか自衛力は保持はできない」とする自説をもち、戦後憲法学の一翼を担った。議会解散権についても「衆議院は国民に信を問うため『自覚的解散権』を持つ」とするなど、国民主権論についても独自の理論を持っている。

日本共産党系の憲法研究者として、政治運動にも積極的で、世界科学者連盟副会長(1990年 - 2000年)、憲法改悪阻止各界連絡会議代表委員、愛知憲法会議代表委員等を歴任。

1996年に妻が死去した後は、覚王山のマンションで一人暮らしをしている。

弟子に名古屋大理事・副総長を務めた森英樹がいる。

[編集] 学歴

[編集] 職歴

[編集] 主な著書

  • 『マルクシズム法学入門』(理論社、1952年)
  • 『憲法判例の研究』(勁草書房、1956年)
  • 『日本の憲法』(岩波新書、1957年)
  • 『政治の中の憲法』(弘文堂、1958年)
  • 『昭和憲法史』(岩波書店、1961年)
  • 『憲法判例の体系』(勁草書房、1966年)
  • 『憲法運動論』(岩波書店、1968年)
  • 『国家の自衛権と国民の自衛権』(勁草書房、1970年)
  • 『司法権の独立』(新日本出版社、1971年)
  • 『憲法解釈の研究』(勁草書房、1974年)
  • 『法学論争史』(学陽書房、1976年)
  • 『思想の自由』(岩波書店、1976年)
  • 『日本の憲法[第2版]』(岩波新書、1977年)
  • 『現代国家と参加』(法律文化社、1984年)
  • 『フランス革命と憲法』(三省堂、1984年)
  • 『憲法とマルクス主義法学』(日本評論社、1985年)
  • 『日本憲法学の系譜』(勁草書房、1993年)
  • 『日本の憲法[第3版]』(岩波新書、1994年)
  • 『自由・平等・民主主義と憲法学』(編著、大阪経済法科大学出版部、1998年)
  • 『私のベンタム研究』(日本評論社、2000年)
  • 『憲法とはなにか』(新日本出版社、2002年)
  • 『地域社会と人権』(監修、愛知人権ネット, 2004年)
  • 『戦後部落解放運動の研究』(監修、愛知人権ネット、2006年)

[編集] 訳書

[編集] 論文

  • 「法律学者のみた絶対王制--戒能通孝著「近世の成立と神権説」政治学研究. (通号 1) [1948.09]
  • ジョン・ロック「政治論」〔第2部〕の分析--18世紀自然法思想史序説」理論. 3(1) [1949.01]
  • 「フランスにおける団結権の歴史」、平野義太郎編『団結権の研究:末弘厳太郎博士還暦記念論文集』(日本評論社、1950年)
  • 「基本的人権と公共の福祉理論」、末川博編『基本的人権と公共の福祉』(法律文化社、1951年)
  • 「モウリス・ドュヴェルヂェ著「フランスの諸憲法」一橋論叢(一橋大学)28(1) [1952.07]
  • 「憲法の変遷と改正論の展開」、遠山茂樹編『日本資本主義講座. 第9巻』(岩波書店、1954年)
  • 「テルミドール反動と九五年憲法」『ブルジョア革命の研究 : 戸沢鉄彦教授還暦記念論文集』(日本評論新社、1954年)
  • 「憲法の社会的基礎について」、鈴木安蔵『憲法学の課題』(勁草書房、1954年)
  • 「フランス公務員制」、鵜飼信成,辻清明,長浜政寿共編『比較政治叢書. 第1』(勁草書房、1956年)
  • 「新憲法の成立」、歴史学研究会『日本歴史講座. 第7巻』(東京大学出版会、1957年)
  • 「統治構造」、鵜飼信成編『講座日本近代法発達史. 第3』(勁草書房、1958年)
  • 「言論・出版の自由」、小野清一郎大西芳雄佐藤功共編『総合判例研究叢書. 〔第1〕 第3』(有斐閣、1959年)
  • 「学生の基本的地位 (大学をめぐる法律問題(特集))」ジュリスト(通号 426) [1969.06.15]
  • 「防衛目的と「公共の福祉」--長沼ミサイル基地事件を契機として(特集・「公共の福祉」の現代的機能)」ジュリスト(通号 447) [1970.04.01]
  • マルクス主義法学序説」、天野和夫編『マルクス主義法学講座 1 (1) マルクス主義法学の成立と発展』(1976年)
  • 「エチエンヌ・デュモンとジェレミー・ベンタム」思想(通号 902) [1999.08]
  • 「アンシャン・レジームと憲法」『法律時報76(1) - 76(7)[2004.1 - 2004.6]
  • 「民主主義法学とマルクス主義法学」
  • 「戦後憲法学とマルクス主義」