「ステップ (パソコンショップ)」の版間の差分
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|売上高=165億円(1996年2月期) |
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ステップは{{和暦|1979}}に寺田由雄が千葉県市川市[[行徳]]で創業し、翌年に法人化。[[倉庫]]のような店舗に在庫が積まれ、小さな商品は客がレジに直接持って行き、大きな商品は型番を伝えるという販売スタイルであった。店舗販売のほか雑誌広告による通信販売も行っていた。 |
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後述の「5つのNO!」を掲げ、運営コストを徹底的に削減することで低価格を実現、大量販売で成長する。秋葉原や日本橋にも進出し、ピーク時の1994年2月期には265億円を売り上げたものの、薄利多売が行き過ぎて、この時ですら4300万円の欠損を計上していた。さらに、パソコン価格の下落と他店との価格競争により収益が悪化し、翌1995年2月期には170億円と売上が大幅に減少した。 |
後述の「5つのNO!」を掲げ、運営コストを徹底的に削減することで低価格を実現、大量販売で成長する。秋葉原や日本橋にも進出し、ピーク時の1994年2月期には265億円を売り上げたものの、薄利多売が行き過ぎて、この時ですら4300万円の欠損を計上していた。さらに、パソコン価格の下落と他店との価格競争により収益が悪化し、翌1995年2月期には170億円と売上が大幅に減少した。 |
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これらの打開策として秋葉原に「ステップPC工房」を開店。ジュエリー用のショーケースにPCパーツが陳列され、落ち着いた雰囲気の中で自作パーツの購入や好きな組み合わせでのパソコンオーダーができるという店舗であった。これと同時に本社機能の一部を秋葉原に移転したものの、3ヶ月後に再び市川市に戻す結果となり、この移転費用も大きな負担となった。肝心のステップPC工房のジュエリーケースも、サイズのミスで使用できない什器が出るなどした。 |
これらの打開策として秋葉原に「ステップPC工房」を開店。ジュエリー用のショーケースにPCパーツが陳列され、落ち着いた雰囲気の中で自作パーツの購入や好きな組み合わせでのパソコンオーダーができるという店舗であった。これと同時に本社機能の一部を秋葉原に移転したものの、3ヶ月後に再び市川市に戻す結果となり、この移転費用も大きな負担となった。肝心のステップPC工房のジュエリーケースも、サイズのミスで使用できない什器が出るなどした。 |
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さらに、サービスを排除した低価格路線の象徴であった「5つのNO!」を廃止し、サービス向上と合理化を進めたが、今までの全店舗一括仕入れを各店毎の仕入れにしたため、スケールメリットを自ら放棄し仕入れ値を上げる結果となった。1996年2月期には165億円と前年期よりさらに売上が減少、最終的に資金繰りに行き詰まり、1996 |
さらに、サービスを排除した低価格路線の象徴であった「5つのNO!」を廃止し、サービス向上と合理化を進めたが、今までの全店舗一括仕入れを各店毎の仕入れにしたため、スケールメリットを自ら放棄し仕入れ値を上げる結果となった。1996年2月期には165億円と前年期よりさらに売上が減少、最終的に資金繰りに行き詰まり、{{和暦|1996}}9月20日に[[千葉地方裁判所|千葉地裁]]に和議を申請し倒産した。9月20日朝、ステップの幹部社員数名にだけ和議申請の事実が知らされ、店舗にて幹部社員が正午にシャッターを閉めるように従業員に指示し、その後従業員に倒産の事実が告げられた。負債は70億円<ref>[http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/960925/step.htm ステップ、千葉地裁に和議を申請] PC Watch</ref>。 |
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*おもに雑誌広告がメインだったが、幕張店開店前後に[[ベイエフエム|bayfm]]でラジオコマーシャルを放送したことがあり、また、同局の[[井上陽水]]の特別番組の冠スポンサーを担当したことがあった。 |
* おもに雑誌広告がメインだったが、幕張店開店前後に[[ベイエフエム|bayfm]]でラジオコマーシャルを放送したことがあり、また、同局の[[井上陽水]]の[[特別番組]]の冠スポンサーを担当したことがあった。 |
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== 脚注 == |
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*[[ソフマップ]] - 同業大手。5つのNO!に対抗し、一時「5つのYES!」を掲げていた。 |
* [[ソフマップ]] - 同業大手。5つのNO!に対抗し、一時「5つのYES!」を掲げていた。 |
