十二国記

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十二国記
ジャンル ハイ・ファンタジー
小説
著者 小野不由美
出版社 講談社新潮社
刊行期間 1991年9月25日 - 継続中
アニメ
原作 小野不由美
監督 小林常夫
脚本 會川昇(第1話 - 第40話)
藤間晴夜(第41話 - 第45話)
※2名共に「脚色」名義
キャラクターデザイン 田中比呂人楠本祐子
音楽 梁邦彦
アニメーション制作 ぴえろ
製作 NHK
放送局 NHK
放送期間 2002年4月9日 - 2003年8月30日
話数 全45話
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベルアニメ
ポータル 文学アニメ

十二国記』(じゅうにこくき)は、小野不由美小説シリーズ。中国風異世界を舞台にしたファンタジー小説である[1]。完結しておらず、シリーズは継続している。アニメやドラマCDなどのメディア展開も行っている。

概要[編集]

十二国記は、神仙や妖魔の存在する中国風の異世界を舞台にしたファンタジー小説シリーズである。この異世界には十二の国が存在し、各国は王政国家である。麒麟が天の意思を受けて王を選び、王は不老の存在となり天の定めた決まりに従って統治を行う。このような世界観は、予言によって政治社会などを予測した古代中国の讖緯(しんい)思想をベースにしており、人外の存在たちは山海経(せんがいきょう)が参考にされている[2]。地球と十二国の世界は隣り合っており、天災「蝕」によって地球人が十二国の世界に流されることもあれば(海客)、十二国の世界に生まれるはずの人間が生前に流されて地球に生まれることもある(胎果)。シリーズでは、本来あるべきでない場所に生まれた胎果や故国から引き離された海客、十二国の世界の人々の冒険や苦難が描かれるが、十二国すべてが舞台となるわけでない。政治を行う王、理想や野望を抱く官吏、市井の民などの多様な立場の人々が、過酷な運命のもとで必死に生きる姿を描いた骨太の物語である[2]。新潮社の担当編集者は「全編に貫かれているのは、生きることの難しさと如何に対峙していくかであると思います。」と述べている[2]

最初に執筆された『魔性の子』(1991年)はホラー小説で、舞台は現代日本だった。小野が新潮社で『魔性の子』を書いたときに、背景となる想定世界として十二国世界が構築され、地図や年表、図表なども作っていた。講談社の編集者からファンタジーを書くことを提案された時に、このことを話したところ、書くように勧められた。シリーズ1作目の『月の影 影の海』(1992年)から、少女小説レーベルの講談社X文庫ホワイトハートでファンタジーとして発表された。表紙と挿絵は山田章博で、人物や人外の存在が美しく迫力をもって描かれている[2]。小野は元々ファンタジーを読む方ではなく、ファンタジー作品を注文されてから 、C.S.ルイスナルニア国物語』やロジャー・ゼラズニイの『アンバーの九王子』を読み、自分なりのファンタジーの理想形ができていった[3]。小野は、十二国記のような物語は、ファンタジーというより神話や歴史絵巻の様なものだと考えているという[3]。本シリーズは少女小説としては珍しく、理想の政治を考えるというような、中国歴史小説ものに近い受け止められ方もあるようである[1][4]。とはいえ、十二国間では天が定めたルールにより侵略が許されないため(これを破ると王は死ぬ)、商業面以外の外交は必要なく、現実の政治とはかけ離れている[1]

元々小野は講談社X文庫ティーンズハートという少女小説レーベルで少女小説を書いており、読者の少女たちにファンレターで悩みを打ち明けられることがあった[3]。小野は、しいて言えばこの読者たちが陽子の原型であり、『月の影 影の海』は読者への返信の代わりであると述べている[3]。『月の影 影の海』は、少女向けとしてはあまりに重すぎるということで一度は没になり、紆余曲折があって出版された[3]。無理やり異世界に連れてこられた少女が、苦難に満ちた冒険の末に自分の居場所を見出すというこの物語は、「自己を探求し、真に帰属すべき場所を見出す」というファンタジーにおける大きなテーマが描かれており[1]、重すぎる、難しすぎるのではという出版社の一部の懸念に反して読者の少女たちの反応は好評だった[3][5]。人気により同一世界を舞台とする作品が増え、徐々に綿密な世界観が明らかにされていき、シリーズになった。主役は各話によって異なっており、地球の女子高生であったが十二国記の世界に連れ去られ慶国の王となった陽子、陽子と同時代の地球に生まれたが戴国の麒麟であった泰麒(蒿里)、戦国時代の武家の跡取りであったが延国の王となった尚隆、室町時代の貧民の子どもで延国の麒麟であった延麒(六太)など、胎果のキャラクターを中心にストーリーは展開する。シリーズの刊行は時系列ではなく、『ナルニア国物語』のように時代が前後しながら、様々な場所を舞台に物語が進んでいく。おもしろい物語と魅力的なキャラクターを持つこのシリーズは、普段ティーンズ向け作品を読まない層までファンを拡大させていった[1][4]。1996年には週刊誌の書評コーナーで評論家の北上次郎が『図南の翼』を絶賛し、2000年には雑誌『幻想文学』で評論家の石堂藍が紹介するなど、注目を集めた[5][4]

文庫本の売り上げは、2012年8月時点でシリーズ累計780万部を突破[2]。また、2002年NHKテレビアニメ化されている。

2001年7月以降シリーズ新作は久しく発表されていなかったが、『yom yom vol.6』(2008年2月27日発売)にて、約6年半ぶりとなる新作短編、十二国記シリーズ番外編「丕緒(ひしょ)の鳥」が掲載された。最新作は同誌vol.12(2009年9月27日発売)に掲載された、柳国を舞台とした短編「落照の獄」である。2012年9月時点で本編としては、あと長編1作で完結する予定である。[6]

出版社・レーベル[編集]

当初講談社X文庫ホワイトハート[7]から発刊されたが、読者層が成人層へ拡大し、2000年から一般向けの講談社文庫からイラストなしで刊行された。少女小説が一般の文庫に引き入れられた例はそれまでになく、少女小説の世界で同シリーズは非常に破格の作品であった[4]

2012年4月に講談社から新潮社に移籍し、一般向けの新潮文庫から完全版が刊行される運びとなった。同年7月以降、既刊の新装版、新作を含む短編集、新作長編が順次刊行された。これまで別作品という形だった『魔性の子』が、Episode-0巻としてシリーズの中に統合された。完全版の表紙・挿絵はホワイトハート版と同じ山田章博。詳細は#シリーズ全体の構成を参照。

近年の執筆状況[編集]

  • 小野不由美は現在も同人活動をしていて、短編『書簡』、『函丈』、『帰山』は同人誌に発表された。
  • 2012年8月に著者インタビューで「本編はあと1作、外伝はその後希望があれば書いていきたい」[6]
  • 2014年12月「十二国記」新作の原稿は1000枚を超え、執筆はまだ続いている[8]
  • 2015年12月「十二国記」新作は、とても長い物語になる予定で2016年中の完成を目指している、と執筆の進行具合が掲載される[9]

シリーズ名[編集]

このシリーズは、現在では公式に「十二国記」と呼ばれて、表紙・カバーなどにも明記されている。しかし、当初このような表記はされず正式な名称は無かった。読者はシリーズ初期から「十二国」または「十二国記」と呼んでおり、著者自身も知るところであった。著者は編集者との打ち合わせなどで、シリーズを「十二国」と呼んでいたが、この呼び名は「あくまで便宜上のもの」であるとし、シリーズには名前がないことを明言していた。その理由は著者により「この作品ではこの世界の十二の国全部が描かれているわけではないし、今後も十二国全てを描く予定は無いので十二国記と呼ぶのはある意味嘘になるから。」であると説明されていた[10]。正式に「十二国記」と呼ばれる以前は、「12の国の物語」と記載されることもあった。

「十二国記」という名称が初めて正式に用いられたのは、1994年9月に出版された『風の万里 黎明の空(下)』の後書きにおいてである。著者は一貫して「名称はない」としていたものの、方針が変更された理由は編集部から要望があったためとのことであると明かしている[11]。以降は重版されたものも含めて表紙や帯などに「十二国記」と表記されるようになった。

また、1997年6月17日にCDブック『東の海神 西の滄海』がリリースされたときには、付属のブックレットに収録された書下し小説『漂舶』に「十二国記外伝」と明記された。

内容[編集]

世界観[編集]

