「CD-ROM2」の版間の差分
m編集の要約なし |
|||
20行目: | 20行目: | ||
|次世代ハード = [[SUPER CD-ROM2|SUPER CD-ROM²]] |
|次世代ハード = [[SUPER CD-ROM2|SUPER CD-ROM²]] |
||
}} |
}} |
||
'''CD-ROM²'''( |
'''CD-ROM²'''(シーディーロムロム)とは、[[1988年]][[12月4日]]に[[日本電気ホームエレクトロニクス]](NECホームエレクトロニクス)より発売された[[PCエンジン]]用の周辺機器。 |
||
また、それを用いたゲームソフトの[[プラットフォーム]]の呼称。 |
また、それを用いたゲームソフトの[[プラットフォーム]]の呼称。 |
||
28行目: | 28行目: | ||
PCエンジン本体との接続はインターフェースユニットと、[[HuCARD]]差し込み口に入れるシステムカード (ROM) の組み合わせで行う。 |
PCエンジン本体との接続はインターフェースユニットと、[[HuCARD]]差し込み口に入れるシステムカード (ROM) の組み合わせで行う。 |
||
[[ソフトウェア]][[メディア (媒体)|媒体]]として採用したCD-ROMは従来の[[コンシューマーゲーム|家庭用テレビゲーム機]]で用いられていた[[ROMカートリッジ]]と比較して[[データ]]へのアクセス速度が劣るが、大容量、低価格、量産時間の短縮といった利点があり、コンピュータゲームの表現方法から[[流通]]にまで幅広く影響を与えた。 |
[[ソフトウェア]][[メディア (媒体)|媒体]]として採用したCD-ROMは従来の[[コンシューマーゲーム|家庭用テレビゲーム機]]で用いられていた[[ロムカセット|ROMカートリッジ]]と比較して[[データ]]へのアクセス速度が劣るが、大容量、低価格、量産時間の短縮といった利点があり、コンピュータゲームの表現方法から[[流通]]にまで幅広く影響を与えた。 |
||
非常に高価なシステムだったが、[[天外魔境]]や[[イースシリーズ]]などのCD-ROMの大容量を活かしたキラータイトルにより普及する。 |
非常に高価なシステムだったが、『[[天外魔境 ZIRIA|天外魔境]]』や[[イースシリーズ|『イース』シリーズ]]などのCD-ROMの大容量を活かしたキラータイトルにより普及する。 |
||
なお、CD-ROMだけでなく、[[Random Access Memory|RAM]]の拡張や、大容量[[コンデンサ|キャパシタ]]を使用してのバックアップ機能、[[AV端子|AV出力]]の追加、[[適応的差分パルス符号変調|ADPCM音源]]([[沖電気工業|沖電気]] MSM5205)搭載などの機能拡張も行われている。また、CD-ROMドライブ部は[[PC-8800シリーズ|PC-8801MC]]のCD-ROMドライブとしても使える他、PCエンジン本体用のACアダプタを接続することで、ヘッドホン式の卓上[[CDプレーヤー]]としても使用できる。PCエンジン本体部だけを外した状態でも音楽CDの再生は可能である。 |
なお、CD-ROMだけでなく、[[Random Access Memory|RAM]]の拡張や、大容量[[コンデンサ|キャパシタ]]を使用してのバックアップ機能、[[AV端子|AV出力]]の追加、[[適応的差分パルス符号変調|ADPCM音源]]([[沖電気工業|沖電気]] MSM5205)搭載などの機能拡張も行われている。また、CD-ROMドライブ部は[[PC-8800シリーズ|PC-8801MC]]のCD-ROMドライブとしても使える他、PCエンジン本体用のACアダプタを接続することで、ヘッドホン式の卓上[[CDプレーヤー]]としても使用できる。PCエンジン本体部だけを外した状態でも音楽CDの再生は可能である。 |
||
44行目: | 44行目: | ||
== その他 == |
== その他 == |
||
* CD-ROM²用ソフトウェアのNECホームエレクトロニクスへのマスターデータの納品は長らく[[磁気テープ]]で行われていた |
* CD-ROM²用ソフトウェアのNECホームエレクトロニクスへのマスターデータの納品は長らく[[磁気テープ]]で行われていた(8ミリマスターと呼ばれる)。これは当時[[CD-R]]ドライブ登場の端境期に当たっていたためである。 |
||
* 海外での[[w:TurboGrafx-CD#TurboGrafx-CD|TurboGrafx-CD]]のデモンストレーションの際、TurboGrafx-CDのCD-ROMドライブをパソコン用等速[[Small Computer System Interface|SCSI]] CD-ROMドライブとして使用する例を実機を使って展示していた。なお、このシステムは結局発売されなかった。 |
* 海外での[[w:TurboGrafx-CD#TurboGrafx-CD|TurboGrafx-CD]]のデモンストレーションの際、TurboGrafx-CDのCD-ROMドライブをパソコン用等速[[Small Computer System Interface|SCSI]] CD-ROMドライブとして使用する例を実機を使って展示していた。なお、このシステムは結局発売されなかった。 |
||
