B・N・F

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

B・N・F(ビー・エヌ・エフ、1978年(昭和53年)3月5日[1] - )は、日本資産家投資家

東京都港区在住。本名は非公開。「B・N・F」の呼称は当人が使用している2ちゃんねるでのハンドルネームから来ている。マスコミなどでの通称は「ジェイコム男」であるが、ネット上ではほとんど使われていない。

来歴[編集]

千葉県市川市出身。

ネットトレードを始めた時は大学に在学していたが、卒業までの単位を2科目残したまま中退している。

2004年ごろから2ちゃんねるでは名の知られた投資家だったが、2005年ジェイコム株大量誤発注事件により一般的にも有名となる。

地元の市川市に2億円の中古の二世帯住宅の豪邸を購入し、親にはトヨタ・クラウンマジェスタを贈り、港区の4億円高層マンションを購入したこと以外には、特別に贅沢をしておらず、普段は専用のトレードルームに引きこもって1人で取引している。

2008年(平成20年)の番組出演に際して対談をした久米宏によると、日本の食糧自給率の低さに関心を持ち、将来農業の立て直しに役立ちたいとの思いがあるとのこと[2]

日経平均株価がバブル後最安値を更新した2008年(平成20年)10月でも、資産を210億に増やした。

2008年(平成20年)10月には、秋葉原駅前の地上10階・地下1階の商業ビル「チョムチョム秋葉原」の所有権を90億円程度で取得した[3]。転売や賃料収入に期待しているわけではなく、資産分散が目的としている。

2011年(平成23年)秋葉原の、敷地面積800平方メートル、地上6階、地下2階建ての商業ビル「AKIBAカルチャーズZONE」を推定170億円で購入[4](2007年まで同ビルを所有していたラオックスは約60億円で売却している[5])。これにより、以前購入した「チョムチョム秋葉原」と合わせて不動産の資産だけで260億円に達した。

エピソード[編集]

「B・N・F」というハンドルネームは米国投資家ヴィクター・ニーダーホッファー (Victor Niederhoffer) をもじったもの。

満腹感による眠気や「集中力の欠如」を避けるため、朝食は摂らず、昼食はカップラーメンを食べる[6]。買い物は「100円ショップ」も利用する。2006年(平成18年)の『ガイアの夜明け』出演時には「趣味も特にない」と言っていたが、2007年(平成19年)の東京スポーツのインタビューでは趣味に競馬を挙げ、馬主になる可能性を示唆した。ただし、馬券は買わないとのこと。ジェイコム事件当時はPHSを連絡先として使用している。

株式トレードに強い意欲があるわけでもないが、目の前に儲けられる機会があるのに無視するのは損するのと同じと考えており、止めることが出来ないと語っている。

株価が気になって海外旅行にも行くことができない。

他人の金の運用はしたくないと言っており、証券会社の雇われトレーダーなどになる予定はなく、ソフトバンク孫正義社長と会談した際に資産を運用するよう頼まれたが、断っている。

北畑隆生経済産業事務次官(当時)が2008年(平成20年)1月同省の関連団体の講演会でデイトレーダーに批判的な内容の話をした件について、「講演で話したことなので、正確な意図は分からない」と前置きした上で、「批判には慣れているので『またか』という印象です。」とコメントをした[7]

2008年(平成20年)9月リーマン・ブラザーズ株を取得したが、2日後に倒産。この取引で7億円の損失を出し、激昂の余りモニター2台を破壊してしまう[8]

2014年12月26日の朝日新聞電子版の報道により、ふるさと納税で三重県伊賀市に1500万円の寄付を行い、500万円の寄付による純金手裏剣(24金で30万~40万円相当)3枚分を返礼として受け取ることが判明した。

ジェイコム株大量誤発注事件[編集]

B・N・Fがマスメディアに初めて登場したのは2005年(平成17年)12月8日、新規上場したジェイコム(人材派遣業。ケーブルテレビのJ:COMとは関連なし)の株式においてみずほ証券の男性担当者が「61万円1株売り」とすべき注文を「1円61万株売り」と誤注文し株式市場を混乱させたジェイコム株大量誤発注事件である。

この事件において7,100株を取得、同日中に市場で1,100株を売り抜け、残る6,000株(発行済み株式の41.38%)を現金決済(20億3,500万円)していたことが大量保有報告書で分かった。

