プロガノケリス

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プロガノケリス
プロガノケリス
地質時代
三畳紀後期
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
: カメ目 Testudines
: プロガノケリス科 Proganochelidae
: プロガノケリス属 Proganochelys
学名
Proganochelys
  • P. quenstedtii

プロガノケリス (Proganochelys ) は、中生代三畳紀後期の約2億1,000万年前に生息していたカメ爬虫綱双弓亜綱・カメ目。サンジョウキガメとも呼ばれる。ドイツとタイで化石として発見されており現存する種ではない。2008年に中国からオドントケリス (Odontochelys) が発見されるまでは、最古のカメであった。

形態[編集]

プロガノケリス骨格

全長約1メートル、甲長約60センチメートルと、カメとしては大型。高さの無い、平たい甲羅を持つ。頸椎は8個で現生種と共通。尾の先端は骨質の鞘で覆われ、棍棒の様になっていた。四肢の構造はゾウガメなどに近く、陸生であったと考えられている。口の咬み合わせ部は草食性のリクガメに近く、同様に草食性であったと思われる。

現生種との相違[編集]

現生のカメ類の特徴であるを持っていたが、を残していた。ただし、既に口縁に生えているものは失われ、口蓋部のものだけになっていた。オドントケリスでは不完全であった甲羅(背甲)も完成していたが、頭部や四肢を甲内に収納できなかった点で大きく異なる。現生のカメでは後頭部が湾入して咬筋の付着部が拡大しているが、プロガノケリスでは頭頂骨などが後頭部を覆っていた。首や長い尾に防御もしくは武装用の骨板やトゲを持っていた点も、成長すると甲羅の骨板同士の縫合が閉じる点なども現生のカメ類にはみられない特徴である。また、現生種では一つになっている鼻孔も左右独立していた。

耳小柱哺乳類鐙骨相同)が太く、また外耳のスペースが小さいために形成が不完全で、聴覚はあまり発達していなかったと思われる。

分布[編集]

化石はヨーロッパドイツグリーンランド等)、東南アジアタイ等)、南北アメリカで見つかっている。

参考文献[編集]

  • 疋田努『爬虫類の進化』東京大学出版会、2002年。ISBN 4-13-060179-2 
  • 平山廉『恐竜の謎』小田隆(復元画)、ナツメ社図解雑学〉。ISBN 4-8163-3306-1 
  • 平山廉『カメのきた道 甲羅に秘められた2億年の生命進化』日本放送出版協会NHKブックス〉、2007年。ISBN 978-4-14-091095-5 

関連項目[編集]

  • 絶滅した動物一覧
  • オドントケリス - 現時点においては最古のカメとされる。背側の甲羅が未完成。
  • 板歯目 - 同時代に生息していた爬虫綱の分類群。カメ類そっくりに収斂進化した。
  • プリスコケリス - 同時代に生息したカメあるいは板歯目。こちらの方がやや古いとされる。発見されたのが甲羅の右後ろの一部のみであるため、いかなる形態であったかは分かっていない。
  • プロテロケルシス - 同時代に生息したカメ。最古の曲頸亜目との説もある。

外部リンク[編集]