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2011年12月24日 (土) 02:39時点における版
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 倒産 |
本社所在地 |
日本 〒272-0133 千葉県市川市行徳駅前4-7-10 |
設立 | 1980年(創業:1979年) |
業種 | 小売業 |
事業内容 | 家電製品小売 |
代表者 | 寺田 由雄 |
資本金 | 20億9000万円 |
売上高 | 165億円(1996年2月期) |
従業員数 | 90名 |
決算期 | 2月 |
特記事項:1996年9月20日、和議申請 |
株式会社ステップはかつて存在したパソコンショップ。パソコン以外にも、ビデオデッキ等の家電製品も扱っていた。千葉県市川市を本拠地とし、東京の秋葉原や大阪の日本橋にも出店していた。「5つのNO!」を掲げ低価格戦略で事業を拡大させたが、1996年(平成8年)9月に倒産した。
概要
ステップは1979年(昭和54年)に寺田由雄が千葉県市川市行徳で創業し、翌年に法人化。倉庫のような店舗に在庫が積まれ、小さな商品は客がレジに直接持って行き、大きな商品は型番を伝えるという販売スタイルであった。店舗販売のほか雑誌広告による通信販売も行っていた。
後述の「5つのNO!」を掲げ、運営コストを徹底的に削減することで低価格を実現、大量販売で成長する。秋葉原や日本橋にも進出し、ピーク時の1994年2月期には265億円を売り上げたものの、薄利多売が行き過ぎて、この時ですら4300万円の欠損を計上していた。さらに、パソコン価格の下落と他店との価格競争により収益が悪化し、翌1995年2月期には170億円と売上が大幅に減少した。
この売上の減少はステップに致命的なダメージを与えた。ステップでは通信販売において、購入者に前もって代金を入金させ、これを運転資金として商品調達を行っていたため、売上の減少による資金不足でWindows95発売時の「売れ時」を逃す結果となる。それでも何とか売上回復を期して、PCメモリを格安で販売する戦略に打って出たが、雑誌広告にメモリの価格を先読みして打ち出したため、雑誌に掲載された価格より調達価格が上回ることも多く、伝票上多額の損失を計上した。寺田社長は「マージンが入るので大丈夫」と公言していたが、それを確認できるような人物は人事面で既に排除されてしまっていた。
これらの打開策として秋葉原に「ステップPC工房」を開店。ジュエリー用のショーケースにPCパーツが陳列され、落ち着いた雰囲気の中で自作パーツの購入や好きな組み合わせでのパソコンオーダーができるという店舗であった。これと同時に本社機能の一部を秋葉原に移転したものの、3ヶ月後に再び市川市に戻す結果となり、この移転費用も大きな負担となった。肝心のステップPC工房のジュエリーケースも、サイズのミスで使用できない什器が出るなどした。
さらに、サービスを排除した低価格路線の象徴であった「5つのNO!」を廃止し、サービス向上と合理化を進めたが、今までの全店舗一括仕入れを各店毎の仕入れにしたため、スケールメリットを自ら放棄し仕入れ値を上げる結果となった。1996年2月期には165億円と前年期よりさらに売上が減少、最終的に資金繰りに行き詰まり、1996年(平成8年)9月20日に千葉地裁に和議を申請し倒産した。9月20日朝、ステップの幹部社員数名にだけ和議申請の事実が知らされ、店舗にて幹部社員が正午にシャッターを閉めるように従業員に指示し、その後従業員に倒産の事実が告げられた。負債は70億円[1]。
5つのNO!
「5つのNO!」とは、商品を「説明しない」「展示しない」「交換しない」「解約しない」「無料サービスはしない」の5つのことで、コストを削るための手段であった。店内にもこのキャッチフレーズが掲出されていた。他にトイレは利用させない、クレジットカードは3万円以上の利用に限る、カード利用手数料を購入金額の5%別途支払ってもらう等の客に対しての店舗利用規約があった。
サービスを徹底的に排除した一方、店頭では毎週更新する価格表を配布し、客はこの価格表を見ながら注文するという形態であった。秋葉原進出後は他店もステップの価格を参考にするようになり、一時は秋葉原での価格形成に影響を及ぼしていた。特にMacintosh商品は、土日になると時間単位で価格が下がっていくのも珍しくなかった。
こうした営業形態はパソコンをよく知ったマニアには適していたが、パソコンの一般普及に伴い初心者が増えるようになると逆に市場を逃す原因ともなった。
存在した店舗
- 本店 - 行徳にあり、別にサポートセンターも構えていた。
- 秋葉原店 - ステップPC工房を含め5店舗。
- 六本木店 - 主にMacを扱う店舗。(倒産以前に閉店)
- 幕張店 - 海浜幕張駅前のプレナ幕張に所在していた。(倒産以前に閉店)
- 検見川浜店 - 千葉県千葉市美浜区にあった店舗。(倒産以前に閉店)
- 富里店 - 千葉県印旛郡富里町(現・千葉県富里市)七栄にあった。(倒産以前に閉店、倒産時は倉庫)
- 日本橋店 - 大阪地区唯一の店舗。(倒産以前に閉店)
宣伝・広告
脚注
- ^ ステップ、千葉地裁に和議を申請 PC Watch
参考文献
- 東京商工リサーチ TSR情報 1996年9月26日号 7面
関連項目
- ソフマップ - 同業大手。5つのNO!に対抗し、一時「5つのYES!」を掲げていた。