カミラ・メサ

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カミラ・メサ
Camila Meza
2017年、ライアン・ケバリ― & カタルシスでの来日時に青山にて
基本情報
出生名 Camila Meza Bernstein
生誕 (1985-07-22) 1985年7月22日(38歳)
出身地  チリ サンティアゴ・デ・チレ
ジャンル ジャズフュージョンフォルクローレ室内楽
職業 ミュージシャン作曲家バンドマスター
担当楽器 ギターボーカル
活動期間 2004年 -
レーベル サニーサイド、ソニー・マスターワークス
公式サイト camilameza.com

カミラ・メサCamila Meza1985年7月22日 - )は、ジャズギタリスト歌手作曲家である。ニューヨークを拠点に活動する。チリサンティアゴ出身の女性。メサは母国チリではジャズ界の主要人物の一人と目されてきた[1]。ソロ名義の他、室内楽編成のザ・ネクター・オーケストラを率いて活動している。

経歴[編集]

サンティアゴ・デ・チレ出身。父はジャーナリストで、若い頃に音楽を学んだ経験のある人物でありクラシック音楽ビートルズの愛好家。ドラマーだった兄弟の影響でジャズフュージョンに興味を持つようになった。ハイスクールでギターを始める。彼女自身は最初は1970年代のロック(ジミ・ヘンドリックスレッド・ツェッペリンを代表とした)に影響を受けた。 高校卒業後、チリの音楽学校、Projazz Instituteに入学しポピュラー音楽とジャズに関する専門教育を受けた。在学中の演奏活動でギターだけでなく次第に歌唱もこなすようになった。

22歳のときに国内でデビュー・アルバムとなるジャズ・スタンダード曲集『Skylark』(2007年)を発表した。その後、ツアーやテレビ出演等の活動を重ねる。2009年には、ビョークジョニ・ミッチェル、レッド・ツェッペリン、南米圏からは母国チリの国民的シンガーソングライターである、ビクトル・ハラ、ブラジルのイバン・リンスといった、影響を受けたポピュラー音楽のミュージシャンのカバー曲を収めたセカンド・アルバム『Retrato』を発表した。

自国でキャリアを築き各所で評価を得ていたと思われる中、23歳でアメリカに渡り、ニュースクール大学に進学してジャズを専攻する。同時に拠点をニューヨークに置き活動を始めた。著名なクラブ(ジャズ・スタンダードヴィレッジ・ヴァンガードブルー・ノート・ジャズ・クラブスモールズ・ジャズ・クラブロックウッド・ミュージック・ホール)をはじめ、各所で公演を重ねてキャリアを積む。一方、ポーランド、イタリア、ドイツ、フランスで開催されている各国の音楽祭に出演した。2012年に同校を卒業後、アーロン・ゴールドバーグ(ピアノ)をパートナーに迎え、アメリカでのデビュー・ミニ・アルバムとなる『Prisma』(2013年)を発表[2]

2016年になると彼女はサニーサイド・レコードと契約し、フル・アルバム『トレイセス』を発表した。自作のタイトル曲を始め、スティーヴン・ソンドハイム作のミュージカル曲をカバーし、編曲するなど、古典的なジャズの領域外からも題材をとっている。

同年、イスラエル出身で同じくニューヨークを拠点にして活躍するピアニストであるシャイ・マエストロとのデュオで初来日した。東京静岡愛知京都の各都市の著名ジャズクラブ、ホールにて公演した。

ジャズ・コンボといった形態だけでなく、彼女は室内楽編成(弦楽)の実験的なユニット、ザ・ネクター・オーケストラを持ち、そこではポピュラー、ジャズ、クラシックとの交叉領域での表現を試みている。メンバーとして、スナーキー・パピーのメンバーでもあるニューヨーク在住のドラマーパーカッショニスト小川慶太、そして同じくニューヨークで活動するヴァイオリン奏者である大村朋子の2人の日本人ミュージシャンが参加している[3]

2018年10月10日、ソニー・ミュージックレーベルであるマスターワークスより彼女と契約を交わしたとの発表がなされた[4]。 そして翌2019年5月、カミラ・メサ & ザ・ネクター・オーケストラとして、最新作となるフル・アルバム『アンバー』(Ámbar。スペイン語であるため読みに注意)を当該レーベルよりリリースした。

