バンプ・アヘッド

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バンプ・アヘッド
Mr.Bigスタジオ・アルバム
リリース 1993年9月25日
2009年5月13日日本・再発)
ジャンル ハードロック
レーベル アトランティック・レコード
プロデュース ケヴィン・エルソン
チャート最高順位
  • 6位(オリコン
  • 177位(再発盤・オリコン)
Mr.Big 年表
ロウ・ライク・スシ II
1992年
バンプ・アヘッド
1993年
ロウ・ライク・スシ?
1994年
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バンプ・アヘッド』(Bump Ahead)は、アメリカハードロックバンドMr.Bigがリリースした、3作目のオリジナルアルバムである。

内容[編集]

前作『Lean Into It』から2年5ヶ月ぶりとなるオリジナルアルバム。

「To Be With You」の大ヒットによって、一躍人気アクトの仲間入りを果たしたバンドは、レコード会社からの大きな期待(言い換えれば圧力)を受けながら、このアルバムを制作することとなった。さらに会社側からの「『To Be With You』のような曲がもう一つほしい」との要求によって、大量のバラード曲のデモ制作を余儀なくされ、結果、キャット・スティーヴンスの「Wild World」のカバーを追加収録された。アルバムの完成度は高く、シンセサイザーストリングスを大胆に導入した曲もあり、音楽性の広がりを感じさせる作品となっている。

デビュー20周年の2009年に、再結成&ジャパン・ツアー 記念エディションとして全曲リマスタリング&ボーナス・トラック収録で、日本で再発売された。

解説[編集]

  • アルバムタイトルは前作「LEAN INTO IT」同様パットの発案でつけられたもの。パットがアルバムジャケットにも使われた写真(道路のマンホールから男性が頭だけを覗かせているというユニークなもの)をサンフランシスコの図書館で偶然見つけ、それを他のメンバーに見せたところ、ビリーが「bump ahead」と言ったことがきっかけ。このように先にジャケット写真のアイディアがあり、そこからタイトルを発想するというのは「LEAN INTO IT」や「HEY MAN」と同じ流れである。ちなみにbump aheadという言葉は「Look out!(気をつけろ!)」という意味と「もう一歩前進しろ」というふたつの意味を持つ言葉である。また、次作「HEY MAN」のタイトルも、既にこのアルバム制作時点で考案されている。
  • ポールによると、ブライアン・アダムスとのツアーに出る前の段階で「What’s It Gonna Be」「Mr.Gone」、そして結果的に収録されなかったが「Stand By Me」といった曲は既にデモを録り終えていたという。
  • 本来このアルバムは1993年6月にリリースされる予定だったが、完成品を聞いたレコード会社から「このアルバムには「To Be With You」のような強力なバラードがない。このままでは出せない」と突き返されてしまい、新たに数曲を差し替えたうえで同年9月にようやくリリースに漕ぎ着けた。
  • 1993年4月にレコーディングは終了しており、既に音楽雑誌のインタビューも受けている段階での差し替えとなった。このため、実際のアルバムの内容と、掲載済みのインタビューやライナーノーツとの内容が若干異なっている。
  • 差し替えにおける追加収録曲として、最終的にはキャット・スティーブンスのカヴァー「Wild World」が選ばれたが、ほかに候補として「Hold Your Head Up」や「Some Kind Of Wonderful」(この曲はHEY MANツアーにおけるドラムソロで披露されたこともあった)、SLEEZE BEEZのナンバーなども挙がっていた。また差し替え前のインタビューで語られていたオリジナル曲「Stand By Me」「Next Time Around」は、差し替えに当たって削除されている(「Next Time Around」「Hold Your Head Up」はのちに再結成後の4thベストアルバム「NEXT TIME AROUND」に収録された)。
  • のちにライブアルバム「JAPANDEMONIUM」に収録された新曲「Seven Impossible Days」は、レコード会社からやり直しを命じられたことにポールがショックを受けたことを歌にしたもの。エリックは「たまにはこういうこともある、流れに乗ることも時には必要なんだからそんなに落ち込むな」とポールを慰めたそうだが、ポールにとってはかなり心に傷が残る出来事だったようだ。
  • ポールは差し替え前に受けたインタビューで、その時点では収録される予定だった(のちにお蔵入りになった)曲についても解説している。まず「Stand By Me」は、実はポールが初めて12弦ギターを購入した際に考えついたリフを基に書いた曲だとのこと。曲の原型は前作「LEAN INTO IT」で既に出来上がっており、その時点で他のメンバーにも聞かせたが、結局その際はアルバムへの収録は見送られ、今回パットとふたりで改めてアレンジを施して完成したとのこと。
  • ボツになったもう1曲の「Next Time Around」は、バンド結成時点で既にあった曲で、ポールの記憶によるとバンドとして初めてのギグの1曲目としてこの曲を演奏し、さらに初のサウンドチェックの際もこの曲を演奏したという。この曲はコーラスがかなりの比重を占める曲だが、バンド結成当初はまだバックヴォーカルを取りながら楽器を演奏することにさほど慣れておらず、当初は収録を見送っていたものの、その後コーラスに大分自信がついたので今回収録することにしたと語っている。また曲のイントロではポールとビリーでタッピングを行っているが、これはEL&Pの「Karn Evil 9」のイントロに入っているキーボードソロをギターで再現しようと試行錯誤しているうちに、タッピングのアイディアを思いついたとのこと(ちなみに「Karn Evil 9」はポールのギター教則ビデオ「GUITARS FROM MARS 2」でも取り上げており、ポールが歌いながらギター演奏を行っている)。

収録曲[編集]

  1. コロラド・ブルドッグColorado Bulldog (4:14)
  2. プライス・ユー・ガッタ・ペイPrice You Gotta Pay (3:55)
  3. プロミス・ハー・ザ・ムーンPromise Her The Moon (4:07)
    バラード・ベストアルバム『Deep Cuts』ではリメイクされている。
  4. ワッツ・イット・ゴナ・ビーWhat's It Gonna Be (3:54)
  5. ワイルド・ワールドWild World (3:27)
    ロンドン出身のシンガー・ソングライターキャット・スティーヴンスカバー
  6. ミスター・ゴーンMr.Gone (4:35)
  7. ザ・ホウル・ワールズ・ゴナ・ノウThe Whole World's Gonna Know (3:53)
  8. ナッシング・バット・ラヴNothing But Love (3:58)
  9. テンパラメンタルTemperamental (4:55)
  10. エイント・シーン・ラヴ・ライク・ザットAin't Seen Love Like That (3:31)
  11. ミスター・ビッグMr.Big (4:16)
    バンド名の由来となったイギリスロックバンドFreeのカバー。
  12. ロング・ウェイ・ダウンLong Way Down (3:48)
    ボーナス・トラック (日本盤のみ)。
  13. エイント・シーン・ラヴ・ライク・ザット (アーリー・ヴァージョン)
  14. ミスター・ビッグ (デモ・ヴァージョン)
    前曲とこの曲は、日本の再発盤によるボーナス・トラック。