PCエンジン mini

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PCエンジン mini
TurboGrafx-16 mini NA
PC Engine CoreGrafx mini EU
PC-Engine-Console-Set.png
本機外観の原典であるゲーム機・PCエンジン
メーカー コナミデジタルエンタテインメント
種別 復刻系据置型ゲーム機
発売日 2020年3月19日[1]
対応メディア プリインストール
外部接続 HDMI
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PCエンジン mini(ピーシーエンジン ミニ)は、1987年日本電気ホームエレクトロニクス (NEC-HE) より発売された家庭用テレビゲーム機PCエンジン」の復刻版。

同機のNEC-HEとの共同開発元であるハドソンを吸収合併したコナミデジタルエンタテインメント (KDE) より、2020年3月19日Amazon.co.jp専売[2]で発売された。

日本国外でも、北米市場にて「TurboGrafx-16 mini」(ターボグラフィックス-16 mini)、欧州ユーロ圏)にて「PC Engine CoreGrafx mini」(PCエンジン コアグラフィックス mini)がリリースされている[3]

概要[編集]

1980年代から1990年代にかけて多くのバリエーションが販売されていたPCエンジンシリーズのうち、初代機である「PCエンジン」を更に小型化して復刻したものである。また、KDEから初めて発売される家庭用コンピュータゲーム機でもある。

開発にはゲームソフトの移植に多数経験のあるM2[4]や、テレビゲーム用周辺機器の開発に実績のあるHORI[5]が関わっている。

各国のレーティングCEROD(17才以上対象)ESRBM(17才以上対象)PEGIが12である[6]

基本的な仕様[編集]

原典デザインから約85%に縮小した[7][注 1]デザインとなっており、一回り小さいぐらいの大きさ[1]となっている。

ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータメガドライブ ミニなど他メーカーの復刻系ゲーム機と同様、原典のHuCARDCD-ROMは使用できず、かつて発売されたPCエンジンのソフト34本[注 2]がプリインストール(内蔵)されている。見た目こそ初代機のPCエンジンであるが、収録ソフトは初代機単体で遊べるタイトルだけにとどまらず、PCエンジンスーパーグラフィックス用ソフトの『オルディネス』、CD-ROM2用の『イースI・II』、SUPER CD-ROM2用の『天外魔境II 卍MARU』、ARCADE CD-ROM2用の『銀河婦警伝説サファイア』などのタイトルも収録が発表されている[1]。また、本来は初代機のPCエンジンでは起動しないTurboGrafx-16(北米版PCエンジン)用タイトル24本[注 2]もプリインストールされており、合わせて58本のゲームタイトルが収録される。なお、PCエンジンとTurboGrafx-16の切り替えは、ソフト選択画面の右下のコマンドにて行う[5]

RUNボタンとSELECTボタンを同時に押すこと(当時のソフトリセットコマンド)で「ゲームメニュー」を出すことができ、ゲームが一時停止する。ここでは、ゲームの進行状況を好きなタイミングでセーブ・ロードできる「カンタンセーブ機能」やソフト選択画面への移動、ゲームのリセットなどを行える。なお、ここでのリセットは電源再投与を再現しており、当時のソフトリセットは実質できなくなっている(RUNボタンとSELECTボタンを使った当時の裏技などは、この仕様のためにコマンドが変更されている場合がある)[10]

SUPER CD-ROM2やARCADE CD-ROM2タイトルでは、SELECTボタンを押しながらソフトを決定することでシステムカードのダウングレード起動を再現できる。また、HuCARDのタイトルにも、同様のコマンドによって別バージョンが起動するものがいくつか存在するなど、隠し要素も多い。なお、本稿ではこれらの別バージョンのタイトルは収録タイトル数には数えない。

ゲーム画面のサイズは5種類から選べる。基本となる「スタンダード」に加え、スタンダードの比率のまま画面全体にフィットさせた「スタンダード拡大」、原典の比率に忠実な「ピクセルパーフェクト」、画面全体に比率を引き伸ばした「ビスタ」のほか、PCエンジンGTのフレームとTFT液晶を擬似的に再現する「GTモード」がある。また、ブラウン管モニターの見え方を擬似的に再現した「CRTフィルタ」を加えることもできる[10][5]

原典当時に同梱された「PCエンジンパッド」 (PI-PD001) を、サイズはそのままに接続端子をUSB仕様としたパッドが1つ付属するほか、「ターボパッド for PCエンジン mini」と呼ばれる連射機能付きパッド(こちらは「ターボパッド」 (PI-PD002) がモチーフ)が別売で単体購入できる。また、PCエンジンシリーズには1つしかなかったパッド接続口は2か所に増設されているため、当時とは異なり3人以上でのプレイに限って専用のマルチタップが必要となる。

