エリック・マーティン
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エリック・マーティン(Eric Martin、1960年10月10日 - )は、ロックミュージシャン、ボーカリスト。
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[編集] 来歴
[編集] 生い立ち~MR.BIG結成前
ニューヨーク州ロングアイランド生まれだが父親が軍人であったため、台湾、ワシントン、カンサスと移り住み、多感な少年期はヨーロッパで過ごした。イタリアに住んでいた頃にロックに触れ、ドラマー、またシンガーとしてカバー・バンド活動をしていた。
エリックが15歳頃に一家はアメリカ・サクラメントに移住。サクラメントでのバンド活動から始め、やがてサンフランシスコの人気バンド「KID COURAGE」に加入した。この時、後に長きに渡りエリックのマネージャーを務めることになる、サンディ・アインシュタインと出会っている。
「スター気取りで素行が悪い」という理由でKID COURAGEを解雇されると、一度ロサンゼルスに移った後にサンフランシスコへ戻り、「MILE HI」に加入し、バンド名を「415」(サンフランシスコのエリア・コードが由来)と改め活動。このバンドもサンディが担当しており、ハービー・ハバート率いる「ナイトメア・マネージメント」に所属することとなった。
エレクトラからデビューする際にマネージャーの提案でERIC MARTIN BANDと改名し、1983年に『SUCKER FOR A PRETTY FACE』を発表。AC/DCの初めてのアメリカ・ツアーや、エディー・マネー、ZZトップ、NIGHT RANGERなどの前座を務めるなどの実績をつんだものの、エリックはバンドに向上心がないとして解散を選択する。
ERIC MARTIN BANDの解散後はVAN HALEN、ジャーニーなどの大物バンドへの加入が噂されたが、どれも実現しなかった。当時同じナイトメア・マネージメントに所属していたジャーニーのギタリスト、ニール・ショーンの支援を受け、共作・共演した「I Can't Stop The Fire」が映画「TEACHERS」のサントラに収録された(1984年)。同じくニールと共作したバラード「Just One Night」が評価されキャピトルとのソロ契約を獲得し、当時のトップ・セッション・ミュージシャン達を起用したAOR作品を制作した。
1作目の『ERIC MARTIN』(1985年)は、ニールとの共作曲を核にテンションの高いアルバムに仕上がり、アメリカでゴールド・ディスクを獲得するヒットとなった。しかし2作目の『I'M ONLY FOOLING MYSELF』(1987年)はセールスが振るわず、曲作りに関わらせてもらえなかった事でも、エリックにとって大きな不満を残す作品となった。この頃キャピトルの体制が変わり、エリックとの契約を決めた人物がキャピトルを去ったことも重なってしまい、契約を打ち切られてしまう。
[編集] MR.BIG結成~解散
1988年頃、『ERIC MARTIN』収録の「Secrets In The Dark」と「Just One Night」に参加してもらった縁もあったギタリスト、スティーヴ・ルカサーを擁するTOTOのリハーサルに参加し、正式加入を希望したが、ジェフ・ポーカロの「まだ精神的に若すぎる」という反対により実現しなかった。ソロ活動にも行き詰まり、「ゴールデン・ゲート・ブリッジから身を投げようと思ったこともあった」というほどの失意の日々を送る中、早弾きギタリストの発掘で知られる「Shrapnel」のマイク・ヴァーニーを通じて、ビリー・シーンと出会い、ポール・ギルバート、パット・トーピーと共にMr. Bigを結成。アトランティックと契約し、1989年にアルバム『MR.BIG』でデビュー。ブラック・フィーリング溢れる歌声はハード・ロック、へヴィ・メタル界で高く評価され、ユニセックスなキャラクターと共にとりわけ日本でアイドル的人気を獲得した。
MR.BIG結成後も断続的にソロ活動を行っており、LYNYRD SKYNYRDやサミー・ヘイガー、PANDORAのアルバム、アメリカの特撮映画「POWER RANGERS」のサントラ、RUSHのトリビュート・アルバムなどに参加。EUROPE、SINNER、NOKKOへの楽曲提供、Jun Senoueが手がけたセガのゲームソフトのサントラに参加など、多岐に渡る。 MR.BIGが活動休止していた1998年には、11年ぶりのソロ名義アルバム『SOMEWHERE IN THE MIDDLE』を発表。同年秋に、かつてERIC MARTIN BANDで共に活動していたドラマー、トロイ・ルケッタ(現TESLA)を含むバンドを率いて初の単独来日公演を行った。
