ヤング率

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ヤング率英語:Young's modulus、縦弾性係数)は、弾性範囲で単位ひずみあたり、どれだけ応力が必要かの値を決める定数である。この名称はトマス・ヤングに由来する。

[ひずみ ε ]= [応力 σ ] / [ヤング率 E ]  (フックの法則)より、

E=\frac{\sigma}{\varepsilon}

である。

一方向の引張りまたは圧縮応力の方向に対するひずみ量の関係から求める。ヤング率は、縦軸に応力、横軸にひずみをとった応力ひずみ曲線の直線部の傾きに相当する。

たとえば、ヤング率が約10t/mm2(=98GPa)であるでは、断面積1mm2、長さ1mのワイヤに10kgのオモリをぶら下げると、0.1%のひずみが生じる、すなわち約1mm伸びることなどを推定することに使う値である。

結晶原子間距離の変化に対する抵抗というモデルがイメージである。原子間の凝集力が弾性的性質をきめる。したがって応力と変形の機構が同じ種類の材質間では、融点弾性係数の間にはある程度の相関がある。応力がある大きさ(比例限度)をこえると、結晶の不完全な部分が不可逆的にうごくことによって変形することになるので、応力とひずみの関係はリニア(線形)ではなくなり、応力を取り除いてももとの寸法に戻らなくなる。この現象を降伏という。

金属のヤング率は数十 - 数百である。この値は100%のひずみを生じる応力の値であるが、実際の材料は1%も伸びないものが多いので、ヤング率は引張強さの数百倍の大きさである。

弾性的性質は温度によって変化するので解析時には注意が必要である。変化の近似式は

E = E_0 - BT \exp\left(-\frac{T_c}{T}\right)

ここで E0 は0[K]でのヤング率、B, Tc は材料によって異なる定数である。一例として、1000℃における鋼のヤング率は2/3ぐらいに減少する。

樹脂においては応力ひずみ線図のリニアの領域はほとんど存在しないのでセカント係数などを用いる。

主な物質のヤング率 [編集]

注:以下に載せる値は目安であり、必ずしも保証されるものではない。

主な物質のヤング率
材料 GPaでのヤング率(E) lbf/in² (psi)でのヤング率(E)
ゴム (小ひずみ) 0.01-0.1 1.5x10^3-1.5x10^4
PTFE (テフロン) 0.5 7.5x10^4
低密度ポリエチレン 0.2 3.0x10^4
HDPE 1.379 2.0x10^5
ポリプロピレン 1.5-2 2.17x10^5-2.9x10^5
バクテリオファージ カプシド 1-3 1.5x10^5-4.35x10^5
ポリエチレンテレフタラート 2-2.5 OR 2.8-3.1 2.9x10^5-3.6x10^5
ポリスチレン 3-3.5 4.35x10^5-5.05x10^5
ナイロン 3-7 2.9x10^5-5.8x10^5
MDF (中密度繊維板) 3.654 5.3x10^5
木材 (along grain) 8.963 1.3x10^6
オーク 木材 (along grain) 11 1.6x10^6
強化コンクリート (圧縮時) 30-100 4.35x10^6
マグネシウム 金属 (Mg) 45 6.5x10^6
アルミ合金 69 1.0x10^7
ガラス (下欄も参照) 65-90 9.4x10^6-1.3x10^7
黄銅青銅 103-124 1.7x10^7
チタン (Ti) 105-120 1.5x10^7-1.75x10^7
(Cu) 110-130 1.6x10^7-1.9x10^7
炭素繊維強化プラスチック (50/50 繊維/樹脂, unidirectional, along grain) 125-150 1.8x10^7 - 2.2x10^7
錬鉄 190-210 3.0x10^7
ベリリウム (Be) 287 4.15x10^7
タングステン (W) 400-410 5.8x10^7-5.95x10^7
炭化珪素 (SiC) 450 6.5x10^7
オスミウム (Os)[1] 550 7.98x10^7
炭化タングステン (WC) 450-650 6.5x10^7-9.4x10^7
カーボンナノチューブ [1] 1,000+ 1.45x10^8+
ダイアモンド (C) 1,050-1,200 1.5x10^8-1.75x10^8

脚注 [編集]