映像・音声出力用にHDMI端子が用意されており、現代のディスプレイやデジタルテレビにも接続できる。

電源入力端子はmicro-B USB端子である。ACアダプタは付属しないため、USBのAコネクタに電源供給できるACアダプタ(出力 5.0V/2.0A/10W)が別途必要となる。

収録ソフト[編集]

(出典・参考:[3]

PCエンジン mini 収録タイトル[編集]

日本版「PCエンジン mini」に収録される、PCエンジンとTurboGrafx-16を合わせた全タイトルを記す[注 2]

PCエンジンタイトル(34本)[編集]

当時日本向けに発売されたPCエンジン版タイトルを基本的にそのまま収録しており、ゲーム内の言語はすべての本体共通で日本語となっている[注 3][注 4]

タイトル オリジナルメーカー 当時の媒体 備考
THE 功夫 ハドソン HuCARD
邪聖剣ネクロマンサー ハドソン HuCARD
ギャラガ'88 ナムコ HuCARD
ファンタジーゾーン NECアベニュー HuCARD 隠しコマンドにより、near Arcade版(アーケード版に近い仕様の新設計版)が起動。
ドラゴンスピリット ナムコ HuCARD
あっぱれ!ゲートボール ハドソン HuCARD
ネクタリス ハドソン HuCARD TurboGrafx-16版を同時収録。
ダンジョンエクスプローラー ハドソン HuCARD TurboGrafx-16版を同時収録。
ニュートピア ハドソン HuCARD TurboGrafx-16版を同時収録。
PC原人 ハドソン HuCARD
イースI・II ハドソン CD-ROM2 TurboGrafx-16版を同時収録。
源平討魔伝 ナムコ HuCARD
スーパーダライアス NECアベニュー CD-ROM2
スプラッターハウス ナムコ HuCARD 北米・欧州では、TurboGrafx-16版が代わりに収録される。
スーパースターソルジャー ハドソン HuCARD PCエンジン mini独自の仕様(隠し要素)として、新たにIボタンとRUNボタンの操作を入れ換えたバージョンを同時収録。
大魔界村 NECアベニュー HuCARD (SUPER GRAFX)
ワルキューレの伝説 ナムコ HuCARD
オルディネス ハドソン HuCARD (SUPER GRAFX)
精霊戦士スプリガン ナグザット CD-ROM2
ニュートピアII ハドソン HuCARD TurboGrafx-16版を同時収録。
グラディウス コナミ HuCARD 隠しコマンドにより、near Arcade版(アーケード版に近い仕様の新設計版)が起動。
スーパー桃太郎電鉄II ハドソン HuCARD
忍者龍剣伝 ハドソン HuCARD
天外魔境II 卍MARU ハドソン SUPER CD-ROM2 北米・欧州では未収録。
スターパロジャー ハドソン SUPER CD-ROM2
スプリガン mark2 ナグザット SUPER CD-ROM2
SNATCHER コナミ SUPER CD-ROM2
グラディウスII -GOFERの野望- コナミ SUPER CD-ROM2
超兄貴 メサイヤ SUPER CD-ROM2
悪魔城ドラキュラX 血の輪廻 コナミ SUPER CD-ROM2
ボンバーマン'94 ハドソン HuCARD
ときめきメモリアル コナミ SUPER CD-ROM2 北米・欧州では未収録。隠しコマンドにより、ゲーム内ミニゲームの『フォースギア』と『ツインビーりたーんず』が単体起動。
ボンバーマン ぱにっくボンバー ハドソン SUPER CD-ROM2
銀河婦警伝説サファイア ハドソン ARCADE CD-ROM2

TurboGrafx-16タイトル(24本)[編集]

当時北米向けに発売されたTurboGrafx-16版タイトル。ゲーム内の表示言語・音声が英語になっているのをはじめ、当時日本向けに発売されたPCエンジン版タイトルとは一部ゲーム内容に差異がある[注 5]。また、以下24本中5本がPCエンジン版とTurboGrafx-16版の同時収録となっているが、当該のタイトルは備考欄に記し、太字表記としない。

