破産犯罪

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破産犯罪
Scale of justice 2.svg
法律・条文 破産法265条以下
保護法益 -
主体 各類型による
客体 各類型による
実行行為 各類型による
主観 故意犯
結果 各類型による
実行の着手 各類型による
既遂時期 各類型による
法定刑 各類型による
未遂・予備 なし
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破産犯罪(はさんはんざい)とは、破産法第14章罰則に規定する犯罪をいう。 破産犯罪として処罰の対象とされる行為は、主として、破産手続による債務者の財産関係の清算の公平・公正を害する行為である。

  • 破産手続については、破産を参照。

詐欺破産罪[編集]

債務者が、破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(相続財産の破産にあっては、相続財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは、10年以下の懲役若しくは1千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第4号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする(破産法265条第1項)。

1)債務者の財産(相続財産の破産にあっては、相続財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し、又は損壊する行為。
2)債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為。
3)債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為。
4)債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為。

前項に規定するもののほか、債務者について破産手続開始の決定がされ、又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする(破産法265条第2項)。

特定の債権者に対する担保の供与等の罪[編集]

債務者(相続財産の破産にあっては、相続人、相続財産の管理人又は遺言執行者を含む。以下この条において同じ。)が、破産手続開始の前後を問わず、特定の債権者に対する債務について、他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをし、破産手続開始の決定が確定したときは、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(破産法266条)。

破産管財人等の特別背任罪[編集]

破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者に財産上の損害を加えたときは、10年以下の懲役若しくは1千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(破産法267条第1項)。

破産管財人又は保全管理人が法人であるときは、前項の規定は、破産管財人又は保全管理人の職務を行う役員又は職員に適用する(破産法267条第2項)。

説明及び検査の拒絶等の罪[編集]

破産法第40条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)又は第230条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。第96条において準用する第40条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者も、同様とする(破産法268条第1項)。

第40条第1項第2号から第5号までに掲げる者若しくは当該各号に掲げる者であった者又は第230条第1項各号に掲げる者(相続人を除く。)若しくは同項第2号若しくは第3号に掲げる者(相続人を除く。)であった者(以下この項において「説明義務者」という。)の代表者、代理人、使用人その他の従業者(以下この項及び第四項において「代表者等」という。)が、その説明義務者の業務に関し、第40条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)又は第230条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、前項前段と同様とする。説明義務者の代表者等が、その説明義務者の業務に関し、第96条において準用する第40条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、同様とする(破産法268条第2項)。

破産者が第83条第1項(第96条において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだとき、又は相続財産について破産手続開始の決定があった場合において第230条第1項第2号若しくは第3号に掲げる者が第83条第1項の規定による検査を拒んだときも、第1項前段と同様とする(破産法268条第1項)。

第83条第2項に規定する破産者の子会社等(同条第3項において破産者の子会社等とみなされるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者等が、その破産者の子会社等の業務に関し、同条第2項(第96条において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による説明を拒み、若しくは虚偽の説明をし、又は同項の規定による検査を拒んだときも、第1項前段と同様とする(破産法268条第1項)。

重要財産開示拒絶等の罪[編集]

破産者が第41条の規定による書面の提出を拒み、又は虚偽の書面を裁判所に提出したときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(破産法第269条)。

業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪[編集]

破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、債務者の業務及び財産(相続財産の破産にあっては、相続財産に属する財産)の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者は、債務者(相続財産の破産にあっては、相続財産)について破産手続開始の決定が確定したときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。第155条第2項の規定により閉鎖された破産財団に関する帳簿を隠滅し、偽造し、又は変造した者も、同様とする(破産法第270条)。

審尋における説明拒絶等の罪[編集]

債務者が、破産手続開始の申立て(債務者以外の者がしたものを除く。)又は免責許可の申立てについての審尋において、裁判所が説明を求めた事項について説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(破産法第271条)。

破産管財人等に対する職務妨害の罪[編集]

偽計又は威力を用いて、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(破産法第272条)。

収賄罪[編集]

破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理(次項において「破産管財人等」という。)が、その職務に関し、賄賂ろを収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(破産法第273条第1項)。

この場合において、その破産管財人等が不正の請託を受けたときは、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(破産法第273条第2項)。

破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、破産管財人又は保全管理人の職務を行うその役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、その役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、破産管財人又は保全管理人に賄賂を収受させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様とする(破産法第273条第3項)。

前項の場合において、その役員又は職員が不正の請託を受けたときは、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(破産法第273条第4項)。

破産債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人、役員若しくは職員が、債権者集会の期日における議決権の行使又は第139条第2項第2号に規定する書面等投票による議決権の行使に関し、不正の請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(破産法第273条第5項)。

前各項の場合において、犯人又は法人である破産管財人若しくは保全管理人が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する(破産法第273条第6項)。

贈賄罪[編集]

前条第一項又は第三項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(破産法第274条第1項)。

破産法第273条第2項、第4項又は第5項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(破産法第274条第2項)。

破産者等に対する面会強請等の罪[編集]

破産者(個人である破産者に限り、相続財産の破産にあっては、相続人。以下この条において同じ。)又はその親族その他の者に破産債権(免責手続の終了後にあっては、免責されたものに限る。以下この条において同じ。)を弁済させ、又は破産債権につき破産者の親族その他の者に保証をさせる目的で、破産者又はその親族その他の者に対し、面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(破産法第275条)。

国外犯[編集]

第265条、第266条、第270条、第272条及び第274条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第2条の例に従う(破産法第276条第1項)。

第267条及び第273条(第5項を除く。)の罪は、刑法第4条の例に従う(破産法第276条第2項)。

第273条第5項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する(破産法第276条第3項)。

両罰規定[編集]

法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第265条、第266条、第268条(第1項を除く。)、第269条から第272条まで、第274条又は第275条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する(破産法第277条)。


関連[編集]

リンク[編集]