「ハング・パーラメント」の版間の差分
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しかし[[イギリス]]や[[カナダ]]などの、[[小選挙区制]]で比較多数得票方式を採用する国では[[二大政党制]]による議院内閣制が行われており、通常は過半数の議席を獲得した第1党が単独で[[与党]]となるため、[[連立政権]]やハング・パーラメントは一般的な状態ではない。 |
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ハング・パーラメントでは、ふつう[[少数与党政権]](minority government)や[[連立政権]]が成立するが、そのまま[[解散_(議会)|解散]]そしてやり直し[[選挙]]となることもありうる。 |
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ハング・パーラメント |
ハング・パーラメントでは、少数政党が[[キャスティングボート]]を握り、発言力を増す場合が多い。このことは、二大政党制を支持する立場から望ましくないとする意見と、二大政党制では反映されにくい国民の多様な意見を反映できると評価する意見が存在する。 |
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[[イギリス]]では[[1800年代]]頃より[[二大政党制]]が続いているが、[[第二次世界大戦]]後ではハング・パーラメント状態は2回発生した。1回目は[[1974年]]で[[労働党 (イギリス)|労働党]]の小数与党政権が発足したが不安定な政権運営が続き、8ヶ月後の解散・総選挙で労働党の単独過半数政権となった。2回目は[[2010年]]で、[[保守党 (イギリス)|保守党]]と[[自由民主党 (イギリス)|自由民主党]]による戦後初の連立政権が発足した。 |
[[イギリス]]では[[1800年代]]頃より[[二大政党制]]が続いているが、[[第二次世界大戦]]後ではハング・パーラメント状態は2回発生した。1回目は[[1974年]]で[[労働党 (イギリス)|労働党]]の小数与党政権が発足したが不安定な政権運営が続き、8ヶ月後の解散・総選挙で労働党の単独過半数政権となった。2回目は[[2010年]]で、[[保守党 (イギリス)|保守党]]と[[自由民主党 (イギリス)|自由民主党]]による戦後初の連立政権が発足した。 |
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なお、イギリスの首相は[[君主]]が議会で一番支持を得られそうな個人を習慣に基づいて任命する。総選挙で単独過半数をとった政党がある場合はその党首が指名される習慣が定まっているが、ハング・パーラメントにおいては誰が首相に指名されるべきかは明確でない。<ref>[http://www.royal.gov.uk/MonarchUK/QueenandGovernment/QueenandPrimeMinister.aspx Queen and Prime Minister] - 英国王室公式ウェブサイト </ref><ref>[http://www.parliament.uk/documents/commons/lib/research/briefings/snpc-04951.pdf Hung parliaments](議員向けの報告資料)</ref> |
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[[カナダ]]では最近では第38回議会から現在の第40回議会にかけて、ハング・パーラメント状態となっているが、いずれも[[カナダ自由党|自由党]]もしくは[[カナダ保守党|保守党]]による少数与党政権となっている。(なお、カナダでは「hung parliament」という用語は一般的でない。) |
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2010年5月16日 (日) 15:03時点における版
政党政治 |
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Portal:政治学 |
ハング・パーラメント(英:hung parliament、宙ぶらりんの議会)または少数派議会(英:minority parliament)は、議院内閣制の政治体制において、立法府でどの政党も議席の単独過半数を獲得していない状態である。
概要
ドイツやアイルランドなど比例代表制を採用する国の議会や、強力な地域政党が存在する国の議会では、この状態は一般的であるので、選挙結果の説明として「ハング・パーラメント」との用語はほとんど使われない。またアメリカ合衆国などは大統領制であり議院内閣制ではないため、二大政党制であっても「ハング・パーラメント」との用語はほとんど使われない。
しかしイギリスやカナダなどの、小選挙区制で比較多数得票方式を採用する国では二大政党制による議院内閣制が行われており、通常は過半数の議席を獲得した第1党が単独で与党となるため、連立政権やハング・パーラメントは一般的な状態ではない。
ハング・パーラメントでは、ふつう少数与党政権(minority government)や連立政権が成立するが、そのまま解散そしてやり直し選挙となることもありうる。
ハング・パーラメントでは、少数政党がキャスティングボートを握り、発言力を増す場合が多い。このことは、二大政党制を支持する立場から望ましくないとする意見と、二大政党制では反映されにくい国民の多様な意見を反映できると評価する意見が存在する。
歴史
イギリス
イギリスでは1800年代頃より二大政党制が続いているが、第二次世界大戦後ではハング・パーラメント状態は2回発生した。1回目は1974年で労働党の小数与党政権が発足したが不安定な政権運営が続き、8ヶ月後の解散・総選挙で労働党の単独過半数政権となった。2回目は2010年で、保守党と自由民主党による戦後初の連立政権が発足した。
なお、イギリスの首相は君主が議会で一番支持を得られそうな個人を習慣に基づいて任命する。総選挙で単独過半数をとった政党がある場合はその党首が指名される習慣が定まっているが、ハング・パーラメントにおいては誰が首相に指名されるべきかは明確でない。[1][2]
カナダ
カナダでは最近では第38回議会から現在の第40回議会にかけて、ハング・パーラメント状態となっているが、いずれも自由党もしくは保守党による少数与党政権となっている。(なお、カナダでは「hung parliament」という用語は一般的でない。)
関連項目
参照
- ^ Queen and Prime Minister - 英国王室公式ウェブサイト
- ^ Hung parliaments(議員向けの報告資料)
外部リンク
イギリス
- Q&A: What is a hung parliament?, BBC, 8 March 2010
- Hung Parliaments: What you need to know, Institute for Government 2010
- Hung Parliament News New Statesman
- Hang Em Pressure group
- Charter 2010 Planning for a hung parliament