ディート

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ディート
識別情報
CAS登録番号 134-62-3 チェック
PubChem 4284
ChemSpider 4133 チェック
UNII FB0C1XZV4Y チェック
KEGG D02379
ChEMBL CHEMBL1453317 ×
ATC分類 QP53GX01
特性
化学式 C12H17NO
モル質量 191.27 g/mol
密度 0.998 g/mL
融点

-45 °C, 228 K, -49 °F

沸点

288-292 °C

危険性
MSDS External MSDS
EU分類 有毒 T
Rフレーズ R23 R24 R25
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ディート (DEET) は昆虫などの忌避剤(虫よけ剤)として用いられる化合物である。IUPAC名N,N-ジエチル-3-メチルベンズアミドだが、N,N-ジエチル-m-トルアミドとも呼ばれる。分子量 191.27。融点 −45 ℃、沸点 285 ℃で、常温では無色液体である。水には溶けにくくアルコールなどの有機溶媒によく溶ける。CAS登録番号 [134-62-3]。

用途[編集]

主な使用目的は皮膚に直接または衣服に塗布し、昆虫ダニによる吸血を防ぐことである。特にダニ(ツツガムシ病ライム病を媒介する)や日本脳炎デング熱ウエストナイル熱マラリアなどを媒介する)に対する防御手段として高い有効性を示す。比較的安価であることもあり現在は世界中で使用されている。

ディートは第二次世界大戦中のジャングル戦の経験に基づきアメリカ陸軍で開発された。1946年に軍事用、1957年に民生用の使用が開始された。現在ほとんどの虫よけスプレーなどで、主成分として用いられる。昆虫が一般にこの物質の臭いを嫌うのであろうが、忌避作用の詳細はわかっていない。 この効果は昆虫に限らず、昆虫とは構造が全く異なるヒルやナメクジ等の一部にも有効である。

ディートは忌避剤として最も効果的で、効力も長持ちすることが示されている。研究から、人の健康には重大な影響を及ぼさないとされている。ただし人によってはアレルギーや肌荒れを起こすことがあり、動物実験で連続的大量摂取により神経毒性が見られたとの報告もあるが[1]、ディートの危険性は上記のような感染症の危険に比較すれば極めて小さいとするのが一般的な評価である。

使用上の注意[編集]

ディートを用いた製品

使用に際しては、アメリカ疾病予防管理センター (CDC) では次のことを推奨している。

  • 飲んだり吸入したりしないよう注意が必要。
  • 特に乳幼児に対し使用する場合は手のひら、顔(特に目、口)を避ける。
  • 乳児は、大人の手のひらで薄く延ばし、これを塗る。
  • 子供同士で虫よけ剤を塗ったりスプレーしたりさせない。
  • 衣服へ塗る場合、内側(皮膚に直接触れる部分)へ塗布しない。
  • 長時間塗ったままにしない。子供で約4時間、大人で約8時間程度を目安とする。さらに長時間の使用が考えられる場合は、濃度の低いものを使用するか、薄く塗る方法をとる。
  • 帰宅後など、昆虫に接触する機会から離れた場合は速やかに石鹸などを使い、洗い落とす。
  • 虫よけ剤は子供の手の届かないところへ保管する。
  • 夏場など、日焼け止めと併用する場合は、日焼け止めを最初に塗りその上に虫よけ剤を塗る。

さまざまな屋外での作業、海外で疾病に感染する可能性が高い場合などに対してはディートを製造しているメーカーは次のことを推奨している。ディートの濃度5%では約90分、100%では10時間虫よけ効果が持続する。従って「繰り返し」塗る必要がある。

製剤中のディート濃度は日本では最高で12%である。(国によっては80%以上のものがあり、これを脚につけたら車のシートを溶かす可能性のあるレベルである)。ディートはプラスチック、レーヨン、皮革に影響を及ぼし、綿、毛糸(羊毛など)、ナイロンには影響を及ぼさない。

参考文献[編集]

  1. ^ Abdel-Rahman, A.; Dechkovskaia, A. M.; Goldstein, L. B.; Bullman, S. H.; Khan, W.; El-Masry, E. M.; Abou-Donia, M. B. (2004). "Neurological deficits induced by malathion, DEET, and permethrin, alone or in combination in adult rats." J. Toxicol. Environ. Health. A 67 (4): 331–356. PMID 14713564

外部リンク[編集]

安全性に関して: