シゲタ動物薬品工業
倒産前の本社外観 | |
種類 | 株式会社 |
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略称 | シゲタ[1] |
本社所在地 |
日本 〒932-0133 富山県小矢部市小森谷4569番地1[2] 北緯36度36分09秒 東経136度50分36秒 / 北緯36.60250度 東経136.84333度座標: 北緯36度36分09秒 東経136度50分36秒 / 北緯36.60250度 東経136.84333度 |
設立 | 1984年3月 |
業種 | 医薬品 |
事業内容 |
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代表者 | 西尾義行[5] |
シゲタ動物薬品工業株式会社(シゲタどうぶつやくひんこうぎょう、英語: SHIGETA Animal Pharmaceuticals[2])は、富山県小矢部市にかつて存在した動物用医薬品の研究・開発・製造などを行っていた企業である。また企業名は同社の登録商標でもあった[6]。
概要
[編集]1986年に犬猫用血液の製造を行う「株式会社ブルー十字動物血液センター」として設立された。
2000年3月7日に「株式会社ブルー十字動物血液センター」から商号変更し「シゲタ動物薬品工業株式会社」となる[7]。主力商品である動物用血液型判定薬、血液製剤の製造販売のみならず、バクテリアにより生ゴミなど有機性廃棄物を完全に分解することが可能な業務用廃棄物処理機「コビタン・ディスアピア」[8][9]の開発・販売や、DNA検査による食品の産地、原材料の特定[10]、動物血液検査技師の教材の販売[4]など幅広い事業を展開していた。
マスコットキャラクターとしてしげたろうとひめこがおり、同社の登録商標でもあった[11][12]。
また、モノクローナル抗体を用いた高精度の「シゲタ式」犬猫血液型分類法[13]の開発や、インドネシアのボゴール農科大学と共同で[1][14][注 1]高病原性鳥インフルエンザワクチン「H5N1型」の遺伝子組換えワクチン株の開発に世界で初めて成功する[16]など、独自の技術も多数保有しており、テレビ局や新聞社などの取材や検査依頼なども多かった。
また、2007年9月6日から8日開催の「2007NEW環境展」の大阪会場にも参加していた[17]。
同2007年11月、社長の西尾義行元被告ら5人が未承認の犬用血液型判定薬を販売したとして逮捕され(後述)、2008年2月末に本社を閉鎖、同年に倒産した。負債総額は約13億円とされる。
本社跡地は立ち入り禁止となっており、廃墟化した建物内部には多くの薬品や機材が残された状態で放置されている[18]。
2021年4月29日未明、不審火と思われる火災により3階の一部が焼けた[19][20]。
2023年時点で建物の所有者である社長は亡くなっているが、取り壊しの緊急性が低く[注 2]数億円規模の費用が必要であり、跡地活用が期待できないとの理由から空家対策特別措置法に基づく特定空き家の指定と略式代執行による解体もできずにいる[18]。
関連事業
[編集]- PT. IPB SHIGETA ANIMAL PHARMACEUTICALS
- ボゴール農科大学[注 3]とシゲタ動物薬品工業との出資により2004年10月6日に設立された合併企業[15][21]。インドネシア農業省から認可されている[15]。同大学が2003年に設立した企業PT. Bogor Life Science & Technolog(BLST)の所属[22][23]。所在地はインドネシアボゴール[24]。会社の詳細情報(事業所番号など)[25]
- 人獣共通感染予防医学研究所
- シゲタ動物薬品工業の関連事業[26]。Q熱を対象とした検査センターとして2002年6月に富山県登録衛生検査所として設立[27]。所在地は本社と同じ[27]。
- SGT動物血液協会
- シゲタ動物薬品工業の関連事業[26]。ペットの血液判定証明書の交付、登録、管理などの奉仕活動を行なっていた[28]。所在地は石川県金沢市寺地2-21-5[26]。
- 日本動物血液検査技師協会
- シゲタ動物薬品工業の関連事業[26]。所在地は本社と同じ[26]。
- 日本DNA食品検査センター
- シゲタ動物薬品工業の関連事業[29]。全国のスーパーマーケットやメーカーの食品のDNA検査を行っていた[30]。所在地は本社と同じ[29]。
出演番組
[編集]- 『NHKニュースおはよう日本』(NHK、2001年9月10日)[31]
- 『イブニングアクセス富山』(NHK、2007年7月24日、10月9日)[32]
- 番組名不明[注 4] (北日本放送、2007年8月16日)[32]
- 『情報プレゼンター とくダネ!』(フジテレビ、2007年11月8日)[32]
不祥事
[編集]遺伝子組換え生物等の不適切使用
[編集]2007年5月、文部科学省から遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律に基づく適切な措置を執らずに遺伝子組換え生物等の使用をしていたとして千葉県がんセンター、国立大学法人広島大学とともに文書による厳重注意を受けている[33]。
未承認の犬用血液型判定薬の販売
[編集]2007年11月30日、農林水産省の承認を受けていない犬用血液型判定薬を動物用医薬品の一般販売業の許可を受けず、2005年4月から5月の間に名古屋市などの動物病院に販売したとして社長の西尾義行を含む5人が富山県警生活環境課、小矢部警察署、南砺警察署の合同捜査本部に逮捕され、関係先を家宅捜索された[34][5]。社長は2008年5月に有罪判決を受けた[18]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b “シゲタ、鳥流感ワクチン工場に16億円”. NNA ASIA (2006年3月10日). 2020年9月7日閲覧。
- ^ a b “シゲタ動物薬品工業トップページ”. シゲタ動物薬品工業. 2002年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月12日閲覧。
- ^ “会社概要”. シゲタ動物薬品工業. 2008年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月17日閲覧。
- ^ a b “動物血液検査技師教材用具”. シゲタ動物薬品工業. 2005年2月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月23日閲覧。
- ^ a b “富山県警 犬用血液型判定薬違法販売の「シゲタ動物薬品工業」社長ら5人を薬事法違反で逮捕(薬事法ニュース)”. 株式会社日米総研 (2007年12月4日). 2020年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月12日閲覧。
- ^ “商願2002-110722(登録4714035)”. ブランドテラス. パテント・インテグレーション株式会社. 2022年10月23日閲覧。