わずか10分程度の間に当時の自己資金80億円の半分近くである40億円以上を投入し、当日の売買益は不明ながらも、強制決済による清算益だけでも約20億円超を稼いだ計算になる。これは、個人が相場で稼いだ利益としては最高額であるとされる。しかし当人は「いつもと変わらず冷静だった」と語っていた。

この事件以降、しばしば雑誌テレビの取材に顔を伏せて答えていたが、2006年(平成18年)2月28日テレビ東京の『日経スペシャル ガイアの夜明け』で素顔を明らかにする。2008年(平成20年)5月17日には日本経済新聞の1面に顔写真入りで紹介される[9]。 なお、テレビ出演の初期の頃は本名を名乗っていた。

2009年(平成21年)12月4日、みずほ証券東京証券取引所(東証)に対して損害賠償を求めていた裁判で、東京地方裁判所が東証に107億円1212万8058円の支払いを命じた。この件について、B・N・Fは「とくに感想はありません。私には関係のないことですが、個人が誤発注をしても誰も助けてくれないことに変わりはないので、私自身、これからも誤発注をしないよう気をつけるだけです」と語った[10]

2ちゃんねるへの投稿[編集]

2ちゃんねるには、主に「B・N・F ◆mKx8G6UMYQ」として『今日の勝ち負けを報告するスレッド』で投稿していた。初投稿は2004年(平成16年)2月5日である。その資金力(当初3億円前後)と50銘柄同時売買をする視野の広さ・値動きへの深い洞察は多くの2ちゃんねる投資一般板住人に衝撃を与える。 投稿内容はいたって謙虚で、教えを請う人には丁寧に指導していた。初めは小さい金額の勝ち負けを記載していたので皆から賞賛を浴びていたが、稼ぎのあまりの大きさ、サラリーマンの年収を一日で稼ぐこと、ある日売買した銘柄全てが値上がりしていたことなどからバーチャル(虚偽/架空の記載のこと)だとして一部の人間から次第に叩かれるようになる。 固定ハンドルネーム(コテハン)での投稿は2005年(平成17年)4月1日を最後に途絶えているが、情報収集に「市況実況板」「ニュース速報板」を使用したり[11]、「投資一般板」の【株板相場師列伝】スレッドにたまに「名無し」での書き込みをしているとのこと[12]

投資手法[編集]

スイングトレードでの資産運用が得意だがPERなどの指標は全く見ない[13]。運用資産が増大してからはTOPIX Core30構成銘柄などの大型株を重点売買する。 判断基準は「感覚というより慣れ。トータルの値動きへの洞察力が、最も大事。日経平均先物市場の動きを見ている」とのこと。 25日移動平均線からの乖離率を基にした逆張りが有名。 また、「上がりそうもなければさっさと損切ればいいわけです」と素早い損切りが大事であるとも語っている。

先物取引[編集]

2007年(平成19年)は商品先物も手がけようと先物口座を開設した。

外国株・長期投資[編集]

2006年(平成18年)6月時点で140億の運用資産を80億程度に減らす必要を感じているが、残り60億円の運用プランは見あたらない[14]2007年(平成19年)11月時点で183億の資産を短期売買で運用する事に限界を感じており、今後は80億を外国株への長期投資で運用する予定である[15]

不動産投資[編集]

2008年(平成20年)10月に90億で商業ビル「チョムチョム秋葉原」を[16]2011年(平成23年)に推定170億円で商業ビル「AKIBAカルチャーズZONE」をそれぞれ購入した。資金が大きくなり株のみの運用が難しくなったため、資産分散を目的としたとみられている。

資産の動向[編集]

2000年(平成12年)、都内の私立大学法学部3年生の時、それまでの貯金やアルバイトで稼いだ160万円を元手に株式投資をスタート[17]。2008年5月中旬時点の個人資産は約210億円[2]2005年(平成17年)の年間所得は109億3208万7288円。2006年(平成18年)はライブドアショック前に約20億、その後で約30億円を稼いだ。 2006年3月の収益は11億9956万7503円であった[18]

2000年10月      164万円 G01.png
2000年末      280万円 G01.png
2001年末     6,100万円 G01.png
2002年末     9,600万円 G01.pngG01.png
2003年末   2億7,000万円 G05.png
2004年末   11億5,000万円 G10.pngG10.pngG03.png
2005年末      80億円 G100.pngG50.pngG10.png
2006年末     157億円 G100.pngG100.pngG100.pngG10.pngG03.pngG01.pngG01.png
2007年末     185億円 [19] G100.pngG100.pngG100.pngG50.pngG10.pngG05.pngG01.png
2008年末     218億円 [20] G100.pngG100.pngG100.pngG100.pngG10.pngG10.pngG10.pngG05.pngG01.png

