ジャコウネコ科

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ジャコウネコ科
インドジャコウネコ
インドジャコウネコ Viverra zibetha
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネコ目 Carnivora
: ジャコウネコ科
Viverridae Gray, 1821
亜科

ジャコウネコ科(麝香猫科、ジャコウネコか、Viverridae)は、動物界脊索動物門哺乳綱ネコ目(食肉目)に属する科。

分布[編集]

アフリカ大陸ユーラシア大陸インドネシアスリランカ日本(移入?)、フィリピンマダガスカル[1][2]

形態[編集]

最長種はセレベスパームシベット(体長65-100センチメートル。尾長44.5-62センチメートル。)かビントロング(体長60-97センチメートル。尾長56-89センチメートル)で[1][2]、前者は体長が長いものの全長は後者の方が長い。最重量種はアフリカジャコウネコで体重9.5-20キログラム[2]。最小種はアフリカリンサンで体長33-38センチメートル。尾長35-40センチメートル。体重0.6-0.8キログラム[2]。体型は細長く、吻も細長く尖る[2]

耳介の後縁に袋状の器官(耳嚢)がある[2]フォッサを除いて計38-40本の歯をもつ(フォッサのみ計32-36本)[2]。多くの種には肛門周辺に臭腺(肛門腺)がある[1][2]。四肢は短い[2]上腕骨下部の内側に、神経や動脈が通る孔(内側上髁孔)がある[2]。指趾は5本[2]。爪を引っ込めることができるが、爪を保護する襞(さや)のない種もいる[2]

分類[編集]

始新世に出現し、現生のネコ目内では起源が古くまた原始的な特徴を残した分類群だと考えられている[2]

ヘミガルス亜科 Hemigalinae[編集]

オーストンヘミガルス属 Chrotogale

キノガーレ属 Cynogale

クロヘミガルス属 Diplogale

タイガーシベット属 Hemigalus

パームシベット亜科 Paradoxurinae[編集]

ビントロング属 Arcticis

ミスジパームシベット属 Arctogalida

キノボリジャコウネコ属 Nandina

パームシベット属 Paradoxurus

セレベスパームシベット属 Macrogalidia

ハクビシン属 Paguma

ジャコウネコ亜科 Viverrinae[編集]

ジェネット属 Genetta

ミズジャコウネコ属 Osbornictis

アフリカリンサン属 Poiana

オビリンサン属 Prionodon

ジャコウネコ属 Vuverra

コジャコウネコ属

絶滅した分類群[編集]

ステノプレシクティス亜科

生態[編集]

森林草原などに生息する。樹上棲の種が多いが、ジャコウネコ亜科は半樹上棲ないし地表棲の種が多い。夜行性の種が多い[1][2]。単独もしくはペアで生活する[1][2]

食性は多くの種で雑食で、昆虫、鳥類、小型哺乳類、果実などを食べるが、魚類を食べたり動物食の種もいる。

人間との関係[編集]

生息地では食用とされることもある[2]。一部の種の会陰腺から分泌される液は香水の補強剤や持続剤として利用されている[2]。また制汗剤や催淫剤、皮膚病の薬として用いられることもあった[1]。英語圏で本科の多くの構成種に対して用いられる呼称civetは、アラビア語で会陰腺から分泌される液およびその臭いを指すzabādに由来する[1][2]

農作物や家禽を食害する害獣とみなされることもある[1]

開発による生息地の破壊、食用や麝香目的の狩猟などにより生息数が減少している種もいる[3][4][5][6]

高級コーヒーであるコピ・ルアクは、ジャコウネコにいったんコーヒーの実を食べさせ、排泄物の中から未消化の実を利用したものである。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編『動物大百科1 食肉類』、平凡社1986年、152-161頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 今泉吉典監修 『世界の動物 分類と飼育2 (食肉目)』、東京動物園協会、1991年、16-18、78-118頁。
  3. ^ 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ6 アフリカ』、講談社、2000年、153頁。
  4. ^ 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社、2000年、146-147頁。
  5. ^ 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』、講談社、2000年、26、132-133頁。
  6. ^ 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ8 太平洋、インド洋』、講談社、2001年、28-29、161-163頁。