* 対応ソフトウェアには、いわゆる[[コピーガード]]は一切掛けられていない。当時は記録型CDメディア/ドライブの一般向けへの普及が全く考慮されておらず、CD-ROMメディアであること自体がコピーガードとして機能していたためである。 |
* 対応ソフトウェアには、いわゆる[[コピーガード]]は一切掛けられていない。当時は記録型CDメディア/ドライブの一般向けへの普及が全く考慮されておらず、CD-ROMメディアであること自体がコピーガードとして機能していたためである。 |
2008年7月3日 (木) 03:23時点における版
メーカー | NECホームエレクトロニクス |
---|---|
種別 | 据置型ゲーム機 |
世代 | 第4世代 |
発売日 | 1988年12月4日 |
対応メディア |
CD-ROM CD-DA |
対応ストレージ | バッテリーバックアップ |
次世代ハードウェア | SUPER CD-ROM² |
CD-ROM²(シーディーロムロム)とは、1988年12月4日に日本電気ホームエレクトロニクス(NECホームエレクトロニクス)より発売されたPCエンジン用の周辺機器。
また、それを用いたゲームソフトのプラットフォームの呼称。
概要
世界で初めてCD-ROMを搭載したコンピュータ(ゲーム機)用周辺機器である。発売当初はCDプレーヤーは音響機器扱いだったので、物品税がかけられており、節税のために課税されるCD-ROMユニットと非課税のインターフェースユニットが別売だった。1989年4月より消費税が導入され全ての商品に一律で税金がかけられるようになったため、1パッケージでセット売りされるようになった。セット売りでの価格は57,300円。
PCエンジン本体との接続はインターフェースユニットと、HuCARD差し込み口に入れるシステムカード (ROM) の組み合わせで行う。 ソフトウェア媒体として採用したCD-ROMは従来の家庭用テレビゲーム機で用いられていたROMカートリッジと比較してデータへのアクセス速度が劣るが、大容量、低価格、量産時間の短縮といった利点があり、コンピュータゲームの表現方法から流通にまで幅広く影響を与えた。
非常に高価なシステムだったが、『天外魔境』や『イース』シリーズなどのCD-ROMの大容量を活かしたキラータイトルにより普及する。
なお、CD-ROMだけでなく、RAMの拡張や、大容量キャパシタを使用してのバックアップ機能、AV出力の追加、ADPCM音源(沖電気 MSM5205)搭載などの機能拡張も行われている。また、CD-ROMドライブ部はPC-8801MCのCD-ROMドライブとしても使える他、PCエンジン本体用のACアダプタを接続することで、ヘッドホン式の卓上CDプレーヤーとしても使用できる。PCエンジン本体部だけを外した状態でも音楽CDの再生は可能である。
仕様
- CD-ROMドライブ:等速 (150KB/秒)
- 通信プロトコル:SCSI-1
- SRAM:64KB
- ADPCM用DRAM:64KB
- ADPCMデータフォーマット:1ch 1Bit(符号)+3Bit(最適化済変位量 沖電気独自形式) - X680x0に搭載されたADPCM入出力ICの沖電気MSM6258に近いものと推測される。
- バックアップ用SRAM:2KB
- CD-DA、ADPCM、PCエンジン本体内蔵波形メモリ音源各々の音声信号のステレオ対応独立音量調整出力機能あり。
その他
- CD-ROM²用ソフトウェアのNECホームエレクトロニクスへのマスターデータの納品は長らく磁気テープで行われていた(8ミリマスターと呼ばれる)。これは当時CD-Rドライブ登場の端境期に当たっていたためである。
- 海外でのTurboGrafx-CDのデモンストレーションの際、TurboGrafx-CDのCD-ROMドライブをパソコン用等速SCSI CD-ROMドライブとして使用する例を実機を使って展示していた。なお、このシステムは結局発売されなかった。
- 対応ソフトウェアには、いわゆるコピーガードは一切掛けられていない。当時は記録型CDメディア/ドライブの一般向けへの普及が全く考慮されておらず、CD-ROMメディアであること自体がコピーガードとして機能していたためである。
- CD-ROMをメディアとして使用した最初期の物のため、ゲームソフトによってはCD-ROMには時として非常にトリッキーな形でデータが記録されていたらしく、パソコンのCD-ROM対応ドライブに挿入してもメディアを正しく認識しないことが多々ある。また、完全な形でのソフトウェアのバックアップを作成するためには、ここ数年内に発売された光学式記録型ディスクドライブと光学式記録型ディスク作成ソフトを必要とする。特に、『美少女戦士セーラームーン』と『美少女戦士セーラームーンコレクション』は、投売りソフトの常連で安価に入手出来たが、バックアップの作成に関しては最難関ソフトとされた。
- CD-ROM²システムに同梱されている純正ACアダプタではCD-ROM²システムが本来必要とする電力を充分供給できないという欠陥がある。後期型CD-ROM²システムではより大型、高出力の純正ACアダプタに変更されているがそれでもまだ充分とはいえない。CD-ROM²システムを使用していて動作不良が起こっている際には、同電圧でより大きい電力を供給できる電源回路と接続すれば、改善されることもある。また、PCエンジンDuo以降では改善されている。