北野天神社 (所沢市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
物部天神社・国渭地祇神社
・天満天神社

拝殿
所在地 埼玉県所沢市小手指元町3-28-44
位置 北緯35度47分26.0秒 東経139度25分43.3秒 / 北緯35.790556度 東経139.428694度 / 35.790556; 139.428694 (北野天神社)座標: 北緯35度47分26.0秒 東経139度25分43.3秒 / 北緯35.790556度 東経139.428694度 / 35.790556; 139.428694 (北野天神社)
主祭神 櫛玉饒速日命
八千矛命
菅原道真
社格 式内社(小2・小1論社
県社
創建 不明
別名 北野天神社(総称)
例祭 3月21日(春の例大祭)
地図
北野天神社の位置(埼玉県内)
北野天神社
北野天神社
地図
テンプレートを表示
北野天神社 南側参道にて

北野天神社(きたのてんじんじゃ)は、埼玉県所沢市小手指元町にある神社式内社(比定2社、論社1社)で、旧社格県社

登記上の宗教法人名称は物部天神社・國渭地祇神社・天満天神社であり、「北野天神社」はそれらの総称である[1]

祭神[編集]

  • 物部天神社(もののべてんじんじゃ):櫛玉饒速日命(にぎはやひのみこと) - 式内小社「物部天神社」に比定、「出雲伊波比神社」を合祀。
  • 国渭地祇神社(くにいちぎじんじゃ):八千矛命 (やちほこのかみ)- 式内小社「国渭地祇社」に比定。
  • 天満天神社(てんまんてんじんじゃ):菅原道真

合祀[編集]

歴史[編集]

社伝によれば日本武尊が東征の折に創祀したのに始まるとされる。江戸時代には江戸幕府から朱印状を与えられた。

境内[編集]

境内の西・南側に鳥居石灯籠が立ち並ぶ参道があり、西側は南北に通る旧鎌倉街道に面し、県道179号線沿いの南側からは複数の階段と鳥居を経て拝殿前に至る。

境内社
  • 稲荷社
  • 八雲社
  • 航空神社 - 徳川好敏氏の宿願により昭和12年9月25日、所沢陸軍飛行場に創建された。建立の由来は、当時の航空殉職者が一命を捧げて国家航空の開発・発展に資しながら靖国神社に合祀されない実情にあるを想い、護国の神霊として祭祀すべき宿願による。昭和13年、陸軍航空士官学校の創設に伴い、所沢から豊岡(現入間基地)へ奉遷。昭和20年9月3日、同校跡地が米軍に接収される前に、当社境内に遷座。
  • 文子天神社 - 菅原道真乳母であった多治比文子(たじひのあやこ)を祀る。
  • 小手指神社 - 小手指地域の戦没者(英霊)を祭る。
境内の樹木
  • 尊桜(みことざくら) - ヤマトタケルが社前に植えたとされている。枯死と蘖(ひこばえ)を繰り返している。
  • 大納言梅 - 天正18年(1590年)前田利家献栽、2015年現在は二代目。菅原道真の末裔を名乗り梅紋を用いた前田利家は小田原攻めの際、荒廃していた当社に立ち寄り社殿を再興し、1本の梅を植えたとされる。当時の彼の官職が大納言であったことに因む名である。
境内その他
  • 北野地名由来記(石碑) - 平成18年(2006年)9月25日建立。近年の区画整理により神社の住所は小手指元町になったが、周辺の地名「北野」は当社に由来する旨が刻記されている。
  • 宗良親王在陣跡
  • 手水舎 - 近年(2010年代)改築され天井に天井画が描かれている。
  • 神楽殿
  • 力石
  • 神馬(しんめ)

文化財[編集]

埼玉県指定文化財[編集]

  • 有形文化財
    • 北野天神縁起[4](絵画) - 絹本着色掛幅全7幅・旧軸木7本

所沢市指定文化財[編集]

  • 有形文化財
    • 尊桜の歌碑[5](名勝) - 享和2年(1802年)建立、同市内では最古の歌碑。
    • 北野天神社中世文書[6](古文書) - 足利氏満社領寄進状ほか計11通。

兼務社[編集]

祭事一覧[編集]

  • 元旦祭(1月1日)- 「祈祷札」が頒布される。
  • 初詣1月1日
  • 節分祭2月3日)- 北野天神社の大祓(おおはらえ)に当たる。「式内北野神社大祓神符」が頒布される。
  • 初午祭(2月11日)- 境内社の稲荷社にて行われ、「稲荷社神符」が頒布される。
  • 祈年祭(2月27日)- としごいのまつりとも呼ばれ、「祈年祭神符」が頒布される。
  • 春季例大祭(3月21日)- 秋の例大祭と対になり、当社で最も重要とされている祭事。「國渭地祇神社開運守護神符」が頒布される。
  • 春祭(3月25日)- 二番待(にばんまち)とも呼ばれる。「物部天神社神符」が頒布される。
  • 養蚕祭(4月3日)- 境内社の文子天神社にて行われ、「文子天神社神符」が頒布される。
  • 慰霊祭(4月15日)- 境内社の小手指神社にて行われ、地域の日清日露以来の戦没者を慰霊する。
  • 八雲祭 - 7月14日 宵宮 、7月15日 本祭。「八雲神社祈祷諸災消除神符」が頒布される。
  • 秋季例大祭(9月下旬) - 毎年お囃子が奉納され、2年に1度里神楽が奉納される。 
  • 新嘗祭11月23日)- 「新嘗祭神符」が頒布される[7]

脚註[編集]

  1. ^ 北野天神社(きたのてんじんしゃ)(北野)”. 所沢市 教育委員会 文化財保護課 (2008年10月31日). 2015年6月閲覧。
  2. ^ 神社前 北野天神社略記.北野天神社.2022年1月15日閲覧
  3. ^ 北野天神社江戸出開帳”. おたまじゃくし. 安島喜一 (2001年11月11日). 2015年6月閲覧。
  4. ^ 北野天神社縁起 付 旧軸木七本”. 所沢市 教育委員会 文化財保護課. 2015年6月閲覧。
  5. ^ 尊桜の歌碑”. 所沢市 教育委員会 文化財保護課. 2015年6月閲覧。
  6. ^ 北野天神社中世文書”. 所沢市 教育委員会 文化財保護課. 2015年6月閲覧。
  7. ^ 北野天神社のお祭り”. 北野天神社. 2022年1月15日閲覧。

参考資料[編集]

関連文献[編集]

外部リンク[編集]