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アルカディア

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現在のアルカディア地方の風景
古代ペロポネソス半島の地域

アルカディア古代ギリシア語: Ἀρκαδία[1])は、ギリシャペロポネソス半島中央部にある古代の地域名で、後世に牧人の楽園として伝承され、理想郷の代名詞となった名称はギリシア神話に登場するアルカス(アルカディア人の祖)に由来する。アルカジア、英語風にアルケイディアアーカディアアーケイディア等と表記される場合もある。ラテン文字による翻字には「Arcadia」と「Arkadia」の2種がある(詳細については後述)。

実在のアルカディア地方は、現在のアルカディア県にあたる。

実在の地名

実在のアルカディアはペロポネソス半島中央部に位置する古代アルカディア人の住地で、マンティネイアテゲアなどのポリスがあった。前4世紀にはアルカディア同盟が成立し、中心地としてメガロポリスが建設された。農耕に適さない貧しい山岳地帯で、牧畜を主としていたが、後世、牧人の楽園との伝承が生まれた。

現代の行政区画ではアルカディア県がその名を受け継いでいる。アルカディア県は、古代のアルカディア地方に加え、エーゲ海沿岸のキヌリア地方を含んでいる。アルカディア県の県都はトリポリである。

理想郷

理想郷としてのアルカディアのイメージ。トマス・コールの連作絵画「帝国の推移」より「牧歌的な状態」The Arcadian or Pastoral State(1836年)
ニコラ・プッサンの「アルカディアの牧人たち」(1637年-1638年)
コンスタンチン・マコフスキーHappy Arcadia
アルカディアの羊飼い、画家チェザーレ・サッカギの作品
アルカディアの羊飼い、画家チェザーレ・サッカギの作品- Pastore di Arcadia、トルトナのCesareSaccaggiによる新古典主義の作品。

ユートピア・理想郷・牧歌的な楽園・理想的田園の代名詞的な意味は、楽園伝承から生じた。

ラテン語の名言である「Et in Arcadia ego」とは、「私(死神)はアルカディアにおいてでさえも、存在している」という意味であり、生のはかなさと死の不可避性を説いたメメント・モリの一例である。

美術

綴り

ギリシアの地名は元来「Αρκαδία」である。ギリシア語の「κ」をローマ字転写するとき、「k」と「c」が混在することとなった。現在、多くの言語ではどちらの表記も用いられている。

派生語

  • 「アルカディアの」を意味する英語「Arcadian」は、形容詞としては「牧歌的な」「純朴な」、名詞としては「アルカディア語」「アルカディア住民」を意味する。
  • カナダの地名アカディアはアルカディアが語源と言われる(現地語説もある)。

脚注

  1. ^ 古代ギリシア語ラテン翻字: Arkadia

関連項目