穎果

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穎果(えいか)はイネ科植物に見られる果実痩果の一種であり乾燥した果皮種子に密着し、多くは両者が一体化する。この外側をさらに外穎と内穎、さらに種によっては苞穎が変化した籾殻がつつむ。

穎果を穀物として食べる場合、種子の外側にあるこれらの構造がとてもじゃまになる。しかし、これを一つ一つ剥がすには、粒が小さすぎ、数が多すぎる。特に籾殻はつぶしても食えない。したがって、穀物を主食とするには、これらをまとめて一気に剥がす仕組みが必要になり、世界各国でそれぞれの技法が発達した。

多くの穀物では籾摺り脱穀)と精白が行われるが、これはそれぞれ籾殻の除去と、一体化した果皮と種皮の除去を目的とするものである。おおよそは広げて乾かし、棒でたたいたり臼でつく、さらに風に通して籾殻を飛ばすなどの操作を行う。

ムギでは胚乳がもろいので、果皮や種皮をはがすのではなく、胚乳を粉砕して粉にし、疎粒のまま残る果皮や種皮をふるいわけ粉として用いる。または、挽割(ひきわり)麦(切断麦;黒条(中央の線)を縦に半分に切り、水と熱を加えて2つのローラーで押す、米粒麦;黒条から縦に半分に切り、米粒状に剥く)にするか、搗精(とうせい)して胚乳だけの粒(丸麦)とし,これを加熱,加湿,圧扁して押麦にする。