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行かないで (ジャック・ブレルの曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
行かないで
ジャック・ブレル楽曲
収録アルバムLa Valse à mille temps
出版1959年
リリース1959年
録音1959年9月11日
時間3分52秒
レーベルフィリップス
作詞者ジャック・ブレル
ミュージックビデオ
「Ne me quitte pas」 - YouTube

行かないで」(いかないで、フランス語: Ne me quitte pas)は、1959年ベルギーシンガーソングライタージャック・ブレルが書いたフランス語の楽曲。オリジナルのフランス語の歌詞で、数多くのアーティストたちにカバーされ、他の多くの言語にも訳され、歌われてきた。英語では、ロッド・マッケン英語版の歌詞による「If You Go Away」として広く知られている。

背景

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「行かないで」は、「ブレルの究極の古典 (Brel's ultimate classic)」とも評されている[1]。この曲は、ブレルが愛人だった「ジズ (Zizou)」ことスザンヌ・ガブリエロフランス語版との別れの後に書かれた[2]。ジズは、ブレルの子を宿していたが、ブレルはその認知を拒んだ。このブレルの仕打ちに、ジズはその子を妊娠中絶した[2]

この曲は、当時ブレルの伴奏ピアニストを務めていたジェラール・ジュアネストフランス語版との共作で書かれたが、後者の名はクレジットされず、その後もそのままでSacemにも登録されていない[3]。この曲はフランソワ・ローベフランス語版が編曲したが、ブレルは女性に歌わせることを考え、1959年1月にシモーヌ・ラングロワフランス語版が45回転4曲入りのEP盤にこの曲を収録した[4]

ブレル自身は、この曲を1959年9月11日に最初に録音し、4枚目のアルバム『La Valse à mille temps』に収録した[5]。このアルバムはワーナー=シャペル (Warner-Chappell) からリリースされた。1961年エルネスト・ファン・アルテナオランダ語版によるオランダ語フラマン語)の歌詞でブレル自身が歌うバージョンが、「Laat me niet alleen」と題され、同じくオランダ語で歌われた「Marieke」のB面曲としてフィリップスからリリースされた[6]1972年には、この曲をタイトル曲としたアルバム『Ne me quitte pas』が制作され、ブレルはこの曲を新たに録音し直した。

1966年のインタビューで、ブレルは「行かないで」について、「ラブソング」ではなく、「男性の臆病さへ向けた賛美歌 (un hymne à la lâcheté des hommes)」であると述べ、恋人たちが互いを傷つけあいたいと望む度合いについて歌っているとしている。ブレルは、この曲をラブソングだと受け取る女性たちには悦びを与えるものであろうことは分かっているし、それは理解できることだとも述べている[7]

歌詞が「Moi, je t'offrirai des perles de pluie venues de pays où il ne pleut pas」と歌う部分の旋律は、フランツ・リストハンガリー狂詩曲第6番英語版変ニ長調の中間部、アンダンテ (Lassan) から採られている。

フランス語によるおもなカバー

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英語版「If You Go Away」

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「If You Go Away」
ダミタ・ジョーシングル
初出アルバム『If You Go Away』
B面 "Yellow Days"
リリース
ジャンル ジャズ
時間
レーベル エピック
作詞・作曲 ジャック・ブレル
ロッド・マッケン
プロデュース ボブ・モーガン (Bob Morgan)
ダミタ・ジョー シングル 年表
"Gotta Travel On"
(1965)
"If You Go Away"
(1966)
"Walk Away"
(1967)
テンプレートを表示

「If You Go Away」は、1959年ジャック・ブレルの「行かないで (Ne Me Quitte Pas)」に、ロッド・マッケン英語の歌詞を載せたものである。この作品は、ブレル作品を英語に翻訳するという大きな企画の一連の作業のひとつとして取り組まれたものであったが、「If You Go Away」は、トラディショナル・ポップ・ミュージック英語版スタンダード曲のひとつと見なされ、多数のアーティストたちによって取り上げられてきたが、もともとマッケンが英語の歌詞を書いたのは、グレタ・ケラー英語版のためであったとも言われている[10]

ダミタ・ジョー英語版のバージョンは、1966年に『ビルボード』誌のアダルト・コンテンポラリー・チャート英語版で10位、Billboard Hot 100 で68位まで上昇した[11]テリー・ジャックス英語版が吹き込み、1974年にリリースしたシングルは、アダルト・コンテンポラリー・チャートで29位、Billboard Hot 100 で68位まで上昇し、全英シングルチャートでは8位に達した[12]

英語によるおもなカバー

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日本語版

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その他の言語によるカバー

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イタリア語

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脚注

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  1. ^ Robine, Marc. “Quand on n'a que l'amour- Jacques Brel”. 2007年1月14日閲覧。
  2. ^ a b Christian Lamet; Stan Cuesta; François Gorin; François Ducray (2007) (French). La chanson française. Paris: Scali. p. 234. ISBN 235012097X. https://books.google.co.jp/books?id=qhMsAQAAIAAJ&redir_esc=y&hl=ja 
  3. ^ Angela Clouzet (2009). Gérard Jouannest, de Brel à Gréco. Albin Michel. pp. 71-75 
  4. ^ Fabien Lecœuvre (2012). Le petit lecoeuvre illustré. Éditions du Rocher. p. 104 
  5. ^ Jacques Brel – N° 4 - Discogs
  6. ^ Jacques Brel – Marieke / Laat Me Niet Alleen (Ne Me Quitte Pas) - Discogs
  7. ^ ジャック・ブレルとジュヌヴィエーヴ・ド・ヴィルモラン (Geneviève de Vilmorin) の対話、聞き手はエマニュエル・プレ (Emmanuel Poulet)。 (RTL, 1966)
  8. ^ 33 tours, 1960 Barbara chante Jacques Brel”. www.passion-barbara.net. 2016年8月7日閲覧。
  9. ^ Nina Simone – Ne Me Quitte Pas - Discogs
  10. ^ Greta Keller bio on IMDB
  11. ^ Damita Jo Chart Singles Discography Retrieved March 14, 2012.
  12. ^ Terry Jacks Chart Singles Discography Retrieved March 14, 2012.
  13. ^ Dusty Springfield – Where Am I Going - Discogs
  14. ^ John Walker (3) – If You Go Away - Discogs
  15. ^ Scott Walker – Scott 3 - Discogs
  16. ^ スコット・ウォーカー* – 行かないで = If You Go Away - Discogs
  17. ^ いかないで”. PAGE ONE. 2016年8月6日閲覧。
  18. ^ 金子由香利/人生は美しい”. 紀伊国屋書店. 2016年8月6日閲覧。
  19. ^ 春野寿美礼/前山にて/行かないで NE ME QUITTE PAS”. 紀伊国屋書店. 2016年8月6日閲覧。
  20. ^ アーティスト:岩崎宏美 タイトル:恋人たち+7”. ビクターエンタテインメント. 2016年8月6日閲覧。
  21. ^ なかにし礼と12人の女優たち”. 日本コロムビア. 2016年8月6日閲覧。
  22. ^ Discografia Nazionale della canzone italiana - LE COSE DELL'AMORE”. Discografia Nazionale della Canzone Italiana. 2016年8月6日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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