株式大量保有銘柄[編集]

2009年(平成21年)6月1日、オリックスの「第46回定時株主総会招集通知」に、第9位の大株主(2009年(平成21年)3月末時点)として記載された。持株数は107万株、議決権比率で1.19%を保有する個人筆頭株主にあたる [21]

2010年(平成22年)3月31日の時点で、以下の企業の大株主となっていたことが、四季報などから明らかになった。

2010年(平成22年)6月30日の時点で、以下の企業の大株主となっていたことが、四季報などから明らかになった。

2012年(平成24年)3月31日の時点で、以下の企業の大株主となっていたことが、IR情報から明らかになった。

  • 川崎汽船…第6位株主、持株数=24,531,000株、持株比率=3.20%[25]

当時の終値(182円)で換算すると、約44.6億円となる。

2013年(平成25年)3月31日の時点で、以下の企業の大株主となっていたことが、四季報などから明らかになった。

  • イビデン…第10位株主、持株数=2,210,000株、持株比率=1.60%、当時終値換算=約31億円
  • ファルテック…第3位株主、持株数=137,000株、持株比率=4.40%、当時終値換算=約6億円

2014年(平成26年)3月31日の時点で、以下の企業の大株主となっていたことが、四季報などから明らかになった。

  • ファルテック…第4位株主、持株数=105,500株、持株比率=3.44%、当時終値換算=約4億円

2014年(平成26年)8月31日の時点で、以下の企業の大株主となっていたことが、四季報などから明らかになった。

  • ブロッコリー…第3位株主、持株数=1,387,000株、持株比率=4.23%、当時終値換算=約15.7億円

2014年(平成26年)9月30日の時点で、以下の企業の大株主となっていたことが、四季報などから明らかになった。

2014年(平成26年)12月12日の時点で、以下の企業の大株主となっていたことが明らかになった[26]

  • 原弘産…第5位株主、持株数=1,000,000株、持株比率=2.57%、当時終値換算=約0.44億円

2015年(平成27年)3月31日の時点で、以下の企業の大株主となっていたことが、四季報などから明らかになった。

  • オリエントコーポレーション…第5位株主、持株数=10,000,000株、持株比率=1.23%、当時終値換算=約19.5億円
  • VOYAGE GROUP…第6位株主、持株数=520,000株、持株比率=4.60%、当時終値換算=約12.3億円
  • ファルテック…第4位株主、持株数=211,500株、持株比率=2.28%、当時終値換算=約3.4億円
  • 綿半ホールディングス…第3位株主、持株数=400,000株、持株比率=4.05%、当時終値換算=約2.9億円

2015年(平成27年)5月31日の時点で、以下の企業の大株主となっていたことが明らかになった[27]

  • ケイブ…第2位株主、持株数=119,600株、持株比率=4.95%、当時終値換算=約3.75億円

2015年(平成27年)9月30日の時点で、以下の企業の大株主となっていたことが、四季報などから明らかになった。

  • オリエントコーポレーション…第4位株主、持株数=28,319,500株、持株比率=1.52%、当時終値換算=約57.2億円
  • 日本アセットマーケティング…第3位株主、持株数=5,205,600株、持株比率=1.88%、当時終値換算=約5.6億円
  • ファルテック…第4位株主、持株数=211,500株、持株比率=2.28%、当時終値換算=約2.9億円
  • アプラスフィナンシャル…第3位株主、持株数=2,360,100株、持株比率=0.14%、当時終値換算=約2.6億円

2016年(平成28年)3月31日の時点で、以下の企業の大株主となっていたことが、四季報などから明らかになった。

  • オリエントコーポレーション…第4位株主、持株数=19,750,000株、持株比率=1.1%、当時終値換算=約44.2億円
  • 日本アセットマーケティング…第3位株主、持株数=6,595,800株、持株比率=2.3%、当時終値換算=約7.8億円
  • ファルテック…第4位株主、持株数=211,500株、持株比率=2.2%、当時終値換算=約2.9億円
  • アプラスフィナンシャル…第2位株主、持株数=2,493,600株、持株比率=0.1%、当時終値換算=約2.5億円
  • 一蔵…第2位株主、持株数=250,000株、持株比率=4.5%、当時終値換算=約2.3億円