十二国世界略地図

不老の神仙が存在し、妖魔の跋扈する世界。十二の国があり、文化、政治形態は古代中国(特に周王朝[要出典])に類似している。しかし世襲制ではなく、神獣の麒麟が天意に従って選んだ王により統治されており、麒麟が王を補佐する。麒麟は慈悲深く、血や死の汚れを嫌い、汚れによって病む。王の資質のある人間が選ばれると言われているが、それぞれの王によって国の繁栄の度合いは異なる。王は諸侯を封じ、政治を行う。王や一部の高位の官は神仙として不老を与えられ(特殊な武器で殺すことは可能)、王は死ぬまで統治をおこなう。王の治世は、数年で終わる場合もあれば、数百年にも及ぶこともある。

政治には天が定めた守るべき明確なルールがあり、王がそれを破り道を誤ると麒麟が病み、そのまま改めなければ麒麟は死ぬ。王を王たらしめた麒麟が死ぬと、王も死ぬ。または、麒麟が死ぬ前に、王が天に願って禅譲する(死を選ぶ)こともできる。反乱によって討たれることもある。王が死ぬと麒麟が新たな王を選ぶ。麒麟が死ぬと世界の中心にある山に麒麟の実がなり、新たな麒麟が生まれ王を選ぶシステムとなっている。王は必ずその国の人間である。王の在位中は妖魔の活動は抑えられ気候も安定し、王がいなければ国は乱れる。このようなルール・システムは天が定めたものである。

生き物は特別な木から生まれるため、女性は出産せず、現実の男女観・ジェンダーとは異なっている。性欲やセックス自体はこの世界にもある。同国人同士でなければ子供を授かることはできず、子育てとは天に徳を示す行為と考えられている。子どもは親から生まれるわけではないので、外見が似ることもない。半分人間半分獣である半獣と呼ばれる人々がおり、国によっては差別を受けている。異なる世界(現実世界)から流されてきた人々は海客と呼ばれ、こちらも国によっては差別される。異世界であるため、独特のオリジナルの言葉が多く用いられている。

世界の中心の島があり、この島は十二国に含まれない。島の中心の山は女神・西王母の領域で、麒麟のなる木があり、碧霞玄君が治め、配下である女仙たちが幼い麒麟に仕える。この山を囲むように黄海という荒れ地がある。島と海を隔て、花弁のような形の環状の大陸があり、ここに八つの国がある。国境は天によって定められている。さらにこの大陸を虚海という海が囲み、四方に四つの島国がある。現実世界は虚海の果て・世界の影にあるとされており、「蝕」と呼ばれる現象によって繋がっている。

登場人物[編集]

シリーズ共通の主人公は存在しないが、各作品の登場人物は時代を超えてリンクし合っている。太字が主人公。

  • 『魔性の子』:広瀬(高校教師)、高里要(日本の高校生、実は戴国の麒麟・蒿里)
  • 『月の影 影の海』:中嶋陽子(日本の女子高生、のち景国の王)、景麒(景国の麒麟)、尚隆(延国の王)、六太(延国の麒麟)
  • 『風の海 迷宮の岸』:泰麒(戴国の麒麟・のち蒿里)、尚隆、六太
  • 『東の海神 西の滄海』:小松三郎尚隆(戦国時代の武家の息子、のち延国の王)、六太(延国の麒麟)
  • 『風の万里 黎明の空』:景王 陽子祥瓊(先の芳国の王の娘)、大木鈴(明治時代の生まれの海客)。尚隆、六太、珠晶(供国の王)、月渓(祥瓊の父を討った芳国の仮王)
  • 『図南の翼』:珠晶(供国の大商人の娘、のち供国の王)、利広(旅人、実は奏国の王の息子)
  • 『黄昏の岸 暁の天』:李斎(戴国の軍人)、蒿里、陽子、尚隆、六太
  • 『華胥の幽夢』
    • 『冬栄』:泰麒 蒿里
    • 『乗月』:月渓
    • 『書簡』:景王 陽子
    • 『華胥』:朱夏
    • 『帰山』:利広、尚隆
  • 『漂舶』:延王 尚隆延麒 六太
  • 『丕緒の鳥』
    • 『丕緒の鳥』:丕緒、陽子
    • 『落照の獄』:瑛庚
    • 『青条の蘭』:標仲
    • 『風信』:蓮花

あらすじ[編集]

『魔性の子』については、魔性の子を参照。

「月の影 影の海」[編集]

日本で生まれ育った普通の女子高生・中嶋陽子は寝る度に恐ろしい気配に追われ、日を追う毎にその距離が縮まっていくという異様で怖い夢を見ていた[12]。そんな陽子の前に、突如「ケイキ」と名乗る異装の男が現れる。ケイキは陽子を主と呼んで跪き、一方的に謎の盟約を迫る。突然の出来事に戸惑う陽子を異形の獣が襲撃、それを辛くも退けたケイキは、強引に陽子を月の影の向こうにある地図にない世界へと連れ去った。陽子はケイキから「決して剣と鞘を離さないように」と碧の玉が付いた鞘に収まった剣を渡され、「剣を振るえない」という陽子に自らのしもべの賓満・冗祐を憑依させ、陽子の意に反して陽子に襲い掛かる獣を体が勝手に動いて撃退するようにして、他のしもべに陽子を託して彼女を異世界に送り出した。

異形の獣の襲撃は月の影に入った後も続き、「敵の攻撃から目をつぶってはいけない」(賓満は憑依した者の目を借りて動くため)という警告を無視して目をつぶってしまったことがきっかけで陽子は、ケイキとそのしもべ達とはぐれ見知らぬ場所(巧州国、略称:巧国)にたどり着く。巧国では自分と同じように日本や中国からこの世界に流された人を徹底的に差別しており多くの場合は処刑されるため、陽子も役人に役所に護送される事になったが、その道中でまた異形の獣に襲われ、陽子は車の下敷きになった鞘から玉だけを切り外してその場を逃走する。全く事情が判らないまま縋る気持ちで現地の人間に助けを求めるも、“海客”として酷い仕打ちを受けたり、利用されそうになったりしたため、夢で見る元いた世界の幻で自分の周りにいた人達が自分の事を悪く言ったこと(実は剣が本当の事を見せていた)や青猿(その正体は陽子が無くした鞘に封じられていた妖魔。剣と鞘が離れたため封印が解けた)の讒言もあって陽子は徐々に人間不信に陥る。

人目を避けつつ、なおも襲撃を続ける異形の獣(妖魔)と戦い続ける陽子は満身創痍となり、行き倒れたところを半獣の楽俊に救われる。楽俊は陽子を介抱し、さらには海客に対する保護体制が整っている雁国(雁州国)への道案内を買って出る。道中に妖魔と遭遇しそれを退ける陽子であったが、衛士(警備兵)に見つかるという恐怖から、倒れている楽俊を見捨ててしまう。後にそれを後悔する陽子であったが、同時に「口封じに楽俊を殺す」という選択肢を選ばなかった自分に安堵する。そして、「口封じにあのネズミを殺せばよかったのに」と言った青猿を殺すと、無くした鞘が現れた。楽俊との再会はかなわず、陽子は一人で雁国を目指す旅を続けるのであった。

雁国へたどり着いた陽子を待っていたのは楽俊であった。楽俊は先に雁国に渡り、港で働きながら情報を集め、陽子を待っていたのだという。再び二人旅となった陽子たちは、雁国で暮らす海客「壁落人」を訪ね、そこで陽子が胎果(元々十二国の人間であるが、生まれる前の木に実っている時に現実世界に流され、あちらの人間の腹から生まれた人)であることを知る。その後、陽子と楽俊の何気ない会話で陽子がケイキとそのしもべのやり取りを思い出し、「台輔」(宰輔の敬称)という単語がきっかけでケイキとは慶東国(略称:慶国)の麒麟の「景麒」であり、景麒が「主」と呼ぶならば陽子は巧と雁に挟まれた国である慶国の王「景王」であると告げられる[13]。陽子が神である王だと分かり距離を置こうとする楽俊に、陽子は反発し、実際の互いの距離しか離れていないのだと告げ、楽俊はそれを受けて今まで通りの接し方をしようとする。

