エゴノキ

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エゴノキ
Styrax japonica2.JPG
エゴノキ(横浜市・2006年5月)
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : ビワモドキ亜綱 Dilleniidae
: カキノキ目 Ebenales
: エゴノキ科 Styracaceae
: エゴノキ属 Styrax
: エゴノキ S. japonica
学名
Styrax japonica Siebold & Zucc. 1837
和名
エゴノキ
英名
Japanese snowbell

エゴノキStyrax japonica)とはエゴノキ科の落葉小高木である。北海道九州沖縄まで、日本全国の雑木林に多く見られる。

和名は、果実を口に入れると喉や舌を刺激してえぐい(えごい)ことに由来する。チシャノキ、チサノキなどとも呼ばれ歌舞伎の演題『伽羅先代萩』に登場するちさの木(萵苣の木)はこれである。

斉墩果と宛字するが、本来はオリーブの漢名。ロクロギとも呼ばれる。

特徴[編集]

高さは10mほどになる。樹皮は赤褐色できめが細かい。葉は両端のとがった楕円形で互生。花期は5月頃、横枝から出た小枝の先端に房状に白いを下向きに多数つけ、芳香がある。花冠は5片に深く裂けるが大きくは開かずややつぼみ加減で咲き、雄しべは10本。品種により淡紅色の花をつける。

果実は長さ2cmほどの楕円形で、大きい種子を1個含む。熟すと果皮は不規則に破れて種子が露出する。

利用[編集]

庭木などとして栽培もするほか、緻密で粘り気のある材を将棋のこまなどの素材とする。

また果皮に有毒なサポニンを多く含んでいるので、昔は若い果実を石鹸と同じように洗浄剤として洗濯などに用いた。またサポニンには魚毒性があるので地方によっては魚の捕獲に使ったといわれるが、同様に毒流し漁に用いられたと言われるサンショウの樹皮との比較実験からエゴノキのサポニンの魚毒性の強さは漁に使えるほどのものではないのではないかと疑問視する見解もある。

動物との関係[編集]

ヒゲナガゾウムシ科甲虫エゴヒゲナガゾウムシ(ウシヅラカミキリ) Exechesops leucopis(Jordan, 1928)が果実に穴を開けて産卵し幼虫が種子の内部を食べて成長するが落下種子内で休眠中の成熟幼虫を「ちしゃの虫」と呼び1935年ごろからウグイオイカワなどの川釣り釣り餌として流通している。この昆虫の発生が見られる地点は散在的でありかなり稀であるが、発生地の種子の寄生率は70%にも及ぶという。

新梢にはしばしば菊花状の構造が認められるが、これはエゴノネコアシと呼ばれる虫こぶである。イネ科アシボソを一次寄主としエゴノキとの間で寄主転換を行うアブラムシエゴノネコアシアブラムシ Ceratovacuna nekoashi(Sasaki, 1907)が春に二次寄主であるエゴノキに移動してきて新芽を変形させてこれを形成する。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]