関連メディア[編集]

ワイルドライフ
漫画『ワイルドライフ』(単行本第19巻)では、株取引のプロとしてB・N・Fという名前で登場している。『ワイルドライフ』自体は獣医を描いた漫画であるが、作者の興味から取材を行い、作中にて登場させている。
星ひとつの夜
2007年(平成19年)5月25日に放送されたフジテレビ渡辺謙主演のスペシャルドラマ『星ひとつの夜』に26歳のデイトレーダー玉木宏)がメインキャストとして登場しているが、B・N・Fがジェイコム騒動で有名になった年齢が27歳とほぼ同年代、都内の高級マンションに一人暮らし、「株を止めたくても止められない」との発言、あまり社交的に振舞わないスタンス、大学在学中にアルバイト資金で株を始めたこと等など、人物設定にB・N・Fとの共通点が多い。
脚本の山田太一は、近年注目されるようになったデイトレーダーを題材にしたドラマを作りたいと思っていた、と番宣番組で述べた。そのため、そのメインキャストのモデルはB・N・Fだったという説がある。なお、同番組の視聴率は18.4%という高視聴率を記録した。

脚注[編集]

  1. ^ ぴいぷる B・N・F 190億円の男(2/7)」『zakzak』2008年2月7日
  2. ^ a b 久米宏経済スペシャル “新ニッポン人”現わる!」 テレビ東京 2008年6月1日放送
  3. ^ 『日刊スポーツ』2008年10月28日
  4. ^ BNF氏がまた秋葉原のビルを170億円で購入『YUCASEE MEDIA』2011年7月6日
  5. ^ ラオックス、固定資産譲渡による特別利益の発生について ラオックス発表より2008年8月14日
  6. ^ 『ワールド・ルール・ブック~世界中に存在する驚きのルールの数々~』2008年5月18日放送 テレビ朝日
  7. ^ ジェイコム男「またか」と冷ややか…経産省次官が失言で」『zakzak』2008年2月8日
  8. ^ ラジオ日経 2008年12月30日
  9. ^ 日本経済新聞 2008年5月17日1面
  10. ^ 10分間で20億円を荒稼ぎ!“ジェイコム男”に直撃」『zakzak』2009年12月04日
  11. ^ 『ダイヤモンドZAi』2006年12月号、ダイヤモンド社。
  12. ^ 『ダイヤモンドZAi』2007年10月号、ダイヤモンド社。
  13. ^ ただし機械受注・雇用統計等の重要な指標・各国中央銀行の動向・為替市場・商品先物市場・アメリカを始めとする海外株式市場の動きを見ていると言われている。
  14. ^ ジェイコム男の運用術 下げ相場でのネットトレード」『asahi.com』2006年7月11日
  15. ^ ダイヤモンドZAi』2008年2月号、ダイヤモンド社
  16. ^ あのジェイコム男、現金でポン!90億ビルオーナーに」『zakzak』2008年10月29日
  17. ^ 株安なんの! ジェイコム男“190億円”儲けの極意」『zakzak』2008年1月24日
  18. ^ B・N・Fくん28才。16分で20億円稼ぐ男」『給与明細』2006年5月7日放送、テレビ東京。
  19. ^ ジェイコム男、世界同時株安でも「無傷」」日刊スポーツ 2008年1月23日
  20. ^ 久米宏 経済スペシャル 『新ニッポン人現わる2』予告」」テレビ東京 2008年12月27日放送
  21. ^ あの「ジェイコム男」がオリックス株主9位に」『zakzak』2009年6月3日
  22. ^ 第2期報告書
  23. ^ 第116回定時株主総会招集ご通知 兼松株式会社 2010年6月2日
  24. ^ 当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の一部改定および更新について 株式会社河合楽器製作所 2010年5月25日
  25. ^ 当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の更新について 川崎汽船株式会社 2012年5月22日
  26. ^ 第三者割当による新株発行(現物出資(デット・エクイティ・スワップ))、並びに主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ 原弘産発表2015年1月26日
  27. ^ 第三者割当による第 18 回~第 20 回新株予約権(行使価額修正選択権付)の発行及び新株予約権買取契約(行使許可条項付・ターゲット・イシュー・プログラム「TIP」)の締結に関するお知らせ ケイブ発表2015年7月23日

関連項目[編集]