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イラクリ・コバヒゼ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
イラクリ・コバヒゼ
ირაკლი კობახიძე
ジョージア (国)の旗 ジョージア首相
就任
2024年2月8日
大統領サロメ・ズラビシュヴィリ
前任者イラクリ・ガリバシヴィリ
ジョージア (国)の旗 ジョージア国会議長
任期
2016年11月18日 – 2019年6月21日
大統領ギオルギ・マルグヴェラシヴィリ
首相ギオルギ・クヴィリカシヴィリ
前任者ダヴィト・ウスパシヴィリ
後任者アルキル・タラクヴァゼ
個人情報
生誕 (1978-09-25) 1978年9月25日（46歳）
トビリシ（ グルジアSSR）
政党グルジアの夢＝民主グルジア

イラクリ・コバヒゼ（グルジア語: ირაკლი კობახიძე、グルジア語ラテン翻字: Irakli Kobakhidze、1978年9月25日 – ）は、ジョージアの政治家。2024年より同国首相。2016年から2019年までジョージア国会議長を務めた[1]。2021年1月から2024年1月までグルジアの夢＝民主グルジア党首。

経歴

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コバヒゼは2000年にトビリシ国立大学を卒業し、法学士号を取得。2002年にジョージア科学アカデミー行政法律研究所で博士号を取得。その後2005年と2006年にデュッセルドルフ大学で法学修士号と博士号を取得。その後コバヒゼはジョージア国内の各大学において教員として働き、並行して国際連合開発計画のプロジェクト管理も務めた。彼は欧州評議会にジョージア代表として戦略計画問題の専門家として携わり、またオープン・ソサエティ財団による人権と法の支配プログラムにて、専門家委員会の委員を務めた。

2015年1月、コバヒゼは与党ジョージアの夢＝民主ジョージアに加わり、幹事長に就任した[1][2]。 2016年の総選挙においてジョージアの夢が勝利すると、コバヒゼは2016年11月18日に国会議長に選出された[1]。彼の選出については、野党統一国民運動の批判的立場を取り、「選挙前に分裂し、和解しないままのマウスピースだ」と言及した[3]。2021年1月に党首就任。

2024年1月29日、イラクリ・ガリバシヴィリ首相が同年秋に想定されている秋の総選挙（英語版）への準備のためグルジアの夢党首就任の申し入れを受け入れ辞任し、コバヒゼとポストを交換すると表明した[4]。2月1日に開催されたグルジアの夢党大会にて正式に次期首相候補に指名された[5]。

同年2月8日、与党グルジアの夢＝民主グルジアによって、首相候補に指名されていたコバヒゼが正式に首相へ就任した。議会はコバヒゼの首相就任を賛成84、反対10、棄権56票で承認[6]。

同年10月26日、議会選挙で与党「ジョージアの夢」が過半数議席を獲得。野党や国際監視団は、投開票で不正が行われたとして批判したが、イラクリ・コバヒゼは、自由で公正な選挙だったとした上で「不規則な事態は、あらゆる場所で、どの国でも起きる」と述べ批判を受け入れなかった[7]。

コバヒゼ政権と政治姿勢

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各国西側メディアによれば、コバヒゼ政権は反西側、親ロシア[7]、親ハンガリー的（反移民、右派ポピュリズム、後述のような陰謀説の拡散など、コバヒゼの政策に限りなく近いとされるオルバーン・ヴィクトル政権）[8]であるとされ、西側諸国、特にアメリカとの関係が急速に悪化したとみている。結果として、アメリカ国務省は2024年6月「ジョージアの民主主義を弱体化させた」（もしくは「弱体化を促進させた、促した」）として制裁を科すと発表[9]、関係が悪化したともとれる決定的な瞬間となった。

「世界戦争党」説の拡散

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コバヒゼ政権及びジョージアの夢は「世界戦争党」（または「グローバル戦争党」）と呼ばれる、一種のディープステイト陰謀説を主張した。世界戦争党の参加者に定義は無いが、一般には、アメリカ合衆国の軍産複合体、ジョージ・ソロス、そしてネオコン派といった組織や人々が、世界各国の国家主義指導者を殺害、暗殺、暴力的手段を行使して「封じ込ませ」[10][11]、世界中で革命を促し[12]、ジョージアの夢を権力の座から転覆させようとしていると結論付けた[13]。

コバヒゼは、世界戦争党がジョージアを「第二のウクライナ」にさせようと躍起になっているとして批判し、党との「戦い」を「個人的な観点から見たとしても、苦痛で、長期的で、困難な戦いである」とし、またこの戦いをやめて降参すれば「ジョージアのウクライナ化につながる」と付け加えた[14]。コバヒゼ政権の初期、党との戦いは強硬を極めていたが、24年10月2日には「関係改善を望んでいる」として、変化する状況を踏まえ「関係を再構築したい」との意思も表明している[15]。