楽俊は延台輔宛てに、慶王保護の書状贈り、それを受けた延王は陽子らを妖魔の襲撃から助けた。延王は陽子に、麒麟と契約した時点で人としては死に、神となっていること、日本に戻れは民を見捨てることになるので、天意に反するため短期間で死に、大勢の民が犠牲になることを教え、日本に戻るのか、景王になるのかの選択を迫る。景麒が陽子を守るために付けた使令(景麒のしもべである妖魔)の冗祐は、迷う陽子に「玉座を望め。そうすれば道は開ける」と告げる。陽子は迷いの果てに、慶国の王になること、延王の助力を受けて偽王・舒栄を討つことを決意する。

「風の海 迷宮の岸」[編集]

蓬山の捨身木に戴極国の麒麟の卵果が実り、母親代わりとなる女怪が生まれ、蓬山は麒麟の誕生を待っていた。しかし、突如襲来した蝕に巻き込まれ、麒麟の卵果は流され行方不明になってしまった。

それから10年後、泰麒は延麒によって蓬莱で発見され、廉麟の助けを受け、女怪の白汕子が泰麒を連れ戻すことに成功する。普通の人間として育った泰麒は、最初こそ戸惑うものの、程なく蓬山の生活に慣れ始める。だが、身の回りの世話をする女仙から「麒麟は人ではなく獣であり、獣の姿に転変する」、「麒麟は天啓を受けて自らの主である王を選定する」と知らされ、更に麒麟の能力を使えない泰麒を思い女仙の長・玉葉が招いた景麒から「麒麟は妖魔を折伏して(屈服させて)使令(手下)にする」と知らされ、生まれたときから人間の姿で今も転変できない自分は「麒麟の出来そこない」ではないかと思い悩む。泰麒を泣かせたことで女仙から責められた景麒は、その後泰麒に麒麟の能力や役割を伝授していくが、結局この時は折伏は出来ず、自然に出来るようになる転変の仕方については教えることが出来なかった。

慕っていた景麒が慶国に戻り、泰麒は麒麟としての自覚を持てないままであったが、戴国に麒麟旗が掲げられ、王になることを望む者(昇山者)たちが泰麒に会うために続々と蓬山に集って来た。王を選ぶ天啓がどんなものか判らないまま、昇山者と対面する泰麒は、騎獣をきっかけとして承州師将軍の李斎と知り合う。また、昇山者同士の喧嘩で出会った禁軍左軍将軍の驍宗には、恐怖に似たものを感じる。その後も度々李斎の下を訪れ、驍宗とも会話を交わすようになり、彼らが蓬山を去る間際には一緒に騎獣狩りに行くほどの仲になっていた。女仙の反対を押し切って同行した狩りの最中、李斎が見つけた洞窟に入った3人は、内部に潜んでいた伝説級の妖魔・饕餮に襲われ、泰麒はひとりで対峙することとなる。傷ついた驍宗と李斎を守るという強い思いから、初めて折伏に成功し饕餮を使令に下すのであった。

そして驍宗が蓬山を去る日が訪れる。王になれなかったら禁軍を辞め黄海に入ると驍宗から聞き、蓬山に昇山出来るのは一生に一度だけ、と女仙から聞いた泰麒は驍宗に感じる感覚に戸惑いながら、離れたくないと思う感情が抑えきれずに走り出し、いつの間にか初めて人間の姿から麒麟の姿に転じていた。

驍宗を王に選定した泰麒だったが、「驍宗の傍に居たいがために、天啓が無いのに偽者の王を選んでしまった」と思い悩み後悔し続けた。天勅を受ける儀式で罰を受けると思っていたが何事も無く、それが余計に泰麒を不安にさせ、泰麒の様子を伺いに載国の王宮を訪ねた景麒に「偽者の王を選んでしまった」事を打ち明ける。その事を知った景麒と驍宗は、誼がある延王を載国に呼び、泰麒に延王に対し叩頭礼をするよう命じる。言われるまま叩頭しようとしても体が動かない事で泰麒は「麒麟は自らの主以外に叩頭できない」という事を身を以って知り、自分が驍宗に感じた恐怖感が王を示す天啓であったことを知る。

「東の海神 西の滄海」[編集]

延王・尚隆、延麒・六太は共に胎果であり、蓬莱(日本)で生まれ育った。六太は戦乱の中で親に捨てられた経緯から国を統治する者の存在を嫌い、蓬山に帰還した後も王を選べず、蓬莱へと戻ってしまう。その蓬莱で出会ったのが、滅亡に瀕した小松水軍を率いる小松三郎尚隆であった。会った瞬間に王気を感じた六太であったが、前述の理由により誓約を交わすことはなかった。しかし、尚隆の命を懸けて民を守ろうとする姿勢に自らの理想を重ね、絶体絶命の尚隆を助け、延王として十二国へと連れ帰った。

それから20年後、雁国は荒れた荒野から緑の大地へと復興を遂げていた。しかし、元州では治水の権限を王が奪ったままなのに梟王時代に破壊された漉水の堤が復旧されない事に州城の苛立ちが募り、謀反の動きがあるという情報があった。そしてある日、六太の古い親友である“駁更夜”と名乗る少年が玄英宮を訪れることから事態は進展する。妖魔の口の中に入れた赤子を見せて、この赤子の命が惜しければ言うとおりにしろ、と六太をおどした更夜は六太を元州城へと連れ去り、元州の令尹・斡由は六太に「漉水の堤」を名目として、天網で禁じられている「上帝位の新設」[14]を奏上した。権力者の存在に否定的な六太はこれを拒否し、牧伯(国から地方に派遣される監督官)の驪媚と共に額に赤索縄(一つが切れると他の綱が絞まる呪)を巻かれて神仙の力を封じられ、首に赤索縄を巻かれた赤子と共に3人で元州城の内宮の赤索縄が張り巡らされた牢に監禁されてしまう。

尚隆のもとへも同様の要求が伝えられたが彼がこれを拒否すると、成笙を元州に派遣し、道中で民を募って漉水の頑朴(元州の州都)の対岸に堤を築くよう指示する。そして尚隆本人は正体を隠して元州に行った際に元州師から勧誘を受けた事を利用して元州師に潜り込んだ。国府には宰輔の危機を聞き徴兵を希望する民衆が国内各地から押し寄せ、支援を申し出る郡や郷が沢山現れた上に、尚隆の計略もあって斡由があてにしていた諸侯諸官が宰輔誘拐という強攻策に反発して寝返るなど、事態は斡由に不利に動いていく。更に雨季が始まり、尚隆の計略により雨の中で対岸にのみ堤を築かれる(堤が無いこちら側が水攻め状態に陥る)事に危機を覚えた斡由は州師に対岸の堤を切るよう指示、州師と民の戦いとなり王師が民を守るという、「民のために堤を」を掲げる斡由にとっては皮肉な構図になってしまう。

一方、元州城の内宮では「誰が上に立っても同じ」と言う六太に対し驪媚が「宰輔が選んだ王以外のものが国権を握ってはならない」と返す問答が繰り返されていた。驪媚が、天帝の罰が及ばない仙が国権を握る事の恐ろしさを六太に説いても彼は権力者の存在自体を拒否し続けた。ある日、いつものように押し問答をしていた二人だったが、驪媚が突然、六太を逃がそうと彼の赤索縄を切ってしまう。赤索綱が切れた事を知って駆けつけた更夜は驪媚と赤子の血を被って呆然としていた六太を目撃する。更夜は再び六太の額に赤索縄を締める際に今度は角を外して締めた。その後、六太は血に酔って具合が悪い体で元州城から脱出しようとするも地下迷宮に迷い込んでしまう。六太はそこで牢に閉じ込められた先の元州候・元魁と遭遇し、斡由の過去や人となりと、斡由の目的が自分が誉められる事と権力を手に入れることだけであることを知り、斡由は民のためにならないと確信する。その後、近辺を警邏していた尚隆によって迷宮を抜け出せた六太は斡由と対峙し自分の考えを伝えるが、斡由は非を家臣の白沢や更夜へ転嫁することを試みる。しかし、大僕(王や州候の私的な護衛)としてその場に紛れ込んでいた尚隆によって全てを断罪され、怒りから斡由は尚隆に斬りかかるが、最期は六太の使令によって瀕死の重傷を負い、尚隆に介錯され絶命する。

「風の万里 黎明の空」[編集]