活動休止やメンバー交代などの紆余曲折を経て、2002年2月にMR.BIGが解散。同時に、415時代からエリックのマネージャーを務めていたサンディ・アインシュタインと決別している。
[編集] 2002年~現在
2002年、MR.BIG解散直後にソロ・アルバム『I'm Goin' Sane』を発表。日本のライターによって書かれた「Fly」がアサヒスーパードライのCMに起用され、日本のお茶の間に流れた。同年に、「Sucker For A Pretty Face」(同名アルバム収録)や「Pictures」(『ERIC MARTIN』収録)などを取り上げたアコースティック・アルバム『PURE』を発表。
2003年、当時17歳のギター少年クリス・ウィルソンや、HAREM SCAREMのハリー・ヘスをゲストに迎えたソロ・アルバム『DESTROY ALL MONSTERS』を発表。
2004年、B'zのギタリスト、松本孝弘のTMG(Tak Matsumoto Group)にボーカルとして参加し、サマーソニック出演を含む日本ツアーが行われた。
TMG後はしばらく育児に専念していたが、その後バンドを率いて南米、ヨーロッパ、オーストラリア、インドなど世界各地をツアーしており、リッチー・コッツェンとのジョイント・ツアーを行ったり、2007年2月に初ライブを行ったバンド「スクラップメタル」に参加するなどの活動を展開していた。
ライブ活動は活発であったものの新しい作品の発表が途絶えており、日本では表舞台から姿を消してしまったかのような印象であった。しかし2008年11月に、日本のソニーの企画によるJ-POPのカヴァー集『MR.VOCALIST』が発表され、日本の各メディアで話題となりオリコン洋楽チャート1位を獲得、折からのカヴァー・アルバム・ブームに乗り大ヒットとなった。 2009年3月には第二弾『MR.VOCALIST 2』(洋楽カヴァー)を発表、発売日にはTMG以来約5年ぶりの来日公演を渋谷duoで行った。観客は『MR.VOCALIST』を購入し、応募した人から抽選で500名が招待され、一夜限りとなったライブは同年6月にDVD発売された。
私生活では1999年頃に最初の妻・ステイシーと離婚し、2002年に現在の妻・デニースと再婚。2004年に双子の息子達が生まれている。デニースは出産前はドラマーとしてエリックのバンドに参加していた。現在はエリックの個人マネージャーとして公私共に支えている。2001年に父、2009年に母を亡くしている。長くサンフランシスコに住んでいたが、現在はサン・ラファエル在住。
2009年にはMR.BIGがオリジナル・メンバーで再結成し、東京のハードロックカフェで記者会見を行った。同年6月5日の札幌公演を皮切りに、オリジナルMR.BIGとしては1996年以来となる日本ツアーが行われた。
[編集] 音楽性
[編集] 歌唱
ややハスキーでマイルドな声質は、1983年のプロ・デビューから現在に至るまで、その印象をほとんど変えることなく保たれている。ソウルフル、ブルージー、エモーショナルなどと形容されることが多いその歌唱スタイルは、ジョン・ウェイト似と言われていた。声量のすごさで聴かせるタイプではなく、抜群のリズム感に裏打ちされたグルーヴィーな歌いまわしと、情感溢れる豊かな表現力が持ち味である。
ライブにおいては、Mr.Big時代に年々するどさを増していった超高音のスクリームがここ一番の武器であり、TMGまでは聴くことができた。現在では、残念ながらかつてのようなホイッスル型スクリームはできなくなってしまったようだが、2009年6月のMr.Big来日公演では高音のシャウトが復調している。また、ブラック・ミュージックで用いられる声を低く歪ませる歌唱法は健在である。
[編集] 作詞・作曲
クセのない適度にメロウな曲に、正直な心情を綴った歌詞というスタイルが主だが、特定のソングライターを模倣している印象は特になく、エリック本人も、曲作りで誰かに強い影響を受けたというようなコメントは特にしていないようである。
アンドレ・ペシス、トニー・フェヌーチらとの共作が多いが、エリックの曲の大半のクレジットでは誰が作詞か、誰が作曲かは明確ではないし、エリック自身もインタビューでどこを誰が書いたかと詳細に解説することは殆どない。しかし、『SUCKER FOR A PRETTY FACE』の数曲でのクレジットでは、トニーは作詞にだけ名があることと、JOURNEYのジョナサン・ケインが、BURRN!誌のインタビューで「アンドレは作詞家」と発言していたことを併せて考えると、エリックは主に作詞の面で二人の協力を得ているのではないかと思われる。
[編集] エピソード
- ジャズ・ドラマーだった父の影響で、10代の頃はドラムをプレイしていた。ある日、バンドのシンガーよりも上手く歌える気がして歌ってみたら、好評だったことから、シンガーに転向した。
- 初めて観に行ったコンサートは、アメリカ。2度目は、クイーン。