- ^ “薬事・食品衛生審議会動物用医薬品等部会議事録”. 農林水産省. 2020年9月12日閲覧。
- ^ “2007NEW環境展 大阪会場 出品会社(ホール別)”. 日報ビジネス株式会社. 2020年9月12日閲覧。
- ^ “コビタンディスアピアシリーズ”. シゲタ動物薬品工業. 2007年7月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月27日閲覧。
- ^ “食品DNA調査で偽装食品を防げ |ペットビジネストレンド|JPRペット産業・市場ニュース”. 株式会社JPR (2007年8月17日). 2020年9月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月20日閲覧。
- ^ “商願2004-047779(登録4825623)”. ブランドテラス. パテント・インテグレーション株式会社. 2022年10月23日閲覧。
- ^ “商願2004-047778(登録4825622)”. ブランドテラス. パテント・インテグレーション株式会社. 2022年10月23日閲覧。
- ^ “シゲタ式新国際犬猫の血液型判定方法”. シゲタ動物薬品工業. 2002年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月12日閲覧。
- ^ “Business Development Strategies of PT IPB Shigeta Animal Pharmaceuticals Using Business Model Canvas Approach” (英語). International Journal of Science and Research (2016年7月7日). 2020年9月7日閲覧。
- ^ a b c d “IPB - SHIGETAについて”. IPB SHIGETA. 2006年1月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月7日閲覧。
- ^ “ワクチン開発の経緯”. IPB SHIGETA. 2005年12月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月7日閲覧。
- ^ “2007NEW環境展 大阪会場 出品会社”. 日報ビジネス株式会社. 2020年3月29日閲覧。
- ^ a b c d “どうする!?廃虚(中) 放置の社屋代執行に壁”. 読売新聞オンライン. (2023年8月18日) 2023年9月16日閲覧。
- ^ “未明 小矢部市の廃屋で火事 けが人なし”. NNNニュース (2021年4月29日). 2021年5月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月14日閲覧。
- ^ “放置され人が出入りできる状態…未明に倒産した会社の元社屋から出火 3階の一部焼ける 不審火の可能性も”. 富山テレビ放送 (2021年4月29日). 2021年5月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月14日閲覧。
- ^ “アイピービー シケタ アニマル ファルマスティケルツ (PT IPB SHIGETA ANIMAL PHARMACEUTICALS)インドネシア・ボゴールの企業 【ボゴール(Bogor)】”. ジャカルタ・インドネシアの総合生活情報サイトじゃかナビ(株式会社EXIDEA). 2021年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月23日閲覧。
- ^ “About Us” (英語). PT BLST IPB. 2021年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月23日閲覧。
- ^ “TENTANG KAMI” (インドネシア語). PT BLST IPB. 2022年10月23日閲覧。
- ^ “PT. Ipb Shigeta Animal Pharmaceuticals” (英語). Companies House. 2022年10月23日閲覧。
- ^ “PT. Ipb Shigeta Animal Pharmaceuticals Verified Details”. companyhouse.id. 2023年10月11日閲覧。
- ^ a b c d e “関連事業”. シゲタ動物薬品工業. 2006年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月27日閲覧。
- ^ a b “当研究所のご案内”. 人獣共通医学研究所. 2005年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月27日閲覧。
- ^ “奉仕活動”. SGT動物血液協会. 2004年3月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月27日閲覧。
- ^ a b “食品検査サービス”. シゲタ動物薬品工業. 2007年12月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月17日閲覧。
- ^ “食品表示あれもウソこれもウソ 最後に頼る「秘密兵器」とは”. J-CASTニュース (2007年11月8日). 2021年10月17日閲覧。
- ^ “NHK 「おはよう日本」 2001/9/10”. シゲタ動物薬品工業. 2001年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月12日閲覧。
- ^ a b c d “シゲタ動物薬品工業公式サイトトップページ”. シゲタ動物薬品工業. 2008年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月27日閲覧。
- ^ “遺伝子組換え生物等の不適切な使用等についての厳重注意について”. 文部科学省 (2007年5月18日). 2011年3月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月29日閲覧。
- ^ “動物薬品会社の社長ら5人逮捕_富山”. 2020年3月19日閲覧。
外部リンク
[編集]- シゲタ動物薬品工業株式会社 - ウェイバックマシン(2008年2月10日アーカイブ分)
- シゲタ動物薬品工業株式会社(旧公式サイト) - ウェイバックマシン(2006年10月26日アーカイブ分)
- IPB SHIGETA - ウェイバックマシン(2006年1月18日アーカイブ分)
- 人獣共通感染予防医学研究所 - ウェイバックマシン(2006年2月6日アーカイブ分)
- SGT動物血液協会 - ウェイバックマシン(2004年3月22日アーカイブ分)
- 日本DNA食品検査センター - ウェイバックマシン(2007年9月7日アーカイブ分)