陽子が景王となって1年、玉座にありながら冢宰の靖共ら官吏の顔色をうかがう自らの姿に苦悩を感じていた。特に皆がいつも自分に対して平伏する事については、自分が通りかかる度に相手の仕事の手が止まる不合理さに悩み、相手の顔が見えない事に少々不信と恐怖を感じていた。そんな中、太師に謀反の疑いが掛けられ、陽子は靖共の言うがまま謀反に関わったとされる人を処罰し、監督責任を怠ったとして靖共を太宰に降格、政治の実権を握らせるべきではないとされる景麒に「自分よりこの国のことが分かっているから」と次の冢宰が決まるまでの間として実権を握らせた。そして陽子は、この世界の理も、国情も知らない自分に憤りを感じ、自ら市井に降りることを決意する。景麒の勧めにより遠甫という老人のもとで理を学ぶこととなるが、和州で暴政が行われているという噂を確かめに和州に出かけた間に里家が襲われ遠甫がさらわれた事から虎嘯らと出会い、和州の乱へと繋がっていく。

大木鈴はその100年ほど前に蓬莱から流されてきた海客である。長く才国の飛仙・梨耀から執拗な虐めを受け続けていたが、決死の覚悟で采王に申し立て自由の身となった。女性・海客でありながら王となった景王に興味を持ち慶国を目指す道中で清秀と出会い、妖魔から受けた怪我で衰弱していく彼を支え共に慶国にたどり着くが、彼は慶国和州止水郷で郷長・昇紘の馬車に轢殺されてしまう。自暴自棄となり、郷長・昇紘を庇う者の最上位にある景王を暗殺しようと才国の遣いを装い王宮に入る鈴であったが、景王不在の為その機会さえなく王宮を去る。虎嘯らと出会い宥められ、打倒昇紘の郎党に加わることとなる。

祥瓊は先の芳国の公主であったが、謀反によりその地位を失い、里家での貧しい暮らしや恭国での屈辱的な仕打ちが耐えられず出奔する。自分と同じ年頃で王宮に入った景王を妬み、逆恨みし、簒奪してやろうと慶国を目指していたが、道中で楽俊と出会ったことで考えを改めた。慶国の実情を知り、桓魋たちと出会った祥瓊は、呀峰討伐、和州の乱に身を投じることとなる。

陽子・虎嘯・鈴らは打倒昇紘を掲げ郷城へと乗り込む。郷城への突入は成功したが、呀峰は昇紘を庇うため州師を派遣する。州師相手では圧倒的に勢力の劣る虎嘯らであったが、桓魋・祥瓊らの加勢により戦況は一転する。しかし、続いて派遣されたのは王直属の禁軍であった。呀峰もまた靖共に庇われていたのである。王師(王が指揮権を持つ禁軍と首都州師の総称)を目の当たりにして動揺する人々の中にあって陽子は鈴と祥瓊の話を聞き、王としての責任を確信すると共に、王として行動する決意を固める。王の命令がない限り王師が動けない事をいい事に、陽子は景麒の背に乗り反乱軍が王の意思である事を知らしめ、王師に遠甫の救助と、呀峰と靖共を捕らえるよう勅命を出す。王宮に戻った陽子は遠甫を三公(王の相談役。政治の実権はない)の筆頭・太師に、鈴と祥瓊を自分の身の回りの世話をさせる役職に就け、桓魋を禁軍左将軍に、桓魋の上司であり、官吏に言われるがまま追放を命じた後失踪(護送中に靖共一派に襲われたところを桓魋らに救助され、身を隠していた)していた麦州候・浩瀚を冢宰に命じ、靖共派だろうが松塾(靖共らが敵視して焼き討ちした義塾。遠甫はそこの閭胥のような事をしていた。)出身だろうが関係なく個人だけをみる、と大規模な人事改革を宣言。そして初勅として平時の伏礼を廃した。

「図南の翼」[編集]

恭国には王がおらず、国は荒れていた。騎獣を狩る朱氏の頑丘は、金剛山の麓にある恭国乾の町の宿屋で一人の少女と出会う。少女の名は珠晶、恭国首都連檣の大商家の娘でわずか12歳、家から騎獣と金を持ち出して家出していたのである。無謀なまでの威勢のよさを見せる珠晶は、麒麟に会って王になるために、麒麟のいる蓬山へ昇山すると言い、そのための道案内として黄海に慣れた頑丘を雇うと提案する。

蓬山を囲む荒れ地・黄海への扉が開く日を迎え、珠晶と頑丘は黄海に入る。珠晶が旅の途中で一度出会った青年・利広とも再会し、他の昇山者と共に蓬山を目指すことになる。旅が進むにつれ、頑丘や近迫ら黄海に慣れた者たちは、この旅が都合よすぎると気づいていた。妖魔の襲撃が少なく、かつ安全に進むために効率がよく、その被害自体も少なかったからである。彼らはこの一行の中に「鵬(王となる人物)」がいると噂するようになっていた。

蓬山への道中に強大な妖魔が住み着いていることが分かり、頑丘らは森の中を迂回することを提案するが、室季和を筆頭に一部の昇山者はそのまま進むことを選ぶ。他の昇山者を見捨てるような頑丘の行動に、珠晶は怒り喧嘩別れし、季和と行動を共にすることにするが、妖魔の襲撃に恐れをなした季和や騎乗の者達は、徒歩の随従や荷物を捨て去り、一目散に逃げてしまう。季和の馬車に同乗していた珠晶は、逃げることはせず、残された随従と合流する道を選んだ。

頑丘・近迫・利広らは、命からがら逃げてきた季和らから事情を聞き、追ってくるであろう妖魔から逃れる蓬山への旅を急ぐことと、危険を冒して珠晶や残された人々を救うことの苦しい二者択一を迫られる。結局、利広が頑丘を雇って二人で珠晶の救出に向かい、残りの昇山者は妖魔から逃れるために先を急ぐことになった。一方、珠晶は取り残された人々と合流を果たし、自らを囮に協力して妖魔を倒すことを試み、成功するが、珠晶は妖魔の最期の抵抗に巻き込まれ行方不明になってしまう。その直後に頑丘らが到着、珠晶に救われた人々は彼女を慕い、必死で捜索するのであった。

一人はぐれた珠晶は何とか自力で元の場所に戻ろうとするも、迷ってしまい、挙句に妖魔と遭遇して窮地に陥る。だが珠晶を探すために留まった頑丘と利広に発見され、間一髪で救われる。しかしその際に頑丘は重傷を負い、血の匂いに妖魔が集ってくることが予想されるため、利広と珠晶に先に行くよう指示する。珠晶は頑なに拒否し、利広のみが救援を求めるためその場を離れた。乗騎の駮を犠牲にして逃げようとした頑丘・珠晶は偶然、神仙の犬狼真君に駮共々救われる。

犬狼真君と別れたところで利広と再会し、さらにそれを追うようにして30余騎の集団が突如として現れる。その中には、女仙達に混じって妖魔に跨り金の髪を靡かせる男の姿があった。麒麟が王気をたどり、王となる珠晶のもとにやって来たのである。

「黄昏の岸 暁の天」[編集]

泰王・驍宗が登極して半年が経過した。先王の時代から驍宗は優秀な部下を有しており、国府の中央は信の厚い人物で固められていた。その中、文州で乱が勃発する。もとより内乱の多い土地柄であり、驍宗ゆかりの轍囲が包囲されたため驍宗自らが出兵することになった。驍宗の身を心配する泰麒は、ただ2つの使令を驍宗のもとに差し向けるが、そこで謀反が起こったのである。待ち伏せを受けた驍宗は行方知れずとなり、泰麒も襲われて角を失い、意図せず力を使い蓬莱(日本)へ渡ってしまった。(泰麒は日本で十二国の記憶を失い、ただの人間の少年・高里要として生家に戻り暮らすようになる。この物語が『魔性の子』である。)

それから7年の月日が流れた。その間に謀反の首謀者と思われる阿選が権力を握り、驍宗の臣下は次々と排除され、李斎も罪人として追われていた。追い詰められた李斎は最後の手段として、胎果で登極したばかりの景王を唆して泰王を救出させようと、慶国への脱出を決意する。

和州の乱から1年、慶国は新王のもとで安定を取り戻しつつあった。そんなある午後、金波宮の禁門に天馬に乗った瀕死の武将が舞い降り、戴国瑞州師将軍の李斎と名乗り、景王に奏上したいことがあると申し出る。拒絶しようとする閽人の対応に業を煮やした李斎は強行突破を試み、たまたま出会った大僕の虎嘯に助けられ、景王に泰国への助力を願うことを伝えて意識を失う。

