ブリトニー・グライナー
フェニックス・マーキュリー No.42 | |||||||||||||||||||||||||||
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ポジション | C | ||||||||||||||||||||||||||
所属リーグ | WNBA | ||||||||||||||||||||||||||
基本情報 | |||||||||||||||||||||||||||
国籍 | アメリカ合衆国 | ||||||||||||||||||||||||||
生年月日 | 1990年10月18日(34歳) | ||||||||||||||||||||||||||
出身地 | テキサス州ヒューストン | ||||||||||||||||||||||||||
身長 | 206cm (6 ft 9 in) | ||||||||||||||||||||||||||
体重 | 93kg (205 lb) | ||||||||||||||||||||||||||
キャリア情報 | |||||||||||||||||||||||||||
NBAドラフト | 2013年年 / ドラフト外 / 1位 | ||||||||||||||||||||||||||
経歴 | |||||||||||||||||||||||||||
2013–現在 | フェニックス・マーキュリー | ||||||||||||||||||||||||||
2013–2014 | 浙江稠州銀行金牛籃球倶楽部 | ||||||||||||||||||||||||||
2014–2022 | UMMCエカテリンブルク | ||||||||||||||||||||||||||
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ブリトニー・グライナー(英語: Brittney Yevette Griner、1990年10月18日 - )は、アメリカ合衆国の女子プロバスケットボール選手である。ポジションはセンター。WNBAのフェニックス・マーキュリー所属。
国際大会に出場する女子バスケットボール選手としてはマウゴジャータ・ディデック(218cm)、ハイジ・ジリンガム(208cm)に次ぐ206cmの長身を持つ。
来歴
[編集]ベイラー大学でプレーし[1][2]、 NCAAで唯一 2000得点と500ブロックショットを達成している[3]。
WNBA
[編集]2013年のWNBAドラフトでフェニックス・マーキュリーにドラフト全体1位指名される。プロデビュー戦となる5月27日のシカゴ・スカイ戦でダンクショット2度を記録した[4]。
同年4月にはNBAのダラス・マーベリックスよりトライアウト参加を呼びかけられたと報道される[5]。
2014年は平均15.6得点、8.0リバウンド、3.7ブロックショットを記録。6月29日のタルサ・ショック戦でWNBAプレーオフ記録となる11ブロックをマーク[6]。チームも3度目のWNBA制覇[7]。
アメリカ合衆国代表
[編集]2012年にロンドンオリンピックの代表候補に選出されたが、家族の病気と学業との兼ね合いから辞退[8]。
その後、2014年女子バスケットボール世界選手権とリオデジャネイロオリンピックと東京オリンピックで金メダルを獲得。
国外リーグ
[編集]2013–14のWNBAオフシーズンは中国リーグの浙江稠州銀行金牛籃球倶楽部でプレー[9]。
2014–15と2015–16はロシアリーグのUMMCエカテリンブルクでプレーし[10][11]。2016-17も再契約[12]
私生活
[編集]結婚およびドメスティックバイオレンス
[編集]2014年8月14日、グライナーは同じWNBAプレイヤーのグローリー・ジョンソンと同性婚をすると発表した[13][14]。2015年4月22日、アリゾナ州フェニックス郊外の自宅で2人の喧嘩に警察が出動し、暴行と風紀紊乱の罪で2人共逮捕された[15][16]。この事件にもかかわらず、翌月の5月8日、フェニックスにて2人は結婚した[17][18]。5月15日、WNBAはグライナーの風紀紊乱の罪により、グライナーとジョンソンの双方を7試合出場停止とした。またグライナーはドメスティックバイオレンスに関する26週間のカウンセリングを受けることを課せられた[19]。
2015年6月4日、グライナーとジョンソンは、ジョンソンが双子を妊娠したことを発表した[20]。結婚から1ヶ月に満たない翌6月5日、グライナーは詐欺と脅迫により婚姻無効を訴えた[21]。しかし婚姻無効は棄却された[22]。10月12日、ジョンソンは体外受精により16週目の未熟児として双子を出産した[23][24]。グライナーはジョンソンに養育費を支払うよう命じられた[23]。2016年6月、離婚が成立した[25][26]。
2018年8月、グライナーはシェレル・ワトソンと婚約し[27]、2019年6月、2人は結婚した[26]。その後ワトソンは姓をグライナーと改め、シェレル・グライナーとなった [26]。
2022年、ロシアでの逮捕
[編集]2022年2月17日、グライナーはロシアにて薬物所持容疑で逮捕された。ロシア連邦保安庁はグライナーがロシアでは違法のハッシュ・オイルを含む吸入カートリッジを所持していたと発表し、グライナーはシェレメーチエヴォ国際空港で拘束された[28][29]。逮捕後、ロシアはウクライナに侵攻し、アメリカ当局はアメリカからロシアへの制裁の報復に利用されることを恐れ、元アメリカ国防総省副次官補ロシア、ウクライナ、ユーラシア担当のエヴリン・ファーカスはグライナーの知名度を利用した人質となることを懸念した[30][31]。民主党議員シェリア・ジャクソン・リーはグライナーの解放を訴えた[32][31]。CNNのインタビューの中で、カリフォルニア州民主党議員ジョン・ガラメンディはグライナーをロシアから連れ戻すことは大変困難であるとして、ロシアのウクライナ侵攻によりロシアとアメリカの外交関係は緊張が高まっており、グライナーの解放への交渉は行き詰るであろうと語った[33]。
3月中旬、ロシアの国営通信社イタルタス通信は、モスクワの裁判所は調査のためグライナーの拘束期間を5月19日まで延長した。ロシア公共監視委員会のある職員は「唯一の問題はグライナーの身長である。ベッドが小さすぎる」と語った[34]。3月23日、アメリカ合衆国国務省は、あるアメリカ外交官が拘留中のグライナーに面会することができ、健康上問題なかったことを発表した[35]。5月上旬、アメリカ合衆国国務省は不当な拘束と判断し、安全に解放されるようより積極的に交渉することとなった[36]。2月の拘束から約3ヶ月後の5月13日、CNNは、ロシアの裁判所がグライナーの公判前拘留がさらに1ヶ月、6月18日まで延長されたことを報じた[37]。グライナーの弁護士であるアレクサンダー・ボイコフはAP通信に対し、短い延長期間は近いうちに公判となることを意味すると語った[38]。
