AKAI EWIシリーズ

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EWIシリーズ(アカイ・イーウィ・シリーズ)はAKAI professionalウインドシンセサイザーの型番・商品名。ヤマハ・WXシリーズと並んで、ウインドシンセサイザーの代名詞的に用いられていた。

ナイル・スタイナーが製作したスタイナーホーン(トランペットタイプのウィンドシンセサイザーで、EVI1000の原型)であり、独特のコントロール体系を持っていたために人気を博した。その優れた表現力に木管楽器奏者が注目、木管楽器タイプのコントローラーの製作をスタイナーに依頼し、完成させたものがEWI1000の原型である。当初は完全ハンドメイドであったが人気が出たために生産が追いつかなくなり、AKAIがライセンスを買い取り、EWI1000として製品化した。

マイケル・ブレッカー伊東たけしも開発に携わった。T-SQUAREの歴代サクソフォーン奏者(伊東たけし、本田雅人宮崎隆睦)が使用していることで知られている。

概要[編集]

専用のアナログシンセサイザー音源ユニット(EWI3030m/EWI5000はPCM音源)を木管楽器とほぼ同じ奏法で演奏出来るウインドシンセサイザーである。 マウスピース内部の感圧センサーで息、マウスピースを噛む力を測定し、コントロール信号として出力。 音階を操作するキーにメカニカルスイッチではなくタッチセンサーを使用していることも特徴の一つ。

音源ユニットを介して外部MIDI音源を演奏できる。現行機種のEWI4000sとEWI5000はコントローラーに音源を内蔵しており、外部音源ユニットが無くてもが演奏が可能である。EWI3020以前のモデルはコントローラーから専用線を使用し専用音源ユニットを操作し演奏するが、直接MIDI機器を操作することは出来ない。

4000S・USB・5000の3機種はEWI運指の他に、サックス・フルート・オーボエと木管楽器に準じた運指が選択できる他、EVIの運指も選択できるようになっている。

モデル一覧[編集]

