ミサ曲 ニ長調 (ドヴォルザーク)

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Antonin Dvorak - Mis, op.86 - セルジュ・ボド指揮オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団他による演奏。AVROTROS Klassiek公式YouTube。
Dvořák, Messe en ré majeur - Vincent Barthe指揮ソルボンヌ大学管弦楽団・合唱団他による演奏。ソルボンヌ大学管弦楽団・合唱団公式YouTube。

ミサ曲 ニ長調ドイツ語: Messe D-Dur作品86は、アントニン・ドヴォルザークが作曲したミサ曲

作曲・初演[編集]

当楽曲を書き上げたのは、1887年のこと[注 1]。ドヴォルザークが1884年3月に自身初の英国ロンドン旅行の途上で自作『スターバト・マーテル』を指揮して地元ロンドンの聴衆からの大喝采を浴びてから約3年経過していた[1][2]

当楽曲は、ドヴォルザークの友人で著名な建築家でもあるヨセフ・フラヴカ英語版の自宅内に建設されていた小さな礼拝堂の落成を祝う記念式典(奉献式)のために作曲されたもので、作曲当年である1887年の9月11日にその新しい礼拝堂に於いて初演された。初演場所の関係からオルガン伴奏の形で作曲されており、初演当日にはオルガンに小規模な合唱団、そしてアルト独唱としてドヴォルザークの妻アンナが演奏参加するなど、親密な雰囲気で行われた[1][3][4]

初演翌年の1888年4月15日には、チェコピルゼン(プルゼニ)の劇場に於いて一般の聴衆が入る公開の場での初演が行われた。この時には伴奏として2台のハーモニウムチェロ、そして2本のコントラバスから成る小アンサンブルが組まれたとされているが、このアンサンブル伴奏形態がドヴォルザーク自身の発案によるものだったか否かは定かで無く、また、このアンサンブルに係る譜面などは現存していない。

1892年、イギリスの音楽出版社ノヴェロからの依頼により管弦楽伴奏に編曲。翌1893年にロンドンの水晶宮に於いてこの管弦楽編曲版がアウグスト・マンスの指揮により演奏されている[3][4]

編成[編集]

原典版(オルガン伴奏版;1887年)
独唱(SATB)、混声四部合唱、オルガン
管弦楽伴奏版(1892年)
小規模四部合唱(4人の独唱の代わり)、混声四部合唱、オルガン、
管弦楽(2Ob.、2Fg.、3Hr.、2Tp.、3Tb.Timp.弦楽五部

楽曲構成[編集]

  1. キリエ(Kyrie) - 独唱および合唱
  2. グローリア(Gloria) - 独唱および合唱
  3. クレド(Credo) - 独唱および合唱
  4. サンクトゥス(Sanctus) - 合唱
  5. ベネディクトゥス(Benedictus) - 合唱
  6. アニュス・デイ(Agnus Dei) - 独唱および合唱

演奏時間は、35~45分程度である。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 僅か19日間という短期間で書き上げたという[1]

出典[編集]

  1. ^ a b c 第27回演奏会~曲目解説” (PDF). 横浜合唱研究会 (2018年5月26日). 2018年11月4日閲覧。
  2. ^ 小松篤司(新交響楽団ヴァイオリン奏者). “ドヴォルザーク:交響曲第8番”. 新交響楽団(アマチュアオーケストラ). 2018年11月4日閲覧。
  3. ^ a b (クラシック)「ドヴォルザーク:ミサ曲/テ・デウム」”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク. 2018年11月4日閲覧。 “当該ページ前半に掲載の解説文より”
  4. ^ a b ドヴォルザーク:ミサ曲ニ長調”. HMV&BOOKS online. ローソンエンタテインメント (2011年6月27日). 2018年11月4日閲覧。 “当該ページ前半に掲載の解説文より”

外部リンク[編集]