オオバジャノヒゲ
オオバジャノヒゲ | ||||||||||||||||||||||||
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福島県会津地方 2013年7月
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Ophiopogon planiscapus Nakai[1] | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
オオバジャノヒゲ(大葉蛇の鬚) |
オオバジャノヒゲ(大葉蛇の鬚、学名:Ophiopogon planiscapus)はユリ科ジャノヒゲ属の常緑多年草 [2]。ジャノヒゲ属は、新しいAPG植物分類体系ではキジカクシ科に分類される[3]。
特徴
[編集]地中浅く、長い匍匐枝をだして増え、よく繁る。長いひげ根が多数あり、紡錘状の小さな膨らみがまばらにある。葉は線形で根出し、高さ15-30cm(30-50cm[2])、幅4-6mmあり、厚味があり丈夫で、縁の鋸歯は明らかでない[2][4]。
花期は6-8月。根出葉の間から、高さ20-30cmになる花茎をだし、その上部に穂状花序をつけ、小さい花を点々とつける。花は淡い紫色であるが、まれに白色もある。花に細い花柄があり、横向きか下向きに、数個ずつ集まって咲く。花被片は6個あり、同形で離れて漏斗状に開く。雄蕊は6個あり、花糸はごく短く、葯は長い。子房は半下位で3室あり、各室に2個の胚珠がある。花柱は円柱状で、先が小さく3分された柱頭を持つ。花後、子房が破れて果皮が早く落ち、種子がむき出しになって成熟する。種子は灰黒色、灰緑黒色、コバルト色で、径8-9mmの長めの球状になり、果実のように見える[2][4][5][6]。
同属のジャノヒゲと比べると、葉は広く厚く、花序軸が太いので、容易に区別できる[4]。
分布と生育環境
[編集]日本固有種[7]。本州、四国、九州に分布し[2][4][5][6]、山林中の陰地に生育する[4]。ときに群生する[6]。
和名の由来
[編集]葉状から、ジャノヒゲ(蛇の鬚)またはリュウノヒゲ(龍の鬚)といわれた[4]が、ジョウノヒゲが転訛して、ジャノヒゲになったと考えられる[8]。ジョウノヒゲとは、「尉(じょう)の鬚」の意であり、能面で老人の面を「尉(じょう)」といい、この葉の様子をその面の鬚(あごひげ)に見立てた[4][8]。また、ジャノヒゲに比べて葉が大きいことから、オオバジャノヒゲ(大葉蛇の鬚)という[8]。
その他
[編集]園芸品種
[編集]- コクリュウ(黒竜)(Ophiopogon planiscapus 'Kokuryu' ['Nigrescens']) カラス葉の園芸品種
ギャラリー
[編集]脚注
[編集]参考文献
[編集]- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本I単子葉類』、1982年、平凡社
- 林弥栄編『山溪カラー名鑑 日本の野草』、1983年、山と溪谷社
- 林弥栄・平野隆久『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花』、1989年、山と溪谷社
- 高橋勝雄『山溪名前図鑑 野草の名前 夏』、2003年、山と溪谷社
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 大場秀章編著『植物分類表(初版第3刷訂正入)』、2011年、アボック社
- Ophiopogon planiscapus Royal Botanic Gardens - Kew
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)