B61 (核爆弾)
B61 | |
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![]() B61核爆弾 | |
タイプ | 核爆弾 |
開発国 |
![]() |
配備先 |
アメリカ空軍 アメリカ海軍 |
開発・生産 | |
開発期間 | 1960年-1966年 |
生産期間 | 1966年-1990年代 |
配備期間 | 1966年-現在 |
生産数 | 3,150発 |
要目 | |
核出力 | 0.3-340kt |
弾頭 | 熱核弾頭 |
直径 | 33.782cm |
長さ | 3.6m |
重量 | 0.3t |
B61は、アメリカ合衆国が開発した核爆弾である。21世紀現在においても配備が行われている。
経緯[編集]
航空機に搭載可能な比較的軽量の核爆弾として1960年から開発が行われ、1966年から配備が開始された。開発は、ニューメキシコ州のロスアラモス国立研究所で行われた。
B61は、先端部と尾部を状況に応じて交換し、高空投下やレイダウン投下などに対応するようになっている。形状や信管により、開発中止のものも含め12種類のサブタイプがある。最新のサブタイプは1997年に開発されたB61 Mod 11であり、地中貫通爆弾の一種である。B61 Mod 7を基に開発され、高張力鋼で構成されている。投下後、地中に数m貫入し、その後に爆発する。これにより、地下施設を破壊する。B61 Mod 11は、地下施設攻撃用のB53を更新することとなった。B53はメガトン級の威力を持つものの、レイダウンにより地表爆発するため、地下施設破壊に必ずしも向いていないためである。
B61は威力可変弾頭であり、サブタイプにもよるが最大170ktの威力を持つ。信管はフル・ヒューズ・オプション(FUFO)であり、空中爆発・地上爆発・遅延爆発に対応している。
2012年からはB61の延命計画として、F-35 ライトニングIIへの搭載を可能にし、武器の正確性を増すための新たな誘導装置を備えたB61 Mod 12の開発が進められている[1]。2014年2月にNNSAは、ロスアラモス国立研究所とサンディア国立研究所で臨界前核実験を行い、実験は成功したと発表している[2][3][4][5]。2月4日、NNSAはB61 Mod 12の長寿命を確保し、爆弾の信頼性を向上させるため、フルシステム機械環境試験を行ったと公表。2020年代にB83を最後に米国メガトン級武器の引退を可能にすると発表した。4月14日、NNSAはサンディア国立研究所で、B61 Mod 12の本格的な風洞実験が行われたことを公表した。
2016年10月6日、NNSAは『NNSAと米空軍は2回の合同飛行試験を実施』と題し、「先月、B61 Mod 7とB61 Mod 11のジョイントテストアッセンブリ(JTA)を使用した飛行試験を実施した」と公表。過去の試験に使用したB-2爆撃機の爆弾投下写真が掲載されている。テストはネバダ州トノパテストレンジ。爆発や地下核実験は無し。
運用可能航空機一覧[編集]
- 戦闘機
- 攻撃機
- A-4 スカイホーク
- A-6 イントルーダー
- A-7 コルセア II
- F-117 ナイトホーク(しかし、数名の関係者がF-117ではB61は使用されていないと主張する)
また、イタリアとドイツのトーネード IDSにも搭載可能である。
スペック[編集]
- 全長:3.68 m
- 直径:0.34 m
- 質量:548 kg
- 核出力:0.3 kt - 340 kt
- 貫通力:2 m - 8 m
脚注[編集]
- ^ Hans M. Kristensen (2011年6月15日). “B61 LEP: Increasing NATO Nuclear Capability and Precision Low-Yield Strikes” (英語). 2013年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月7日閲覧。
- ^ “NNSA Reaches B61-12 Life Extension Program Milestone: First Full-System Mechanical Environment Test Completed Successfully” (英語) (プレスリリース), NNSA, (2014年2月4日) 2014年7月7日閲覧。
- ^ “US successfully tests B-61 atomic bomb” (英語). PRESS TV. (2014年2月6日) 2014年7月7日閲覧。
- ^ https://nnsa.energy.gov/mediaroom/pressreleases/windtunnel
- ^ https://nnsa.energy.gov/blog/nnsa-and-air-force-conduct-two-successful-joint-flight-tests