遊撃隊行進曲

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遊撃隊行進曲
各種表記
チョソングル 유격대 행진곡
漢字 遊擊隊 行進曲
発音 ユギョッテ ヘンジンゴ
(ユギョテ ヘンジンゴ
日本語読み: ゆうげきたいこうしんきょく
MR式
2000年式
Yugyŏktae Haengjin-gok
Yugyeokdae Haengjin-gok
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遊撃隊行進曲(ゆうげきたいこうしんきょく、朝鮮語: 유격대 행진곡)は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の行進曲軍歌

来歴[編集]

1909年神長瞭月が作詞・作曲し、明治末期の日本で流行した『ハイカラ節』を流用・編曲したものとされる。詳しい経緯は不明ながら、1930年代に金日成率いる抗日パルチザン組織で歌われていたものが戦後の北朝鮮で広まったとされる。朝鮮人民軍による閲兵式でしばしば行進曲として演奏されるほか、日本国内の朝鮮学校における運動会などの行進にも用いられる事がある[1]。また、かつては乱数放送にも使用されていた。

一方、韓国でも『ハイカラ節』を原曲とした軍歌『勇進歌』(용진가)が知られている。これは抗日パルチザンの設立に先立つ1910年代に満州で活動した独立軍によって歌われた独立軍歌の1つである。光復後は長らく忘れ去られていたが、元韓国光復軍第三支隊隊員の朴魯壹が設立した独立軍歌保存会によって復興運動がなされ、同団体の主催で1975年に発売されたLPレコード「独立軍歌コレクション第1集」(독립군가 음반 제1집)B面の音源、また1988年8月に韓国レコード産業協会より発売された「独立軍歌コレクション集」(독립군가모음집)でのピョルセの吹き込んだ音源が知られる[2][注 1]。2000年の第1回南北首脳会談では北朝鮮側の軍楽隊によって『遊撃隊行進曲』が演奏されたが、韓国側では『勇進歌』の歴史や内容を踏まえ、これを「日本による統治からの独立闘争」という南北共有の歴史を象徴した選曲だったと解釈する報道もあった[4][5]

注釈[編集]

  1. ^ なお、「独立軍歌第1集」歌詞カードでは『勇進歌』は1920年代に李光洙が作詞したとしているが[3]、「独立軍歌コレクション集」では作詞者未詳としている

脚注[編集]

  1. ^ 辻田 2011, p. 371.
  2. ^ 독립군가 모음집” (韓国語). genie. 2019年2月10日閲覧。こちらより試聴可能。
  3. ^ 독립군가 음반 제1집 (1975.10. 제작) - 젊은 학도들아” (韓国語). 独立軍歌保存会. 2019年2月10日閲覧。
  4. ^ 남북이 함께 <독립군가>를 부르는 날이 오기를...”. 통일 미래 길잡이. 2016年11月12日閲覧。
  5. ^ <용진가>는 독립군 대표군가였다”. 한겨레21. 2016年11月12日閲覧。

参考文献[編集]

  • 辻田真佐憲『世界軍歌全集―歌詞で読むナショナリズムとイデオロギーの時代』社会評論社、2011年。ISBN 4784509682 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]