コンテンツにスキップ

PCエンジンDuo

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
PCエンジン > PCエンジンDuo
PCエンジンDuo
メーカー NECホームエレクトロニクス
種別 据置型ゲーム機
世代 第4世代
発売日 日本の旗 1991年9月21日
アメリカ合衆国の旗 1992年10月10日
CPU HuC6280MOS 6502ベース)
GPU HuC6260 + HuC6270
対応メディア HuCARD
アーケードカード
CD-ROM2
SUPER CD-ROM2
対応ストレージ バッテリーバックアップ
コントローラ入力 ケーブル
オンラインサービス 非対応
売上台数 日本の旗 92万台
互換ハードウェア PCエンジン
SUPER CD-ROM2
次世代ハードウェア PC-FX
テンプレートを表示

PCエンジンDuo(ピーシーエンジンデュオ)は、1991年9月21日[1]日本電気ホームエレクトロニクス(NECホームエレクトロニクス)より発売された、PCエンジンの姉妹機にあたる家庭用ゲーム機。当時のメーカー希望小売価格は59,800円。

本機はHuCARDのみに対応したPCエンジンやPCエンジンコアグラフィックスCD-ROMのみに対応したCD-ROM2SUPER CD-ROM2の機能を一体化させた製品である。一体化に伴い、周辺機器を接続する端子を削除したため、NECホームエレクトロニクスが提唱したコア構想は事実上の終焉を迎えた。

1993年3月25日[1]にはヘッドフォン端子やバッテリー端子を削除するなどして費用を削減し、丸みを帯びた形状で本体色を白に変更したPCエンジンDuo-R1994年6月25日[1]にはPCエンジンDuo-Rの本体色を変更し、同梱のパッドを6ボタンとしたPCエンジンDuo-RXが発売された。

欧米市場ではTurboDuo(ターボデュオ)の商品名で発売されたが、PCエンジンDuo-R、PCエンジンDuo-RXは未発売である。

ハードウェア

[編集]

仕様

[編集]

バリエーション

[編集]
PCエンジンDuo (PI-TG8)
1991年9月21日発売 59,800円
最初に発売されたモデル。SUPER CD-ROM2との一体型。シャトル以外の機種に搭載されていた拡張バスが廃止された。
別売りのDuoモニター(PI-LM1)とDuoバッテリー(PI-AD15)を接続することにより持ち運びが可能になる。
1991年には通商産業省グッドデザイン賞を受賞した[2]
TurboDuo(HES-DUO-01)
TurboDuo
1992年10月10日に$299.99で欧米市場で発売されたモデル。日本では未発売。
ソフト3本付属。
1993年5月にシカゴで開催されたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)にてMacintosh用のCD-ROMプレイヤーとして使用するための接続システムが参考出品されたが[3]、商品化はされなかった。
PCエンジンDuo-R(PI-TG10)
PCエンジンDuo-R
1993年3月25日に39,800円で発売。海外では未発売。
NECのロゴマークが新しいものに変更された。
本体のカラーリングの変更とヘッドフォン端子やバッテリー端子等を省いた廉価版
バッテリー端子等を省いたことにより持ち運びが出来なくなった。
コストダウンのために基板上の部品の実装密度を下げたところ、DUOの大きさではおさまらず、横から見た時の高さが15mm増加した。
本体やパッドのカラーリングは限りなく白に近いグレーとなり、当時のパソコンなどに使われている色に近くなった[4]
Duo用のACアダプタ(PAD-124)と異なるACアダプタ(PAD-129/PAD-130)に変更された。
デザインが丸みを帯びているところから「Round」の頭文字を取って「R」と名付けられている。
1993年に通商産業省のグッドデザイン賞を受賞した[5]
PCエンジンDuo-RX(PCE-DUORX)
PCエンジンDuo-RX
1994年6月25日発売に29,800円で発売。海外では未発売。
Duo-Rのマイナーチェンジ機種。さらに低価格化したもの。
本体のカラーリングをシャドーグレーへと一部変更、同梱のコントローラが6ボタンのアーケードパッド6に変更された。
CD-ROMドライブがピックアップ移動や読み取り精度の上がったものに変更されており、CDからのデータ読み込みが速くなった。

周辺機器

[編集]