以下の24タイトルは日本向けの「PCエンジン mini」を含め、すべての本体で遊ぶことができる。

タイトル PCエンジン版タイトル オリジナルメーカー(PCエンジン版) 当時の媒体 備考
Alien Crush エイリアンクラッシュ ナグザット HuCard パッケージ表示やソフト選択画面の表示位置はTurboGrafx-16版となっているが、ゲーム本編はPCエンジン版が収録される[8][9]
Victory Run ビクトリーラン ハドソン HuCard
Blazing Lazers ガンヘッド ハドソン HuCard タイトル変更に伴い、映画『ガンヘッド』に関する著作権表示が無くなっている。
Neutopia ニュートピア ハドソン HuCard PCエンジン版を同時収録。
Dungeon Explorer ダンジョンエクスプローラー ハドソン HuCard PCエンジン版を同時収録。
R-Type R-TYPE I・R-TYPE II ハドソン HuCard PCエンジン版の2作品(前後編)を1本にまとめた作品。
Moto Roader モトローダー メサイヤ HuCard
Power Golf パワーゴルフ ハドソン HuCard
Ys Book I&II イースI・II ハドソン TurboGrafx-CD PCエンジン版を同時収録。
Ninja Spirit 最後の忍道 アイレム HuCard
J.J. & Jeff カトちゃんケンちゃん ハドソン HuCard PCエンジン版における加藤茶志村けんが、それぞれ「J.J.」と「JEFF」というオリジナルキャラクターに差し替えられたもの。
Space Harrier スペースハリアー NECアベニュー HuCard
Military Madness ネクタリス ハドソン HuCard PCエンジン版を同時収録。
Chew-Man-Fu ビーボール ハドソン HuCard
Psychosis パラノイア ナグザット HuCard
Bonk's Revenge PC原人2 ハドソン HuCard
Parasol Stars パラソルスター タイトー HuCard
Cadash カダッシュ タイトー HuCard
New Adventure Island 高橋名人の新冒険島 ハドソン HuCard
Air Zonk PC電人 ハドソン HuCard
Neutopia II ニュートピアII ハドソン HuCard PCエンジン版を同時収録。
Soldier Blade ソルジャーブレイド ハドソン HuCard 隠しコマンドにより、PCエンジン版のスペシャルバージョン(非売品)が起動。
Lords of Thunder ウィンズ オブ サンダー ハドソン Super CD-ROM2
Bomberman '93 ボンバーマン'93 ハドソン HuCard

PCエンジン mini以外の本体における収録タイトル[編集]

北米・欧州の「TurboGrafx-16 mini」や「PC Engine CoreGrafx mini」では、日本版収録タイトルのうち『天外魔境II 卍MARU』と『ときめきメモリアル』が未収録となっているが、代わりにPCエンジンタイトル『沙羅曼蛇』(コナミ/HuCARD)(near Arcade版も同時収録)が収録される。また、PCエンジン版『スプラッターハウス』がTurboGrafx-16版『Splatterhouse』(ナムコ/HuCard)に差し替えられている。

なお、『ときめきメモリアル』ゲーム内ミニゲームの『フォースギア』と『ツインビーりたーんず』のみ、隠し要素として『沙羅曼蛇』より単体で起動できる。

周辺機器[編集]

(参考:[1][11][12][13]

型番 名称 備考
HTG-008 PCエンジン mini
HTG-002 コントローラー 本体付属の標準コントローラー。
HTG-003 ターボパッド for PCエンジン mini HORIから発売。本体付属の標準コントローラーとは異なり、I・IIボタンに2段階の連射を設定できる。
HTG-004 マルチタップ for PCエンジン mini HORIから発売。最大5つまでコントローラー(パッド)を接続できるようになる。
HTG-005 ACアダプター for PCエンジン mini HORIから発売。本体付属のUSBケーブルに接続して使用する。
HDMIケーブル 本体に1つ同梱。
USBケーブル マイクロUSB規格。本体に1つ同梱。

リージョンごとの特徴[編集]

以下、日本・北米・欧州における製品(本体・パッド)の外見や機能、収録タイトルの違いなどを記す。なお、北米版と欧州版には収録タイトルの違いはない。

地域 日本 北米 欧州
名称 PCエンジン mini TurboGrafx-16 mini PC Engine CoreGrafx mini
モチーフ PCエンジン TurboGrafx-16 PCエンジンコアグラフィックス
全地域共通収録タイトル[注 2] PCエンジン 31本・TurboGrafx-16 24本
『天外魔境II 卍MARU』 収録 未収録
『ときめきメモリアル』 収録 未収録
『沙羅曼蛇』 未収録 収録
『スプラッターハウス』
Splatterhouse
PCエンジン版のみ収録 TurboGrafx-16版のみ収録
PCエンジンタイトル 収録数[注 2] 34 32
TurboGrafx-16タイトル 収録数[注 2] 24 25
ゲームタイトル収録数 58 57
付属パッドの連射機能[注 6] なし あり

備考[編集]