載から脱出する際に妖魔に襲われ右腕を失い、意識不明状態から回復した李斎の懇願に動かされ、陽子は雁国主従に協力を仰ぐ。どのような助力が可能かを相談すると、延王に「覿面の罪」を教えられ、その国の王の依頼なく軍が他国に入ることはできないという厳しいルール(破ると王は死ぬ)を教わり、注意を促される。そして女仙の長・碧霞玄君の助言を得て、各国の麒麟が協力して泰麒を捜索することになった。李斎は、その捜索の為に慶に来た氾王・呉藍滌から、彼が驍宗に贈った玉帯が、李斎が戴を脱出したのと同じ時期に、断ち切られ血が付いた状態で送り返されてきたと聞かされ、氾王は驍宗はまだ生きているかもしれないと李斎を励ます。泰麒捜索は麒麟達の素っ頓狂な捜索のおかげで難航したが、ついに廉麟が蓬莱で泰麒を見つけることに成功した。泰麒は記憶を失っており、人間として麒麟には本来食べられない肉類を食べていたこと、また汕子と傲濫が泰麒を守ろうとするあまり人を殺し憎しみを買っていたため、ひどく穢れ弱っていた。泰麒は天とつながる角を失っており、麒麟というより人という状態だった。人に虚海を渡ることはできないため、天網の条文の隙を付いた「他国の麒麟を戸籍に入れ、三公(高位の官吏)に任命することで一時的に神仙にする」という手段を取り、延王が虚海を渡りその場で泰麒を三公に任命し、無事に連れ戻すことに成功した。陽子は泰麒探索の過程で、天網とそれに違反した場合の罰が非常にシステマティックであることに違和感を覚え、天や十二国世界の在り方に疑問を抱く。泰麒の穢れは碧霞玄君の手には負えず、女神・西王母に助けを請う。陽子は女神と女神の属する上位世界が実在することに驚く。泰麒とその使令は清められたが、西王母はそれ以上の助力はせず、折れた角が再生されることはなかった。角が折れた泰麒は麒麟としての能力がないため、泰国は、麒麟の力で行方不明の王を探すことも、王が死んでいる場合新たな王を決めることもできず、新たな麒麟による代替わりを待つこともできず、天網により他国からの助力も期待できないという、終わりの見えない荒廃が続く絶望的な状況に陥った。

泰麒は金波宮に戻ってしばらくの後に眼を覚ますが、直後に内宰と閽人が大逆を謀る。内宰は本来景王の身辺の世話をする者の長であるが、陽子が彼を遠ざけ気心が知れた者で周囲を固めていた上に、他国の者に肩入れしたため、それに激昂しての犯行だった。延麒の使令によりことなきを得たが、自分の存在が慶国に少なからず負担となっていると悟った泰麒は、隻腕となった李斎と共に戴国へ戻ることを決意する。夜明け前にこっそり出立しようとした二人だが、陽子と延王、延麒に見透かされていた。見送りにきた延麒に餞別の旅費と陽子の裏書がある旌券(暗いので裏書の存在に二人は気づいていない)を授かり、更に載に着くまで延王の騎獣を貸し出されて出立した。

「華胥の幽夢」[編集]

冬栄
驍宗の登極間もない戴国。泰麒は帰還の際のお礼を兼ねて、使節として漣国を訪れることになる。
泰麒ら一行は、半月の行程を経て漣国重嶺へ辿り着く。後宮まで招き入れられたことに泰麒らは戸惑うが、そこに畑を見つけて今度は驚いた。聞くとその畑を管理しているのは鴨世卓、廉王であった。蓬莱から帰還して日が浅く、政治のことも分からず戴国での自分の存在に悩んでいた泰麒であったが、廉王との対話を通じて「お役目」と「お仕事」の違い、そして麒麟はそこにいることで「お役目」を果たしていると教えられる。
乗月
芳国恵州州侯の月渓は、諸侯を束ね峯王・仲韃を討った。次の峯王が立つまでの仮王として月渓を推す声は強かったが、当の月渓は頑なにそれを拒み、恵州城に戻ってしまった。
ある日、慶国から青辛と名乗る使いが、景王から恵侯宛の書状を届ける。しかし、国に宛てた書状を、一州侯に過ぎない自分が受け取るわけにはいかないとこれを拒む。仕方なく冢宰にこれを預け、次いで一通の恵侯宛の書状を差し出す。書状の差出人は慶国下官、名を孫昭、先の芳国公主であった。それを知ってもなお受け取りを拒む月渓であったが、青辛の諌言を受け、仮王となる決意を固め、書状を受け取るのであった。
書簡
陽子と楽俊、かつて共に旅をした2人は、全く違う生活を送り、鸞で現状を伝え合っていた。
陽子は楽俊に「官吏とも問題がなく」と伝えていたが、実際は問題が起こるほど意見も出来ていない状態であった。楽俊は「生徒も教師も皆よくしてくれる」と伝えていたが、実際は半獣であることから苦労が絶えない生活を強いられていた。そんな嘘は互いに理解しており、それでもなお励まし合う仲となっていた。
華胥
華胥華朶、それは才国の宝重であり、枕辺に挿して眠ることで国のあるべき姿を見せるという。
国政に迷う采王・砥尚は、この宝重を用いて国のあるべき姿を理解する。砥尚はわずか8歳の采麟にこの宝重を授け、理想の世界に近づいていく様を見せることを約束する。しかし、采麟の見る国と砥尚の作ろうとする国は近づくことは1度としてなく、ついには采麟は失道してしまう。砥尚の思い描く世界は、国として到底成立するはずのないものであった。朱夏は、華胥華朶の本来の効果が所持者の本心を所持者に見せる物であることを悟るのであった。砥尚は自らの罪を認め、「責難は成事にあらず」との遺言を残し禅譲するのであった。朱夏は自分たちが自らの過ちを認めようとせずに他者にそれを押し付けようとしていた事を悟りそれを悔いる。
帰山
柳国は現劉王による厳格な法治体制の下で、安定した治世が120年続いていた。この柳国が傾きつつあるという。
その噂に引き寄せられ、利広と風漢(尚隆)は柳国首都・芝草で30年ぶりに再会した。この2人が出会うのは、いつも傾きかけた国であるという。2人は酒を酌み交わしつつ語り合い、それぞれの国へと戻っていった。

「丕緒の鳥」[編集]

丕緒の鳥
慶国の新王即位にともない、大射の準備を命じられた羅氏の丕緒は、蕭蘭が行方不明になって以来足が遠のいていた冬官の工房へ赴き、馴染みの羅人の青江らと共に大射に使う陶鵲をどうするか悩む。百数十年、自分には断片的な噂しか聞こえてこない雲海の上の意思に翻弄され、時には親しい者を失ったことを思い出しながら、陶鵲の意匠を思案する丕緒。農村にいる取り分け目立つ鳥ではないを陶鵲に使う理由、その陶鵲を祝賀に際し射ることの意義など、長い間考えているうちに、鵲は民を意味するものではないか、と思い至った丕緒は、陶鵲の意匠に自分の思いを込めるようになっていく。蕭蘭の思いを汲み取りながら丕緒と青江は陶鵲を作り上げ、大射に臨む。大射は成功し、その夜の打ち上げの祝杯の最中、丕緒は新王に呼び出される。女王は御簾越しに丕緒の大射を「ただ美しかった」と褒め、「今度は御簾など無しに、二人で見たい」と丕緒に語った。丕緒は今回の一件で満足して官を退く気でいたが、彼女の言葉を聞いて、波を越えて矢をかわして彼女の下に飛び込む1羽の陶鵲を思い描いた。
落照の獄
柳国の秋官・瑛庚(えいこう)は、3度の前科がある上に16件・23人もの人間を無惨に殺した男・狩獺の処罰に悩んでいた。殺刑(死刑)にすべきだと言う声は遺族や市井だけに留まらず、瑛庚の妻さえも死刑を訴えていた。死刑を停止してきた劉王は近頃、政治への興味を失ってしまったかのような態度を取っており、今回の件も司法に一任すると丸投げしていた。審理に詰まった瑛庚ら司法府の3名は、直接狩獺に面会しようと牢へと赴く。
青条の蘭
先王の圧政とその後の長い空位により、国が荒れ果てていた頃、迹人の標仲と山師の包荒の故郷のある雁国の北方地域では、山毛欅(ブナ)の木が石化する奇病が蔓延しつつあった。安定した実りをもたらさず、人の食糧や木材としての用途に乏しい山毛欅だったが、硬化した木は高値で売れるため、人々は病気の危険を顧みず、これを売って利益を享受した。しかし包荒はこのままでは餌が減って獣が里を襲ったり、木が失われることで山崩れが起こるようになると警告する。そこで標仲は、包荒及び猟木師の興慶と共に、疫病の薬となる草木を探し始める。興慶のアドバイスがきっかけで薬となる草「青条」を発見し、それを殖やそうと試みるが、青条は人の手では育てるのがやっとで殖やす事は出来なかった。その時、新王が即位したという話を聞くも病気の流行が一行に収まらなかった事から標仲と包荒は王に願い出て青条の卵果を実らせてもらおうと王宮まで青条を届けようとする。しかし、荒廃した国土や官吏の横暴などの妨害により、その道のりは長く険しいものであった。
風信
慶国の女王舒覚は、国からすべての女を追い出すよう布告したが、15歳になった蓮花の街では、女たちは家に留まり続けた。ところが、あるとき軍がこの街を襲い、蓮花は両親と妹を殺されてしまう。蓮花は、生き残った女たちと共に故郷の街を後にした。雁国を目指す途中、摂養の街で王が死んだという知らせを聞いて、女たちは故郷に戻っていったが、蓮花はそこに留まることを選び、暦を作る保章氏の嘉慶の園林である槐園で下働きとして暮らすこととなった。嘉慶やその部下たちはとても浮き世離れしていたが、蓮花に優しく、蓮花もそこでの生活を楽しんでいた。ところが、あるとき偽王という噂のある新王に与する州の軍が、新王に恭順しない摂養の街を焼き討ちした。蓮花は外の凄惨な現実に何もしない嘉慶らの浮世離れして外界と交わっていないような生活を罵るが、嘉慶は自分たちは暦を作らないといけないし、それしかできることがない、と蓮花に語り返した。摂養の街が早く王に恭順したため、街は多数の被害や犠牲者が出たものの他所に比べれば比較的軽く済んだ。そして、蓮花は嘉慶の部下である候風の支僑の手伝いで燕の巣と卵の調査を行い、自分の未来を飛び立つ燕に重ね合わせた。

