ジオイド

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地球重力モデルのEGM96によるジオイドとWGS-84地球楕円体との高さの差(ジオイド高)

ジオイド: geoid)とは、地球平均海水面と極めて良く一致する等重力ポテンシャル面を言う[1]

  1. 平均海水面
  2. 地球楕円体
  3. その地点の鉛直線
  4. 地表面
  5. ジオイド
5のジオイドから4の地表面までの距離が「標高」であり、2の地球楕円体と5のジオイドとの距離が「ジオイド高」である。

概要[編集]

ジオイドを分かりやすく言うと、地球重力以外の影響を取り去り、平均海水面陸地にまで延長したと仮定した場合に全地球を覆う仮想的な海面のことである。「陸地にまで延長したと仮定した場合」とは、仮に運河トンネルを掘ってその場所まで海水を導いたとした場合、という意味である[2]

したがって、ジオイドとは、地球重力ポテンシャル[3]によって形づくられる一種の「地球の形」を表現している。地球のジオイドは、地球楕円体と呼ばれる回転楕円体でその形を近似される。

しかし正確には、ジオイドは細かく複雑に歪んだ“西洋なし”の形をしていて、地球楕円体モデルGRS80の楕円体面を基準にすると最大で約85mの突出と約105mの凹みを持つ。このジオイド面の相対的高さ(差)を「ジオイド高」と呼ぶ。

重力ポテンシャル基準値[編集]

ジオイド面は重力ポテンシャルの空間分布に加えて正規重力ポテンシャル基準値W_0を定めることによって決まる。国際的な値として、GRS80モデルによる値は、W_0 = 62636860.850\,\textrm{m}^2\textrm{s}^{-2} 国際地球回転・基準系事業(IERS)では W_0 = 62636856.000\,\textrm{m}^2\textrm{s}^{-2}を用いている。

日本では「日本のジオイド2000(GSIGEO2000)[4]」が測量用に定められており、東京湾平均海面[5](におけるポテンシャル値)が基準値である(したがってその標高は0となる)。

ジオイド面と平均海水面[編集]

平均海面は、重力ポテンシャルだけではなく定常的な海流および海水温等の影響を受けるので、ジオイド面とは最大で2m程度の差がある。


ジオイド面と標高[編集]

ジオイド上のある点から地球楕円体に垂直な線分を地球楕円体表面まで伸ばしたときのその線分の長さをその点のジオイド高、ジオイド上のある点からジオイド面に垂直な線分を地表まで伸ばしたときのその長さを標高と呼ぶ。

地表から地球楕円体に垂直な線分を地球楕円体表面まで伸ばしたときのその線分の長さを「楕円体高」と呼ぶ。良い近似で、標高 = 楕円体高 - ジオイド高 である(厳密にはジオイド面と地球楕円体は平行ではないから、わずかに差がある)[6]

ジオイド面の凹凸[編集]

ジオイドの凹凸は周囲の地形や地下の岩石密度の影響によるものである。山脈がある場合や、平地であっても地下に密度の高い岩石がある場合は、その周囲では重力ポテンシャルがより低くなり、ジオイドは地球楕円体表面よりも突出する。

日本列島においても、中部地方から東北地方までの山間部でジオイドが盛り上がっており[7]、そのジオイド高は+40m~50m程度である。東京近辺では+30m程度である。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 萩原(1982) p.71
  2. ^ [1] 日本の測地座標系 国土地理院
  3. ^ ここでの「地球の重力ポテンシャル」には地球の自転による遠心力が含まれている。
  4. ^ 「日本のジオイド2000」のジオイド高の全国での誤差はほぼ10 cmに収まっている。
  5. ^ 東京湾平均海面に基づいて原点水準測量を行い標高を定めた日本水準原点が日本の標高の基準となっている。
  6. ^ [2] ジオイド測量、ジオイドとは、図-2 楕円体・ジオイド・標高の関係
  7. ^ [3] ジオイドモデル、「日本のジオイド2011+2000」、国土地理院

参考文献[編集]

  • 萩原 幸男 『測地学入門』 東京大学出版会、1982年
  • 萩原 幸男 『地球重力論』 共立全書、1978年

外部リンク[編集]