ライダー神風

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ライダー神風』(らいだーかみかぜ)は、8ミリフィルムによる自主製作映画。監督は安原伸1988年(昭和63年)度製作。

題名からわかる通り、『仮面ライダー』のパロディであり、『愛國戰隊大日本』同様の右翼パロディ作品である。

解説[編集]

DVDに収録された安原の解説によれば、小学館主催の「仮面ライダーグランプリ」というコンテストに話題作りのために応募した作品で「構想5分、製作3日。」とのこと。

安原は本作と同じ年に、伊丹映画祭グリーンリボン賞に出品した『明治天皇宇宙の旅』でグランプリを獲得しており、『ライダー神風』も映画祭の会場で一般公開された。この年の伊丹映画祭は国民文化祭の一環として開催されており、また昭和天皇の重病のため全国がいわゆる「自粛ムード」の中にあったことから、観客に与えたインパクトは絶大だったと伝えられている。

全7話だが、各話はごく短く、実際には全7話を通して一つの作品という印象が強い(全7話で13分弱、その内第1話が5分を占める)。その内容のインパクトの強さ[1]から、自主制作映画としては異例とも言える息の長さを持っている[2]

また、ビデオやDVDのパッケージ自体が右翼の宣伝ビデオのパロディの体裁を取っており、予備知識の全く無い者がパッケージだけ見た場合、右翼のプロパガンダ作品と誤解するようなデザインである[3]

あらすじ[編集]

ヤクザに絡まれて重傷を負った青年は、「富田さん」という人物に救われ「天皇陛下を守る思想改造人間」ライダー神風となった。富田さんから軍服と単車を与えられたライダー神風は、皇居にゴミを捨て、木の枝を折り、「しんぶん赤」[4]や「安 ひろ子」[5]のポスターを街中に貼っていく「悪い奴ら」と対決する。

話数リスト[編集]

  • 第一話 天皇陛下を守れ
  • 第二話 皇居の緑を守れ
  • 第三話 ライダーの秘密
  • 第四話 加島現わる
  • 第五話 加島大活躍
  • 第六話 加島の正体
  • 第七話 少年ライダー隊
  • 最終話 さらばライダー

脚注[編集]

  1. ^ 戦闘シーンのBGMに君が代が流れる等
  2. ^ 発表以降、何度か他の安原伸監督作品とカップリングでビデオ化され、2006年(平成18年)には他の安原監督作品と共にDVD『日本の総て』に収録されている
  3. ^ 製作元は総本部 安原会と表記されている
  4. ^ 日本共産党機関紙しんぶん赤旗」のパロディ。本物の「しんぶん赤旗」のポスターに一部紙を貼った物を撮影で使用している。
  5. ^ 当時、兵庫県選挙区の日本共産党参議院議員であった安武洋子のポスターに伏字や目隠しをして使用している。

関連項目[編集]