7月1日、モスクワ州ヒムキ市の裁判所でグライナーに対する初公判が行われた。モスクワ近郊の裁判前拘置所に送られたグライナーは最長10年の懲役刑を命じられる可能性があるという。証人として税関の検査官、そして工作員が尋問された。工作員の尋問は、国家機密と認められたため、傍聴人を退席させて行われた。弁護士によると罪状認否や容疑についてグライナーは一切話していない。法廷には臨時大使と米国大使館員2人が出廷しており、アメリカ政府はこの事態を非常に懸念していると述べている[39]。8月4日、裁判所はグライナーに対し、禁錮9年と罰金100万ルーブルの有罪判決を言い渡した[40]。
12月8日、アラブ首長国連邦の空港で、武器密輸に関与した罪で米国で収監中だったロシアの武器商人ビクトル・ボウトとの身柄交換により、釈放された[41]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ “Nimitz 6-6 sophomore Brittney Griner is taking off”. SI.com (2007年1月16日). 2008年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月28日閲覧。
- ^ Brittney Griner. “Baylor Women's Basketball Player Bio” (英語). Baylorbears.com. 2013年4月29日閲覧。
- ^ Longman, Jeré (2013年3月19日). “Brittney Griner's Final Season Draws Applause and Crowds”. The New York Times
- ^ “WNBA - Elena Delle Donne, Chicago Sky knock off Brittney Griner, Phoenix Mercury - ESPN” (英語). Espn.go.com. (2013年5月28日) 2013年12月4日閲覧。
- ^ “Brittney Griner NBA Tryout? Baylor Star Open To Mavericks Owner's Offer” (英語). M.huffpost.com. (2013年4月6日). オリジナルの2014年4月9日時点におけるアーカイブ。 2014年4月11日閲覧。
- ^ Mercury rout Shock behind Brittney Griner's block party
- ^ Hersh, Philip (2014年9月12日). “Diana Taurasi and Mercury sweep to WNBA title over Sky” (英語). The Chicago Tribune 2014年9月13日閲覧。
- ^ “2012 U.S. Olympic Women's Basketball Team Roster” (英語). USA Basketball (2012年4月23日). 2013年3月24日閲覧。
- ^ Brittney Griner Makes 12 Times More Playing In China Than In The United States
- ^ http://www.wnba.com/wnba-players-playing-overseas/
- ^ Unlikely comrades Diana Taurasi and Brittney Griner play overseas for the money. As it turns out, they also simplify their lives.
- ^ 2016-2017 WNBA Overseas Signings
- ^ Nichols, James (2014年8月15日). “Brittney Griner Proposes To Girlfriend Glory Johnson” (英語). Huffington Post 2014年8月15日閲覧。
- ^ Silver, Jake (2014年8月15日). “WNBA's Brittney Griner Gets Engaged to Former Tennessee Vols Star Glory Johnson” (英語). Bleacher Report 2014年8月15日閲覧。
- ^ “WNBA star Brittney Griner arrested on assault and disorderly conduct”. Sports Illustrated. (April 23, 2015) April 23, 2015閲覧。
- ^ “Mercury's Brittney Griner arrested on assault allegations”. Azcentral.com (April 23, 2015). July 28, 2015閲覧。
- ^ “Former Lady Vol Glory Johnson, WNBA Star Brittney Griner wed on Phoenix mountaintop”. オリジナルのMay 12, 2015時点におけるアーカイブ。 May 9, 2015閲覧。
- ^ “WNBA Wedding! Brittney Griner Marries Glory Johnson”. Us Weekly March 10, 2017閲覧。
- ^ Mather, Victor (May 15, 2015). “Brittney Griner and Glory Johnson Suspended 7 Games in Domestic Violence Case”. The New York Times May 15, 2015閲覧。
- ^ “Brittney Griner and Glory Johnson Expecting First Child”. People (June 4, 2015). June 5, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。September 2, 2015閲覧。
- ^ “Report: Mercury's Brittney Griner files for annulment”. azcentral. The Arizona Republic (June 6, 2015). June 6, 2015閲覧。
- ^ Rayne, Naja (December 1, 2020). “Glory Johnson Opens Up About Tumultuous Relationship and Sudden Split With Brittney Griner: 'I Trusted This Person'”. People March 6, 2022閲覧. "The judge on their case ultimately denied an annulment, leaving the two women to file for divorce."