- 1998年頃、IN ROCK誌にサンディ・アインシュタインのインタビューが掲載された。KID COURAGEに電話で応募してきたエリックは、声の印象で女の子かと思った、実際に会ったらチンピラのようだった、と語っている。
- 2009年に入り、YouTubeで、415やERIC MARTIN BAND時代の貴重な音源と映像が、続々とアップロードされている。
- 1983年、日本のハード・ロック・バンドEARTHSHAKERのサンフランシスコでのレコーディングに参加し、キーボードを弾いたが、アルバムには収録されなかった。この時、音楽評論家伊藤政則と対面している。
- 1986年公開の映画「アイアン・イーグル」で、ヘリが離陸し、美しい景観が広がった瞬間、パイロットがカセットのスイッチを入れると「Eyes Of The World」(『ERIC MARTIN』収録)が軽快に流れだす…という印象的な場面があり、YouTubeにアップされている。
- 1997年に、アメリカのTVドラマ『MAD ABOUT YOU』のサントラで、「I Love The Way You Love Me」を歌い、PVを制作。前妻のステイシーと仲良く街を歩くという内容で、以前はYouTubeで観ることが出来たが、現在は削除されている。
- かなりのゲーマーで、セガの「THE AMAZING SPIDERMAN」と「DAYTONA USA CIRCUIT EDITION」のサントラに参加している。
- スポーツ観戦が好き。サンフランシスコの49ersとGIANTSのファンである、と公言している。
- 1998年に『SOMEWHERE IN THE MIDDLE』のプロモーションで来日した際、日本テレビ『THE 夜もヒッパレ!』に出演し、GLAYの「誘惑」をほぼ完璧な日本語で歌った。
- 1997年、女性ロックボーカリスト・須藤あきらのアルバム『UNITED STATE OF MIND』をプロデュース、デュエットシングル「The Face Of Love」も、国内で発売。
- 2009年3月に『MR.VOCALIST 2』のプロモーションで日本に滞在し、大阪のテレビ局を訪れた際に、お笑いコンビ・アメリカザリガニの平井善之に自ら声をかけ、元プロ野球選手である板東英二がどういう人か訊いた、というエピソードが平井のブログに掲載された。番組を観た視聴者によれば、板東にサインを貰っていたとのこと。
- 2009年3月に行われた『MR.VOCALIST』シリーズに伴うライブで、絢香と彼女のデビュー曲「I Believe」をデュエットした。この時の映像は日本のニュース番組や音楽番組等で一部公開されたが、のちに発売されたDVDには収録されなかった。DVDの初回盤特典である同ライブのCDにも収録されていない。
- 日本各地のラジオ局に出演した際などに、海に面した都市だとサンフランシスコに似ている、と話す傾向がある。さらに、横浜のように野球チームを持っていると、より親近感がわくようである。
- 息子のディランとジェイコブに、水泳とテコンドーを習わせている。
- インタビューでの口癖は「This is ironic(これは皮肉なんだけど)」。
- 前妻ステイシーと暮らしていた時は、LULUという犬を飼っていた。現在は、猫を飼っている。
- 爪を噛む癖があり、深爪なため、指をアップで写されると「きれいな爪じゃないからあまり写さないで」と言う。
[編集] ディスコグラフィ
[編集] アルバム
- Sucker For A Pretty Face (1983年)
- Eric Martin (1985年)
- I'm Only Fooling Myself (1987年)
- Soul Sessions-The Capitol Years (1987年)
- Somewhere In The Middle (1998年)
- I'm Goin' Sane (2002年)
- Pure (2002年)
- Destroy All Monsters (2003年)
- Mr. Vocalist (2008年)
- Mr. Vocalist2 (2009年)
[編集] シングル
- I Love The Way You Love Me (1997年)
- Fly On A Wall (1998年)
[編集] DVD
- Mr.Vocalist ~ A Special Night In Tokyo (2009年)
[編集] その他
- TAK MATSUMOTO GROUP 「TMG 1」 (2004年)
[編集] 参考文献
- 『ERIC MARTIN』日本盤解説(大野奈鷹美 著)
- BURRN! インタビュー
- METALLION Vol.15 ディスコグラフィー
- IN ROCK インタビュー
- 炎 インタビュー
[編集] 外部リンク
- Eric Martin公式サイト(英語)

