SKiPサービス

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SKiPサービス(スキップサービス)は、全日本空輸(ANA)が2006年9月1日に導入した、QRコードまたはFeliCaチップを用いた、電子航空券によるチケットレス搭乗サービスである。ANAマイレージクラブ(以下AMC)の会員でない場合はQRコードでの利用に限られるが、AMCの会員であればFeliCaチップ内蔵のAMC会員カードまたは利用登録したおサイフケータイでも利用できる。

概要[編集]

ANAは1995年以来航空券の電子化を進め、搭乗当日の航空券受け取りや空港外でのチェックイン処理を導入してきた。当初は電子航空券情報の紐付けにクレジットカードマイレージ会員番号を用い、その後は順次QRコードやFeliCaチップによる個人認証に移行したが、いずれにしても搭乗前に従来の磁気テープ式搭乗券の発行を受ける必要があった。2006年に導入されたスキップサービスは、チェックインカウンターなどでの手続きを省略し、保安検査場と搭乗口での個人認証のみで搭乗できるようにしたものである。これにより磁気テープ式航空券(搭乗券)は不要となり、ANA国内線では2007年12月20日をもって電子航空券に完全移行した。

媒体[編集]

ICカードを使用しない場合に発行されるeチケットお客様控え、搭乗案内書と改札機で発行される搭乗券

以下のいずれかを専用機材に触れて読み取らせる。1回の搭乗には最低で2回の読み取りが必要だが、常に同じものを読み取らせなければならない。QRコードやFelicaチップを複数所持している場合に、最初の端末(手荷物カウンター・保安検査場)で使用したものとは異なる媒体を使用すると、2か所目以降(保安検査場・搭乗口)では認証エラーとなる。

QRコード
  • eチケットお客様控え
  • 航空券ご利用案内書
  • 携帯電話の画面に表示したQRコード
  • パソコンで取得し、印刷したQRコード
FeliCaチップ
FeliCaチップはAMCの会員のみ利用可能で、予約の際にAMC会員番号を登録しておく必要がある。

旅行代理店などでは従来の磁気テープ式航空券に代えて航空券ご利用案内書などの「控え」を発行する。「控え」を紛失した場合でも、チェックインカウンターで身分証明書の提示などの手続により再発行を受けることができる。また航空券購入時にAMCお客様番号の登録が済んでいる場合は、eチケットとAMC番号が紐付けされるため、「控え」に代えてFelicaチップによるスキップサービスの利用が可能である。

利用方法[編集]

スキップサービスを利用する場合は

  • サービス対応運賃でのスキップ予約
    • チケットレス予約(購入)によるeチケットの航空券
    • 出発15分前までにWeb上で事前座席指定

を満たす必要がある。

以上に該当しない場合はカウンターまたは自動チェックイン機・自動航空券売機で搭乗手続を行う必要がある

  • 座席指定が済んでいない場合・普通運賃などで事前購入していない場合・乗り遅れ/不搭乗(No Show)の場合
  • Skip利用に必要な「AMC-Edyカード類」「QRコード(控え・モバイルサイト画面)」などを紛失・置き忘れた場合(カウンターで控えの再発行が必要)
  • 介添えなど特別な配慮が必要なとき
  • サービス適用外運賃(スカイメイトなど身分証明書類の提示が必要な運賃)の場合

事前座席指定[編集]

航空券購入の場合
Webサイト・旅行会社窓口などで航空券の予約・購入を行う。各運賃に定められた条件(予約・購入)を満たすと事前座席指定が可能となり、ANAのWebサイト(PC・携帯電話公式サイト)上にある「国内線>予約確認・購入」ページより、AMC会員の者はAMC番号とパスワードを入力しログインすることで、紐付け済みのeチケット(航空券)の「予約詳細情報」が表示される。AMC非会員やAMCと紐付けがされていない場合は、「控え」もしくはANAから送付される購入確認メールに表記されている「予約番号」もしくは「確認番号」を入力することで「予約詳細情報」が表示される。そのページに座席番号欄があり、「座席番号の指定(変更)」ボタンをクリックすることで座席指定が行える。
パッケージツアーの場合
パッケージツアー団体旅行ではなく、フリープランなどの個人旅行を指す〉の場合は購入旅行代理店を通じて座席を指定しておく。ANAスカイホリデーなど一部の企画会社の商品やダイナミックパッケージでは企画旅行会社側のサイトもしくは先述の予約確認・購入ページからほぼ同じ手順で座席変更が可能である。

予約詳細情報ページ[編集]

同ページ上には搭乗前日の16時(原則)に搭乗便の搭乗口番号・機材や時刻の変更情報などが掲載される。電子メールアドレスを登録し、配信設定にしている場合、搭乗便の情報に変更が有る場合は逐一配信される。通常運航時でも出発時刻の概ね50分前までに確認メールが配信される。

空港到着後[編集]

