シメジ
シメジ、シメジダケ(占地、湿地、占地茸、湿地茸、王茸)は、食用キノコの名前。分類学的には定義が曖昧である。
種類
概要
- シメジと言えば本来キシメジ科のキノコ、とりわけキシメジ科シメジ属のホンシメジを指す。場合によっては、漠然と他のキシメジ科のキノコ(シメジ属のハタケシメジやシャカシメジ(センボンシメジ)、シロタモギタケ属のブナシメジなど)も含めた総称とされることもある。ホンシメジは、生きた木の外生菌根菌であるために栽培が非常に困難であり、ほぼ天然物に限られ稀少なため高級品とされる。ほとんど流通していない。
- かつて「ホンシメジ」の名で流通していたキノコは、キシメジ科シロタモギタケ属のブナシメジの栽培品である(詳細はブナシメジ#名称の混乱を参照)。
- かつて「シメジ」(あるいは「ツクリシメジ」「味シメジ」「信州しめじ」など)の名で流通していたキノコはヒラタケ科ヒラタケ属のヒラタケの栽培品であり、上記のような本来的な意味でのシメジとは全く別のものである。
ホンシメジ
日本には食用キノコを評して「香りマツタケ、味シメジ」という有名な句がある[1]。ここで言うシメジとは上記1.のホンシメジのことである。ホンシメジは、生きた木の外生菌根菌であるために栽培が非常に困難であり、ほぼ天然物に限られ稀少なため高級品とされる。句に言う通り、ホンシメジはグアニル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸などのうま味成分に富む[2]。
なお、食味に違いが少ないことから、同じシメジ属のハタケシメジ、シャカシメジ(センボンシメジ)などと一括して「ホンシメジ」として扱うことがある。ちなみに、シャカシメジのほうがよりホンシメジに近い。
2000年代に入りタカラバイオ[3]やヤマサ醤油[4]などいくつかのグループから栽培法が報告され、雪国まいたけ[5]やヤマサ醤油[6]から販売されている。ただし栽培品は天然物とは風味が異なる(詳細はホンシメジ#人工栽培も参照)。
ブナシメジと比較した場合、キノコの主なうまみ成分であるグルタミン酸やグアニル酸や糖質のトレハロースの含有量に差があり、それが味の差という説が紹介されたこともある(日本テレビ『所さんの目がテン!』第758回)。
栽培ブナシメジ
上記2.のブナシメジの栽培品。普通に流通しており、食用とする。かつては「ホンシメジ」の名で流通していた。
栽培ヒラタケ
上記3.のヒラタケの栽培品。日本全国で普通に流通しており、食用とする。ただし近年は、栽培品のヒラタケは以前のような細かい株立ち状にせず、大柄で自然の状態に近い形状に育て、標準和名どおり「ヒラタケ」として販売しているものが多くなっている。「シメジ」と言った場合にヒラタケを指すことは少ない。
その他「シメジ」を名称に用いているキノコ
先に挙げたもの以外で、「シメジ」を名称に用いているキノコとしては、ウラベニホテイシメジ、キシメジ、コムラサキシメジ、サクラシメジ、シモフリシメジ、ハエトリシメジ、ハタケシメジ、ハルシメジ、ムラサキシメジなどの多くの食用キノコがあるが、イッポンシメジ、カキシメジ、ネズミシメジなど毒キノコにも一部「シメジ」の名のつくものがある。
参考画像
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群生するシャカシメジ。傘の直径は10mm程度
脚注
- ^ 【彩時季】シメジ 人工栽培で出荷も安定『日本経済新聞』夕刊2018年9月15日(社会・スポーツ面)2019年2月12日閲覧。
- ^ Hyoeiオリジナルコラム(なでしこ通信) 日本人はキノコが大好き, 兵庫栄養調理製菓専門学校.
- ^ METHOD FOR ARTIFICIALLY CULTURING LYOPHYLLUM SHIMEJI, TAKARA AGURI KK, JP2001120059. ARTIFICIAL CULTIVATION METHOD OF LYOPHYLLUM SHIMEJI, TAKARA BIO INC, JP2007143565.
- ^ NEW STRAIN OF LYOPHYLLUM SHIMEJI AND USE OF THE SAME, YAMASA SHOYU KK, JP2006271234. METHOD FOR ARTIFICIALLY CULTURING LYOPHYLLUM SHIMEJI AND CULTURE MEDIUM, Yamasa Shoyu KK, JP2007054044.
- ^ 雪国本しめじ, 雪国まいたけ.
- ^ ヤマサほんしめじ, ヤマサ醤油.
参考文献
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外部リンク
- ハタケシメジ - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)