ゾンカ語

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ゾンカ語
རྫོང་ཁ
発音 IPA: /d​͡zoŋkʰa/
話される国 ブータンの旗 ブータン
インドの旗 インド
地域 ブータン西部
シッキム(インド)
民族 ガロン族英語版(Ngalop)
母語話者数 400,000
言語系統
シナ・チベット語族
表記体系 チベット文字
公的地位
公用語 ブータンの旗 ブータン
統制機関 ゾンカ普及委員会
言語コード
ISO 639-1 dz
ISO 639-2 dzo
ISO 639-3 dzo
ゾンカ語が母語として話されているブータンの地域。
消滅危険度評価
脆弱 (UNESCO)
Status-unesco-vulnerable.svg
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ゾンカ語 (རྫོང་ཁ) は、ブータン国語である。シナ・チベット語族チベット・ビルマ語派 チベット・ヒマラヤ語群に属する言語で、チベット語の南部方言に分類される。話者数は約40万人(1991年)。ゾンカの「カ」が「言語」を表すことから、「ゾンカ語」ではなく「ゾンカ」が用いられる場合も多い。

総論[編集]

ゾンカ語はブータン20県(ゾンカク)のうち西部8県(ティンプー、プナカ、ガサ、ワンデュ・ポダン、パロ、ハ、チュカ、ダガナ)に居住するガロン族の母語。シッキムで話されているシッキム語 (Drenjongke:ラテン文字転写表記は 'bras ljongs skad。ゾンカ語ではDrenjobi kha:ラテン文字転写表記は 'bras ljongs ba'i kha )と言語系統を同じくする。ツァンラカとは48%、ブムタンカとは47%~52%、アダップとは77%の語彙の類似が認められる。

言語の歴史は12世紀に遡り、宮廷、幹部、高学歴エリート層、政府、行政機関の言語として発達してきた。そのため、ゾン(僧院・行政・軍事の機能を併せ持つ城砦)の言葉という意味を持つ。現在、国語として規定されており、国民議会使用言語、行政機関共通語、学校共通語、新聞使用語、放送用語の一つであるが、ゾンカ語地域以外での通用度は高くなく、むしろ英語やネパール語の通用範囲の方が広い。そのため、政府はブータンの共通語としてゾンカ語を強化・普及さていく方針を打ち出している。

文字[編集]

ゾンカ語に用いられるチベット文字は、表音文字であり、起源はブラーフミー文字である。ゾンカ語の綴字法は確立されておらず、ゾンカ普及委員会(Dzongkha Development Commission: DDC)にて様々な試案が出されている。ラテン文字に転写するにはいくつかの方法があり、チベット語に準じた表記を採用するか、ゾンカ語の発音に準じた表記を採用するかはまだ統一されていない。ゾンカ語のアイデンティティを鑑みて、後者を採用する場合も多い。

チベット文字はUnicodeにも収録されており、Windows XPやMac OS X上で使用可能である。

発音[編集]

短母音は/ a, e, i, o, u, ä, ö, ü /の8種。頭子音35種。末子音は/ -p, -k, -m, -n, -ng, -r, -l, -s /の8種で標準チベット語と同じ。特徴として

  1. / -ng /の消失・直前の母音の鼻母音
  2. / -p, -k, -r, -l /の消失と直前の母音の長母音化

などは標準チベット語よりも顕著に見られるが、話者による差異も大きい。また、二形態素が縮約される現象が見られる。これはチベット語南部方言に広く見られ、これを方言の特徴の類型の一つに認める学者もいる。ゾンカ語ではこの縮約形式が非縮約形式と並存している。

意味 標準チベット語転写表記 ゾンカ語転写表記 ゾンカ語発音
/skar-ma/ /skarm/ /ka:m/
少女 /bu-mo/ /bumo/ /bum/
/kha-ba/ /khaw/ /khau/
/char-pa/ /charp/ /cha:p/
赤い /dmar-po/ /dmarpo/ /ma:p/
/lha-pa/ /lha-pa/ /lhapa/
/ba-mo/ /ba-mo/ /bamo/

声調[編集]

高低の高さアクセントが2種類ある。清音が高アクセント、濁音・鼻音が低アクセントで、標準チベット語ラサ方言とほぼ同じと考えてよい。

テキスト[編集]

  • Driem, George van, "Language of the Greater Himalayan Region vol.1 Dzongkha," Leiden University(CD付)
  • 今枝由郎(2006)『ゾンカ語口語教本』大学書林(ISBN 9784475018777)(CD 別売り)

参考文献[編集]

  • 諏訪哲郎(1982)「基礎的語彙から見たブータンの諸言語」,『学習院大学文学部研究年報28』
  • 西義郎(1983)「チベット語の歴史と方言研究の問題」,『チベット文化の総合的研究』
  • 長野泰彦(1989)「ゾンカ語」,『言語学大辞典』
  • Dzongkha Development Commission ed., "Dzongkha Handbook," Royal Government of Bhutan.
  • Driem, George van (1992) "The Grammar of Dzongkha," Royal Government of Bhutan.
  • Driem, George van (1993) "The Languages and Linguistic History of Bhutan," Royal Government of Bhutan.
  • Dorji, C.T. (1996) "An Introduction to Bhutanese Languages," Vikas.

脚注[編集]

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外部リンク[編集]