高まる経済成長

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24年10月30日、コバヒゼは「今年最初の9か月間の国内経済成長率の平均が9.8％に達した」と述べ、政府は率先してこの急速な経済成長を維持し「4年以内に一人当たりGDPを3万6000ドル以上にし、4年以内に欧州連合との加盟交渉を開始したすべての候補国を追い抜くことを望んでいる」と付け加えた[16]。

貧困の改善も顕著である。10月26日の議会選挙を前にGD（ジョージアの夢の略称）党の選挙綱領を発表し、同国の貧困率は2028年までに4％に減少すると予測されていると述べた。この演説の際、2013年まで大統領を務めていたサアカシビリ政権と政府を名指しで（この演説では「統一国民政権」と呼んでいる）批判し、2012年から発足したイヴァニシヴィリ政権及びGD政権の貧困と失業の削減の進捗状況を概説し、継続的な取り組みにより貧困ライン以下の生活を送る人々の数が「さらに減少する」と自信を示した[17]。

出典

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  1. ^ a b c “New Parliament Speaker Elected”. Civil Georgia. (2016年11月18日). http://civil.ge/eng/article.php?id=29632 2016年11月18日閲覧。 
  2. ^ “Who is the man in line to become Georgia’s next Parliament Speaker?”. Agenda.ge. (2016年11月7日). http://agenda.ge/news/69559/eng 2016年11月18日閲覧。 
  3. ^ “Irakli Kobakhidze was a mouthpiece of public split in the pre-election period — Nika Melia”. InterPressNews. (2016年11月18日). http://www.interpressnews.ge/en/politicss/82880-irakli-kobakhidze-was-a-mouthpiece-of-public-split-in-the-pre-election-period-nika-melia.html 2016年11月18日閲覧。 
  4. ^ “ジョージア首相辞任、与党トップに　議会選「勝利へ準備」”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2024年1月30日). https://www.jiji.com/jc/article?k=2024013000002&g=int 2024年1月30日閲覧。 
  5. ^ “Irakli Kobakhidze Officially Nominated as New Prime Minister”. シヴィル・ジョルジア. (2024年2月1日). https://civil.ge/archives/580111 2024年2月3日閲覧。 
  6. ^ “Georgia's parliament approves new government under Irakli Kobakhidze”. AA.com. 2024年2月9日閲覧。
  7. ^ a b “「不規則な事態はどの国の選挙でも起きる」　東欧ジョージアの首相が批判に反論”. BBC (2024年10月28日). 2024年10月28日閲覧。
  8. ^ “In Georgian capital, Hungary's Orban says election was fair”. 2024年11月4日閲覧。
  9. ^ “BREAKING: US State Department Implements First Tranche of Sanctions against Georgian Individuals” (英語). Civil Georgia (2024年6月6日). 2024年11月3日閲覧。
  10. ^ “გია აბაშიძე: „გლობალური ომის პარტიის" სუბიექტებს წარმოადგენენ დასავლეთის სამხედრო ინდუსტრიის გიგანტები, ულტრამემარცხენე სოროსის იმპერია, ნეოკონსერვატორები, რომელთა ინტერესებშია სხვა ქვეყნებზე ბატონობა და სიმდიდრის მოპოვება”. 2024年11月4日閲覧。
  11. ^ “კობახიძე: სლოვაკეთის პრემიერზე თავდასხმის უკან გლობალური ომის პარტია დგას”. 2024年11月4日閲覧。
  12. ^ Chkhikvadze, Ani (2024年11月7日). “How Georgia Sided With Its Enemy” (英語). Foreign Policy. 2024年11月3日閲覧。
  13. ^ “Reactions to SSSG Claims of Planned “Destabilization and Civil Unrest”” (英語). Civil Georgia (2023年9月18日). 2024年11月3日閲覧。
  14. ^ “There is no alternative to the fight against the “global war party”, it is a very painful, difficult fight, including from a personal point of view - Kobakhidze | Rustavi2” (英語). rustavi2.ge. 2024年11月3日閲覧。
  15. ^ “PM pledges to reestablish relations with all parties, including Global War Party”. 2024年11月4日閲覧。
  16. ^ “Georgian PM says maintaining “rapid” economic growth Govt’s “main priority” | AGENDA.GE” (英語). agenda.ge. 2024年11月3日閲覧。
  17. ^ “Georgian PM highlights ruling party’s “ambitious goal” for country's budget to exceed $18.2 bln, average salary to rise to $1,277 by 2028 | AGENDA.GE” (英語). agenda.ge. 2024年11月3日閲覧。
公職
先代
イラクリ・ガリバシヴィリ 		ジョージア首相
2024年- 		現職
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