EWI1000/EWV2000
1987年発売。キーの付いた金属製の細長い直方体の箱に吹き口を取って付けたようなデザインで、息が抜けなかった。
音源のEWV2000はラックマウントタイプのアナログシンセサイザーで、トランペット型のEVI(イーヴィ)でも使用された。
EWI3000/EWI3000m
1990年発売。スマートなデザインとなり、ポルタメントスイッチがアースプレートの隣からオクターブローラーの隣に移動した。また、本体の底面から息が抜けるように改良された。
音源であるEWI3000mは完全2系統のアナログシンセサイザー。EWV1000とは違い、平置き型の形態を採る。
X355i
ヘッドセットタイプのブレスセンサー。EWIシリーズの音源に接続し、MIDIキーボードなどで音程を指定しつつ、管楽器のようなニュアンスを演奏に付与できる。
EWI3020/EWI3020m/EWI3030m
1994年発売。コントローラーはEWI3000と形態は変わらないが、色が違い、またケーブルクランプ部分がケーブルへのストレスを与えにくく改良されている。EWI3020mがアナログ音源、EWI3030mがPCM音源。形態はラックマウントタイプに戻された。
EWI4000s
2006年発売。EWIシリーズ初の乾電池駆動・音源内蔵モデル。アースプレートがポルタメントスイッチの反対側にも追加された。音色調整以外のコントロール部分は本体に集約されている。またMIDI OUT端子に外部音源を接続することでコントローラー本体から直接MIDI機器を操作出来る。
内蔵された音源は従来のアナログシンセサイザーではなく、DSPによるアナログモデリング音源。プリセットとしてあらかじめ100音色(実際には80音色)が内蔵されているが、付属のエディタソフトを使ってPC上にて音色を作成し、保存することが可能となっている。音源を搭載した事でLINE OUT端子にスピーカーを繋くだけで演奏が可能だが、市販のワイヤレスシステムを用いればケーブルレス化も出来る。
発売発表を前後して発生した出来事のため、同じEWI4000sでもファーストロット・セカンドロットでは外観が一部変更されている。ファーストロットEWI4000sは50本作成されたが販売店の総本山とも言うべき店舗がファーストロットEWI4000sをあえて取り扱わなかったため一般にはファーストロットEWI4000sの存在はあまり知られていない。ファーストロットはヘアライン仕上げ(むしろ鏡面に近い)、セカンドロット以降はサンドブラスト仕上げとなっている。生産コスト及び手入れのし易さでサンドブラスト仕上げとなったと推定される。
発売後OSのバージョンが随時更新され改良が進んでいる。現在はVer2.40。
2013年、外装を白に変更したEWI4000swが発売された。
2018年、EWI4000swの音源に新規音源を追加した「EWI4000s 追加音源版」が発売された。追加音源は旧4000ユーザーの為に音源データとプリセットリストが公式サイトでもダウンロードが可能。これに伴い、EWI4000swは販売終了となった。
EWI USB
2008年発売。USBケーブルでパソコンに繋いで使用するウィンド・コントローラー。EWI4000sのように音源は内蔵されていない。製品にはGarritan社製サウンドプレイヤー「ARIA(アリア)」が付属。従来の運指(EWI/クラリネット準拠、トランペット準拠、サックス準拠)の他に、オーボエフルート準拠の運指モードを選択し演奏可能(ARIAからモード切替)。従来のEWIにはあったポルタメントスイッチは省かれている(ARIAからの設定により、他のスイッチにポルタメント機能を割り当てることが可能であり、ポルタメントの機能が省かれているわけではない)。
また、従来は8オクターブの音域を操作できたのに対し、このモデルでは5オクターブの音域までと、操作できる音域が狭くなっている。価格は歴代EWIの中で最も安価。
ボディはEWI4000sとほぼ同じ形状である(ただしサイズは小さくなっている)。
USB接続ということで誤解されがちだが、実質はUSBで規定されているMIDIデバイスクラスを用いたMIDIコントローラーで、本体の設定以外はARIAがなくても使用可能。
EWI5000
2014年7月29日発売。EWIシリーズ初のワイヤレスモデル。EWI4000sとは異なり、サックス・フルート・トランペットなどの生楽器や電子楽器をサンプリングしたPCM音源を搭載し、さらにEWI USBと同じ機能を有したUSB-MIDIコントローラーでもある。サンプリング音源はマルチサンプリング(楽器の特性で音色や息のノイズの入り方が変化する部分でそれぞれサンプリングを行う)とすることで生楽器に近い表現を可能にしている。またアナログモデリング音源もサンプリングしているため、4000シリーズには及ばないが「シンセらしさ」も残されている。
タッチセンサーのキャリブレーションがオートチューニングとなったり、背面上部のつまみでフィルタのカットオフやレゾナンス、エフェクト(リバーブ/コーラス)の調整も行えるようになった。
外観デザインに大きな変更はなく、EWI4000sのマウスピース・キャップはそのまま使用可。
大きなポイントとしては、
  • リチウムイオン電池を内蔵(交換可能)し、最大約6時間の演奏が可能。充電はUSB経由(付属のACアダプタを使用)で行う。電池交換の煩雑さは無くなったものの、電池の性質上長期間充電しないままだと過放電状態となり再充電が出来なくなる(その場合の背面デジタル表示は「88」)最悪のケースではEWI本体のメーカー修理となるので注意が必要。
  • 電源スイッチはプッシュスイッチ(モーメンタリ)となり、1秒間押下すると電源ON、長押しで電源OFFとなる。これに伴い、オートパワーオフ機能が装備された。初期は約10分間無操作でシャットダウンされる仕様だったが、ファームウェアアップデートによりシャットダウン時間をOFF・10分・20分・30分から選択可能になった。
  • USB(B)端子が装備され(従来のMIDI-INコネクタは廃止)、USB-MIDIとしてコンピュータへ接続することが可能で、この場合エディター(Win/Mac用、別途EWIの公式サイトからダウンロード要)がDAWソフトやコンピュータに接続した外部シンセモジュールの仲介役となる(エディターがEWIのMIDI信号やセンサー類の管理・調整を兼任している為)。またMIDI-OUT端子は残されており、機能は限定されるが外部MIDI音源ユニットのコントロールが可能となっている。さらに音源やDAWアプリをインストールしたスマートフォンやタブレット等に接続しUSBデバイス化することで端末をベースにした演奏や音楽編集が可能となっている。
  • ワイヤレストランスミッターを内蔵(本体背面のスイッチでON/OFF切り替え可)、付属のレシーバーでオーディオ出力(ステレオ)をワイヤレスで送信することが可能。またワイヤレスレシーバーは、USB-Audio機能も持っており、PCへ接続した際にオーディオインターフェース(16Bit/44.1kHz/2ch)としても機能する(USB-MIDIは非対応)。ワイヤレス機能を搭載した事により技適機器となった為、資格を持たない者が本体を分解すると違法送信局となる。
  • 音色のエディットはエディターを用いて行う。プリセット100音色をベースにエディットしたものを、本体側のUSERバンクへ100種類保存可能。(本体側では、背面つまみで設定した値をUSERバンクへ保存可能)

外部リンク[編集]

株式会社ニュマークジャパンコーポレーションのEWIページ

関連項目[編集]