HD 28185

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
HD 28185
星座 エリダヌス座
視等級 (V) 7.80[1]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) 04h 26m 26.3227027269s[2]
赤緯 (Dec, δ) -10° 33′ 02.945489682″[2]
視線速度 (Rv) 50.35 km/s[2]
固有運動 (μ) 赤経: 84.071 ± 0.045 ミリ秒/[2]
赤緯: -59.750 ± 0.039 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 25.3642 ± 0.0407ミリ秒[2]
(誤差0.2%)
距離 128.6 ± 0.2 光年[注 1]
(39.43 ± 0.06 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 4.8[注 2]
物理的性質
半径 1.03 R[3]
質量 1.02 ± 0.06 M[3]
表面重力 27 G[3][注 3]
自転速度 2.54 ± 1.02 km/s[4]
スペクトル分類 G5[1]
光度 1.02 L[4]
表面温度 5,662 K[3]
色指数 (B-V) 0.750[1]
色指数 (V-I) 0.79[1]
金属量[Fe/H] 0.23[3]
年齢 5.36 ×109[5]
別名称
別名称
BD−10 919, GSC 05317-00733, HIP 20723, SAO 149631
Template (ノート 解説) ■Project

HD 28185は、地球から約129光年の距離に存在する太陽に似たG型主系列星である。天球上では、エリダヌス座の方角に位置する。HD 28185という名称は、20世紀初頭に編纂されたヘンリー・ドレイパーカタログにおける番号である。この恒星は、そのハビタブルゾーン内に巨大ガス惑星太陽系外惑星)を持つことが知られている。

距離と明るさ[編集]

ガイア衛星による観測の結果、HD 28185の年周視差は25.36ミリと求まり、これから距離を計算すると39.4パーセク(129光年)と求められた[2]。地球からの距離が25パーセクを超えることから、この恒星はグリーゼ近傍恒星カタログには掲載されていない。恒星の見かけの等級は7.80等で、肉眼では見ることができず、観測には望遠鏡が必要である[1]

恒星の性質[編集]

大きさの比較
太陽 HD 28185
太陽 Exoplanet

HD 28185は、その質量半径光度において太陽とよく似ている[4]主系列星であり、コアでの水素核融合反応によりエネルギーを生み出している。スペクトル分類はG5で、これは太陽よりも若干温度が低いことを意味する[1]。他の多くの太陽系外惑星を持つ恒星と同様、太陽に比べ金属量に富んでおり、の含有量は太陽の1.7倍にもなる[3]。その自転周期はおよそ30日で、太陽の25.4日と比べると遅い[4][6]

彩層活動の活発さを測る指標に基づいて、HD 28185の年齢を推定すると、彩層活動が活発でない恒星が誕生から約29億年を経過した場合とよく合っている。一方で、恒星進化論を元とした理論からは、約75億年という年齢が導出されている[4]

惑星系[編集]

2001年ジュネーブ天文台のグループによる、ラ・シヤ天文台における視線速度法の観測から、HD 28185の周りを公転周期1.04年で周回する、木星サイズの惑星HD 28185 bが発見された[4]。HD 28185 bの存在は、1997年から2001年にかけて行われたMagellan Planet Search Program英語版による観測でも確認されている[7]

それまでに見つかっていた長い公転周期を持つ太陽系外惑星は、多くが軌道離心率の高い惑星で、円軌道に近い系外惑星は少なかったが、HD 28185 bは離心率が低い軌道を持つ惑星であった[8][9]。そのため、HD 28185 bは完全にHD 28185のハビタブルゾーン内に収まっている[5]。この軌道では、日射量が地球と同程度になるため、HD 28185 bに衛星が存在すれば、その衛星は生命が存在可能であるかもしれないと期待されている[10][11]。たとえ衛星が無くとも、小さな惑星がHD 28185 bのトロヤ点に存在すれば、居住可能性は高い、とする考えも提示されている[5]

HD 28185の観測データからは、さらに長期の視線速度の変化が検出されている。これはHD 28185 bの外側に未発見の伴天体が存在することを示唆している[12][7]

HD 28185の惑星[3]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b 5.90 ± 0.24 MJ 1.02 ± 0.02 379 ± 2 0.05 ± 0.03

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
  3. ^ 出典での表記は、

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f ESA (1997), The HIPPARCOS and TYCHO catalogues. Astrometric and photometric star catalogues derived from the ESA HIPPARCOS Space Astrometry Mission, ESA SP Series, 1200, Noordwijk, Netherland: ESA Publications Division, Bibcode 1997ESASP1200.....E, ISBN 9290923997 
  2. ^ a b c d e f g HD 28185 -- High proper-motion Star”. SIMBAD. CDS. 2018年9月4日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g Stassun, Keivan G.; Collins, Karen A.; Gaudi, B. Scott (2017-03), “Accurate Empirical Radii and Masses of Planets and Their Host Stars with Gaia Parallaxes”, Astronomical Journal 153 (3): 136, Bibcode 2017AJ....153..136S, doi:10.3847/1538-3881/aa5df3 
  4. ^ a b c d e f Santos, N.; et al. (2001年12月). “The CORALIE survey for southern extra-solar planets VI. New long-period giant planets around HD 28185 and HD 213240”. Astronomy & Astrophysics 379 (3): 999-1004. Bibcode 2001A&A...379..999S. doi:10.1051/0004-6361:20011366. 
  5. ^ a b c Schwarz, R.; et al. (2007年11月). “Survey of the stability region of hypothetical habitable Trojan planets”. Astronomy & Astrophysics 474 (3): 1023-1029. Bibcode 2007A&A...474.1023S. doi:10.1051/0004-6361:20077994. 
  6. ^ Williams, David R. (2018年2月23日). “Sun Fact Sheet”. NASA GSFC. 2018年9月4日閲覧。
  7. ^ a b Minniti, Dante; et al. (2009年3月). “Low-Mass Companions for Five Solar-Type Stars From the Magellan Planet Search Program”. Astrophysical Journal 693 (2): 1424-1430. Bibcode 2009ApJ...693.1424M. doi:10.1088/0004-637X/693/2/1424. 
  8. ^ Butler, R. P.; et al. (2006年7月). “Catalog of Nearby Exoplanets”. Astrophysical Journal 646 (1): 505-522. arXiv:astro-ph/0607493. Bibcode 2006ApJ...646..505B. doi:10.1086/504701. 
  9. ^ Catalog Listing”. Extrasolar Planets Encyclopaedia. 2018年9月4日閲覧。
  10. ^ Mullen, L. (2001年8月8日). “Extrasolar Planets with Earth-like Orbits”. 2006年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。22 July 2006-07-22閲覧。
  11. ^ Hinkel, Natalie R.; Kane, Stephen R. (2013-09), “Habitability of Exomoons at the Hill or Tidal Locking Radius”, Astrophysical Journal 774 (1): 27, Bibcode 2013ApJ...774...27H, doi:10.1088/0004-637X/774/1/27 
  12. ^ Chauvin, G.; et al. (2006年). “Probing long-period companions to planetary hosts. VLT and CFHT near infrared coronographic imaging surveys”. Astronomy & Astrophysics 456 (3): 1165-1172. arXiv:astro-ph/0606166. Bibcode 2006A&A...456.1165C. doi:10.1051/0004-6361:20054709. 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 星図 04h 26m 26.3227027269s, −10° 33′ 02.945489682″