シンプロントンネル
シンプロントンネル (Simplon Tunnel) は、スイスのブリーク(Brig)とイタリアのイゼッレ(Iselle)間、両国国境のシンプロン峠の下を通る、スイス連邦鉄道(SBB、スイス国鉄)の鉄道トンネルである。
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[編集] 概要
1898年に着工し、1905年に貫通、1906年に営業開始した。全長19,803m、開通当時は単線トンネルであったが、1921年、全長が約20m長いトンネル(19,823m)がもう1本併設され、複線化が完了。現在は1905年貫通のもの(第1トンネル)がスイス発イタリア行き、1921年貫通のもの(第2トンネル)がイタリア発スイス行きに利用される。1982年に日本の上越新幹線の大清水トンネル(22,221m)が開通するまで、実に76年に亘って世界一の長さを誇った。トンネル開通から100年目に当たる2006年にはスイス側のブリークで100周年記念イベントも開催された。
[編集] 参考
非常に長い単線並列トンネルのため、トンネルのほぼ中央に上下線を結ぶポイントが設置され、スイス国鉄のダイヤグラム[1]には "Staz. della Galleria Sempione" (イタリア語で「シンプロントンネル内信号場」)と記載されている。ブリークからイゼッレを通りイタリア側の最初の主要駅ドモドッソラ (Domodossola) との間を直通する列車はEC(ユーロシティー)、IR(インターレギオ)など優等列車が大半で、最近までは普通列車(ブリーク-ドモドッソラ間)も多く運行されたが、現在は本数が減少、ブリーク-イゼッレ間の客車を1両だけ連結したカートレインとイゼッレ-ドモドッソラ間のバスとの接続がほとんどとなっている(2011年現在)。
トンネル内での列車の速度は、両端ともカーブになっているため、特急でも速度制限がかかるが、トンネルの中央部分はほとんど直線なため、非常に速い速度が出せる。特急は10分足らずで(約9分30秒)通過するため、表定速度でも120km/h以上は出ており、最高150km/h前後は出ていると推察される。普通列車の場合は約12~15分かかる。
国境を通過するため、イゼッレ駅にパスポートコントロールが設置され、普通列車及びカートレインではここで検査官のパスポートチェックを受けていたが、スイスのシェンゲン協定加入に伴い廃止された。なお、優等列車はイゼッレに停車しないため、ブリーク-ドモドッソラ間又はいずれかの駅停車中にパスポートチェックがあった。
地形的には、スイス側はブリークの町付近に本トンネルの入口があり、標高は682.43mだがほとんど平坦である。イタリア側は山深く、本トンネルを出てイゼッレを通過してドモドッソラに至る約19kmの区間は、急坂・カーブ・多くのトンネル・ループ線が存在し、標高差は実に360mある。ドモドッソラの標高は270mで、気候も著しく変化する。
[編集] 2011年6月9日の火災
2011年6月9日早朝、イタリア発ドイツ行の貨物列車から出火し、第2トンネルのイタリア側坑口から約3㎞入ったところで停車した。運転士は無事脱出し人的損害はなかったが、鎮火までに12時間を要し、内壁が焼けただれた。6月11日から第1トンネルを利用した単線で運転を再開し[2][3]、6月20日からはブリーク駅からシンプロントンネル内信号場までは複線、そこからイゼッレ駅までは第1トンネルのみの単線運転で運行されていた。スイス国鉄は7月27日、予想より被害が大きいため暫定ダイヤを2011年12月11日の次期ダイヤ改正まで続け、それ以降もトンネル老朽化に対する修繕工事を続けるため2014年まで合わせて3年半、間引き運転を続けると発表した[4]。このうち、トンネル復旧は1200万スイス・フランを掛けて11月18日に完了したが、さらに老朽修繕に1億5000万スイス・フランの経費が見積もられている[5]。
[編集] 参考文献
- ^ スイス公式時刻表Web版(2011年6月20日閲覧)に掲載
- ^ swissinfo.ch 2011年6月12日付け(2011年6月19日閲覧)
- ^ スイス国鉄運行情報(2011年6月19日閲覧)
- ^ スイス国鉄 (2011年7月27日). “Nach Brand im Simplontunnel: Grössere Schäden als angenommen.” (ドイツ語). スイス国鉄メディアリリース 2011年10月29日..閲覧。
- ^ スイス国鉄 (2011年11月17日). “Instandsetzung Simplontunnel – Nach Tunnelbrand: SBB schliesst Arbeiten planmässig ab.” (ドイツ語). スイス国鉄メディアリリース 2012年2月23日..閲覧。