文庫未収録[編集]

漂舶
延王と延麒の出奔癖に頭を抱えていた帷湍、朱衡、成笙は、人事異動の際に尚隆から脅し取る形で得た地位を利用して王と宰輔の生活の締め付けを始めた。騎獣も徹底的に管理され、六太の「失道しそう」という言葉にも耳を貸さない。厳しさに耐えかねた尚隆と六太は珍しく結託して王宮を脱走する。令艮門へ行った六太は門番から、自分から更夜への伝言に自分が命じていない文言が加えられていることを知る。その文言が示す場所へ行くと、尚隆が冢墓と酒を酌み交わしていた。

シリーズ全体の構成[編集]

新潮文庫刊行の『魔性の子』以外は、全て講談社X文庫ホワイトハートおよび講談社文庫。ホワイトハート版のイラストは山田章博が担当。講談社文庫版の装丁は菊地信義(イラストなし)。元々『図南の翼』まではホワイトハート版のみで刊行されていたが、後に講談社文庫からも刊行されるようになった。『黄昏の岸 曉の天』以降は講談社文庫版が先に、続いてホワイトハート版が刊行されるようになった。

2012年7月より新潮文庫から刊行されている新装版は、表紙および本文イラストはすべて山田章博による書き下ろし。言い回しや文字遣いなどに部分的に訂正が入ったのみで、内容に大きく影響する改訂は加えられていない。

本編・番外編[編集]

本シリーズは、同一の世界設定の中で作品ごとに別の国・別の時代・別の主人公を持ち、執筆順と作品内での時間軸が前後する形でストーリーが展開されている。ホワイトハート版の後書きで、『月の影 影の海』が、「『魔性の子』の続編であり、本編である」と説明があり、同一の世界設定でホラーとファンタジーという別のジャンルの小説として書かれていた。当初は事情がそれ以上明らかにされず、読者は『魔性の子』は、十二国記シリーズの外伝ではないかなど、様々に想像していた。

戦国時代の日本と雁国が舞台の『東の海神 西の滄海』は、「今回は番外編という気分で書き始めた」と述べられている。『東の海神 西の滄海』の後日譚を描いた『漂舶』(ドラマCDの付録)は、表紙に「十二国記外伝」と表記されている。恭国が舞台で主要キャラクターに胎果・海客がいない『図南の翼』は「番外編」とされており、人気作であるがアニメ化されなかった。

文庫の初出版年順の作品一覧[編集]

文庫未収録作品は、発表年によった。

  • 『魔性の子』(日本を舞台にしたホラー小説。新潮文庫)1991年
  • 『月の影 影の海』(登場国:巧、雁、慶)1992年
  • 『風の海 迷宮の岸』(麒麟の物語。登場国:黄海、戴)1993年
  • 『東の海神 西の滄海』(登場国:雁)1994年
  • 『風の万里 黎明の空』(登場国:慶、恭、芳、才)1994年
  • 『図南の翼』(登場国:黄海、恭、奏)1996年
  • 『漂舶』(『ドラマCD 東の海神 西の滄海』付録)(登場国:雁)1997年
  • 『黄昏の岸 曉の天(そら)』(登場国:黄海、慶、雁、戴、範、漣)2001年
  • 『華胥の幽夢』(かしょのゆめ、短編集)2001年
    • 「華胥」(登場国:才) (『メフィスト』2001年5月増刊号の掲載作品を改稿したもの)
    • 「冬栄」(登場国:戴、漣)(『IN★POCKET』2001年4月号の掲載作品を改稿したもの)
    • 「書簡」(登場国:慶、雁)(同人誌「中庭同盟」の掲載作品を改稿したもの)
    • 「帰山」(登場国:柳、奏)(同人誌「麒麟都市」の掲載作品を改稿したもの)
    • 「乗月」(登場国:芳、恭、慶)(同人誌「中庭同盟」の掲載作品「函丈」を改稿したもの)
      • なお、同人誌掲載作品については、短編集の後書きには同人誌に掲載されたことを記さず、「未定稿をもとにした書き下ろし」であるとされている。
  • 『丕緒の鳥』(ひしょのとり、短編集)2013年
    • 「丕緒の鳥」(登場国:慶)(『yom yom vol.6』 2008年2月27日発売、新潮社)
    • 「落照の獄」(らくしょうのごく、登場国:柳)(『yom yom vol.12』 2009年9月27日発売、新潮社)
    • 「青条の蘭」(せいじょうのらん、登場国:雁)(書き下ろし)
    • 「風信」(登場国:慶)(書き下ろし)

ホワイトハート版と講談社文庫版の違い[編集]

ストーリーに違いはない。両者の間にある違いは次の通りである。

  • イラストはホワイトハート版にのみ存在する。
  • 後書きは図南の翼までホワイトハート版にのみ存在する。
  • ホワイトハート版で仮名書きになっている言葉が講談社文庫版では漢字になっている。
  • 文字の組まれかたが違い、講談社文庫版の方がつまっている。
  • 地理や人物の設定に、微細な変更がある。

以上の違いがあるため、ホワイトハート版の方がページ数が若干多くなっており、『風の海 迷宮の岸』と『黄昏の岸 曉の天』ではホワイトハート版では上巻・下巻の2冊になっているが、講談社文庫版は1冊になっている。

作品内の時系列[編集]

時系列で並べ替えると以下の順になる(回想シーンなどを除く)。なお括弧内は初出刊行年。『月の影 影の海』を基準年とする。

  1. 『東の海神 西の滄海』(1994年)…約500年前
  2. 『漂舶』(1997年)…約400年前
  3. 『図南の翼』(1996年)…約90年前
  4. 『華胥』(2001年) - 理想を追いすぎた前采王の失道と禅譲。
  5. 『風の海 迷宮の岸』(1993年)…約5年前
  6. 『冬栄』(2001年) - 泰麒が漣国を訪問する。廉麟とは誼があった。
  7. 『月の影 影の海』(1992年)…基準年
  8. 『丕緒の鳥』(2008年)…陽子即位年
  9. 『書簡』(1993年) - 陽子と楽俊が、互いに背伸びした姿を伝え合う。
  10. 『風の万里 黎明の空』(1994年)…約1年後
  11. 『乗月』(1995年) - 芳で仮王として立つことを決意した月渓と、自身の罪を悔いる祥瓊。
  12. 『帰山』(1998年) - 諸国を旅している途中の尚隆と利広が傾きつつある柳で出会う。
  13. 『落照の獄』(2009年) - 『帰山』で語られる、荒れつつある柳国の様子が描かれる。
  14. 『黄昏の岸 曉の天』(2001年)および『魔性の子』(1991年)…約2年後