  • 空港到着後はチェックインカウンターや自動チェックイン機に立ち寄る必要は基本的になく、手荷物を預けない場合はそのまま保安検査場に向かえばよい。手荷物を預ける場合は手荷物カウンターでAMC-Edy類かQRコードを専用端末に読み取らせて手荷物を預け、引替証(→バゲージクレーム)を受領した後に保安検査場に向かう。
  • 保安検査場では従来の搭乗券を保安員に提示する代わりに、専用の端末にAMC-Edy類またはQRコードをタッチまたは読み取らせ、便名や座席番号などがレシート状に印刷された「ご搭乗案内」を受け取る。[注 1]
  • 搭乗口では自動改札機に再び同じカードなどをタッチして搭乗する。[注 2]

乗り継ぎがある場合は空港によってチェックインの取扱が異なる為、標識や地上係員の案内に従う必要がある。

歴史[編集]

  • 1995年4月1日:P2チケットサービス開始。[4]国内線予約センター(電話)で予約と同時にクレジットカードによる決済を行い、搭乗当日に発券カウンターまたは自動販売機で受け取ることで、航空券の事前受取が不要となる。[5]
  • 1997年11月10日:P2チケットサービスをANAチケットレスサービスに改称。予約センターに加え、インターネット、パソコン通信、プッシュホンで予約・カード決済が可能になる。[6]1999年10月1日からはコンビニ払いなどが[7]、2000年4月1日からは銀行振込などが[8]可能になった。販売チャネルは、iモード[9]EZweb[10]などの携帯サイトが拡充され、パソコン通信やプッシュホンなどは廃止された。
  • 2001年12月1日:eプリチェックイン開始。当日オンラインでのチェックイン処理が可能になる。[11]
  • 2004年12月1日:スマートeサービス開始。[12]これは同年7月10日より導入された国際線のeプリチェックインと同等で、QRコードやFelicaチップを利用したチケット引き取りが可能になった。[13]
  • 2005年10月1日:ANAチケットレスサービスをスマートeサービスへ合流させスマートeチケットに改称。チケット購入と同時にチェックイン処理を行えるようになる。[14]
  • 2006年9月1日:スマートeサービスを発展させたスキップサービスを24空港で開始。手荷物を預けない場合にチケットの引き取りが不要になる。[15]
  • 2007年9月から12月20日:松山空港を皮切りに順次機器を更新し、磁気テープ付航空券を廃止しQRコードまたはFelicaチップに全面移行する。これと同時に手荷物を預ける場合にもスキップサービスを利用可能になる。[16]

注釈[編集]

  1. ^ 保安検査場で発行される紙片の名称は以下の様に変遷している。導入当初は「搭乗口案内」(ただし2008年7月1日以降、大半の空港では発行省略 [1])、2013年12月3日以降は「搭乗券」[2]、2015年9月8日以降は「ご搭乗案内」[3]。名称によらず印字内容はほぼ同等である。
  2. ^ 2013年12月2日まではここで搭乗券が発行されていた。[2]

出典[編集]

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  1. ^ 搭乗口案内用紙の発行停止について”. 全日本空輸. 2008年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月22日閲覧。
  2. ^ a b 国内線「搭乗券」が変更になります”. 全日本空輸. 2013年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月22日閲覧。
  3. ^ ご搭乗時の用紙発行方法の変更について”. 全日本空輸. 2016年3月22日閲覧。
  4. ^ 年表詳細”. 全日本空輸. 2016年3月22日閲覧。
  5. ^ P2 チケット”. 全日本空輸. 1996年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月22日閲覧。
  6. ^ ANAチケットレスサービス ラインアップ”. 全日本空輸 (1997年10月29日). 2016年3月22日閲覧。
  7. ^ ANAマイレージクラブ会員向けに航空券購入方法を大幅に拡充!!”. 全日本空輸 (1999年9月29日). 2016年3月28日閲覧。
  8. ^ 銀行振り込みによる航空券決済サービスを開始”. 全日本空輸 (2000年2月28日). 2016年3月28日閲覧。
  9. ^ マルチメディアサービスを拡充”. 全日本空輸 (1999年1月25日). 2016年3月28日閲覧。
  10. ^ ANAモバイルサービスがさらに充実”. 全日本空輸 (2000年1月31日). 2016年3月28日閲覧。
  11. ^ 全日空、iモードで搭乗手続ができる「eプリチェックイン」”. ケータイWatch (2001年11月30日). 2016年3月28日閲覧。
  12. ^ 2004年12月1日、羽田空港新ターミナル移転を機に「スマートeサービス」を開始”. 全日本空輸 (2004年9月6日). 2016年3月22日閲覧。
  13. ^ FeliCa対応携帯電話及び2次元バーコードを利用した国際線搭乗手続開始”. 全日本空輸 (2004年6月16日). 2016年3月28日閲覧。
  14. ^ 『スマートeサービス』、チケットの購入と同時にチェックイン!”. 全日本空輸 (2005年8月31日). 2016年3月22日閲覧。
  15. ^ 国内線でチェックイン不要の新搭乗サービス「スキップサービス」を開始”. 全日本空輸 (2006年5月16日). 2016年3月22日閲覧。
  16. ^ 国内線で新しい搭乗スタイルが始まります”. 全日本空輸 (2007年8月29日). 2016年3月22日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]