NECホームエレクトロニクス純正

[編集]
型番 名称 発売日 備考
PI-PD002
PI-PD06
PI-PD8
ターボパッド 1987年10月30日 本体に同梱。
PI-PD003 マルチタップ パッドを5つまで接続できる純正機器。本体のみではパッドを1つしか接続できなかった弱点が逆に普及を促し、ファミコン以上に多人数同時プレイソフトを登場させることとなった。2人用や4人用のサードパーティ製のものもあった。
PI-PD5 ターボパッドII 1989年11月22日 PCエンジンシャトルの形状に合わせたターボパッド。
PI-AN2 AVケーブル テレビに接続する、映像/音声一体型のケーブル。本体に同梱。
PI-AN3 RFユニット コンポジット映像信号出力のマシンに使用し、RF信号を出力するための機器。
NAPD-1001 アベニューパッド3 1991年1月31日 3ボタン操作のフォーゴットンワールドの発売に合わせて登場。IIIボタンはSELECTかRUNボタンのいずれかに設定して使用する、連射もできるのでRUNボタンに設定してスローモーション(ポーズの連射)をかけることも可能。
PAD-124 ACアダプタ 1991年9月21日 PCエンジンDuo用のACアダプタ。本体に同梱。
PI-LM1 Duo モニター TVチューナー内蔵の4.3インチTFT液晶モニター
PI-AD13 Duoカーアダプタ 車用のPCエンジンDuoアダプタ。
PI-AD16 Duoモニターカーアダプタ 車用のDuo Monitorアダプタ。
PI-AD17 Duoモニターバッテリーパック 市販のアルカリ乾電池をDuoモニタで使用可能にするボックス。
PI-AN5 DuoモニターAVケーブル DuoモニターにAV機器を接続する際に必要となる。
PI-AN6 Duoモニターアンテナコネクタ Duoモニター用アンテナ整合器。
PAD-126 DuoモニターACアダプタ Duoモニター用のACアダプタ。市販はされず、修理のみ対応。
PI-AD14 バッテリーセット 1991年11月21日 本体をバッテリー駆動にする。なお、PI-AD14はバッテリーチャージャーの型番である。
PI-AD15 Duoバッテリーパック PCエンジンDuo用のバッテリー。
PI-PD11 コードレスマルチタップ 1992年12月18日 PCエンジンDuoに合わせたデザインの純正品。パッド信号を赤外線で伝達することでコントローラのコードレス化を実現。コードレスマルチタップ自体はPCエンジン本体のパッド端子に接続する。コードレスパッドを5本揃えれば5人同時プレイ可能である。受信可能距離は約3mまで。
PI-PD12 コードレスパッド コードレスマルチタップ用のパッド。単四乾電池4本必要。
PI-AD19 メモリーベース128 1993年3月 パッド端子に接続して使用するセーブ用外部メモリ。後期ソフトのセーブデータの肥大化に対応し容量は128KBと非常に大きいが、対応ソフト以外は使用不可能。コーエー発売の同機能の周辺機器「セーブくん」もある(『信長の野望・武将風雲録』・『三國志III』などの一部に同梱)。
対応ソフトのうち、『エメラルドドラゴン』・『リンダキューブ』・『プライベート・アイ・ドル』・『ぽっぷるメイル』の4本には本体のバックアップメモリとの間でセーブデータをコピーするなどの操作が出来る管理ユーティリティを内蔵。『エメラルドドラゴン』・『リンダキューブ』は共通のツールでデータの互換性があるが、『プライベート・アイ・ドル』と『ぽっぷるメイル』は両者との互換性はない。
NAPD-1002 アベニューパッド6 1993年5月28日 6ボタンパッド。ストリートファイターIIの移植に対応する形で登場。
PAD-129 ACアダプタ 1993年11月1日 PCエンジンDuo-R用のACアダプタ。本体に同梱。
PCE-AC1 アーケードカードDUO 1994年3月12日 PCエンジンDuo系の機種やSUPER CD-ROM2用のアーケードカード。
PAD-130 ACアダプタ 1994年6月25日 PCエンジンDuo-RX用のACアダプタ。本体に同梱。
PCE-TP1 アーケードパッド6 6ボタンパッド。6つのボタンは独立した連射機能が付いている。PCエンジンDuo-RXに同梱。PC-FXの標準パッドとデザインがほぼ同じ。ボタンと十字キーの色はライトブルー[6]

他社発売

[編集]

その他

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c PCEngine博物館 - ウェイバックマシン(1999年1月16日アーカイブ分)
  2. ^ Good Design Award - PCエンジンDuo”. 日本デザイン振興会. 2021年8月22日閲覧。
  3. ^ 『ファミコン通信 No.190 ターゲットはアップルユーザー?』アスキー、1992年8月7日、8頁。 
  4. ^ 電撃PCエンジン. メディアワークス. (1993年3月1日). p. 4,5, 
  5. ^ Good Design Award - PCエンジンDuo-R”. 日本デザイン振興会. 2021年8月22日閲覧。
  6. ^ 『ファミコン通信』 No.286、アスキー、1994年6月10日、8,9,頁。 
  7. ^ プレステ4巻き返しへの課題 先駆的だったPCエンジン”. 東洋経済新報社 (2013年3月21日). 2013年3月21日閲覧。
  8. ^ 森田一義アワー 笑っていいとも!2011年11月29日放映の「テレフォンショッキング」より。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]