書籍情報[編集]

メディア・ミックス[編集]

テレビアニメ[編集]

NHKBS2衛星アニメ劇場枠内で、2002年4月9日から2003年8月30日にかけて放送された。原作そのままではなく、アニメオリジナルの部分もある。

当初は全39話とされ、2003年3月に第2シリーズ(第40話以降)の放送が発表されたが、第45話で終了となった。NHKの公式発表では、その理由として原作が未完であるためキャラクターを生き生きと描きづらいことなどが挙げられている。なお、脚色の會川昇が執筆し後に出版されたアニメ脚本集によれば、元々第2シリーズは「東の海神 西の滄海」に続いて、「図南の翼」、「黄昏の岸 暁の天」の構成で、原作未完の『黄昏の岸 暁の天』に何らかの決着を付けることでアニメ版十二国記の結末とする構想だった。

後に教育テレビ衛星ハイビジョンでも放送された。日本のみならず、韓国台湾中国アメリカなどでも放送されている。

BS2初回の放送期間は以下の通り。

タイトル 話数 放送期間 放送枠
月の影 影の海 一章 - 転章 (第1話 - 第14話) 2002年4月9日 - 7月16日 火曜 18:00枠
風の海 迷宮の岸 一章 - 転章 (第15話 - 第21話) 2002年9月3日 - 10月15日
書簡 (第22話) 2002年10月22日
風の万里 黎明の空 一章 - 終章 (第23話 - 第39話) 2002年10月29日 - 2003年3月11日
乗月 (第40話) 2003年7月5日 土曜 9:00枠
東の海神 西の滄海 一章 - 転章 (第41話 - 第45話) 2003年7月26日 - 8月30日

2002年7月23日から8月27日、2003年3月18日・25日は再放送、また2003年4月5日 - 6月28日まで「十二国記の世界」と題された全13回の総集編として再編集された特別番組が放送されている。また、同作品は2006年BS夏休みアニメ特選枠内にて一部放送した。2010年10月6日よりキッズステーションにて放送(CSは勿論、NHK以外の放送局で初の放送となる)。また、2012年8月2日からはNHKBSプレミアムにて全45話が再放送されている。

原作との相違[編集]

  • 内容は大筋で原作に準拠しているが、一部プロットの変更やオリジナルの設定・キャラクターも含まれている。最も目立つ変更点としては、陽子が十二国の世界に連れ去られる際、一人ではなく、人嫌いで気の強い杉本優香[15]と、杉本の彼氏で陽子の幼馴染である浅野郁也[16]という同級生と共に三人となっている。ファンタジー好きの杉本は、十二国こそ自分が求めていた世界だと思い込み、陽子と敵対するようになる。アニメ脚本集には、「原作とアニメの最も大きなストーリー上の相違点である『月の影 影の海』の冒頭部で十二国に渡って来る人数が1人でないことはもともと原作者が小説を発表する前の構想に由来するものである」とある。
  • 作品中に登場する漢字には金文が用いられている。
  • アニメ脚本集には、原作中では未設定であった人物、使令の名称や種族名などが設定されていることに対しては「原作に登場しない固有名詞は全て原作者に決めて貰っている」といった記述がある。このほかにも、「脚本作成時に『黄昏の岸 曉の天』が未刊であったため、そこで初めて明らかになった事柄については矛盾することになってしまったものもある」といった記述もある。
  • 第21話「風の海 迷宮の岸 転章」において、十二国の王と麒麟が紹介された(アニメ未登場者はシルエットで登場)。原作には今のところ登場していない舜極国の王は徇王(しゅんおう)、麒麟は徇麒(しゅんき)である。

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「十二幻夢曲」
作曲・編曲 - 梁邦彦
エンディングテーマ「月迷風影
作詞 - 北川恵子 / 作曲・編曲 - 吉良知彦 / 歌 - 有坂美香

各話リスト[編集]

話数 放送日 サブタイトル 脚色 絵コンテ 演出 作画監督
第一話 2002年
4月9日
月の影 影の海 一章 會川昇 小林常夫 田中比呂人
第二話 4月16日 二章 須間雅人 中村哲治 門上洋子
窪詔之
第三話 4月23日 三章 佐藤卓哉 大八木正勝 遠藤裕一
第四話 4月30日 四章 中村哲治 清水恵子
第五話 5月7日 五章 斎藤哲人 小原正和 つばたよしあき
遠藤裕一
第六話 5月21日 六章 吉川浩司 村上直紀
山沢実
第七話 5月28日 七章 佐藤真二 窪詔之
第八話 6月4日 八章 佐藤卓哉 大八木正勝 大竹紀子
斎藤寛
第九話 6月11日 九章 斎藤哲人 中村賢太朗 門上洋子、斎藤寛
山沢実
第十話 6月18日 十章 宮崎なぎさ 遠藤裕一
第十一話 6月25日 十一章 藤森雅也 熨斗谷充孝 窪詔之
第十二話 7月2日 十二章 木村哲 吉川浩司 村上直紀
山沢実
第十三話 7月9日 終章 須間雅人
田中比呂人
中村賢太郎
大八木正勝
大竹紀子
第十四話 7月16日 転章 須間雅人 門上洋子
第十五話 9月3日 風の海 迷宮の岸 一章 會川昇 佐藤真二 遠藤裕一
第十六話 9月10日 二章 斎藤哲人 中村賢太朗 窪詔之
第十七話 9月17日 三章 木村哲 吉川浩司 村上直紀
第十八話 9月24日 四章 よしざね桜
潮乱太
土屋浩幸 大竹紀子
齋藤寛
第十九話 10月1日 五章 佐藤卓哉 矢野篤 門上洋子
時矢義則
第二十話 10月8日 終章 宮崎なぎさ 遠藤裕一
第二十一話 10月15日 転章 須間雅人 田中比呂人
第二十二話 10月22日 書簡 會川昇 木村哲 中村賢太朗 窪詔之
第二十三話 10月29日 風の万里 黎明の空 一章 會川昇 佐藤真二
須間雅人
熨斗谷充孝 門上洋子、時矢義則
芝美奈子、齋藤寛
第二十四話 11月5日 二章 よしざね桜 杉山慶一 堀越久美子
村上直紀
第二十五話 11月12日 三章 木村哲 土屋浩幸 遠藤裕一
第二十六話 11月19日 四章 佐藤真二 小林理
津幡佳明
第二十七話 11月26日 五章 斎藤哲人
秋山勝仁
中村賢太朗 窪詔之
第二十八話 12月3日 六章 うえだしげる 遠藤裕一、時矢義則
芝美奈子、小林理
第二十九話 12月10日 七章 高岡淳一 武山遊山 堀越久美子
村上直紀
第三十話 12月17日 八章 斎藤哲人
秋山勝仁
熨斗谷充孝 窪詔之、津幡佳明
齋藤寛
第三十一話 2003年
1月7日
転章 須間雅人 今千秋 田中比呂人、清水恵子
楠本祐子
第三十二話 1月14日 九章 佐藤卓哉 土屋浩幸 小林理
第三十三話 1月21日 十章 うえだしげる 時矢義則
芝美奈子
第三十四話 1月28日 十一章 佐藤真二 遠藤裕一
第三十五話 2月4日 十二章 森脇真琴
斎藤哲人
吉川浩司 長谷川高志
第三十六話 2月18日 十三章 高岡淳一 土屋浩幸 門上洋子
楠本祐子
第三十七話 2月25日 十四章 斎藤哲人
高岡淳一
中村賢太朗 窪詔之
第三十八話 3月4日 十五章 うえだしげる 小林理
遠藤裕一
第三十九話 3月11日 終章 須間雅人 佐藤真二 田中比呂人
第四十話 7月5日 乗月 會川昇 佐藤真二 うえだしげる 遠藤裕一
第四十一話 7月26日 東の海神 西の滄海 一章 藤間晴夜 山崎浩司
高岡淳一
山崎浩司 窪詔之
第四十二話 8月2日 二章 斎藤哲人
佐藤真二
わたなべじゅんいち 村上直紀
内田シンヤ
第四十三話 8月16日 三章 中村賢太朗 小林理
第四十四話 8月23日 終章 高岡淳一 土屋浩幸 津幡佳明
門上洋子
第四十五話 8月30日 転章 佐藤真二 山崎浩司 田中比呂人