  • 本製品には、当時NEC-HEとハドソンによって提唱された規格HE-SYSTEM」のロゴが記載されている[1]。これは、ライセンス商品の証明としてPCエンジンに関連する本体とソフトウェアには必ず記載されるもの[要出典]とされているが、ソフトリリース終了後に長らく時間の経過したバーチャルコンソールPCエンジンアーカイブスではオフィシャルにもかかわらず使用されていない。そのため、ソフトリリース終了から長時間経過した製品としては、本規格が採用された数少ない事例である(他の例としては、PCエンジンライブラリーにて使用されたケースが挙げられる)。
  • PCエンジンの商標は2019年現在、KDEおよびビッグローブ登録商標とされている[14]。発売当時はNEC-HEおよびハドソンが商標などの諸権利を保持していたが、ハドソンは2012年にKDEに吸収合併され、NEC-HEは2001年の会社解散に伴って権利関係が親会社の日本電気 (NEC) を経て、2006年にNECから分社したビッグローブ[注 7]が承継したためである[15]。なお、当初は著作権表記にはKDEおよびビッグローブの2社が表示されていた[16]が、後の発表ではビッグローブの表記が削除されている[17](理由は不明)。
  • 本体やコントローラー、並びに一部ゲームパッケージから当時あった「NEC」、「NECアベニュー」のロゴが削除されているが、上記との関連によるものかは不明。

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 出典には「体積」とあるが、PCエンジンが140mm×135mm×40mmであったのに対し、PCエンジン miniは120mm×115mm×35mm[1]であるため、厳密には長さの縮小率にあたる。
  2. ^ a b c d e f 『エイリアンクラッシュ』について、パッケージ表示はTurboGrafx-16版となっているが、ゲーム本編はPCエンジン版が収録される[8][9]。本稿ではパッケージ表示や公式サイトに基づきTurboGrafx-16タイトルとして便宜上分類するが、厳密には表示に対してPCエンジンタイトルが1本多くTurboGrafx-16タイトルが1本少ない形となることに注意されたい。
  3. ^ 『邪聖剣ネクロマンサー』や『スーパー桃太郎電鉄II』など、プレイするうえで言語が重要となるタイトルの場合でも、新たに翻訳などは施されていない。
  4. ^ 『忍者龍剣伝』のようにゲーム内で言語設定ができるタイトルは、そのまま変更なく収録されている。また、『ニュートピア』や『ネクタリス』などのTurboGrafx-16版(英語版)が存在する一部ゲームタイトルは、両バージョン収録という形で英語版に対応している場合もある。詳しくは、以下の#TurboGrafx-16タイトル(24本)を参照。
  5. ^ 一例としては、『Bomberman '93』においてアイキャッチのイラストが一部差し替えられている点が挙げられる。
  6. ^ 追加購入できるパッドはすべて連射機能搭載となっており、デザインは国内外共通で日本版のターボパッド (PI-PD002) をモチーフとしている。
  7. ^ 2014年3月まではNECビッグローブ。同年に日本産業パートナーズに売却された後、2016年にKDDIが買収した。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f PCエンジン mini 公式サイト
  2. ^ KONAMIお客様相談室【公式】 [@konami_support] (2019年7月12日). "ご連絡いただきありがとうございます。 『PCエンジンmini』は、Amazon専売商品です。 どうぞ宜しくお願いいたします。" (ツイート). Twitterより2019年7月12日閲覧
  3. ^ a b PC Engine mini, PC Engine CoreGrafx mini, TurboGrafx-16 mini Official Website
  4. ^ 『PCエンジン mini』、収録タイトルの追加が決定! | 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
  5. ^ a b c PCエンジンmini生放送 (2019.08.08) ※番組アーカイブ - YouTube
  6. ^ PCEngine_Miniのツイート(1201744580523151360)
  7. ^ 【E3 2019】PCエンジン miniを見て触ってきた!
  8. ^ a b PCエンジン mini 公式サイト - お詫び
  9. ^ a b @PCEngine_Miniの2020年1月29日のツイート2020年4月12日閲覧。
  10. ^ a b PCエンジン mini / 全収録タイトル渡辺浩弐氏解説付トレーラー - YouTube
  11. ^ 株式会社 HORI | ターボパッド for PCエンジン mini
  12. ^ 株式会社 HORI | マルチタップ for PCエンジン mini
  13. ^ 株式会社 HORI | ACアダプター for PCエンジン mini
  14. ^ @BIGLOBEの2019年6月11日のツイート2019年7月10日閲覧。
  15. ^ 「PCエンジン」の商標を、BIGLOBEが持ってるワケ”. ITmedia(2019年6月12日作成). 2019年6月12日閲覧。
  16. ^ 『PCエンジン mini』、発売決定! | 株式会社コナミデジタルエンタテインメント(2019年6月12日発表)
  17. ^ 『PCエンジン mini』、発売決定! | 株式会社コナミデジタルエンタテインメント(2019年7月12日発表)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]