- ^ a b “Brittney Griner ordered to pay child support to Glory Johnson”. ESPN (April 25, 2016). March 6, 2022閲覧。
- ^ Toomey, Alyssa (June 15, 2015). “Glory Johnson "Really Saddened" by Brittney Griner Split Amid Pregnancy, Clears Up Fertility Rumors”. E! News. March 7, 2022閲覧。
- ^ Brittney Griner finalizes divorce from Glory Johnson over a YEAR after ending their one-month marriage
- ^ a b c “Brittney Griner detained in Russia: What to know about WNBA star's life spent in spotlight” (英語). USA TODAY (March 10, 2022). March 11, 2022閲覧。
- ^ Street, Mikelle (March 6, 2022). “Brittney Griner's Wife, Cherelle, Posts 1st Statement on Detainment”. The Advocate March 8, 2022閲覧。.
- ^ Crowley, Michael; Abrams, Jonathan (March 5, 2022). “Brittney Griner, Star W.N.B.A. Center, Is Detained in Russia”. The New York Times March 5, 2022閲覧。
- ^ Mackay, Duncan (March 6, 2022). “American double Olympic basketball gold medallist arrested on drugs charges in Moscow”. InsideTheGames.biz March 6, 2022閲覧。
- ^ Eisenberg, Jeff (March 6, 2022). “Former Pentagon official: Russia could use WNBA star Brittney Griner as 'high-profile hostage'”. Yahoo! News March 6, 2022閲覧。
- ^ a b “Fears grow Russia could use US basketball star Brittney Griner as 'hostage'”. The Guardian. (March 6, 2022) March 8, 2022閲覧。
- ^ “Congresswoman Sheila Jackson Lee demands release of WNBA star, Houston native Brittney Griner in Russia”. Yahoo! News. (March 5, 2022) March 8, 2022閲覧。
- ^ Sterling, Wayne; Yan, Holly; Tucker, Emma (March 7, 2022). “It'll be 'very difficult' to get detained US basketball star Brittney Griner out of Russia, lawmaker says”. CNN March 7, 2022閲覧。
- ^ “WNBA's Brittney Griner arrest extended to May 19: Russian media”. aljazeera (March 17, 2022). March 30, 2022閲覧。
- ^ “WNBA star Griner in ‘good condition’ in Russian detention: US”. aljazeera (March 23, 2022). March 30, 2022閲覧。
- ^ Abrams, Jonathan; Crowley, Michael (May 3, 2022). “U.S. Government Says Brittney Griner Was 'Wrongfully Detained'” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331 May 6, 2022閲覧。
- ^ “Brittney Griner's pretrial detention in Russia has been extended by a month, Russian state news reports”. CNN (2022年5月13日). 5/13/2022閲覧。
- ^ espn.com
- ^ “Free Brittney. В Химках начался суд над американской баскетболисткой Грайнер по делу о вейпе с гашишным маслом” (ロシア語). Медиазона (2022年7月1日). 2022年7月2日閲覧。
- ^ “米バスケ選手に禁錮9年判決 ロシアで拘束「人生を終わらせないで」”. 朝日新聞. (2022年8月5日) 2022年8月5日閲覧。
- ^ “【速報中】ロシア軍、ザポリージャ原発に多連装砲か 対岸都市狙う?:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年12月9日). 2022年12月9日閲覧。 “ロシア、米バスケ選手釈放 囚人交換が成立:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 時事通信社 (2022年12月9日). 2022年12月9日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- アメリカ合衆国の女子バスケットボール選手
- ベイラー大学出身のバスケットボール選手
- フェニックス・マーキュリーの選手
- 中国のバスケットボールチームに所属する選手
- ロシアのバスケットボールチームに所属する選手
- バスケットボール女子アメリカ合衆国代表選手
- オリンピックバスケットボールアメリカ合衆国代表選手
- 2016年リオデジャネイロオリンピック出場選手
- アメリカ合衆国のオリンピック金メダリスト
- バスケットボールのオリンピックメダリスト
- 2020年東京オリンピックのメダリスト
- アメリカ合衆国のLGBTのスポーツ選手
- レズビアンのスポーツ選手
- アメリカ合衆国の犯罪者
- 在中国・アメリカ人のバスケットボールに関する人物
- 在中外国人のバスケットボール選手
- 在ロシア・アメリカ人
- ヒューストン出身の人物
- 1990年生
- 存命人物