ドデカネス諸島

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ドデカニサ諸島
Δωδεκάνησα
地理
Nomos Dodekanisou.png
座標 北緯36度20分 東経27度20分 / 北緯36.333度 東経27.333度 / 36.333; 27.333
諸島 エーゲ海諸島
面積 2,714 km2
行政
ギリシャの旗 ギリシャ
地方 南エーゲ
中心地 ロドス
統計
人口 200,452人 (2005現在)
人口密度 74 /km2

ドデカニサ諸島ギリシア語: Δωδεκάνησα / Dodekánisa ; 英語: Dodecanese)は、エーゲ海南東部に点在するギリシア領の島々。日本では「ドデカネス諸島」の表記が広く使われている(#名称節参照)。

ドデカニサはギリシア語で「12の島」を意味するが、実際には主要12島のほか約150の小島が含まれ、そのうち26が有人島である。面積・人口とも最大の島はロドス島で、最大の都市はロドス聖ヨハネ騎士団ゆかりのロドス島、ヒポクラテスの出生地であるコス島使徒ヨハネが『ヨハネの黙示録』を記したとされるパトモス島など、長い歴史に彩られた多くの史跡がある。

名称[編集]

ドデカニサ」(Δωδεκάνησα / Dodekánisa)は、ギリシャ語の「12」(δώδεκα / dṓdeka)と、「島々」(νησος / nēsos)を組み合わせた地名で、「12の島」を意味する。「ドデカニソス」(Δωδεκάνησος / Dodekánisos)とも表記される。また、それらを古典ギリシア語式に転記した「ドデカネサ」「ドデカネソス」なども用いられる。

ギリシャ語以外の各言語では以下のように表記される。

日本語表記では、ドイツ語の影響を受けた「ドデカネス」が広く使われる。このほか、英語フランス語の表記・発音に影響された「ドデカネーゼ」「ドデカニーズ」「ドデカネーズ」などが用いられることもある。

地理[編集]

位置・広がり・地勢[編集]

ドデカニサ諸島の衛星画像

ドデカニサ諸島カステロリゾ島を除く)は、クレタ島アナトリア半島の間のエーゲ海に位置している。ロドス島からクレタ島に続く島並みは、エーゲ海の東南の境界となっている(エーゲ海南部をクレタ海と呼ぶこともある)。

ドデカニサ諸島の中心都市であるロドスの街は、州都エルムポリから南東へ約313km、クレタ島イラクリオから北東へ約305km、首都アテネから南東へ約433kmの距離にある。

カステロリゾ島とその属島は、他の島々から多く離れており、ロドス島から東へ約125kmのレバント海上、トルコ沿岸に位置する。

トルコとの国境であることから、カリムノス島東方の小島イミア島英語版を発端としたイミア島紛争1996年)が発生するなどしている。

主要な島[編集]

ドデカニサ諸島

ドデカネス諸島(旧ドデカネス県)に属する主要な12島は以下の通り。

かつては、サモス島イカリア島も含めて「南スポラデス諸島」 (Southern Sporadesと呼ばれていた。

コスの街、対岸はトルコ 
上空からのシミ島 
カステロリゾ島 

主要な都市[編集]

県域に含まれる人口1万人以上の都市は以下の通り(2001年国勢調査時点)。

ロドス島・ロドス市街 
カリムノスの中心市街 
カルパトス島のオリンボス 

歴史[編集]

古来よりギリシア圏の島々として属してきたが、ギリシアがオスマン帝国から独立した後もオスマン領であった。

1911年イタリア・トルコ戦争により、ドデカネス諸島はイタリア王国が占領した。1923年のローザンヌ条約により、諸島は正式にイタリア領に編入され、イタリア領エーゲ海諸島英語版となった。

第二次世界大戦中、ドデカネス諸島も戦場となった。1941年2月にはカステロリゾ島をめぐってイギリス軍が上陸・占領を図り、失敗している(アブステンション作戦)。1943年の8月から11月にかけて、諸島の攻略を図る連合軍と、イタリア軍およびドイツ軍の間で戦闘が繰り広げられた(ドデカネス諸島の戦い)。この戦闘では、ドイツ軍が第二次世界大戦最後とされる勝利を収め、その後ドイツが降伏するまで島を占領しつづけた。

1947年、ギリシア領に編入された。

行政区画[編集]

県(ペリフェリアキ・エノティタ)[編集]