使用機材[編集]

ギター[編集]

アンプ[編集]

活動形態[編集]

リーダー・プロジェクト[編集]

  • カミラ・メサ & ザ・ネクター・オーケストラ (Camila Meza & The Nectar Orchestra)
カミラ・メサ (ボーカル、ギター)、ノーム・ウィーゼンバーグ (ベース、ストリング・アレンジ)、エデン・ラディン (ピアノ、キーボード)、小川慶太 (ドラム、パーカッション)、大村朋子 (ヴァイオリン)、フォン・チェム・ホェイ (ヴァイオリン)、ベンヤミン・フォン・グートツァイト (ヴィオラ)、アダム・フィッシャー (チェロ)、ブライアン・サンダーズ (チェロ)

受賞歴[編集]

  • Premios Pulsar: Mejor Artista de Jazz y Fusión (2020)[6]
  • Independent Music Awards: Best Song/Latin (2018)[7]
  • Independent Music Awards: Adult Contemporary (2016)
  • Independent Music Awards: Best Song/Latin (2016)

ディスコグラフィ[編集]

リーダー・アルバム[編集]

  • Skylark (2007年、Vértice)
  • Retrato (2009年、Vértice)
  • Prisma (2013年、CD Baby) ※2011年録音
  • 『トレイセス』 - Traces (2016年、Sunnyside)
  • 『アンバー』 - Ambar (2019年、Masterworks) ※2017年録音 with ザ・ネクター・オーケストラ

参加アルバム[編集]

ファビアン・アルマザン

  • Rhizome (2014年、Blue Note)
  • Alcanza (2017年、Biophilia)

ライアン・ケバリー & カタルシス

  • Into The Zone (2014年、Greenleaf Music)
  • The Hope I Hold (2019年、Greenleaf Music)

その他

  • サラ・エリザベス・チャールズ : 『インナー・ダイアログ』 - Inner Dialogue (2015年、Truth Revolution) ※「Hitian Sunrise」にギターで参加
  • Adrian Cunningham & La Lucha : New Holiday Classics (2020年、Arbors)
  • デイヴ・ダグラス : Overcome (2020年、Greenleaf Music)
  • Adi Meyerson : Where We Stand (2018年、A:M)
  • ジヴ・ラヴィッツ : 『ノー・マン・イズ・アン・アイランド』 - No Man Is An Island (2019年、Sound Surveyor Music)

公演[編集]

来日公演[編集]

2019

京都 - 京都音楽博覧会2019 in 梅小路公園
  • カミラ・メサ & ザ・ネクター・オーケストラ: Camila Meza(gtr, vox), Eden Ladin(key, pf), Noam Wiesenberg(b), Keita Ogawa(per, ds), Yuka Matsumoto(vln), Eyuko Suzuki(vln), Ayu Eto(vla), Ayumi Hashimoto(vc)
東京 - ブルーノート東京

2017

静岡 - LIFE TIME / 京都 - Le Club Jazz / 東京 - Body & Soul, 新宿ピット・イン, 武蔵野スイングホール / 愛知 - STAR EYES
東京 - NHKホール - 東京 Jazz Festival

2016

東京 - Body & Soul, 新宿ピット・イン, 武蔵野スイングホール / 静岡 - LIFE TIME / 愛知 - STAR EYES / 京都 - Le Club Jazz

脚注[編集]

  1. ^ Camila Meza”. MusicaPopular.cl. 2017年5月7日閲覧。
  2. ^ The Music Journey”. camilameza.com. 2017年5月7日閲覧。
  3. ^ Projects”. camilameza.com. 2017年5月7日閲覧。
  4. ^ VOCALIST, GUITARIST AND COMPOSER CAMILA MEZA SIGNS TO SONY MUSIC MASTERWORKS”. Sony Music Masterworks. 2018年10月10日閲覧。
  5. ^ Featured Artist”. 2017年10月29日閲覧。
  6. ^ 6° Edición – Premios Pulsar de la Música Chilena 2020”. Sociedad Chilena del Derecho de Autor. 2020年7月19日閲覧。
  7. ^ Independent Music Awards Official Pages”. Music Resource Group LLC. 2020年7月19日閲覧。

外部リンク[編集]