コンテンツにスキップ

井上乃武

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。セディ (会話 | 投稿記録) による 2022年6月3日 (金) 10:29個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (雑誌掲載)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

井上 乃武(いのうえ のぶ、1969年 - )は、日本の児童文学研究者児童文学ライトノベルを専門とする文芸評論家宮城県生まれ[1]

経歴・人物

1999年から日本児童文学者協会の有志が運営する「児童文学評論研究会」で活動を始める[1]。2002年、大学院に入学し本格的に学究を開始。2007年5月には、「ファンタジー児童文学の可能性に関する考察――小沢正岡田淳論」で第3回日本児童文学者協会評論新人賞佳作となる[1]。2009年、「戦後日本児童文学における「テクスト内ファンタジー」の問題」で東京都立大学より博士(文学)の学位を授与される。首都大学東京非常勤講師を経て[2]、現在、東京都立産業技術高等専門学校非常勤講師[3]千葉大学文学部でも非常勤講師として教鞭をとる[4]

論文・評論リスト

単行本

共著
  • 「ライトノベルと児童文学の「あいだ」」 (『ライトノベル研究序説』一柳廣孝、久米依子/編著、青弓社、2009年4月)収録
  • 「「語り」の問題性とその向こう側にあるもの――天沢退二郎における二元論の問題」(『ナイトメア叢書 7 (闇のファンタジー)』一柳廣孝、吉田司雄/編著、青弓社、2010年8月)収録
  • 「「物語」の誕生――上遠野浩平ブギーポップ』シリーズにおける「幻想」の問題」(『ライトノベル・スタディーズ』一柳廣孝、久米依子/編著、青弓社、2013年10月)収録

学位論文

  • 「戦後日本児童文学における「テクスト内ファンタジー」の問題」(博士論文、東京都立大学 (1949-2011)甲種1090号、2009年3月25日学位授与)

雑誌掲載

学術論文
  • 「ファンタジーは現実の道具じゃない――天澤退二郎『光車よ、まわれ!』論」(『論樹』16号(論樹の会/編、2002年12月))掲載
  • 「「加工」されるファンタジー――上橋菜穂子「守り人」シリーズにおける作品内ファンタジー世界の問題」(『論樹』17号(論樹の会/編、2003年12月))掲載
  • 「架空児童文学論のための断章――那須正幹『屋根裏の遠い旅』論」(『論樹』18号(論樹の会/編、2004年12月))掲載
  • 「「物語批判」もしくは「主体の変容」論への序章――岡田淳『はじまりの樹の神話』の問題――」(『論樹』19号(論樹の会/編、2005年12月))掲載
  • 「テクスト内存在によるテクスト創造は可能か?――岡田淳『扉のむこうの物語』における「物語批判」の問題」(『日本近代文学』第76集(『日本近代文学会』編集委員会/編、2007年5月))掲載
  • 「理論は差異を語りうるか――東浩紀『ゲーム的リアリズム」と『選ばれなかった冒険』『十二国記』」(『コンテンツ文化史研究』4号(コンテンツ文化史学会/編、2010年10月))掲載
  • 「物語を「読む」ということ――荻原規子作品における物語受容の問題」(『ライトノベル・フロントライン』第2号(大橋崇行、山中智省/編著)、2016年5月)掲載
  • 「那須正幹・「物語」と「作家性」についての覚え書」(『論樹』31号(論樹の会/編、2022年3月))掲載
評論
  • 「児童文学から〈未来〉へ ① 「できること」と「できないこと」の境界」 (『日本児童文学』第65巻第1号(2019年1・2月号)(日本児童文学者協会/編)掲載)
  • 「児童文学から〈未来〉へ ② 『千と千尋の神隠し』もしくはファンタジーの問題」 (『日本児童文学』第65巻第2号(2019年3・4月号)(日本児童文学者協会/編)掲載)
  • 「児童文学から〈未来〉へ ③ 『銀河鉄道の夜』と物語読解の「ルール」」 (『日本児童文学』第65巻第3号(2019年5・6月号)(日本児童文学者協会/編)掲載)
  • 「児童文学から〈未来〉へ ④ 「涼宮ハルヒ」の可能性と限界」 (『日本児童文学』第65巻第4号(2019年7・8月号)(日本児童文学者協会/編)掲載)
  • 「児童文学から〈未来〉へ ⑤ 岡田淳とファンタジーの可能性」 (『日本児童文学』第65巻第5号(2019年9・10月号)(日本児童文学者協会/編)掲載)
  • 「児童文学から〈未来〉へ ⑥ 広がっていく「物語」もしくは「読解」の個別性について」 (『日本児童文学』第65巻第6号(2019年11・12月号)(日本児童文学者協会/編)掲載)
コラム、時評など
  • 現代児童文学 Contemporary children's literature (『昭和文学研究』59号(昭和文学会編集委員会/編、2009年9月))掲載
  • 創作時評 「つながり」を描く〈笹生陽子『家元探偵マスノ君――県立桜花高校 ぼっち部』、濱野京子『竜の木の約束』ほか〉(『日本児童文学』第57巻第2号(2011年3・4月号)(日本児童文学者協会/編)掲載
  • 同人誌評 (坂本京子・土山優との共著、『日本児童文学』第62巻2号(2016年3・4月号)、同巻4号(2016年7・8月号)、同巻6号(2016年11月・12月号))掲載
その他
  • 如月かずさインタビュー」(聞き手):大島丈志犬亦保明と - 『ライトノベル・フロントライン2』(大橋崇行・山中智省編、青弓社、2016年5月) 掲載

脚注

  1. ^ a b c 『日本児童文学』2007年5・6月号(日本児童文学者協会機関誌)、89頁より。
  2. ^ 『闇のファンタジー』(青弓社、2010年8月)著者紹介より。
  3. ^ 『ライトノベル・フロントライン』第2号(2016年5月)著者紹介より。
  4. ^ 千葉大学 『2013年度 文学部履修案内』 、62頁。