ドデカニサ諸島は、キクラデス諸島とともに、南エーゲ地方に属する。ドデカニサ諸島は、以下の4つの行政区(ペリフェリアキ・エノティタ)に分けられている。

自治体(ディモス)[編集]

ドデカネス諸島の自治体

ドデカニサ諸島には以下の15の基礎自治体(ディモス)がある。

自治体名 綴り 政庁所在地 所属県
1 ロドス Ρόδος ロドス ロドス県
2 アガトニシ英語版 Αγαθονήσι アガトニシ  (el カリムノス県
3 アスティパレア Αστυπάλαια アスティパレア カリムノス県
4 カリムノス Κάλυμνος カリムノス カリムノス県
5 カルパトス Κάρπαθος カルパトス カルパトス県
6 カソス英語版 Κάσος カソス カルパトス県
7 コス Κως コス  (el コス県
8 リプシ英語版 Λειψοί リプシ カリムノス県
9 レロス英語版 Λέρος レロス カリムノス県
10 メギスティ
(カステロリゾ)
Μεγίστη メギスティ
(カステロリゾ)
ロドス県
11 ニシロス英語版 Νίσυρος マンドラキ  (el コス県
12 パトモス Πάτμος パトモス カルパトス県
13 シミ英語版 Σύμη シミ ロドス県
14 ティロス英語版 Τήλος ティロス ロドス県
15 ハルキ Χάλκη ハルキ ロドス県

旧自治体(ディモティキ・エノティタ)[編集]

ドデカニサ県の旧自治体(2010年まで)

2010年に行われた行政区画統廃合(カリクラティス改革)以前は、広域自治体(ノモス)としてのドデカニサ県Νομός Δωδεκανήσου)に以下の自治体が置かれていた。

下表の番号は右図と対応している。「旧自治体名」欄で※印を付したものはキノティタ、それ以外はディモス。「政庁所在地」欄で太字になっているものは、新自治体の政庁所在地となったものを示す。

旧自治体 綴り 政庁所在地 新自治体
1 ロドス Ρόδος ロドス ロドス
2 アルハンゲロス英語版 Αρχάγγελος アルハンゲロス  (el ロドス
3 アスティパレア Αστυπάλαια アスティパレア アスティパレア
4 アタヴィロス英語版 Αττάβυρος エムボナス  (en ロドス
5 アファンドウ英語版 Αφάντου アファンドウ  (el ロドス
6 ディケオス英語版 Δίκαιος ジパリ コス
7 イラクリデス英語版 Ηρακλείδες アンディマヒア  (el コス
8 イアリソス英語版 Ιαλυσός イアリソス ロドス
9 カリテア英語版 Καλλιθέα ファリラキ  (en ロドス
10 カリムノス Κάλυμνος カリムノス カリムノス
11 カミロス Κάμειρος ソロニ  (en ロドス
12 カルパトス Κάρπαθος カルパトス カルパトス
13 カソス英語版 Κάσος カソス カソス
14 コス Κως コス コス
15 リプシ英語版 Λειψοί キトノス リプシ
16 レロス英語版 Λέρος レロス レロス
17 リンドス Λίνδος リンドス  (el ロドス
18 メギスティ
(カステロリゾ)
Μεγίστη メギスティ
(カステロリゾ)
メギスティ
(カステロリゾ)
19 ニシロス英語版 Νίσυρος マンドラキ ニシロス
20 ノティア・ロドス英語版 Νότια Ρόδος イェナディ  (en ロドス
21 パトモス Πάτμος パトモス パトモス
22 ペタルデス英語版 Πεταλούδες クレマスティ  (el ロドス
23 シミ英語版 Σύμη シミ シミ
24 ティロス英語版 Τήλος ティロス ティロス
25 ハルキ Χάλκη ハルキ ハルキ
26 アガトニシ英語版 Αγαθονήσι アガトニシ アガトニシ
27 オリンボス英語版 Όλυμπος オリンボス カルパトス

郡(エパルヒア)[編集]

県には以下の(エパルヒア)があったが、2006年以降法的な位置づけは行われていない。

郡名 綴り 中心地
ロドス郡 Ρόδος ロドス
コス郡 Κως コス
カリムノス郡 Κάλυμνος カリムノス
カルパトス郡 Κάρπαθος カルパトス

交通[編集]

空港[編集]

文化・観光[編集]

ロドスの中世都市パトモス島の歴史地区世界遺産に登録されている。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]