ピクニック

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ピクニック(Picnic)は、屋外に出て野山や海岸などの自然豊かな場所に出かけていき、食事をすること。

日本語の古語では野掛けという。

概要[編集]

現代のピクニック
地面に敷いたマットの上で談笑しながら食事を楽しむ

人間は、建物を作り、この中で生活の様々な用を済ませる。しかしピクニックでは、こういった建物から出て、戸外で日常的な活動を行うもので、この方向性には本格的な野外生活が存在するが、ピクニックではそこまで生活の長い時間を戸外で過ごすことは前提とせず、食事とそのあとの軽い行楽のみを目的とする。

食事では、主に弁当サンドイッチ果物などの運搬性の良い食べ物を持って行き、自然に親しみながら遊ぶ。これらの遊びはスポーツなどの本格的なものではなく、軽く体を動かす程度(散歩を含む)で、これは専ら「食後の軽い運動」程度にとどめられる。

似たような行楽にはハイキングがあるが、こちらは「てくてく歩く」という意味あいがあり、行楽地まで徒歩で移動することのほうに主体がある。ピクニックではその移動の過程は重要視されず、より純粋に戸外で食事や行楽をすることに重点が置かれている。

時代的遷移[編集]

貴族のピクニック15世紀の図版
下に描かれた使用人たちのほか、左下には猟犬もおり、大所帯で戸外に繰り出している様子がうかがえる。

ピクニックという風習は、ヨーロッパ貴族の狩猟遊びで栄えた。その当時は配膳などに使用人を配するなど、戸外で食事をすることを贅をこらして楽しむ傾向が見られたが、これは後に大衆化(→大衆文化)する過程で簡略化され、家族カップルないし遊び仲間など少人数で楽しむ際に、食器を使わないでも食べられる簡便な、それでいて「食べる」という娯楽性を付与した食事が供される。

日本では公共交通機関の発展や大衆車の普及(モータリゼーション)にも伴い、気軽に自然環境の豊富な郊外に出かけることが可能となり、ハイキングよりも気軽な戸外でのレクリエーションとして好まれていった。米国でも、自動車の普及はピクニックを楽しむ大衆にとって切り離せない要素となっている様子が見いだせる。いわゆるミニバンなどファミリーカーの中には、こういった気軽な野外活動に特化したオプションを備えたり、その機能を付与するための製品も見られる。

形態[編集]

庭に設置されたキャンピングテーブル

ピクニックでは、しばしば地面にマットを敷くなどして座ったり、簡略化した椅子やテーブルを設置して、そこで食事が成される。またそういった簡単な椅子やテーブルが、あらかじめ行楽地などに設置されている場合もある。

食事では、一応の運搬性が求められるが、これは自動車などを使って目的地に赴く場合は、乗物と食事を実際にする場とを往復してもよく、たとえばバーベキューセットのような荷物としては嵩張る屋外用調理用熱源が持ち出される場合もある。

戸外で楽しむ行為ではあるが、自然をただ鑑賞するなどのほかに、音楽を流して楽しむなどの目的でラジオないしラジカセのような音響機器が持ち出される傾向もあり、また映像機器の中にも液晶テレビやポータブルDVDプレーヤーのような運搬性の良い製品の登場にもよって、これを楽しむケースも見いだせよう。携帯型ゲームのような製品も、そういった延長で戸外で利用されうる。

食後の軽い遊びやスポーツでは、ボールを使い簡単な道具だけでできるキャッチボールバドミントンなど専用のコートを必要としないものが大衆的なピクニックで行われる傾向もあるが、このほかにもフリスビー凧揚げなど戸外で楽しめるものなら何でもよく、このあたりは余りこれといった決まりがない。食後に風景をただ眺めたり木陰で寝転がっているだけでも、ピクニックの形態としては成立する。

最終的には、食事の後始末や出たゴミの回収整理が行われる。中にはこのゴミを放置するものもいないではないが、そういった行為はマナーの上で否定される。

関連項目[編集]