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クレマスチン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com monograph
MedlinePlus a682542
胎児危険度分類
  • US: B
法的規制
  • otc
投与経路 Oral
薬物動態データ
生物学的利用能39.2%
代謝Hepatic
半減期21.3 hours
排泄Renal
識別
CAS番号
15686-51-8 チェック
ATCコード D04AA14 (WHO) R06AA04 (WHO)
PubChem CID: 26987
IUPHAR/BPS 6063
DrugBank DB00283 チェック
ChemSpider 25129 チェック
UNII 95QN29S1ID チェック
KEGG D03535  チェック
ChEBI CHEBI:3738 チェック
ChEMBL CHEMBL1626 チェック
化学的データ
化学式C21H26ClNO
分子量343.90 g·mol−1
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クレマスチン(Clemastine)は、第一世代のH1ヒスタミン拮抗薬で、抗コリン作用(乾燥)と鎮静作用の副作用がある[1]。他の第一世代の抗ヒスタミン薬と同様に、鎮静作用を持つ[2]。1960年に特許を取得し、1967年に医療現場で使用されるようになった[3]

効能・効果

クレマスチンは、花粉症アレルギー症状くしゃみ鼻水、目の充血痒みなど)の緩和に用いられる。また、処方された高用量のクレマスチンは、蕁麻疹のかゆみや腫れの緩和にも使用される[4]

副作用

重大な副作用には、痙攣、興奮、肝機能障害、黄疸が挙げられる[5]

過量投与の症状は、中枢神経系の抑制から逆説的な刺激までと幅広い。刺激は小児に多く、通常、興奮幻覚運動失調協調性の喪失、筋痙攣アテトーゼ高熱チアノーゼ、痙攣、振戦反射亢進英語版が生じる。これに続いて痙攣発作後英語版抑うつ状態や心血管系や呼吸器系の停止が起こる事もある。その他の一般的な過量投与の症状としては、口渇、瞳孔散大、顔面紅潮、発熱などがあります。成人の場合、過量投与は通常、眠気から昏睡に至るまでの中枢神経系の抑制を引き起こす[要出典医学]

薬理

クレマスチンは抗ヒスタミン薬であり、抗コリン作用鎮静作用を有している。抗ヒスタミン剤はヒスタミンの受容体部位に競合的に結合し、神経伝達物質の作用を低減する。ヒスタミンの効果(抗ヒスタミン薬によって打ち消される)には次のようなものがある。

  • 毛細血管の透過性の増加
  • 毛細血管の拡張性の増大
  • 浮腫
  • 瘙痒感
  • 消化管/呼吸器系平滑筋の収縮

クレマスチンは、ヒスタミンの血管収縮作用血管拡張作用英語版の両方を阻害する。投与量によっては、中枢神経系の刺激と抑制など、逆説的な作用を齎す事がある。

殆どの抗ヒスタミン薬は、ある種の抗コリン作用を示す。抗ヒスタミン薬は、H1受容体部位に競合的に結合することにより、内因性ヒスタミンの結合を阻害する事で作用する。抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンの正常な放出を化学的に不活性化したり、妨げたりする事はない。

また、クレマスチンは、FIASMA英語版酸性スフィンゴミエリナーゼ英語版の機能的阻害剤)としても作用する[6]

クレマスチンは消化管から速やかに吸収され、2~4時間で血漿中濃度がピークに達する。抗ヒスタミン剤は肝臓で代謝されると考えられており、主にモノ/ジデメチル化とグルクロン酸抱合によって代謝される。本剤は、チトクロームP450 CYP2D6の阻害剤であり、このアイソザイムで代謝される他の薬剤と干渉する可能性がある。

作用機序

クレマスチンは、選択的ヒスタミンH1拮抗薬である。ヒスタミンH1受容体に結合することで、内因性ヒスタミンの作用を遮断し、ヒスタミンによる陰性症状を一時的に緩和する[要出典医学]

参考資料

  1. ^ Clemastine”. DrugBank.com. 2021年6月12日閲覧。
  2. ^ Krouse J. H. (2008). “Allergic rhinitis—current pharmacotherapy”. Otolaryngol Clin North Am. 41: 347–358. doi:10.1016/j.otc.2007.11.014. 
  3. ^ Fischer, Jnos; Ganellin, C. Robin (2006) (英語). Analogue-based Drug Discovery. John Wiley & Sons. p. 547. ISBN 9783527607495. https://books.google.com/books?id=FjKfqkaKkAAC&pg=PA547 
  4. ^ Clemastine”. MedlinePlus. 2021年6月12日閲覧。
  5. ^ タベジール錠1mg/タベジール散0.1%/タベジール散1% 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. PMDA. 2021年6月12日閲覧。
  6. ^ “Identification of novel functional inhibitors of acid sphingomyelinase”. PLOS ONE 6 (8): e23852. (2011). doi:10.1371/journal.pone.0023852. PMC 3166082. PMID 21909365. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3166082/. 

外部リンク