DVD[編集]

  • 月の影 影の海DVDBOX
    • 月の影 影の海1 (第1話、第2話)
    • 月の影 影の海2 (第3話、第4話)
    • 月の影 影の海3 (第5話 - 第7話)
    • 月の影 影の海4 (第8話 - 第10話)
    • 月の影 影の海5 (第11話 - 第13話)
    • 月の影 影の海総集編 「十二国記の世界 月の影 影の海編」
  • 風の海 迷宮の岸DVDBOX
    • 風の海 迷宮の岸1 (第15話 - 第17話)
    • 風の海 迷宮の岸2 (第18話 - 第20話)
    • 東の海神 西の滄海1 (第40話 - 第42話)
    • 東の海神 西の滄海2 (第43話 - 第45話)
    • 転章 (第14話、第21話)
    • 風の海 迷宮の岸総集編 「十二国記の世界 風の海 迷宮の岸編」
  • 風の万里 黎明の空DVDBOX
    • 風の万里 黎明の空1 (第22話 - 第24話)
    • 風の万里 黎明の空2 (第25話 - 第27話)
    • 風の万里 黎明の空3 (第28話 - 第30話)
    • 風の万里 黎明の空4 (第31話 - 第33話)
    • 風の万里 黎明の空5 (第34話 - 第36話)
    • 風の万里 黎明の空6 (第37話 - 第39話)
    • 風の万里 黎明の空総集編 「十二国記の世界 風の万里 黎明の空編」

Blu-ray[編集]

2009年9月26日より順次発売開始されている。特典として、新作ミニドラマCDなどが封入されている。

  • 月の影 影の海Blu-ray BOX
  • 風の海 迷宮の岸Blu-ray BOX
  • 風の万里 黎明の空Blu-ray BOX
  • 東の海神 西の滄海Blu-ray BOX(2010年6月23日の発売予定であったが、制作上の都合により2010年9月23日となった)

アニメ関連本[編集]

アニメKC[編集]
  1. 月の影 影の海 一章 - 三章 (2002年8月2日、講談社) ISBN 4-06-310156-8
  2. 月の影 影の海 四章 - 五章 (2002年9月5日、講談社) ISBN 4-06-310157-6
  3. 月の影 影の海 六章 - 七章 (2002年10月5日、講談社) ISBN 4-06-310158-4
  4. 月の影 影の海 八章 - 九章 (2002年11月13日、講談社) ISBN 4-06-310159-2
  5. 月の影 影の海 十章 - 十一章 (2002年12月25日、講談社) ISBN 4-06-310160-6
  6. 月の影 影の海 十二章 - 終章 (2003年2月5日、講談社) ISBN 4-06-310161-4
  7. 風の海 迷宮の岸 一章 - 二章 (2003年5月2日、講談社) ISBN 4-06-310162-2
  8. 風の海 迷宮の岸 三章 - 四章 (2003年6月5日、講談社) ISBN 4-06-310163-0
  9. 風の海 迷宮の岸 五章 - 終章 (2003年7月11日、講談社) ISBN 4-06-310182-7
  10. 書簡 / 風の万里 黎明の空 一章 - 二章 (2003年11月21日、講談社) ISBN 4-06-310183-5
  11. 風の万里 黎明の空 三章 - 五章 (2004年1月23日、講談社) ISBN 4-06-310184-3
  12. 風の万里 黎明の空 六章 - 八章 (2004年3月17日、講談社) ISBN 4-06-310185-1
  13. 風の万里 黎明の空 転章 - 十章 (2004年5月21日、講談社) ISBN 4-06-310186-X
  14. 風の万里 黎明の空 十一章 - 十三章 (2004年7月23日、講談社) ISBN 4-06-310190-8
  15. 風の万里 黎明の空 十四章 - 終章 (2004年10月13日、講談社) ISBN 4-06-310191-6

十二国記公式アニメガイド KCデラックス(2004年10月13日、講談社) ISBN 4-06-334923-3

アニメ脚本集[編集]
  1. 月の影 影の海 一章 - 七章 (2002年8月2日、講談社) ISBN 4-06-255625-1
  2. 月の影 影の海 八章 - 終章 (2002年9月5日、講談社) ISBN 4-06-255629-4
  3. 風の海 迷宮の岸 / 書簡 (2003年9月5日、講談社) ISBN 4-06-255694-4
  4. 風の万里 黎明の空 一章 - 転章(2004年1月5日、講談社) ISBN 4-06-255703-7
  5. 風の万里 黎明の空 九章 - 終章 / 乗月 (2004年3月5日、講談社) ISBN 4-06-255717-7

CDドラマ[編集]

講談社X文庫CDブック『東の海神 西の滄海』(1997年6月17日、講談社) ISBN 4-06-267801-2
付属ブックレットに書下し小説『漂舶』を収録している。
『魔性の子』ドラマアルバム(1997年6月25日、マーキュリー・ミュージックエンタテインメント)
十二国記夢三章(ビクターエンタテインメント、2003年2月21日)
オープニング、エンディングと「第一章八麒麟」、「第二章姉妹王」、「第三章地に獣」からなり、アニメ版キャストが出演する。

音楽CD[編集]

  • 月迷風影有坂美香、2002年5月22日、ビクターエンタテインメント)
  • 十二幻夢組曲(2002年7月24日、ビクターエンタテインメント)
  • 十二幻夢絵巻(2002年10月23日、ビクターエンタテインメント)
  • 蓬山遠景 胡弓 Memories(2003年6月21日、ビクターエンタテインメント)
  • 夜想月雫 Piano Memories(2003年6月21日、ビクターエンタテインメント)

ゲーム[編集]

PS2版ゲーム2作が発売されている。いずれも制作コナミコンピュータエンタテインメントジャパン、発売元コナミ

PC版オンラインゲームが1作発売されていた。発売元はアスミック・エース エンタテインメント

  • 「十二国記オンライン」(2003年6月24日発売 2005年2月24日サービス終了)

演劇[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 石堂藍『ファンタジー・ブックガイド』 国書刊行会、2003年
  2. ^ a b c d e 担当編集者が語る「十二国記」の魅力 | 新潮文庫メール アーカイブス 2012年08月10日 新潮社
  3. ^ a b c d e f Fuyumi Ono, Author of The Twelve Kingdoms Mar 18th 2007 Anime News Network
  4. ^ a b c d 石堂藍「挑戦するファンタジー」『幻想文学58 特集 女性ファンタジスト2000』、幻想文学企画室 編集、アトリエOCTA、2000年
  5. ^ a b 朝宮運河 累計780万部突破! 脅威のファンタジーシリーズ「十二国記」の魅力 2012.8.7 ダ・ヴィンチニュース
  6. ^ a b 「ダ・ヴィンチ」2012年9月号「特集 小野不由美」
  7. ^ 以下「ホワイトハート版」と略す
  8. ^ 「十二国記」新潮社公式サイト「新作についてお知らせです。」 2014年12月閲覧
  9. ^ 「十二国記」新潮社公式サイト「2016年へ─。」 2015年12月閲覧
  10. ^ 1994年に出版された『東の海神 西の滄海』の後書き。
  11. ^ 「ダ・ヴィンチ」2003年7月号の著者インタビュー。
  12. ^ この夢は水禺刀が未来の主である陽子に送った警告だったとされる。
  13. ^ アニメ版では壁落人との会話でこのやり取りが出た。
  14. ^ 天網では伯(人が出世だけで就ける位としては上から2番目)以上の位の官職は王の近親者、冢宰、三公諸侯に限る、と定められている。
  15. ^ 原作では十二国の世界には来ない。現実世界で少しだけ登場する。
  16. ^ アニメオリジナルのキャラクター
  17. ^ 第40話のみ「小林常夫、栗原ひばり」の2名でクレジットされた。
  18. ^ 第1話から第4話のクレジットは「クリーチャーデザイン」。

関連項目[編集]

  • 田中芳樹銀河英雄伝説
    • 『十二国記』の構想のきっかけとなった作品。1998年発行の『銀河英雄伝説9 回天篇』徳間文庫での小野不由美の解説による。
  • 都筑道夫『なめくじ長屋』シリーズ
    • 『十二国記』における独特の漢字の使い方やルビの振り方はこの作品の影響である。ホワイトハート版『風の万里 黎明の空』の後書きによる。

外部リンク[編集]